ユウナ・ロマ・セイラン

登録日 :2011/11/28(月) 12:37:14
更新日 : 2017/08/01 Tue 15:18:23
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……よーし、ダルタロスの暁作戦開始!
ちょっとカッコいい作戦名だろ?





CV:野島健児

オーブの五大氏族セイラン家の跡取り息子でカガリ・ユラ・アスハフィアンセ

フィアンセといってもお互いの同意の上での婚約ではなく、いわゆる政略結婚だがユウナ自身はカガリの事を愛しているらしい。

政治家としては、大西洋連合との同盟を代案を出さずに反対しかしないカガリに常に落ち着いた様子で対応したりと、カガリよりも才能があるように見えていた。

一方、成り行きでカガリを保護し、送り届けてくれたミネルバに対し、修理まで行っておきながら、
ミネルバ駐留中に大西洋連合と条約を結んだことを理由に、ミネルバ出港の際に港外へ大西洋連合の軍隊を呼び出している。
戦争であるため止むを得ない部分はあるものの、相手国に対して敬意を払っていないと見なされるのは言うまでもないし、わざわざ戦闘行為を強いるやり方も回りくどい。
効率的な手段は他にもあるし、連合への体面を保ちつつザフトへ最低限の敬意を払う方法だってある。


しかしそれに怒るカガリに対して……


「国はあなたのオモチャではない!いい加減感情でものを言うのはやめなさい!」


……と一括したところは正論であり、一部の視聴者が言いたかったことを代弁している。
やり方はどうあれ国のトップに立つだけあってかなり優秀に見える男だった。
やっていることは情報漏洩、勝手に軍を動かすなどの問題行動も多く、この時点でも総合的に見ると何とも言えないところだが。



ああそれなのに…

肝心のカガリとの結婚式の当日に、突如として花嫁をフリーダムに拐われてしまったのを皮切りに彼の転落人生が始まるのだった…




元首が誘拐され事実上のトップになったユウナは、連合の要請をうけてオーブ軍の総司令官として戦場に立つことになる。

戦場をゲーム感覚で考えているようで、空母で船酔いしたりカッコいい作戦名を考えたりしてトダカ達を呆れさせるが、
実際的には連合と連携してミネルバを追い詰めるなど戦略眼は確かなものがあり、後に作中全体通して見てミネルバ最大の危機(後述)は彼らの手腕によるところが大きい。
開幕タンホイザーで死ぬ所だったけど。

途中、戦場に乱入したストライクルージュに乗ったカガリから「戦いをやめろ」と言われても尚、戦闘を続けたことからトダカ達に咎められる。
しかしここでカガリの言う通りに退いてしまえば「条約違反だ」と今度は連合から何らかの報復を受ける危険性が高かったので、ユウナの判断は別に間違ってはいない。
そもそも、顔を見せずに戦いをやめろと叫んだところで、信用されるわけがないのだが。
一応補足するとカガリ達の主張も通るか通らないかは別として、おかしな話ではない。


結局、その場はミネルバを落とすことに失敗し、続くクレタ沖海戦でも圧倒的戦力でミネルバを撃沈一歩手前まで追い詰める。

……が、シンが物凄く頑張ったのかオーブ軍がへっぽこなのかこっそり手を抜いたのかは不明だが、
圧倒的戦力差で撃沈寸前のミネルバを落とせないという異常事態が発生する。

どのくらい圧倒的な差かと言えば、
そもそもカオスアビスが機動力のある護衛の全てであるセイバーインパルスの足止めをしてくれているので、
海上故に固定砲台と化したザク2機を除けばミネルバしか居ない。
つまり 完全に敵艦がガードがら空き状態なので、それを艦隊と30機以上あるMSの群で袋叩きにすれば良いだけ
しかも2機のザクウォーリアの内、片方は凄腕と言っても良いが、もう片方は射撃の腕が悪すぎて固定砲台としては役に立たず、圧倒的に手数がたりない。


この時の様子を簡単に表すと以下のような図になる。

    カオス→・ ・←フリーダム
           ・
           ↑セイバー


● ●
 ● ●      ・←アビス
  ● ●     ・     ●←ミネルバ
 ● ●      ↑インパルス
● ●
 ↑地球軍&オーブ艦隊


トダカ「敵の守りが厚くてムラサメ隊がミネルバに攻撃できません」

. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  「…どこまで無能だ貴様等」
    . . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 敵の対空砲は潰したし
   . . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 護衛機なんて固定砲台同然
        Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: ::::::::::::::::::::::::::::: のMS2機しか無いじゃないか
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::: 友軍MSと連携すれば
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 敵MSも敵艦も
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::  ムラサメで総攻撃すれば一網打尽じゃないか・・・
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄

