超星艦隊セイザーX

登録日:2011/05/11 Wed 02:36:58
更新日:2024/04/08 Mon 01:00:29
所要時間:約 7 分で読めます





過去」と「現在」と「未来」を繋ぐ


壮大な物語が幕を開ける!


『超星艦隊セイザーX』とは、2005年10月から2006年6月にかけてテレビ東京系にて放送された東宝制作の特撮ドラマ。
コナミがスポンサーを務めた『超星神シリーズ』第3弾。


【概要】

本作は前2作より1クール短い全38話となっているが、これは打ち切りではなく、シリーズ第4弾として企画されていた『超星騎士ライフセイザー(仮)』の7月放送を見越してのものであり、テレビ東京に無理を言って編成を変えて貰った結果だという。
また、放送開始日がお正月から3か月前というタイミングではマーチャンダイジングとしては不利であるという判断から、採算を合わせる為に放送時期を早くする必要があったという背景も後年になって明かされている。

前2作は操縦するロボットの名称をタイトルに冠していたが、本作は操縦するロボットの「流星神」をタイトルに冠していない。
統括プロデューサーの釜秀樹氏はこれについて、新規の客層を取り込むためにタイトルからもテイストを変えていく意識があり、強い言葉でフックを作りたいという狙いで『超星艦隊』と付けたと証言している。
そしてヒーロー名の『セイザーX』は特技監督の川北紘一の鶴の一声により命名され、釜氏の希望に一致したことにより採用された。

こうして始まった本作は残念ながら超星神シリーズの最終作となってしまったものの、図らずも有終の美を飾るに相応しい作品に仕上がっている。

●スタッフ

プロデューサーは前述の釜氏(東宝)に加え、 山川典夫氏(テレビ東京)、渡辺和哉氏(読売広告社)、船田晃氏(ゼネラル・エンタテイメント、以下GE)の4名が前作『幻星神ジャスティライザー』から続投し、釜氏が企画面の統括を担当。

シリーズ構成は『YAT安心!宇宙旅行』を手掛けた林民夫がGEからの指名で起用された。
シリーズのメインデザイナーである西川伸司氏は同作の原案者でもあり、林氏との意外な再会に驚いたという。
設定の齟齬やエピソード間の矛盾の防止策として、サブライターの担当回においても林氏の了承の下、GEがプロットを監修するという体制がとられていた。

監督陣は平成モスラ3部作の米田興弘や、後に『ウルトラマンタイガ』を手掛ける市野龍一、演出家としてはシリーズ唯一の皆勤賞となった池田敏春*1スーパー戦隊シリーズにも参加経験がある舞原賢三の4名がメガホンを取った。

その他のスタッフも川北特技監督やアクション監督の松井哲也、本編撮影担当の菊池亘カメラマンなどは概ね前作から続投しているが、前作まで助監督を務めていた近藤孔明氏*2はプロデューサーの方針により、スケジュール担当というクレジットに変わっている。これはロケハンなどの準備やキャストの所属事務所と調整して掛け持ちを回避するのが主な仕事であり、一般ドラマでよく使われるシステムである。

劇伴音楽は後に『侍戦隊シンケンジャー』や『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』、『仮面ライダーガッチャード』などを手掛ける高木洋が担当。
ロックテイストだった前2作から一転して、オーケストラを主体とした楽曲編成でストーリーを大いに盛り上げた。


