レスキューキャット

登録日:2011/01/29(土) 14:39:39
更新日:2023/12/03 Sun 19:30:30
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にゃあ


私は3つの絶望で出来ている。


たった一枚のカードから「氷結界の龍 ブリューナク」「ゴヨウ・ガーディアン」が出てくる絶望。

「大寒波」の中で「ダーク・ダイブ・ボンバー」と「アーカナイト・マジシャン」が容赦なく飛んでくる絶望。

そして、「氷結界の龍 トリシューラ」がいとも容易く出てくる絶望だ。











レスキューキャット (禁止カード)
効果モンスター
星4/地属性/獣族/攻 300/守 100
自分フィールド上に存在するこのカードを墓地に送ることで、デッキから☆3以下の獣族モンスター2体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、そのターンのエンドフェイズに破壊される。


遊戯王OCGに登場するモンスターカード。
ぱっちりした目とヘルメットを被った可愛らしいぬこのイラストが目を惹くカードである。

初登場は2004年11月発売の「FLAMING ETERNITY」と中々古い。

登場当初は光と闇属性モンスターだけが生き残れるカオス全盛期でもあり、そもそもメインデッキに投入できる☆3以下の獣族に強力なモンスターがほとんどなかったため、あまり注目されなかった。
それでも2体リクルート効果自体は優秀なため、獣族としては優良サポートとして主に使われた。
当時の☆3最大攻撃力の「デスウォンバット」、破壊する前にエンドフェイズに手札に戻して手札コストの水増しにする「邪悪なるワームビースト」…辺りが候補だった。
もちろん専用デッキなら純粋な強力リクルートカードとして活躍もできる。

専用デッキの使用例

  • 【おジャマ】で、おジャマモンスターをフィールドにサーチして、「おジャマ・キング」の融合召喚や「おジャマ・デルタハリケーン」の発動の補助に使う
  • 【宝玉獣】で、「宝玉獣 アメジスト・キャット」をデッキから持ってくる。効果で破壊された後は、アメジスト・キャットの効果でフィールドに残って宝玉獣効果による参照効果の水増しに使う。
  • 【バブーン】で、あえて効果で獣族モンスターを破壊することで「森の番人 グリーン・バブーン」の特殊召喚のトリガーにする


などなど、相性のいいカードがあるデッキにおいては、デッキを回転させるのに優秀な働きをしていた。


そうして燻し銀な愛くるしい活躍をしていたある日、このカードの運命は突然、大きく加速する。





☆3、「N・ブラック・パンサー」に、


☆3、「X-セイバー エアベルン」をチューニング!


シンクロ召喚!




そう、「シンクロ召喚」の登場である。


シンクロ召喚とは、「チューナーモンスター」と「チューナー以外のモンスター」がフィールドにあるとき、それらのモンスターを墓地に送って、送ったモンスターの☆の合計と同じ☆を持つ「シンクロモンスター」をエクストラデッキから特殊召喚するシステムである。


さて、ここで「レスキューキャット」の効果を思い出していただきたい。
そして想像していただきたい。

もし、☆3以下の獣族のチューナーモンスターと、☆6以下の強力なシンクロモンスターが存在するなら……

奇しくも、それはシンクロ召喚と共に登場した。

「X-セイバー エアベルン」という、☆3、獣族のチューナー。

「氷結界の龍 ブリューナク」という、☆6の強力なシンクロモンスター。


これらのカードを得たレスキューキャットは、まさに「水を得た魚」ならぬ「魚を得た猫」のごとく暴れまわり、
【猫シンクロ】というデッキが環境の中心で闘うようになった。


猫シンクロの歴史

  • 2008/03/01〜09/01
折しも遊戯王は「ダーク・アームド・ドラゴン」や「ライトロード」、「剣闘獣ガイザレス」などの登場により、モンスター効果による除去で勝つのが主流であった。
それはシンクロ召喚も例外ではない。レスキューキャット一枚でシンクロ召喚から除去に繋げられる強力な制圧力のために、シンクロ召喚は瞬く間に環境を変えた。さらにこれ一枚でATK2800の「ゴヨウ・ガーディアン」が出せることでそれ未満の攻撃力を持つ切り札モンスターの多くを環境から消した。
なお、ブリューナクとゴヨウの凶悪さについては当該ページ参照。

