クライベイビー・サクラ

登録日:2011/03/31(木) 23:49:15
更新日:2023/12/15 Fri 09:40:36
所要時間:約 4 分で読めます




愛がある



哀しみもある……



しかし








凌辱がないでしょッッッ!!!






「奪いなさい わたしから勝利をもぎ奪り凌辱するのです」


クライベイビー(泣き虫)・サクラ
Crybaby Sakura

夢枕獏原作・板垣恵介画の格闘漫画「餓狼伝」の登場人物。
原作小説には登場しない板垣恵介オリジナルキャラクター。*1
ゲーム版の「餓狼伝 Breakblow Fist Or Twist」では江川央生が演じている。


真宮寺さくら木之本桜と並ぶ萌え業界三大さくらの一人とされているっぽい。


プロレス界の帝王・グレート巽の回想に登場。
かつてアメリカ地下プロレスの支配者として君臨し、青年時代の巽と死闘*2を演じた。
グレート巽は空手王松尾象山とともに作中最強クラスの人物であり、回想とはいえ巽を完全に圧倒した実力とキャラの異常性から強い印象を残した。
というか、リアル寄りの作品の中で一人だけ刃牙ワールドの住人である。
それも相当上位の……

上記にもある格闘ゲーム「餓狼伝 Breakblow」並びに続編の「Fist Or Twist」にはプレイヤーキャラとしても登場。
どれ程の強さかは実際にプレイして確かめて欲しい。

人間離れした肉体とパワーの持ち主だが、サングラスの下は両の眼球が無い。全盲の格闘家である。

視力を失った代わりにその他の感覚が発達しており

  • 大歓声のリング上で呼吸音や足音から対戦相手の体格、動作を完璧に把握する
  • 匂いで絵の具の種類を判別し色付きで写実的な絵を描く
「炭素が香る…カーボンブラック」
  • 血の味で他人の体調を知る

など異常なまでの能力を持つ。


20人力の怪力を誇り、常人の20倍のカロリーを摂取し、あらゆるものを常人の20倍排泄してきたが
涙だけは流すことができず自分を「哭かせて」くれる対戦相手を望んでいた。

「泣けぬことは……哭くより悲しい」
「タツミはエクセレントだ!哭ける!わたしは今夜大声で哭くぞッ!!」




試合では聴覚と嗅覚を乱す作戦で巽に奇襲を許すが一切ダメージはなし。
その後ようやく反撃の糸口を掴んだかに見えた巽の渾身の技を受け、

平然と立ち上がって

冒頭の一言を発する。

「わたしのミスだ…ヤラせてあげた攻撃で泣けるわけがない」
「すべてを奪い去るのです 奪って絶望させるのですッッ わたしを……解放するのですッッ」


母親と二人貧しいながら幸せに暮らす平凡な少年だったサクラの運命はある金持ちの男が気まぐれにサクラの母に交際を申し込んだことで一変する。

見たこともない高価なプレゼント、一方的に与えるだけの愛

最後に屋敷と一生暮らせる大金を与えられ別れを告げられたサクラの母は狂気に陥りわが子の眼をえぐった。

壊れてしまった母を慰めるためサクラは数十年間トレーニングを続け、とうとう母が亡くなったとき
母と涙と引き換えに怪物・泣き虫サクラは完成していた……*3

「与えちゃいけないッ わたしに勝利を与えられるのは神だけ あなたは神の代理じゃないでしょ」
「10秒間わたしは無抵抗に徹します その10秒間にあなたは全てを賭けなさい さァ早くッ 無抵抗のわたしを仕留めなさい」

腕を折られ肋骨を砕かれ、戦意を失った巽だったがサクラは
「相手に与えられる勝利」だとしてギブアップによる決着を拒絶。最後のチャンスと称して巽を誘う。




本当に人がいいンだな君は……




向かってきた巽の背骨を軽々とヘシ曲げ、サクラは笑う。

与えられた勝利に甘んじることなく
奪うことで勝利を完璧なものにした

幸福(しあわせ)だ


巽「クソッ食らえ 明日を奪っただと…?笑わせるな」

巽「お前は何も奪っちゃいない すべて俺のシナリオ通りだ」



盲目でありながら全てを見通すサクラに「絶対思いもよらない技」によって戦いは巽の勝利に終わる*4

決着の瞬間、意識の奥で母と再会したサクラの眼からは流れるはずのない涙が溢れていた。

戦いを終え、深い友情で結ばれた二人。サクラは巽にある依頼をする。



「君の手でママのもとへ送ってほしい」



願いを聞き入れた巽は平然とサクラの首に手をかけるが、最後の瞬間泣き崩れる。





サクラ……なぁサクラ なにか言ってくれッッッ!!





タツミ



君の手が温かい





作中でも特に板垣色の強い異色のエピソードだが、「軽々しく真剣勝負を口にしてはならない」というグレート巽の哲学の背景となった事件である。*5

そのインパクトの強いセリフと姿からネットで時々ネタにされるほか、
漫画家・木多康昭に丸ごとパク……パロられた。
怪作「平成義民伝説 代表人」に登場する佐倉惣五郎の外見はまんまサクラ。
「愛がある 哀しみもある~」も言う。


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最終更新:2023年12月15日 09:40

*1 ただし内容に差異はあるが、原作でも真剣やりたいという梶原に対応した後の巽が過去回想に入って、アメリカで心を通わせた相手を殺したエピソードはある。

*2 巽は本気で死ぬ気で戦っていたが、サクラは舐めプで完全に圧倒していた。その時点でもバケモノ級に強かった巽を子供扱いであしらう、本物の怪物である

*3 正確には、壊れた母を慰めるために「こんな事も出来るんだよ!」とアクロバティックな動作を行うも、失敗。しかしそれに母親が微かに反応した(クスリとした)ため、以後「母を慰める」為だけのトレーニングが彼の全てとなった

*4 ネタバレすると「折れた(折られた)腕による変則チョークスリーパー」。傍目から見ても「何だありゃ?」と言いたくなるような体勢だったため、盲目であるサクラにはイメージすら浮かばなかった

*5 なおサクラを手にかけるとき同席したサクラの部下、ウォーケンも同様に泣き崩れていた。異常な部分はあるものの、サクラは基本的に丁寧かつ紳士であり、部下達に恐れられながらも慕われていたと思われる描写は幾らか散見されている