柳生十兵衛(装甲悪鬼村正)

登録日:2013/05/13 (月) 22:36:43
更新日:2023/01/05 Thu 16:45:26
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心せよ

これは英雄の物語ではない

武を招く悪鬼の物語である


装甲悪鬼村正 魔界編」に登場する武者。

本名は柳生三厳。
髷を結い、右目に暗視ゴーグルのような眼帯を付けた壮年の男性。裾の傷んだ着物を着ており背中に編み笠をしまっている。
その落ち着いた口調と礼節を守る態度からは強者の威厳が垣間見える。
柳生新陰流の一派である江戸柳生の技を修め、その武勇は景明も「まるで勝てる気がしない」と語るほど。
吉野御流合戦礼法にも通じる。

本作では「空から落ちてきた武者」の一人として登場。
時間跳躍の際に景明の過去と事件の真相の一端を知ることとなる。


●来歴
柳生新陰流を徳川氏御家流まで押し上げた柳生宗矩の長男。

二十歳で家光の勘気を被り表舞台から姿を消すが公儀隠密として大和の闇に潜ったと云われている。
その活動の最中、兵法書の完成を目論むとある武者と交戦。互いに深手を負うがその戦闘中に両名とも時間跳躍によって現代に召喚される。
負傷のせいで召喚直後GHQに捕縛され協力を強いられていたが長宗我部元親との戦闘中に伊達政宗が乱入してきたことで首尾よく逃げおおせ、以後伊達と行動を共にしていた。

大法要後には真田信繁とも合流。
宿屋で伊達と真田に景明の強さと兵法書の武者の存在を語り、その探索の為別行動を執る。



劒冑
銘:筑後國三池典太
所属:徳川宰府領
生産国:大和/筑後國
種別:真打/重拡装甲
時代:平安末期
兵装:太刀、脇差
仕様:汎用/白兵戦
合当理:熱量変換型単発火箭推進
独立形態:シラホシハナムグリ
陰義:物質通過
誓約の口上:尋ね行く 道の主や夜の杖 つくこそ要らぬ月の出ずれば
諸性能
甲鉄錬度:2
騎航推力:3
騎航速力:2
旋回性能:3
上昇性能:3
加速性能:2
身体強化:5

十兵衛が徳川家から拝領した真打劔冑。
装甲時には編み笠のような頭部とマントを被った独特のシルエットを持つ。
三池一門の作は天下五甲に数えられる物もある名物であり「仕手の内在する破壊力を引き出すのに最適な姿勢」を保つ型を持つ(景明曰はく「剣豪養成ギプス」)。
だが、それによって動きを制約されてしまうこともあり倦厭される向きがあったという。

陰義「物質通過」の技は「月影」と呼ばれ、自身の甲鉄に出来た影に触れた物体を透過させ、太刀や銃弾といった実体のある攻撃を無効化することができる。
正面きって戦闘では無敵とも云えるチート能力だが、あくまで「透過させる物体によって生じた影」でしか透過できず影が薄いと上手く透過させられない。
くわえて影を生む光源は月でなければならず、必然的に発動は夜間、それも月光の中に限定される。
また、陰義は攻撃を受けた箇所への任意発動ではなく、装甲と同時に全身へ常時発動されるよう作られており、発動する限り常に熱量が消費されていくという規格外の仕様となっている。
一応陰義の発動自体を全面的に止めることで熱量消費は止められるが、その場合は陰義を一切使わぬ純粋な剣戟で戦わねばならなくなる。

月影の効果範囲を拡大させて相手の影を同化させ動きを封じ同時に発動中に負った傷の治癒を不可能にする「亡影」という技もあるが、
これには平常時を遥かに超える熱量を消費するため諸刃の剣といえる。

こういった特殊な陰義を備える為か(特に上半身の)装甲が精製できておらず、マントはそれを隠すためのものと見られる。

このような並の武者では使いこなせるかも怪しい劔冑であるが十兵衛の技量を以てすれば非常に高い戦闘能力を発揮する。






GHQの資料から十兵衛は共に召喚された武者が未だに現れていないことを知る。
その武者が現れ兵法書によってこの世が「魔界」と化すことを防ぐため武者を召喚する元凶を断とうと思い立ち、新統坊を守る景明の前に現れ事件の真実を告げる。
しかし景明は意見を変えず契約を履行し悪鬼の道を行くという。

そんな景明に十兵衛は善悪相殺を無意味と語りながらも
「ただならぬ道なれど…成した暁には“武帝”を名乗るが良い」
と告げ、装甲。
戦闘を開始する。


柳生十兵衛 参る


当初は双輪懸を行うが、「月影」を使う十兵衛に剣が通じない景明は仕方なく地上戦に移行。
月光を確保しつつ竹林での斬り合いとなるが十兵衛はその技量で景明を圧倒。「月影」によって普通の斬撃はおろか「」ですら無効化してしまう。

しかしそれまでの戦闘と十兵衛の言葉から「月影」の弱点を見抜いた景明は、村正の陰義で生じた磁界と電界からさらに電磁波を発生させ、これをぶつけることで三池典太自体を発光させ(電子レンジに金属を入れるようなもの)「月影」を破るという奇策に出る。
これにより十兵衛は「月影」と視覚を封じられてしまうが、敵の技を見破り即座に対応する景明の技量を絶賛。
続けて放たれた「穿」を「真影目録・天貫」で正面から受け流して見せる。

そして両者は今度こそ純粋な正面からの斬り合いを開始。
景明のフェイントからの斬撃を見切った十兵衛はそれを躱し刃を振り下ろす。
だが景明は更にフェイントを重ねた「吉野御流合戦礼法虎眼が崩し“翔”」で半身を下げ十兵衛の間合いから抜けつつ野太刀を命中させる。

これにより致命傷を受けた十兵衛は
「虎がお主に翼を添えるか。確かに適う者おるまい」
と言い残し絶命するのだった……


そしてその直後、彼が恐れた武者がその姿を現す……


●余談
  • 十兵衛の最後の台詞は野太刀“虎徹”と景明、茶々丸の関係を知ったうえで「為虎添翼」の言葉になぞらえたものである。

  • 最後の戦いで亡影を使わなかったのは景明を気に入ったからとのこと。

  • 単行本四巻のカバー下ではものすごくいい表情で団子を食べており読者をホッコリさせてくれる。ちなみに裏表紙は統さまチビ光でこっちもホッコリ。



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最終更新:2023年01月05日 16:45