接射

登録日:2012/02/27 Mon 00:05:39
更新日:2022/06/08 Wed 04:08:47
所要時間:約 5 分で読めます





接射とは、「銃口を人体(素肌)に(ほぼ)密着させての射撃」のことである。
その状態で発生する銃創を指す「接射創」から派生した言葉である。


(0M0)<この距離ならバリアは張れないな!

的な状態を指す言葉として扱う。

「ゼロ距離射撃」と呼ばれるものは、正しくはこの『接射』である…
というデマが一時期広まっていたが、「どちらが正しい」という訳ではない。
この手の単語の「正しさ」はいわゆる軍事関連の資料に載っていればなんでも正しい的な扱いをされており、
誰が書いたとか、認識を共有していたのかといった部分はまったく考慮されていないため。
そして接射は前述したように接射創の資料で使われた(だけの)単語である。
似たような例に「陣地変換」「陣地転換」「同軸」「水平射撃」などがあり、
いずれも各々の正しさの根拠の押し付け合いで余計な混乱の生じている不憫な単語だったりする。


誤解されたゼロ距離射撃についてだが、「榴散弾を発射直後に起爆させる射法」として使用されていた例がある。
だが、これは第二次大戦以前の話であって現在では榴散弾が使用されなくなったため死語と化している。
余談ながら、フィクションでは昔から近接距離の事を「ゼロ距離」と呼ぶケースがあり、どれも完全に間違いとは言えないのである。



さてさて、まず現実で接射をするとどうなるか、について話をしよう(グロ注意)。

銃口からは、実は銃弾以外にもいろんなものが発射されている。衝撃波とか、熱風とか、火薬の燃えそこないとか。

銃弾以外は銃口から出た直後、空気抵抗で霧散してしまうのだが、
接射をするとそうした銃弾以外のもろもろが相手に届くのだ。
熱線によるやけど、衝撃波による挫滅、火薬の侵入による入れ墨状態などが特徴。

よくよく調べればどんな感じに押し付けられていたかもよくわかるので、犯罪捜査で非常に重要。

ちなみに、ひざとか頭部とか、皮膚のすぐ下に骨がある場所を接射すると、
銃弾以外のもろもろが骨を貫通できずに皮膚を広範囲に傷つけて星形になる。


拳銃ですら50mも射程があるのに宝の持ち腐れじゃないか、
と思うところだが、現実だと結構出番があり、

捕虜の後頭部に銃を押し付けてズドン、とか、

口論の最中にカッとなってズドン、とか、

世の中が嫌になってこめかみに向けてズドン、とか、


しかし相手がCQCの名人だったりすると、すかさず銃を奪われて形成逆転、なんてことが現実にありえる。
なのでフィクションでよくある感じに、背中や胸に銃を押し付けて脅かす、なんてのはやめた方がいい。

それに自動拳銃だと、スライドが後退して動作不良を起こす。これもやめた方がいい。

ちなみに、相手が人体以外だった場合、例えば戦車同士とかで接射をしてしまうと、
砲弾の破片や衝撃波で自分までダメージを受ける。やっぱりやめた方がいい。
うっかり跳弾するとえらいことだしね。


現実の接射は大体、無力化済みの相手にとどめか、戦意のない相手に咄嗟の不意打ちか、出会いがしらおたがいパニック状態か、
そういう特殊な事情があるのだが、フィクションだと真っ当な戦術として、結構あちこちで使われている。

例えば、通常の射撃では傷一つつかないくらい硬い敵に、至近距離から接射することで大ダメージを与えたりとか、
銃弾を避けるほど高機動の相手に追い詰められ、一瞬の隙をついての接射で形勢逆転とか、



なんとも熱くロマンじゃないか。


そのため、フィクションでの銃火器を武器にするキャラクターには、必殺技や最後の手段として接射を用いる者も少なくない。

狙った場所に直接銃口を押し付けるため、当たり前のように銃弾をヒョイヒョイ避ける創作界だろうと狙いを外さないのも大きな利点だろう。

なお、信管その他に詳しく無い創作者が多いので前述の榴弾にミサイルやバズーカ、グレネード系でも普通にやらかす。
徹甲弾にしてもお前は跳弾が怖くないのかと思ってしまう。



【接射を行ったキャラクター・ロボット】

【余談】
接射ってなんとなくエロい響きだが、そんな意味はない。

ガンダムvsシリーズでも古くから同名のテクニックが用いられており、シリーズを語る上で欠かせないものとなっている。
連邦vsジオン~エゥーゴvsティターンズでは、ステップで射撃の誘導を切ることはできたが銃口補正は切ることができなかったため、接射=必中攻撃ということを意味していた
着地取りと並ぶ攻撃を確定させられる手段であり、これを軸とした研究や読み合いが今日まで続くvsシリーズの根幹を作り上げたと言っても過言ではない。
連合vsザフト以降ではステップで銃口補正も切れるようになったため、ここを境に必中攻撃ではなくなり以前ほど強力なテクニックではなくなってしまった。
しかし、軸合わせという概念を組み合わせることで依然として回避の難しい攻撃を行うことは可能であり、作品によっては猛威を振るうこともある。

FPS・TPSにおいて、スナイパーライフル類の狙撃武器をスコープを覗かずに接射する事を「竹槍」という。

特にアクションゲームやシューティングゲームでは一度に画面内に出せる飛び道具の数が決まっていることが多く、
敵のダメージを受けた際の無敵時間が長くない場合には接射は危険と隣り合わせだがダメージ効率を大きく高める有効なテクニックになる。
フロントミッション ガンハザード」のアッパーバルカンが代表例。

名探偵コナンのエピソード『小五郎の同窓会殺人事件』では拳銃自殺らしき遺体が発見されたが、接射によるやけどの跡がないことからそうでないということが事件のカギとなった。




ふっ、いくら新項目の建ったアニヲタwikiと言えど、この至近距離からの追記・修正ならばひとたまりも…なにぃっ!?まさか…!?

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最終更新:2022年06月08日 04:08

*1 敵の至近距離で引き金を引くと頭や背中に接射する演出がなされる