MOTHER2 ギーグの逆襲

登録日:2011/03/29 Tue 09:13:39
更新日:2024/03/15 Fri 22:29:23
所要時間:約 8 分で読めます





MOTHER2 ギーグの逆襲』(EarthBound)とは、1994年8月27日に任天堂より発売されたスーパーファミコン用ソフト。
ジャンルはロールプレイングゲーム



【概要】

『MOTHER』シリーズの2作目。
シナリオ、デザイナー、キャッチコピーは糸井重里氏。前述のCMにあるメッセージがそのキャッチコピーである。
ちなみに前作のキャッチコピーは糸井重里氏ではないので注意。

音楽は鈴木慶一氏、金津宏氏、田中宏和氏(兼サウンドプログラミング)。ゲーム内の作曲は鈴木慶一氏、田中宏和氏が担当。
デバッガーには後に『スパロボ』シリーズのプロデューサーとなる寺田貴信氏や『コープスパーティー』を製作するチーム「GrisGris」の祁答院慎氏がいたとか*1

開発が難航した際に合流した岩田聡氏(当時はHAL研の社長)が「いまあるものを活かしながら手直ししていく方法だと2年かかります。イチからつくり直していいのであれば、半年でやります」と言って有言実行したエピソードも有名。


今作は、前作『MOTHER』のSFCでのリメイクとしても作られている。

2003年6月20日にGBA用ソフトとして『MOTHER1+2』が発売。
前作と本作が1本に収録されたソフトで、ゲーム内容は原作とほぼ同じだが音質がGBA向けになっており、ごく一部のテキストが変更されている。
また、いくつかのバグフィックスも行われているが、GBA版でのみ可能な裏技・バグ技もある

この時に変更されたテキストは、後のWii U(2013年4月27日)、New3DS(2016年3月4日)のVC版にも反映されている。
現状、オリジナルのテキストが見たければ実機でプレイするしかない。
ただし、VC版はテキストの差し替え*2のみで、ゲーム部分の挙動はSFC版準拠で全く変わらない(つまり実機と同じ裏技・バグ技が使える)。


2020年末、本作を含む『MOTHER』シリーズ3作のゲーム内テキストを収録した『MOTHERのことば。』が製作・発売された。
NPCとの会話内容はもちろん、選択肢による分岐、グッズ関連や戦闘中のテキストに至るまで全てのテキストを網羅。
あたかも実際にゲームをプレイしているかのように『MOTHER』の世界を追(再)体験することができる。
同年12月14日から「ほぼ日ストア」にて先行発売(一般書店では同月25日発売)され、価格は¥8,888(税込)。

この本の製作にあたって「ほぼ日」スタッフの他、一般のファン約100名ほどが公募にて参加するという企画も同時に行われた。
公募によって集められたファンは、手元のゲームをプレイしてセリフや説明文を確認する「プレイ&チェックチーム」として携わっている。
しかしながら、入念なチェックが行われたとはいえ、いくつかの誤植、誤字脱字、記述漏れ等が存在することが年内の時点で早くも判明している。

+ 『2』の範囲での誤植の例
  • 「マンダラふりかけ」のものと思われるテキスト群の表題が「へび」になっている
  • 「わたす」が実行できない場合*3に表示されるテキストが入れ替わっている
……など。

ただし、(この2箇所の誤植に限っては)あくまでレイアウト上のミスで、テキストの本文自体は正確。
読者がプレイ済ならば無理なく脳内変換できるレベルの些細なミスなのが不幸中の幸いではあるが、やはり誤植は誤植。

充実した内容なだけに、わずかなミスがかえって目立つ形になってしまったのは少々残念。


【プロローグ】

『MOTHER2』は199X年の地球が舞台。
ある日の夜、主人公の少年(ネス)が暮らすイーグルランドの田舎町「オネット」の山奥に、突然巨大な隕石が墜ちてくる。
その轟音とパトカーのサイレンで目を覚ました少年は、その隕石の落下現場を見に行った。
だが、バリケードを張り巡らせた警察官に追い返され、隕石を見ることはできず、少年はしぶしぶ家に戻った。