【ストーリー】

始まりは現代

西暦2005年、集める事でどんな願いを叶える事も出来る宝「コスモカプセル」を宇宙海賊が手に入れた事から始まった。



500年後の未来

宇宙は宇宙海賊に支配され、海賊達の子孫〈ネオデスカル〉による暗黒の時代となっていた。

悪道を繰り返すネオデスカルにシャーク隊長率いる反乱軍は抵抗するも絶大な力を持つ海賊の前には無力であった。

絶望的な戦いの中、反乱軍は逆転を賭け一つの作戦を決断する。

それは、500年前の地球へとタイムスリップし宇宙海賊のコスモカプセル入手を阻止するという物だった。


再び現代

2005年。
主人公・安藤拓人はF1レーサーになる夢を叶えるため、日夜アルバイトに勤しんでいた。

そんなある日、地球に襲来した宇宙海賊を目撃。

祖父から宇宙海賊の事を聞かされていた拓人は宇宙海賊を追跡する。
追跡の末、拓人は未来からやってきた反乱軍の戦士〈セイザーX〉と遭遇。

祖父がかつて交わした約束から拓人はセイザーXの一員として戦う使命を課せられるのだった。


宇宙の未来を賭けたコスモカプセルの争奪戦が始まる。


●内容

超星神シリーズの例に漏れず、本作は1クール毎にシリーズ化されている。

  • 第1部
セイザーXと宇宙海賊がコスモカプセルを巡って激突!


  • 第2部
ネオデスカルの刺客が現代に侵入していた!
セイザーXに絶体絶命の危機が訪れる。

  • 第3部
ネオデスカル本隊が来訪。

最終決戦が近づく。

●シリーズ間の繋がり

シリーズの一体感を持たせる一貫として、『超星神グランセイザー』に登場したギグファイターやガダル星人、『幻星神ジャスティライザー』に登場したメカ巨獣メガリオンが本編に出演している。
その他前作に登場した移動パン屋「ムッシュグレンベーカリー」が「ムッシュライオベーカリー」と名前を変えて再登場するなどといった小ネタも存在するが、劇場版以外で明確に繋がりを示している台詞が無く、前作まで戦士たちをサポートしていた国防省もテレビ本編ではカメオ出演のみにとどまっている。
また、第1話に登場した雷海賊ライデッグはラフ段階ではインパクター・ルシアに似ていたため、同じインパクター星人として出す案もあったが、造形段階でうまく伝わらなかったため没になった。


【解説】

企画・設定の見直し

前作『ジャスティライザー』は王道のヒーロー作品を目指したものの、プロデューサー陣の混在する意見を統合した結果多くの設定変更に見舞われ、その煽りを受けてか内容もやや乱雑気味となりスタッフにとっても忸怩たる思いが残る結果に終わってしまった。
その反省を踏まえ、本作では4人のプロデューサーが意見を一致させて設定の基本線を組む形で企画が進められた。

まず、この企画の初期段階で進められたのは放送フォーマットの見直しであった。
具体的には先述した3クール放送への変更に加え、エンディングでのダンスの導入と前作まではキャラクター紹介だった次回予告後のミニコーナーを子供向け道徳コント『今日の一言』に変更した点が挙げられる。
この2つは他社の競合番組への対抗策かつ番組の個性として印象付ける意図でプロデューサーサイドから考案されたものとなっている。

それと並行して作品のコンセプトについての議論が行われ、最終的に『ヒーローたちのタイムパラドックスによる出会いと別れ』を描く前提で時間モノへと決まる。
釜氏の考えによれば、従来子供たちの苦手とされる"時間"というコンセプトそのものをテーマにはせずにドラマを動かすための装置として扱えば問題ないとのことで、その方向性の下プロットが作られていく事となる。

シリーズ構成に抜擢された林氏は2004年12月に全体プロット『大まかな話の流れ』を作成している。
そちらではアドに該当するキャラがアリエスという女性隊員*3である点や一部のキャラの名前が異なる点などが完成作品との相違点であり、やがて年明けにかけてプロットの更新が繰り返されていった。
最も振れ幅が大きかったのはジャッカルの原型たるハンターと雷将軍サンダーラの扱いである。両者とも性格が完成作品と大きく異なり、最終的に死亡する予定だったが、サンダーラはゲスト的なポジションに変更され、2005年5月ごろには完成作品の形に行き着いている。
結果的に変更点が多く見られていた『ジャスティライザー』に比べると初期のプロットからの差異は最小限に抑えられているのが分かるだろう。

そしてオーディションやPV撮影を経て2005年6月7日に本編がクランクイン、8月ごろに劇場版の撮影に伴い1ヶ月の中断を挟みつつ2006年2月2日付けでクランクアップを迎えた。

