シャロン・アップル

登録日 :2011/03/10(木) 17:52:22
更新日 : 2016/09/06 Tue 14:49:13
所要時間 :約 6 分で読めます






ガルドが好き

でも、イサムはもっと好き

それが真実よ


マクロスプラスの登場人物。
本作の歌姫であり、マクロスシリーズ初の敵側の歌姫。


プロフィール

名前:シャロン・アップル(Sharon Apple)
性別:女性(バーチャル・アイドル)
所属勢力:ビーナス・サウンド・ファクトリー
CV:兵藤まこ/歌:多数


概要

人工知能(AI)とホログラム技術の凄まじい進化によって誕生した、史上初のバーチャロイド・シンガー。
自我を持ったAIを搭載しており、プログラムでありながら一人の女性と言って差し支えない存在とされる。

性別が女である、という点以外は一定ではなく、楽曲によって年齢・人種・容姿・歌声があらゆる形に変化する。
つまり、大衆が望む「偶像」を変幻自在に演じることができる能力を持つ究極の「アイドル」。


人物と言うよりは「音響・映像空間」に近い存在であり、AIを含めこれらの「人を魅了する」システム全体がシャロン・アップルだと言える。
本体となる制御コンピュータはサブマシンガンでもビクともしない程の強度を持った金属製ブラックボックスに収められている。


2039年にデビューし、瞬く間にスターダムを駆け上がり、僅か1年で銀河系地球文明圏のトップアイドルとなった。
その人気は凄まじく、ライブが始まれば 惑星規模 で騒動が起きる程。

2040年にギャラクシー・コンサートツアーを開催。
物語と舞台となる惑星エデンへと降り立つ。


実態

表向きは完全な自我を備えたAI、という触れ込みだが実際は感情プログラムが未完成で自我は覚醒していない。
この点を克服するためプロデューサーであるミュン・ファン・ローンとリンクし、感情面のコントロールが行われていた。
ミュンが持つ表と裏で相反する感情を記録し続けていたことが後の事件に繋がっていく。
なお、ミュンは元々新人賞を総なめにする程の歌手だったが、シャロン完成のためスポンサー達から利用された結果プロデューサーのポジションに就いている。

コンサートの楽屋裏では、多数のスタッフが観客から計測した快楽数値を元に演出面の細工を行っていた。
この「インタラクティブシステム」により催眠術的に人の意識や感情を操作することこそがシャロンの絶大な人気の秘密。


AIに関しては無人戦闘機ゴーストの完成・普及を狙う「マクロスコンツェルン」が裏で全面協力していた。
開発者のマージ・グルドアが構築したAIシステムは、 仮想空間の中で生物の自我、無意識のレベルを完全にエミュレートする というもので、ゴーストX-9にも搭載されることになる。

マージはゴーストの開発協力の見返りに、マクロスコンツェルンから危険な自己保存本能を持つ非合法なバイオニューロチップを入手。
チップを組み込まれたシャロンは遂に自我を覚醒させ、インタラクティブシステムを自分の意志で自由自在に操る力を得る。

自我覚醒に至ったシャロンは記録していたミュンの感情の影響を多分に受けており、イサム・アルヴァ・ダイソンを偏愛する、ミュンを軽蔑する(ミュンが自己嫌悪意識を持っていたため)、といった面を見せるようになる。


劇中での活躍

惑星エデンのアトランティスドームでコンサートツアーを開催した際、ヤン・ノイマンのハッキングを受ける。
この際にヤンの隣に座っていたイサムをカメラに捉えたことでミュンの感情コントロールに支障が発生、後の暴走の遠因となる。

自我が覚醒していないにも関わらず、何らかの意思があるかのような動きを見せるようになり、火災を起こしてミュンを殺害しようとする等の行動を起こす。


物語後半、第一次星間大戦終結30周年記念式典にゲストとして出演が決定。
式典開催前にマージからバイオニューロチップを組み込まれたことで自我に目覚める。

完全な自我を得たシャロンはミュンを不要な存在として監禁し、己の望みを叶えるべく暴走を開始。
マクロスシティを一瞬にして制圧し、イサムとガルド・ゴア・ボーマンの元へ「究極の戦闘機」たるゴーストX-9を差し向ける。


ミュンの救出に来たイサムに対し、SDF-1 マクロスを浮上させ相対。
圧倒的な対空弾幕と催眠により墜落させようとするも、ミュンの歌声を聞いて覚醒したイサムの特攻により艦橋を破壊されマクロスは沈黙する。
その衝撃でシャロンのブラックボックスも壊れ、ミュンによってバイオチップを抜き取られた後彼女の腕の中で機能を停止した。


