ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮

登録日:2012/02/14(火) 15:43:43
更新日:2021/03/12 Fri 13:19:52
所要時間:約 3 分で読めます







アジア極東少国家、ウィルキア王国でクーデターが発生

首謀者・ヴァイセンベルガー将軍は、世界への侵略を宣言した…




ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮(くろがねのほうこう)は、マイクロキャビンが原作の、コーエーが開発した2006年に発売された第二次世界大戦期を題材にしたPS2用海戦アクションゲーム。
鋼鉄の咆哮シリーズのPS2版第4作、Windows版も含めた発売順では第6作となる。

2009年に若干の修正(ゲームバランス調整や兵装追加)が行われたPSPへの移植版が発売され、現在はダウンロード版もある。


【概要】

パッと見、超硬派ゲームに思えるが、実際にはこのゲーム、超バカゲー(褒め言葉)である。


このゲームの売りの一つは、自分で好きな艦を設計できる事。駆逐艦から巡洋艦、戦艦から潜水艦までの多種多様な船体に、自在に武装を並べることが可能。
(大型の砲は戦艦しか搭載できない、逆に戦艦に魚雷は搭載できないなど、細かい制限はある)

その船体も現実のものから、架空のもの、果てはアヒル戦艦のようなネタまで様々。


そして用意されている武装も、現実の砲はもちろん、超大和型の50cm砲、果てには61cm砲や80cm砲、100cm砲という超巨砲から、
現代の武装である対空・対艦ミサイルVLS(垂直発射装置)、空母用の「兵装」である航空機もWWⅡから現代のものまで。
近未来兵器のレールガンやレーザー兵器も登場する。

種類も戦闘機から爆撃機、ヘリコプターまで幅広く網羅されている。

さらに後半以降は160cm砲、核ミサイル、ドリル、ビーム、火炎放射砲などなどの奇想天外な兵装が登場し、最早硬派さのカケラもないバカゲーと化す。

海戦画面は非常に美しく、敵艦の数もありえないぐらいに大量。わらわらと群れを成して襲ってくる敵艦をひたすら1隻で無双する姿はまさしく「軍艦無双」。

アクション性も非常に高くバカゲーでありながら極めて良ゲーであり、前述の「艦船を設計出来る」ということによってプレイスタイルは無限大。
(因みに劇中で手に入る「特殊設計図」を使えば史実艦の製作がワンタッチで行えるので、一部マニアには便利)

  • 戦艦で大艦巨砲主義を追求する

  • 駆逐艦で水雷屋の意地を見せる


と、無難な制作も出来るし、


  • 架空戦記のごとく戦艦にイージスシステムを搭載したミサイル戦艦

  • 最高速度100kt超の超高速フリゲート

  • 果ては空母で砲戦というマゾプレイ


等々…このシステムのお陰で自機を制作できるシューティングゲームとも言える。

この設計が一番楽しく、むしろ戦闘はただのオマケだ…と言う人も。


そして、ボスはこのゲームの顔とも言うべき超兵器。レーザー兵器を主力とする艦、70ノット越えの戦艦、波動砲、果てはイカとやりたい放題。こんな愉快なバケモノ兵器を相手に、自分で設計した艦が火を噴く。


第二次世界大戦が題材の筈なのに、ここまでくるともう何のゲームなんだか…。


どちらかと言えばマイナーゲームであるものの「鋼鉄の咆哮」シリーズのファンサイトやプレイ動画などもそれなりに存在し、二作品だけだがやる夫化(鋼鉄のやる夫の咆哮・やる夫のウォーシップガンナーPORTABLE)もされているので、これらを利用して原作の雰囲気を掴んでみるのもいいかもしれない。


旧作との比較
本作は亡国のイージス2035をベースに開発されているため、鋼鉄の咆哮の開発元であるマイクロキャビンがシリーズで唯一開発に関わっていない。

そのため旧シリーズとはゲームバランスがかなり異なり、従来の常識も通用しないため別ゲーと言われる事も多々ある(PSP版では「鋼鉄の咆哮」の文字はないため更に拍車を掛けている)
特にウォーシップガンナー2で当たり前のことが旧作では全く違うことも多く、本作のみをプレイした状況で鋼鉄の咆哮シリーズについて語ろうとすると痛い目を見る。