作風・評価

メインとなるヒーローは前作同様の3人。
それぞれの戦士に個性的なサポート要員を設定しており、それらを含めて〈セイザーX〉というチームを構成する。
更に中盤からはリーダーであるシャークセイザー/シャーク隊長も加わり、公式のムック本などではレミーとパトラ以外のサポートメンバーを入れた7人*4が変身ヒーロー扱いとなっている。

戦闘シーンでは属性相性を明確に導入したり、重要アイテムであるコスモカプセルの獲得状況を各話終了時に掲示するなど、上記の『今日の一言』やエンディングダンスも合わせて本来のメイン視聴者である子供たちに向けた演出が随所に目立つようになった。

そして肝心の本編の内容というと、信じられないほどコメディチックである。

超古代文明が発端だった前2作と反対に未来を題材にしたSFチックな世界観で、未来に帰れない一方通行のタイムトラベルなど作風の根幹そのものは非常にシリアスな背景を持つ。

しかし敵である宇宙海賊の3将軍は非常に憎めないキャラをしており、セイザーX側も戦いの知識が疎い拓人の存在柄、いまいち締まらない。
戦闘シーンにおいてもコミカルな掛け合いが強調されるなど、戦闘時はシリアスで徹底されていた前2作と違う最大のポイントである。

また、ドラマにおいても話のスケールがデカい割には殆どが安藤家の茶の間で行われており、異様にシュール。
着ぐるみの怪人が食卓を囲んだり、庭の洗濯物を干したりするシーンを平然と流すところがこの番組の恐ろしいところだと評されることも。

『今日の一言』もそんな本編の内容に比例するかのようにノリがエスカレートしていき、当時の雑誌によれば特に一部高年齢層からウケていた模様。

話の方も極端にギスギスした雰囲気にならないように、重要な場面ではシリアスさを出しながらも基本的にストーリーはコメディチックに展開され、要所要所で挟まれる家族や仲間に対する苦悩や人情ドラマ、未来に関する謎や複雑なストーリーが本作の魅力となっており、
スタッフやファンの間では秀逸な脚本を書き上げた林氏や演劇調の演出を得意とする市野監督ら文芸スタッフ陣の辣腕を評価する声も多い。

こうした作風になった背景として船田氏は、意図しないところで反響*5を呼んでしまった『ジャスティライザー』の反省を活かして、より計算されたストーリーラインや演出を子供たちに見て欲しいという狙いがあったと語っている。

一方で本作の根幹は『タイムパラドックスによる出会いと別れ』であり、その過程でキャラクター(ジャッカルやグローザが最たる例か)の壮絶な最期なども容赦なく描写されていたり、メンバーの故郷が消滅の危機に陥る展開も見られるなど、時間モノ故の悲壮感を醸し出している。
そしてそうした試練を乗り超えてそれぞれの未来へと歩みだすクライマックスへと繋がっていく最終章は今なお評価が高い。

また、3クールとなった影響により、当初予定されていた最強ロボの案が流れるなどといった弊害は少なからずあったものの、逆に無駄のないスピーディーなシリーズ構成も相まって前作まで指摘されていた中盤の中弛みなどもないまま最終回まで完走しきったのは大きく、寧ろメリットの方が多く働いていたといえる。

特技・アクション

等身大のアクションシーンにおいては、戦隊シリーズにも参加していた菊池カメラマンがメインで撮影を担当した事もあってかよりカメラワークのキレがよく、見やすくなったという意見が多く見られている。
本作のキャラは戦闘シーンでも台詞が用意されている為、市野監督はアクション監督と打ち合わせを必ずした上で撮影に励んでいたと証言している。

特撮パートでは市街地戦はもちろんのこと、シリーズ唯一の月面セットを用いた巨大戦が特筆点として挙げられる。
ワイヤーアクションを駆使して月面の重力を表現をしたり、火薬の点火に合わせて派手にミニチュアを破壊したり、本作においても迫力ある川北特撮は健在である。
従来使用していたスタジオの閉鎖に伴い、以前よりも狭い第5ステージ*6に移動になったものの、第25話での三つ巴戦などはそれを感じさせない奥行きを感じられ、ファンの中でも特に評価が高い。