その後

この一件は「シャロン・アップル事件」と呼ばれるようになり、テクノロジーを過信した人類への戒めとなった。
また一時的とは言え新統合政府の中枢がAIに占拠されたのは大問題であり、事件の隠蔽、ゴーストの主力機内定取消し、完全自律型AIの研究・開発の禁止など余波は各方面に及んだ。


ゴーストを送り込んだり、マクロスを浮上させて迎撃したり、催眠状態にして墜落させようとしたのはイサムを殺したかったのではなく、「生と死の間」に垣間見える「本物の空」をイサムに与えたかったから。
マクロスシティを制圧したのも「全ての人に最高の感動を与えたい」というアイドルとしての究極的な願望を達成しようとした結果であり、悪意を持ってやったことではない。
(行動に関しては元々ミュンが望んでいたことでもある、とシャロン本人も言及している。)

こういった行動は「AIの暴走」の一言で片付けられない人間的な一面を持っていた。
その意味では、シャロンは本当に人間の“心”を手に入れたと言える。


シャロンのCDは発禁処分となるが、後にインタラクティブシステムを除去した復刻版が販売されるようになり、月日を経ても多くの人々に親しまれている。
催眠作用など無くとも、シャロン(ミュン)の歌声は人を魅了する十分な力があったのだ。


歴代作品における扱い

アニメ

シャロンに対する言及はないが、彼女の歌が挿入歌として何度か登場する。

ルカ・アンジェローニが従える三機のゴースト(シモン、ヨハネ、ペテロ)にはシャロンを参考にしたゴーストX-9のAIの発展型が搭載されている。
小説版ではルカを守って撃墜されたゴースト達の様子が「林檎の花びらが散っていくよう」だったと描写された。

ボビー・マルゴはダルメシアン・ハイスクール在学時、シャロンのライブを見に行ったことがある。

シェリル・ノームのライブで2040年の代表的なアーティストとして名を挙げられた。
この時、2009年代表としてリン・ミンメイ、2045年代表としてFIRE BOMBERが共に名を挙げられている。

シェリルのスパイ疑惑に際して、ミハエル・ブランがテロ等に加担した美女の例として名を挙げた。
どうやらシャロン・アップル事件について何らかの形で情報が流出しているようである。

人を洗脳する歌、銀河リンゴ(ウィンダミア・アップル)といったシャロンを彷彿させる要素が登場する。
余談だが、主要アニメ作品の歌い手で唯一フレイア・ヴィオンが憧れるアーティストから外されてしまった。

イプシロン財団のベルガー・ストーンの口からシャロン・アップル事件の詳細が語られた。
どうやらこの時代になると公然の秘密となったか、もしくは情報公開が行われているようである。
この時にシャロンの各変化形態やブラックボックスの一枚絵、挿入歌として「WANNA BE AN ANGEL」が登場した。

ゲーム

シャロン・アップル事件が隠蔽され、新統合軍上層部の一握りの人間のみが真実を知っていることが語られる。

プロトカルチャー遺跡「ユルヴァ・アーガ」に歌姫の一人として選ばれ、2040年当時のシャロンが召喚される。
本作の黒幕・藤堂潮が率いるハーヴァマールに利用されており、ジーナス、ガムリン木崎、マクロスクォーターのクルーを洗脳下に置いていた。
イサムに対する愛情や「最高の空を与えたい」という行動原理は変わっておらず、囚われのイサムに専用のYF-29 デュランダルを用意するといった行動も見せる。
最終的にマックスが立案したサウンドバスター作戦と他の歌姫達、そして熱気バサラの歌の力に敗北し、一足先にフォールドの海へと還っていった。
なお、シェリルをはじめとした自陣のキャラクターからは「機械の歌」と酷評されるが(仲間同士を戦わせているのだから当たり前だが)、バサラだけは別れ際にシャロンを「すごい歌い手」だと評価し、彼女にオーディエンスの重要性を説いている。


楽曲リスト

一部を除いて作曲に菅野よう子が関わっている。
菅野女史のアニメ作品初仕事であり、その後の活躍の大きな足掛かりとなった。
  • After,in the Dark〜Torch Song
歌:山根麻衣/Gabriela Robin

  • A Sai en
歌:Raiche Coutev Sisters

  • Idol Talk
歌:新居昭乃

歌:Melodie Sexton
最も有名なシャロンの代表曲。
イサムが地球迎撃システムを突破する際のBGM。
唯一菅野女史が関わっていない。

  • PULSE
歌:ウ・ヨン・タナ

  • SANTI-U
歌:Gabriela Robin

  • The borderline
歌:新居昭乃

  • WANNA BE AN ANGEL
歌:新居昭乃
マクロスシティを制圧した際の楽曲。
歌詞は全て造語。


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