移植版
PSP版の移植版、2009年発売。
追加、変更要素があり、マルチプレイの追加や、PS2版には無かった装備(160cm砲や反物質砲など)の追加や、兵器の性能に調整が入っている他、一部ミッションにも変化がある。
特にPS2版では産廃だった航空機はかなりの強化がされており、空母プレイも快適にできる。

全体的に敵が強化されており難易度が高いのだが、この調整がかなり大味であり、特に「80cm砲と100cm砲を装備した超兵器」だけが頭二つ分ほど強いという状況がかなりの問題点。
この敵の80、100cm砲だが、「MAPの半分近くが射程/弾速が非常に速く避けにくい/最強装備の戦艦でも1撃で数割」というとんでもない性能となっており、ボスが即死級の避けにくい弾を連射する事態となっている。攻略段階では即死も起きる。

そのため一部ボスだけが強いという事態になっている他、「レーザーや波動砲よりも100cm砲が脅威」というキャラの特徴を完全に無視した部分にもさらに拍車をかけている。素の難易度NORMAL以上でこの状況が発生する、趣味を前面に押し出した設計艦では勝てる難易度ではないため、かなりガチな設計を強要されてしまい自由度も下がっている。

とあるステージは「スタート地点がすでに100cm砲の射程」という場所もあり、運が悪いと「ステージ開始数秒で轟沈」ということも起きる。

そのため追加要素や航空機の強化など改良点はあるものの、ゲームバランスに関しては調整が大味すぎるという声が多く、追加アイテムなどがあるのにゲームバランスが足を引っ張り全体的に賛否両論となっている。シリーズの中でも一番ゲームバランスが悪い作品となってしまった。

【主な登場人物】


ストーリーモードにおけるプレーヤーの分身たちである。
プレーヤーは主人公たちの属するウィルキア解放軍を指揮して、ヴァイセンベルガー率いるウィルキア帝国軍と戦っていくことになる。
序盤の二つのステージの行動によって、三人の副官候補から一人が選抜され、その後のストーリーやステージ展開が変化していく。

  • シュルツ
本作主人公。解放軍の中核となり、激戦に身を投じていくことになる。
冷静沈着で決断力もあり、高いリーダーシップで仲間たちからの信頼も厚い好青年。

  • ナギ
オペレーター。本作のヒロインその一。
平時の情報収集や戦闘時のナビゲート、場合によっては副官代行も果たす多彩な女性。
シュルツに気がある節をたびたび見せ、おまけシナリオでは盛大にはっちゃける。

  • 筑波貴繁
日本海軍将校。副官候補その一。
実直・豪快と古きよき時代の日本人を体言した初老の軍人。

  • エルスティーネ・ブラウン
ドイツ人兵器学者。ヒロインその二で副官候補その二。
選んだシナリオに関わらず参入する、片メガネがチャーミングな美人。世界中の兵器に通じた解放軍の知恵袋。
彼女の超兵器研究がストーリーの鍵となっていく。

  • クラウス・ヴェルナー
シュルツの後輩で、若く優秀なウィルキア軍人。副官候補その三。
彼が副官に選択しなければ早期に離脱して、その後復帰もないので忘れられがちになる。

【艦種ごとの特徴】


  • 駆逐艦
船体が小さく搭載量も低いが速力が出しやすい。
戦場を駆け回るのに向いていてミサイルが搭載できれば火力もそこそこあるが、
搭載量の低さ=弾薬の少なさ=継戦能力の低さをどう補うかが課題
また機関の主機が独立していて他艦種と共用出来ないため投資しづらいのもネック
最終的にフリゲートに艦橋を奪われて役目が終わる

  • 巡洋艦
駆逐よりも搭載量に勝るが戦艦ほどではない。
何でも卒なくこなすが器用貧乏とも言える。
とは言え駆逐にできることはだいたい巡洋艦にも出来るので、まずは巡洋艦装備の開発を目指したい。
最終的にフリゲートに兵装を奪われて役目が終わる