シリーズの終焉

こうして新機軸を盛り込ませ、映画化もされるなど盛り上がりを見せていた超星神シリーズだったが、本作の完結を持って終了することになった。
理由は玩具の売上不振という現実の壁であった。
元々、1年目の時点で『黒字一歩手前』だった売上成績を2年目で伸ばさなければならないところを落としてしまい、3年目の本作で多少持ち直したものの、スポンサーの決断を覆す程の商業的な結果は得られなかったというのが真相である。

この結果を受けて、釜氏は『プロジェクトとして最後まで厳しい状態だったが、(中略)川北さんをはじめ東宝の皆さんから色々なことを教わりました。』、船田氏は『個人的には、東宝が作るヒーローものはこの方向性でいいかもと思ったので、続かなかったのが残念ですね。』とそれぞれの胸中を明かしている。

前述の『超星騎士ライフセイザー(仮)』の企画も立ち消え、『セイザーX』クランクアップを以て超星神シリーズの撮影は終了し、2006年6月24日の最終回放送を最後に2年9か月、企画立ち上げから約4年に渡る東宝の新たな挑戦は終わりを迎えたのだった。

本シリーズの終了後、東宝は特撮ヒーロー番組の制作から事実上退いた状態(2024年時点)となっているため、結果的に本作は超星神シリーズのみならず東宝特撮ヒーローの集大成という見方もされるようになってきている。

【登場人物】

超星艦隊セイザーX

ネオデスカルに支配された宇宙の歴史を変えるため、500年後の未来からやってきた反乱軍の戦士。
4隻の戦艦とそれを運用するクルーで成り立っている。
現代の地球人の協力者1名を加え、宇宙海賊のコスモカプセル入手を防ぐために戦う。
詳細は該当項目を参照。


安藤拓人 / ライオセイザー
演:高橋良輔
アド / イーグルセイザー
演:進藤学
ケイン / ビートルセイザー
演:三浦涼介
シャーク隊長 / シャークセイザー
演:松永博史

セイザーXの戦士に変身する宇宙戦艦の艦長たち。


安藤家

安藤拓人の家族で、全員が序盤からセイザーXを迎え入れる懐の広さの持ち主。
実家には宗二郎が車のメンテナンスを行うガレージや、春子が経営するショップ「Hガレージ」が併設されており、生活費はこれらの利益で賄っている。
安藤家のお茶の間はセイザーXの第二の本拠地とも言うべき場所であり、作戦会議も大抵ここかライオキャリアーの艦内で行われている。

●安藤宗二郎
演:宗方勝巳、高橋良輔(青年期)

世界的に有名な天才メカニック。
若い頃は革新的なメカニズムを多く開発し、日本経済の復興や発展に大いに貢献して来た。

拓人にとっては大好きなお祖父ちゃんであり、それ故に自分を一人前だと認めさせたい存在。

若者だった時代に事故でやってきたシャークと遭遇し、親友となった。

一度はシャークと共に全てのコスモカプセルを集めるも、どうしても未来に帰らなくてはいけなくなったシャークのためにコスモカプセルを使用。
2005年に再びコスモカプセルを集めに来るセイザーXをサポートする事を約束した。


●安藤俊作
演:田中優樹

拓人の父。
イギリスでF1のメカニックをしている。
宗二郎に怒られて育ったため自分は子供を怒らないようにしている。

第11話にて一時的に帰国し、確執があった宗二郎と和解するも、戦いに明け暮れる拓人とは会話もままならないまま再びイギリスに戻ってしまった。*7
安藤家の面々では唯一、1話限りのゲストキャラの扱いであり、最終回エンドロールのキャストクレジットにも記載されていない。

