フーム(星のカービィ)

登録日:2012/02/16 Thu 12:21:48
更新日:2024/03/18 Mon 22:26:41
所要時間:約 10 分で読めます





画像出典:『星のカービィ』CBC制作、TBS系列放送
(c)Nintendo/HAL Laboratoly.inc.・CBC All Rights Reserved.

アニメ星のカービィのオリジナルキャラクター及びヒロイン。CVは吉田小百合。

★人物
大臣の娘であり、気が強く多少生意気な面が強い。また作中随一の常識人。
面倒見は良く年少の友人やカービィの世話を焼いたり子供ながら村のリーダーシップを取る場面も。
裏を返せばそれだけ大人が頼りにならないということだが……大丈夫かこの村。
わりと大丈夫でもない
デデデが何かしでかしても、彼を止めようとするのはほぼフーム(とその周り)だけである。

趣味は学問全般。周りがサッカーなどに興じる中、一人だけ読書にふけるシーンが度々ある。将来の夢は教師または小説家。(両者共にその夢について触れているエピソードもある)
何をどう間違えたか魚のカインに好かれている。本人は彼の気持ちを理解しているものの「一緒に暮らすことはできない」としている。

初期は生意気な面の方が大きく強調され、カービィとの初対面時には『星の戦士』と聞いて想像した理想の姿とは全くかけ離れた姿にショックを受け冷たい態度だった。
しかし危機を助けられたり魔獣との戦いもあってすぐに打ち解ける。(この頃の性格は徐々に薄れるが、カービィについての記憶がなくなった時は「なーにこの丸いの?」と冷たい態度である)

その後は母性の表れか、まだ幼いカービィを庇い守ろうとする描写が目立つ。
特に彼の宿敵であるナイトメアが生み出す魔獣に対しては、基本的に徹底抗戦の姿勢であり、何も悪いことをしていない者も普通に倒そうとする(襲っているように見えなくもないが)。
その関係で、カービィをいじめるデデデ大王とは考え方のちがいもあって対立することが多く、基本的に嫌悪しているし、何か事件が起きれば大体彼に疑いの眼差しを向けている。
だが、デデデやエスカルゴンがシロと分かった場合や何もしておらずに困っている際には普通に彼らの味方をする事もある。

不正や捏造は決して許さない一方、不憫な者を救うために自分(達)が善意でやる必要が生じた場合はこの限りでなかったりする。
同じ良識派でも大人のメタナイト卿と違い、最終的に感情を優先するのが良くも悪くも子供らしい(後述の「放送当時の評判」も参照)。
だがそれ故に、彼女の愛情は状況によってカービィを試練から「逃がす」ことにもつながる。
その点はメタナイト卿からも批判されており、時として意見が対立することも。
とはいえ根本的な思想は近いため、普段は協力者同士のような関係である。
メタナイト卿が「カービィの成長」を願うなら、フームは「カービィの安全」を願っているといえよう。

★家族構成
  • ブン CV:小松里歌
フームの弟。彼からは「姉ちゃん」と呼ばれる。
前髪で目が隠れており、上半身裸にサスペンダー付ズボンという冷静に考えると凄い格好のやんちゃ少年である。
頭身のせいで分かり辛いが一応ズボンの内側にポケットがついている。

彼女ほど賢くは無いが、子供らしくイタズラに関しては人一倍頭が回る。
しかし時によっては非行少年なんてもんじゃないレベルの度を越えたイタズラをやらかすことも。
意外と力持ちでもあり、土壇場でクレーン車を運転して敵ロボットに一撃浴びせるなど技術も割とある。

が、デデデ大王の企みにあっさり乗せられる辺り、やっぱり姉とは対比的である。

一応『非行少年なんてもんじゃないレベルの度を越えたイタズラ』については普段のデデデ一味や2話のトッコリのイタズラは私欲にまみれた自分勝手な工作であるのに対し、ブンたちの場合はボルン署長やメーベルを立たせるための善意と言う明確な違いがありベクトルは違えどそこはフームに似ている。
仮にデデデ、エスカルゴン、トッコリがププヴィレッジ中でイタズラをしている彼らを糾弾したとしても人の事を言えた義理ではない。
またフームが暴走している時に限っては常識人であり、魔獣に憑依されてカービィに攻撃したフームを止めた事がある。