再びベッドで眠ろうとした矢先、今度は隣に住む少年・ポーキーが訪ねてくる。
弟のピッキーの行方が分からなくなったので、一緒に探してほしいという。

主人公とポーキーがオネットの山奥に行くと、隕石の落下現場のそばでピッキーを無事に発見。
だが、そこで2人が出会ったのはピッキーだけではなく、ブンブーンという謎のカブトムシが隕石から出てきた。
主人公はブンブーンから、地球がギーグという銀河系最大の破壊主に侵略される危機を知らされ、地球を救うための冒険へと旅立つことになる。


【主要人物】

主人公
赤い帽子が似合う主人公。デフォルトネームは「ネス」。
田舎町「オネット」に住む男の子。
ステータスのバランスがよく、特質すべき点は耐久力。PSIも攻撃・回復・補助をバランスよく習得できる。
詳しくは項目へ。

おんなのこ
主人公が初めて出会う、1人目のおともだち。デフォルトネームは「ポーラ」。
オネットの隣町の「ツーソン」に住む女の子。
やや体力が低いが、フリーズやファイヤーなど攻撃系のPSIが得意。逆に回復系は覚えられない。
詳しくは項目へ。

おともだち1
主人公の仲間になる、2人目のおともだち。デフォルトネームは「ジェフ」。
フォギーランドの雪国「ウィンターズ」の寄宿舎に住む少年で、著名な科学者であるアンドーナッツ博士の息子の為、メカに詳しい。
パーティメンバーの中で唯一超能力者ではないので、PSIは一切使えないが、戦闘では彼にしか使えないグッズで活躍できる。
詳しくは項目へ。

おともだち2
主人公たちよりちょっぴり大人な仲間、3人目のおともだち。デフォルトネームは「プー」。
東洋の神秘の国「ランマ」の王子様。
攻撃系・回復系のPSIのほか、イベントで強力なPSIを習得できる他、一定の確率で敵キャラクターに変身できる。
代わりにPP量が低くガス欠しがちで、装備品や回復にも少し難点を抱えている。仲間になるのはゲーム後半。
詳しくは項目へ。

ポーキー・ミンチ
主人公のお隣さんである悪ガキで腐れ縁。父、母、弟の4人家族。
何かと主人公に突っ掛かって来て、物語冒頭からお世話になることに。
物語が進むに連れて‥‥。
詳しくは項目へ。

★ブンブーン
物語の冒頭で少年が出会う、喋るカブトムシ……ではなく、10年後の未来からやってきたらしい生物。
未来ではギーグの手により惨憺たる有り様になっているらしく、過去を変えて地球を救うために戦ってほしいと主人公に伝える。
また彼曰くギーグを倒すためには、8か所ある「おまえだけのばしょ」を全て訪れ、地球と主人公のチカラを一つにする必要があるという。
PSIを使用できるので、戦闘ではなかなか頼りになる。
だが、ポーキーの家に立ち寄った際にポーキーの母親の手によって……

ギーグ
前作にも登場していたキャラクター。ただし前作との関連性を匂わせる描写は特にされていない。
色々な場所で、様々な手段で主人公たちの冒険を邪魔してくる。
詳しくは項目へ。


【その他の項目があるキャラクター】



【冒険の舞台】

本作では、地球上の様々な町を巡りながら冒険をしていく。
各地の詳細は以下の項目を参照。



おまえだけのばしょ

世界に8つ存在するパワースポットのこと。
各地のパワースポットを巡り、物語の冒頭で入手できる「おとのいし」にそのスポットの「音」を記憶させていくのが、冒険の目的の一つとなっている。
ただし、各パワースポットはそのパワーの影響で強大なチカラを得たモンスターが立ちふさがっており、
「おとのいし」に音を記憶させるにはそのモンスターを倒さなければならない。
基本的に「主人公だけの場所」なので、主人公が戦闘不能になっていたりパーティーにいない場合は、パワースポットを訪れても何も起こらない。
詳しくは項目へ(多少のネタバレあり)。


【主なゲームシステム】

  • シンボルエンカウント
『MOTHER2』は『ドラクエ』シリーズや『ポケモン』シリーズのようなランダムエンカウントではなく、
フィールド上のモンスターとプレイヤーが接触すると戦闘画面に切り替わる、いわゆるシンボルエンカウント形式となっている。
その際、モンスターの背中から触れるとこちらが先制攻撃できるが、逆にモンスターに背中を触れられると先制攻撃されてしまう。
また主人公たちのレベルがかなり成長すると、弱い敵はフィールド上で主人公から逃げるようになり、接触しても戦闘画面にならず一瞬で倒すことができる。