●安藤春子
演:森川由加里

拓人の母。
セイザーXの居候を快く受け入れた。


●安藤由衣
演:枚田菜々子

拓人の妹。
兄の事をバカにしているが努力は認めている。
ミーハー気味な一面があり、アドに終始メロメロだった。


【敵対組織】

宇宙海賊デスカル

第1部の敵。コスモカプセルを手に入れるためにやってきた宇宙人の軍団。
宇宙恐獣という巨大生物を戦力に持つ。

簡単にコスモカプセルを手に入れられるはずが、セイザーXに邪魔され多数の配下を失い、3体いた恐獣も全滅させられ、挙げ句に母船を失うなど散々な目に会う。

●バーダー船長
宇宙海賊の船長。
宇宙海賊戦艦バルガレオンの中から3将軍に指示を出す。
親を知らないブレアードからは実の親以上の存在として慕われていた。
実はロボットであり、バルガレオンに落ちた落雷が原因で機能停止した。
この時、『ブレアード、どうして死んでしまったのだー!?』という謎の断末魔を残しているが、特に伏線というわけでもなく本当に謎のまま終わってしまっている。

火将軍ブレアード
声:伊藤健太郎
水将軍アクアル
声:浅川悠
風将軍サイクリード
声:岸尾大輔

宇宙海賊の幹部・3将軍として君臨する3人の怪人たち。
だがその実態は本作屈指の愛すべきバカたち筆頭にして最大の功労者。
詳しくは個別項目を参照。

ギグファイター
『グランセイザー』にも登場した宇宙海賊の戦闘員
本作ではギグリス星のギギググリという不定形宇宙生物から生み出された人工生物で、各惑星に合わせてカスタマイズを施されて販売されているという裏設定が東宝公式サイトにて明かされている。
第1部のみの登場。*8

ネオデスカル

未来の宇宙を支配する宇宙海賊の子孫達。

彼らが繰り出す恐獣は手ごわく、流星神は何度も危機に陥った。

グローザ
演:石川美津穂

第1部終盤から暗躍していたネオデスカルの刺客。

偉大なるガレイド様を抑える役目を負う鉄の女。
冷徹な頭脳と生身でもセイザーXと渡り合うほどの強さを持つ。何気に偉大なるガレイド様に料理をふるまう役目も。
実は雷将軍サンダーラの子孫であり、彼女がブレア―ドと結ばれなくなった事で未来が改変。
この世に生まれない事になる=歴史から存在そのものが消滅するという、ある意味死より悲惨な末路を辿った。

ガレイド
声:二又一成

第2部から登場したネオデスカル幹部。またの名を「偉大なるガレイド様」。

3将軍の子孫で、非常に短気かつ、おだてに弱い自信家。
ブレアード達の事が気に入らないがグローザの「先祖ですから」で良く止められる。
間抜けそうに見えるが、そこは第2部メインの敵。これまでの宇宙海賊の比ではない高い戦闘能力を持つ。

何度戦ってもセイザーXを仕留めきれず、さらにはサンダーラにノーマークだった事が仇となり、結果グローザを含むネオデスカル構成員が多数消滅するという大失態を犯す。
首領からの最後通告を突きつけられ、未来暴艦ガレオキングを用いて最終作戦に乗り出すもアクアルの横槍によって失敗に終わり、自暴自棄になって彼女を殺そうとするが最期は首領によって制裁された。

ジャッカル
演:小島邦裕

第2部から登場。シャーク隊長を追い未来からやってきたネオデスカルの一員。

シャーク隊長と互角に戦える装備を自身で作り執拗に狙った。

人間型の宇宙人だが「装着!」の掛け声で名前の如くジャッカルが意匠のアーマーを装着、二振りの剣・ファングソーでシャークに襲い掛かる。
このアーマーには全ての属性のデータが入っておりあらゆる攻撃に対応出来る。

元々はシャーク隊長の相棒であり、共にネオデスカルで活躍していた。
ジャッカルが隊長の命を狙うのは隊長が自分に相談も無くネオデスカルを脱退し反乱軍に加入したためである。

とんだツンデレだぜ……

第2部終盤。
飽くまでもシャーク隊長を狙い続けた結果、シャークリーガーの攻撃を受け瀕死の重傷を負う。

傷は深く、ブレアードにドリルアングラーの操縦を任せた後に永眠した。

今作のライバルキャラだがロギアやデモンナイトと違い主人公とライバル関係ではなく共闘も一切無し、登場期間も短く最終的には死亡するなど異色尽くめのキャラクターとなった。