  • パーム CV:長嶝高士
父親。メームの夫。
大臣の役職についているが、デデデ達が実権を握っているので名前だけに近い。
いつも頼り無さそうに見えて意外としたたかなダディー。
良き父親の見本ともいうべき(このアニメで)数少ない良識人でもあり、基本的にメームともども突発的なブームには流されないが、行事には大臣という立場上必ず出席している。
時にアニメの脚本を徹夜で完成させ、時に不在のメームの代わりにダッチオーブンで料理を振舞うなど器用。

ちなみに、かつてメームにストーカー行為を働いた経歴あり。
パームにとってもその過去は黒歴史らしく、オタキング騒動の件でストーカーという単語が出た時にメームの口からバラされ慌てていた。

見た目から、最近ハルトマンというあだ名がついた。


  • メーム CV:水谷優子
母親。パームの妻。
デデデ達の顔色をうかがうパームとは違い、はっきり物申す性格。
特に初期の頃は毒舌家の傾向が強かった。

若い頃は何かギャルっぽい感じだったらしく、しかも(このアニメの頭身基準で見ると)ナイスバディ。
自称「美白美人」であり、シミ一つできただけでも一大事のごとく大騒ぎする。


★放送当時の評判
今となっては滅多に聞かれなくなった意見だが、最初は某回などにて徹底して悪役寄りにされたデデデなどと同様に、ゲームファン等からの評判は異様に芳しくなかった。

というのも、アニメ放送決定時は詳しい情報が公開されるまでキャラ・設定共に多数のオリジナル要素が存在することなど誰も知らなかったのに加え、この当時はゲーム版にもヒロイン役が相応しいキャラクター(アドレーヌ、リボン等)がいた。
なので彼女らが登用されるだろうと期待したファンが多かったのである。
それを見事に裏切る形で颯爽と現れ、ヒロインの座をちゃっかり射止めたオリジナルキャラクター…
どれだけの熱心なゲームファンに衝撃を与えたかは想像に難くない。


しかも前述の通り、初期はツンツンした生意気な性格が強調され、ヒロインらしからぬ目つきの悪さ(ここ重要)も災いし、ゲームファンにとっての第一印象は 最悪 の一言であった。
これは決して大げさな表現ではない。
当時のスレ等ではアンチ派からオリジナル要素への批判材料として槍玉に挙げられることが多く、フーム(のみならず他のオリキャラまで)の存在自体を嫌悪・否定するようなレスもしばしば散見されていた。
それ程までに彼女を取り巻く環境はあまりに劣悪だったのである。(性格に関しては、当時ツンデレ萌えという趣向が今ほど流行っていなかったのも逆風であった)


それとは別に、彼女を「常識人」キャラとして客観的に精査した時に、以下のおかしな行動や矛盾した言動が目立ったのも非難された一因であった。
ただ、ごく一部を除けば殆どが粗探しの域でもあるのだが。

  • カービィやブンに激辛を試食させておいて、自分は全く食べない。(29話
作中に出た激辛食品にはすべて、最後まで手を付けなかった。(参考としてデデデとエスカルゴンはちゃんと試食している)
まあ食べていたのは大体好奇心で手を出した命知らずの愚民村人ばかりだったので、一歩引いた冷静な立場に徹したとも言える。
引き過ぎで将来某コミカライズ版の二の舞にならないことを祈りたい

  • ブンの虫歯を治し、元々治療の為だけに用意されたようにしか見えない魔獣ハーデーをカービィに倒させる。(32話)
「出てきた怪人・モンスターは最後に必ずやられる」という、1話完結ヒーローモノのテンプレに無理矢理沿ってしまった結果。
数ある指摘点の中でもこればっかりは擁護のしようがないことで有名。
なお、「61話がこれの二の舞」とする意見もしばしばあるが、ここで登場したマッチョサンはカービィを倒すために送り込まれたのでこれと比べれば筋は通っている。
ハーデーの治療は痛くないため、デデデに痛い方の治療をさせるためにあえて倒させたのかも…フームの性格的にも。