召喚僧サモンプリースト」を使ってレスキューキャットを持ってきてシンクロに繋げる戦術が流行し、また、サモンプリーストが闇属性でありレスキューキャットから持ってくるチューナー以外のモンスターを闇属性にできることから、「シンクロ召喚」と「ダーク・アームド・ドラゴン」と併用する【ダムドビート】が選考会などで結果を残した。

  • 2008/09/01〜2009/03/01
シンクロ召喚を促すリクルート効果の危険性はコナミにもようやく認知され、レスキューキャット、召喚僧サモンプリーストは準制限カードに指定された。
代わりに「ゾンビキャリア」というアンデット族のチューナーと、アンデット族の豊富な蘇生補助を利用した【シンクロアンデット】が流行。制限によって力不足になった【猫シンクロ】はやや衰退する。
しかし、この環境の間にも、「ナチュル・ビースト」「アーカナイト・マジシャン」、そして待望の強力☆7シンクロ「ダーク・ダイブ・ボンバー」という強力な相棒を手に入れ、水面下で猫シンクロはより強力となっていた。


  • 2009/03/01〜09/01
【シンクロアンデット】はキーパーツの大部分が規制を受け弱体化。再び【猫シンクロ】が活躍する。
使う余地がありながら大したモンスターがいなかった☆7シンクロにも強力なシンクロモンスターが登場したことにより、
サモンプリーストからサモンプリーストを呼び出し、そこからレスキューキャットを通じて呼び出したエアベルンとサモンプリースト自身でシンクロする「サモサモキャットベルンベルン」という戦術がとれるようになったことが大きい。
なお、このデッキの中心となった「ダーク・ダイブ・ボンバー」の凶悪さは当該ページ参照。

  • 2009/09/01〜2010/03/01
ついに、レスキューキャット、召喚僧サモンプリースト共に制限カードに。
DDBの禁止カード化などもあり、レスキューキャットを中心としたデッキは構築できなくなる。
「魔轟神獣ケルベラル」というエアベルン以外の獣族チューナーの登場により、魔轟神のサポートとして猫が採用されはしたものの、【猫シンクロ】の時代はこれで一応の終わりを迎えた。












奴らが現れるまでは。


  • 2010/03/01〜09/01
最強のシンクロモンスターとの呼び声も多い、「氷結界の龍 トリシューラ」が登場。
例によって、凶悪さは当該ページ参照。

実はこいつ、サモンプリーストからレスキューキャット、レスキューキャットからエアベルンと☆2の獣族モンスターを呼び出すだけで簡単にシンクロできるのである。
これらのカードを、シンクロ召喚に優秀な植物族モンスターと共に採用し、トリシューラを安定してシンクロできる【植物猫】が登場し、猫は最後の輝きを見せた。
また海外ではトリシューラの代わりに「XX-Saber Darksoul」が登場。
フィールドから墓地送りになったターンエンド時にX−セイバーを何でもサーチという狂った性能で、しかも☆3獣族。
どう考えても「猫から出せ!」というカードである。
Darksoulの登場で海外環境は完全にX−セイバー1強。
海外は猫によって阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。 

  • 2010/09/01〜
そして、過剰展開カードの例に漏れずレスキューキャットは禁止カードとなった。



始まりは、一枚の優秀で、愛くるしいカードだった。

彼は、シンクロ召喚によって覚醒し、
シンクロ召喚と共に進化し続けた。
シンクロ召喚の恐ろしさと楽しさを決闘者に伝えながら、
シンクロ召喚が導く遊戯王OCGの中で、二年半の年月を駆け抜けた。



そして3月から、遊戯王に「エクシーズ召喚」という新たなシステムが登場した。そして7月には第二の猫ことレスキューラビットが現れた。
いずれシンクロ召喚も過去の遺物となるかもしれない。


だが、レスキューキャットという、遊戯王の一つの時代を彩ったカードは、いつまでも決闘者の心に残り続けるだろう。

現在こいつを使う場合、禁止後に増えたカードによりランク1~5エクシーズからレベル8シンクロまでを1枚でこなしフィールドが埋まるまでこいつを使い回す事も可能である。
エクシーズ召喚はもとより、このカードからリクルートでき、かつ蘇生効果をもつ『森の聖獣 ユニフォリア』や『ゼンマイネズミ』とのコンボで1枚からワンキルが可能。
現在のカードデザインはこいつがいない事を前提にされてる面があり復帰はかなり厳しいと思われる。




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にゃあ

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最終更新:2023年12月03日 19:30