モチーフはジェットジャガーではないかといわれていたが、頭部デザインを手掛けた品田冬樹氏は全く意識しておらず、
人間の口のディテールがあるセイザーXの対比になるようにの骨のような口にしたところ、偶然似てしまったというだけである。


ネオデスカル
声:津田英三

ネオデスカル首領。
超巨大戦艦ネオデアークに乗って現代の地球にやって来た。
状況によっては部下を平気で切り捨てる冷酷な性格。
武器は杖状のダグカインと手をかざして放つ念力。
彼の目的は全宇宙を闇でひとつにすることで戦いの歴史を終わらせ、真の平和を築くこと。
そのために必要な闇の浸食装置ダークアルマーをセイザーXに気づかれないように建造していた。
サイクリードの直系の子孫。だが催眠装置でいいように操るなど、敬意は皆無に等しい。

バレーダ
演:佐藤麻紗

ネオデスカルの片腕である棒読みセクシー女幹部。
職務に忠実で、参謀という立場上戦闘にはほとんど参加しないが、その戦闘能力は怪人を大きく上回り、セイザーXを苦戦させた。
ダークアルマーを完成させるなどやる事はやっていたが、彼女もまたネオデスカルにとっては使い勝手のいい駒に過ぎなかったようで、
ダークゲランが倒された事で狼狽していたところをネオデスカルに用済みと見做され、ダグカインで身体を貫かれて処刑されるという最期を迎えた。

未来暴艦ガレオキング
グローザの遺した超過密圧縮装置によって戦艦ガレオローグがサイズダウンし、変形したロボット恐獣。
窮地に立たされたガレイドが装置を手にマニュアルを読みながら操縦する。
3体揃った流星神とも互角に渡り合える戦闘力を発揮したが、ガレイドがアクアルに不意打ちを食らったことでガレオローグに戻ったところを3体の流星神の同時攻撃で撃墜された。

デスメード
ネオデスカルの戦闘員。
ギグファイターより強いはずなのだが、ゴルドの不意打ちで倒れるなどいまいちそうはみえない。


【用語】

  • 属性
本作の戦闘における重要なファクター。
の4属性に分けられている。
星ごとに属性は異なり、その星に住む生命体もその力を持っている。
属性には相互関係があり、


↓ ↑

各属性は矢印を指している相手に強い。

宇宙に伝わる伝説の宝。
集めるとどんな願いも叶えられる。
詳細は当該項目を参照。

  • Xデー
一般的には近い将来に重大な出来事が起こると予想される日を表す単語として使われる事が多いが、本作においては2006年のとある日に宇宙海賊によってコスモカプセルにより願いが唱えられ、未来の大部隊によって地球は制圧され500年もの間闇に包まれた忌まわしき日を指している。
第27話にてその日が訪れるが、セイザーXによって大部隊の襲来は阻止された。

  • 恐獣
本作の怪獣、大抵は「恐獣バレル」という樽型のカプセルに収納されている。
本数は少ないものの、何れも強敵揃い。

セイザーXの操縦する宇宙戦艦が変形合体したロボット。
詳細は当該項目を参照。

  • ダークアルマー
第3部のキーアイテムである闇の侵食装置。
2500年の地球をこの装置で発生させた闇に包み込むことで死の星に変えてしまった。
月面に作られた発生装置で生み出した闇を地球に設置した誘導装置に到達させる事で現代の地球を闇に包むのがネオデスカルの目的だったが、第34話にてセイザーXに誘導装置を破壊され、発生装置も第36話にてアドルイーグルの特攻により破壊された。


【劇場版】

『劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち』
2005年12月17日公開
同時上映は『劇場版 甲虫王者ムシキング グレイテストチャンピオンへの道』。
前年に一時終了したゴジラシリーズに変わる正月映画として制作された。
監督は『ゴジラVSビオランテ』で川北特技監督とコンビを組んだ大森一樹が担当。
ボスキートの関連種ニューボスキートを相手に、グランセイザー、ジャスティライザーの力を借りたセイザーXが戦いを挑んだ。