  • コックオオサカを「不正に手を染めた詐欺師」と勘違いしそのまま濡れ衣を着せる。そしてそれを詫びる様子はなし。(34話)
オオサカは弟子思いで、カワサキのためにとっておきの品を持ち寄っただけだった。
コックカワサキの腕に問題があるのとほぼ言いがかりに等しいことから、擁護のしようがないと思われがちだが、オオサカの方もあの体たらくなら鍛えなおせばいいものを、営業権を完全に剥奪し、あてつけがましく店を構え、呼びつけておいて来たら罵倒するなどやり方に問題があるのでフーム側とオオサカ側のどっちかが一概に悪いとは言い切れない。
なお、84話でも同じことをしているが、こちらはきちんと謝罪している。

  • スナック菓子の研究のためサンプル集めをする途中カービィの不在をブンに知らされるもそれをスルー(61話)。案の定、カービィが罠にかかる。

  • 8話で歴史の捏造を糾弾しておきながらトッコリの名誉を守る為同じような事をする(70話)
よく明確に突っ込まれやすい点。
一応、8話での捏造はデデデの私欲にまみれた自分勝手な工作であり、対してこちらは他人のための善意という明確な違いはある。

  • 生物が生物を食べるのは自然というような事を言いながら、同じ話でクジラを食べるような話題を出したカワサキに、非難めいた台詞を言う(71話)
この辺は捕鯨問題が絡んでくるのでちょっとややこしい。
フーム個人としては反捕鯨のスタンスなのだろうか。行き過ぎて将来某過激保護団体の二の舞にならないことを祈りたい

  • カワサキのために不正をしておきながら他者の不正を「卑怯」と言う(86話
これに限った話では無いが、視聴者には不正と見えてもフームとしては恐らく「手助け」という意識の方が強いと考えられる。*1
前述オオサカのケースを除けば「他者の不正」は大体がデデデ達のものであり、仮にデデデが彼女の行いを不正と訴えたとしても人のこと言えた義理ではない。
そもそも味方側の行いを作中で不正と断じていたら話がスムーズに進まない、というメタな事情もあるのだろう。


だが、こういった粗を除けば、村人達がダメダメ過ぎてホーリーナイトメア社もカービィ以外のキャラもロクに対処できないのもあって総合的には非常によくできた人格者である。
回を追うごとにヒロインらしい可愛らしさや活躍が増えてフォローされると、そのキャラクター性を少しずつ評価する向きも見られるようになった。(特に魔獣教師シリーズの2以降が顕著だろう)
放送終了から時が経ち、作品自体が再評価された現在では、かつてほどの辛辣な意見が出ることは殆ど無くなったと言える。



★伝説のエピソード

さて、フームを語る上でアニオタ的に外せないエピソードがある。その名も



詳しくは項目を参照して頂きたいが、壮絶な内容から一体どれ程のお茶の間エターナルフォースブリザードを巻き起こしたかは想像に難くない。
この話はカービィのエピソードの中でも、前身となる「星のデデデ」と並んで伝説と化している。

また、もう一つ彼女を語る上にて欠かせないエピソードに魔獣教師シリーズの第二部もあるが、
こちらはフーム自身が作中での苦難の末教師の苦悩とそれに対する願いを全ての登場人物だけでなく視聴者にも(それも土曜の7:30から老若男女問わすに)力説した上、後述する名セリフを残しており、
フームたんとは逆のベクトルで彼女のファンもそうでない方も必見な神回となっている。


<セリフ集>
「来て、ワープスター!」

「カービィ、吸い込みよ!」

「酷さも極めると芸術ね……」

「熱血先生がいれば解決すると思ってるのね。 でも現実はドラマとは違う。先生って弱い立場なの。」
「みんなのためと思って叱らないようにするとやる気がないと言われ、反対に頑張り過ぎると暴力教師と呼ばれる。先生はどうすればいいの?」
「先生も力不足かもしれない。でも、立場を理解してほしい。
 もちろん、あたしはこんなこと言う資格はないわ。でも、先生ばかりに責任を押し付けないで。お願いよ!」


カービィの代わりにワープスターを呼べる自信のある方、追記・修正お願いします。

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最終更新:2024年03月18日 22:26
添付ファイル

*1 ただし、序盤で同様の行為がばれた際は普通に怒られているので、「不正」という意見が的外れというわけではない。