  • HPメーター
『MOTHER2』では残りHPがドラム形式で表示され、戦闘時にダメージを受けるとドラムが回りながら少しずつHPが減少していく。
もし「ちめいてきなダメージ」を受けても、残りHPが0になるまでの間はコマンドを選択して行動できるので、
HPが0になる前に回復したり、戦闘を終了させれば戦闘不能になるのを防ぐことができる。
大ダメージを受けても慌てず急いでコマンドを選択し、HPを回復しよう。

『MOTHER』シリーズの魅力の一つでもあり、ほかのRPGでいう「呪文」や「魔法」にあたるもの。
いわゆる超能力のようなもので「PP(サイコポイント)」を消費して発動し、味方を回復したり敵にダメージを与えたりできる。
覚えられる人物は限定されるが強力なものが多く、戦闘や冒険で役に立つ。

PPの回復手段はアイテムや宿屋、道中のマジックバタフライに触れたり、特殊なPSIで敵から少量だけ吸収したりとバリエーションに富んでいる。
詳しくは項目へ。

RPGで物語を進めていくにつれ、
「どこに行けばいいか分からなくなった!」
という経験は、誰にでも一度はあるのではないだろうか。
「ヒント屋のおじさん」は、そんなプレイヤーの悩みを解決してくれるお助けキャラである。
話しかけると次に何をすべきか、おじさんが教えてくれるのだ。
……ただし、ヒントをもらうには多少のお金が必要。“地獄の沙汰も金次第”と言ったところか。
ただ聞いて困るものではないので、どうしても分からない時にはとりあえず聞いてみよう。
詳しくは項目へ。

冒険を進めていくと所々で「写真家」が現れ、(勝手に)記念撮影をしてくれる。
彼が現れる場所は決まっているので、冒険の息抜きとして彼を捜すのもいいかもしれない。
ただこの写真家、仲間がダイヤ化していようが気絶していようがおかまいなしに写真を撮るので、ビシッと決めたい人はご注意を。
ちなみに撮影された写真は全て、ある場面で見ることができる。
詳しくは項目へ。

  • その他
相手を攻撃した時、たまに「SMAAAASH!!」と出て画面が点滅することがあるが、これはドラクエで言う所の「かいしんのいちげき」に相当する演出で、ダメージが一気に増加する。

『MOTHER2』では前作と同様に、パパに電話をかけることでセーブを行える。
他にもデリバリーサービスで要らないグッズ(アイテム)を預けたり、「ピザ」を注文して配達してもらったり、
主人公1人の時だけ「じてんしゃ」に乗れたり、「あじつけこもの」で食べ物グッズの回復量が増加したり等、
ちょっと独特なゲームシステムがいくつか存在する。

ヘンテコなモンスターやNPCのシュールなセリフ、メニュー項目の「グッズ」の「せつめい」コマンドで見れる説明メッセージなど、
他にも色々な魅力があるので、興味のある人はぜひ隅々まで探索したり調べたりしてみよう。


◆あ パパだ。
◆えーと つぎのレベルまで‥‥
◆ネスは 432。
◆ポーラは 327。
◆ジェフは 1058。
◆プーは 63。
◆それはそうと なんのようだい?


→ついきする/とくにない

◆そうか。
 パパも もう きょうは
 やすもうと おもってたところだ。
◆ついき・しゅうせいのきろくは
 つけといたよ。
◆おやすみ‥‥


→しゅうせいする/おわる

◆wikiこもりもママににて
 がんばりやだなあ。
◆むりするなよ。
◆ガチャン ツーツーツー


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最終更新:2024年03月15日 22:29

*1 少なくとも当時寺田氏と祁答院氏は面識がなかったが、両者と親交がある杉田智和氏から祁答院氏が当時関西でMOTHER2のデバッガーをやっていたと聞いた寺田氏は「もしかしたらニアミスしていたのかも」と語っている。

*2 G.H.ピカールのセリフなど、GBA版から更に変更されたテキストもある。

*3 渡せないアイテムを渡そうとしたケースと、渡される側の持ち物が一杯のケース。