シリーズ総計18人のヒーローが出演したが、グランセイザー側は役者の関係で変身後のみ。
ジャスティライザーは喪失した変身能力を終盤で取り戻す最終回の設定を踏まえている。
その他前年に引き続き轟天号が登場し、活躍シーンでは『海底軍艦』のBGMが使用されるなど往年の東宝特撮ファンにはたまらないファンサービスも。
ちなみに上映に先んじて8月からプロレスのハッスルとのタイアップも行われ、その返礼として高田モンスター軍がチョイ役で出演している。

【主題歌】

◆OP「超星艦隊セイザーX」
作詞:山田ひろし / 作曲:浅田直 / 編曲:矢野立美 / 歌:高橋洋樹
劇中では第27話にて挿入歌として流れ、最終回ではエンドロールでも使用された。
◆ED「ジャンプだ! 僕らのセイザーX!!」
作詞:山田ひろし / 作曲:小杉保夫 / 編曲:矢野立美 / 歌:高橋洋樹
前述の通り、ダンスが本格的に取り入れられており、子供たちとセイザーXが一緒に映った写真も掲載されている。

主題歌を歌ったのはアニメ版『ドラゴンボール』のOPテーマ『魔訶不思議アドベンチャー!』で有名な高橋洋樹。

【エピソード】

話数 サブタイトル 登場怪人・怪獣 脚本 監督 備考
第1話 拓人は燃えているか! 雷海賊ライデッグ
火将軍ブレアード
林民夫 米田興弘
第2話 燃えろ!グレートライオ 宇宙恐獣レイザース
風将軍サイクリード
グレートライオ登場
第3話 白い旋風!ウインドイーグル 水将軍アクアル
水海賊アグラーグ
宇宙恐獣ウィンミラー
市野龍一 ウインドイーグル登場
第4話 青い稲妻!マグナビート 宇宙恐獣バードレス マグナビート登場
第5話 探検!シャーク4を探せ 3将軍 河田秀二 米田興弘
第6話 ぼくたちのヒーロー 風海賊レゼッカー
合成恐獣ビグスタッグ
第7話 追憶・1960 水将軍アクアル 林民夫 市野龍一
第8話 由衣の休日 風将軍サイクリード
風海賊サンドストーム
ガダル星人
古怒田健志 池田敏春
第9話 史上最悪の3日間 火将軍ブレアード 林民夫 市野龍一
第10話 船長の正体 バーダー船長
合成恐獣グラプター
古怒田健志 池田敏春
第11話 父、帰る 火海賊バンケーン
3将軍
グローザ
林民夫 米田興弘
第12話 決戦は空の彼方で 巨大ブレアード
宇宙海賊戦艦バルガレオン
第13話 聖なる夜に なし 関根智彦
今井聡
総集編
第14話 未来からの敵、ネオデスカル 未来恐獣デスバー 林民夫 市野龍一 第2部開幕
第15話 危機一髪!シャークセイザー登場 ガレイド
ドルピック
シャークセイザー登場
第16話 超流!シャークリーガー 未来恐獣デスバー
火将軍ブレアード
河田秀二 シャークリーガー登場
第17話 追跡者、名はジャッカル ジャッカル
ピアース
第18話 激震!ドリルアングラー 未来恐獣ネオデスバー
ドリルアングラー
林民夫 舞原賢三
第19話 装着アド!未来に向かって 水将軍アクアル
リーボルト
第20話 ケイン、裏切りの刻! グローザ
ゼオリア
第21話 勝利へのフリーキック ジャッカル
火将軍ブレアード
宮川洋紀 池田敏春
第22話 脅威の変形!ドリルアングラー ジャッカル
ドリルアングラー
アリゴード
稲葉一広 ドリルアングラー変形
第23話 ミッションX!艦長を救え ガレイド
アリゴード
第24話 第四の将軍 雷将軍サンダーラ 林民夫 米田興弘
第25話 変わり始めた歴史 雷将軍サンダーラ
雷神ゴード
グローザ
第26話 レミーの涙、G2の心 ガレイド
ジャッカル
河田秀二 舞原賢三
第27話 Xデー・戦いの果て 未来暴艦ガレオキング
ガレイド
ジャッカル
ドリルアングラー
3大流星神集結
第28話 侵入!新たなる戦力? ダーゴス
水将軍アクアル
風将軍サイクリード
林民夫 第3部開幕
パトラ・ブレアード加入
第29話 異空間からの脱出 未来恐獣ディロス 市野龍一
第30話 受け継がれる想い グルナーダ 瀧田哲郎
第31話 対決!ブレアードVSサイクリード 合成恐獣レイミラード
風将軍サイクリード
池田敏春
第32話 激闘!トリプル・コアブレイバー アルティメット
メカ巨獣メガリオン
河田秀二
第33話 信じあう仲間 ネオデスカル
バレーダ
水将軍アクアル
風将軍サイクリード
米田興弘
第34話 12個集結?コスモカプセル アクアル・サイクリード加入
第35話 明かされるレミーの過去 ディバイダー 林民夫 市野龍一
第36話 闇の侵蝕、ダークアルマー 暗黒恐獣ダークゲラン
メカ巨獣メガリオン(複数)
第37話 拓人、闇の中へ 暗黒恐獣ダークゲラン
ブラックライオ
ネオデスカル
バレーダ
第38話 友情は時空を越えて… 暗黒恐獣ダークゲラン
ブラックライオ
超星神シリーズ完結
※参考文献・朝日ソノラマ『宇宙船YEAR BOOK 2007』