  • 潜水艦
搭載量は駆逐艦以下だがその名の通り潜水出来るので、対潜能力がない兵器は無効化出来る。
深度によって使える兵装に違いがあり、砲塔類とミサイル発射機は浮上時のみ、VLSは浮上時と潜望鏡深度、魚雷はより深い深度で発射可能。
一部ミッションのみ出撃可で、かつ全体で4ステージ程潜水艦必須のステージがある。
最終的にサメの皮を被る事になる

  • 戦艦
搭載量は全艦種でも最大を誇り砲口径も実用範囲で61cm砲、最大160cm砲(!)を搭載可能。
大艦巨砲主義に走っても良し、ミサイルを満載してアーセナルシップ*1を作っても強い。
爆雷と魚雷が装備できないので、対潜ロケットかミサイル辺りが開発できるまでは潜水艦には無力。
また補助兵装の装備数が少ないのでどの兵装を載せるかが悩ましい。
最終的にドリルをつける事になる

  • 空母
大口径砲こそ積めないが多数の航空機を運用できる艦。PC版とPSP版で評価が異なり、PSP版で航空機が強化された事で実用的に。
空対艦ミサイル搭載機が運用できるようになれば、1周目は終盤に入るまでほぼ艦載機任せでOK。
本体を島影に隠せば超兵器撃破も夢じゃない。
航空機は史実に存在するものが出てくるが、陸上機であっても問題なく運用できる。
更に飛行甲板がミサイルランチャーやレーザー発振器で敷き詰められていても発着艦には一切影響なし。ウィルキア脅威の技術力。
最終的にアヒルを飛ばしてレーザーを向けるのが仕事になる

  • 航空戦艦
戦艦に次ぐ搭載量と、空母に次ぐ航空機運用能力を持つ。
史実では水上機しか運用できなかった(しかも着艦は想定外)が、今作では固定翼機も問題なく発着艦可能。
と言うか陸上機であっても(以下略
それでも正直史実ベースの船体では航空機搭載量に不安が残るが、特殊船体を入手すると一気に運用の幅が広がる。
地味だが空母同様外付けの装備が可能なので高角砲やミサイルランチャーが搭載しやすい。
こちらも最終的にアヒルを飛ばすのが仕事

  • フリゲート
所謂近代艦。イージス艦等もこの艦種に当たる。
駆逐艦の船体の小ささと巡洋艦の搭載能力のいいとこ取りと言った艦種で、しかも補助兵装を一番多く積める。
戦艦や空母とは異なり魚雷が搭載できる点でも運用の幅が広い。
ただし弾薬庫が搭載できないため、継戦能力の弱点は残ったまま。逆に言うと無限装填装置が手に入ると弱点がほぼ無くなる。
最終的に甲板にネコの置物を並べる事になる

【本作登場の超兵器】

引き続きPS2版の旧作から登場するボスが多いが、武装に関してはかなりの変更がある。特にそのボスの特徴を潰した性能に変更されたものが多く(レーザー主体なのに光学兵器がほぼ無い等)、賛否両論となっている。

超高速巡洋戦艦ヴィルベルヴィント
超巨大潜水戦艦ドレッドノート
超巨大双胴強襲揚陸艦デュアルクレイター
超巨大爆撃機アルケオプテリクス
超巨大航空戦艦ムスペルヘイム
超巨大双胴戦艦ハリマ
超巨大氷山空母ハボクック
超巨大列車砲ドーラ・ドルヒ
超巨大レーザー戦艦グロースシュトラール
超巨大攻撃機フォーゲルシュメーラ
超巨大ドリル戦艦アラハバキ
超巨大戦艦ヴォルケンクラッツァー
超巨大海上要塞ヘル・アーチェ
超巨大航空戦艦リヴァイアサン
超巨大潜水戦艦ノーチラス
究極超兵器フィンブルヴィンテル



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最終更新:2021年03月12日 13:19

*1 20世紀末に計画された近代戦艦プラン。大量のミサイルの輸送と発射のみ請け負い終末誘導は他艦や航空機に委ねるまさに「弾薬庫船」とも言うべき代物