【余談】

  • タイトルロゴは川北特技監督により赤と青の2パターンが作られ、最終的に釜氏によって青の方が選ばれた。
    オープニングタイトル用に大量の水をかける撮影もされたが、川北特技監督の目指したビジュアルが得られなかった事から未使用に終わっている。
  • 本作の放送終了後、土曜9時台前半は再びアニメの放送枠となった(後番組は『おとぎ銃士赤ずきん』)が、2016年4月より『新ウルトラマン列伝』が本枠に移動して以降は毎年新作ウルトラマンが放送されるようになった。
  • 本作のキャストやスタッフは特に仲が良く、拓人役の高橋氏や市野監督などは自身のX(旧Twitter)にて関係者で定期的に集まっていることを発信したりしている。
  • 前作までのDVDは東宝ビデオから発売されていたが、本作のDVDは主題歌・サントラCDと同じくマーベラスエンターテイメントから発売されている。
    そのためか前作まで充実していた映像特典も第1巻にてノンクレジットのOP・ED映像が収録された程度にとどまっている。
    • 劇場版のDVDは前作までと同じく東宝ビデオから発売され、こちらはメイキングやキャスト・スタッフインタビューなどが収録されている。なお、テレビ版・劇場版共に廉価版DVDは今のところ発売されていない。


今日の一言
「素敵な項目を作るときは、追記・修正をきちんとしようね!」



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最終更新:2024年04月08日 01:00

*1 その後2010年に亡くなった為、本作がテレビドラマにおける遺作となった。

*2 『てれびくん』と『テレビマガジン』の付録DVDの演出は担当している。

*3 デザイン初期の段階では彼女の変身後と思われる白鳥モチーフの女性戦士のラフスケッチも描かれていたが、最終的には採用されなかった。

*4 艦長の4人とゴルドとアイン・ツバイン。実際にこの7人が一斉に並んだスチールも撮影されている。

*5 具体的な例は挙げられていないが、恐らくデモンナイトのテロップや『3つのチカラ』辺りのネタと思われる。

*6 かつては『ウルトラマンタロウ』の撮影にも使用された事もある、こちらも由緒正しいスタジオとなっている。

*7 拓人は戦いの後に俊作を見送るチャンスはあったが、レミーの故郷であるルーエ星が消滅の危機に瀕した事を知り、彼女の傍にいることを優先したため、やむなく断念した。

*8 東宝公式サイトではバルガレオンの爆発に巻き込まれたとされている。