……と、オーブ軍の無能加減にショックを受けるユウナのAAが存在する。
「ミネルバの弾幕が厚くて決定打を与えられない」等ならまだ理解出来るが、「守りが硬くて攻撃出来ない」とは一体どういうことなのか。
もっとも弾幕が厚いという言い方をしても明らかに無理のある展開である。
また、ラミネート装甲によって攻撃が中々通用しないという話でもないことは「ミネルバに攻撃できません」で分かる。
そもそも最終的にミネルバはオーブ軍が先手を打って放った自己鍛造弾(八式弾)による文字通りの絨毯爆撃によって虫の息で足も止まっており、
ルナマリア機は損壊していた上にレイ機も戦闘が続いている影響でかなり疲弊して小破状態と誰がどう見てもノーガードであり、 これ以上ない絶好のチャンス だったのだ。

ここまでくるとこれはミネルバが強いとか、シンが無双したからとか、オーブ軍が無能とか手抜きとかではなく、 脚本の都合 としか言えないのが適切だと思われる。
最大限好意的に解釈すれば、連合とユウナにとっては重要だが、オーブにとっては勝っても負けても益の少ない戦いだったので *1 、命を落とす者を減らそうとしたと捉えられなくもないが……。

最終的には敵に特攻し、わざと艦を沈めるという個人レベルで見ればかっこいいのはかっこいいし、オーブの理念に殉じようとした結果ではあるが、
軍人的に見ればとんでも行動を続けたトダカによって、艦を無理やり降ろされてしまい、オーブ艦隊は壊滅してしまう。
「ちょっとカッコいい作戦名だろ?」 を呆れられる筋合い無かったんじゃね?という余波まで起きる。


物語終盤、敗戦濃厚で落ち目のジブリールを匿うという暴挙に出てしまい、結果、ザフトのオーブ進行戦の引き金をひき、オーブを再び戦場にしてしまう…

しかも、この事態を想定していなかったらしく、住民の避難も完了しておらず、防衛戦力も揃えていなかったと情けない姿を晒してしまう。
さらに部下たちに当り散らし、責任を押し付けようとまでした為、憎悪の目で見る、舌打ちする者まででてくる始末。
お前、本当にユウナか? と言いたくなるぐらいの情けない姿を見せた所で、 今まで仕事を放棄していたはずの カガリから 国家反逆罪 の罪に問われて捕縛されてしまう 。




軽薄さはあれど、それでも今までオーブを持たせていたのはユウナ達であって、職務を放棄して国に帰ってこなかったカガリにとやかく言う権利はないはずなのだが……

勿論、この罪に不服のユウナは反論するが縛られた状態で殴られてしまい、そのまま連行されてしまう。いくらなんでも哀れ。
最期は連行されている途中に逃亡を謀るが、上空から落ちてきたグフイグナイテッドの頭に潰されるというあまりに呆気ない幕切れだった…


他の氏族達と協力したのだろうが、焼け野原になったオーブをたった二年間で復興させるなどの功績からSEEDの世界の政治家では結構優秀な部類じゃないか?という意見もある。
実際、ジブリールを匿ってザフトの侵攻を許してしまった事を除けば、そこまで変な行動や言動はしていないし、ジブリールを匿まったのも父のウナトでありユウナに責任はない。
但し実際にはどの媒体にもユウナやセイラン家がオーブ復興に尽力した描写は無く、
小説版では復興に尽力した政治家は復興後、責任を取って辞めたと書かれている事からセイラン家はなにもしておらず、うまく立ち回って後釜に座ったという可能性もある。
無論DESTINY以前のセイラン家に関する描写や設定が明かされていない事もあり、どちらの意見も視聴者及び読者による推測でしかないのだが。


ゲームでも、脇役でなおかつ敵だった為にこれといった救済はなかったが、
あのスーパーロボット大戦Kにてスパロボ補正でかなりまともな人物となり、更にKガリの副官として大活躍する。…お前等もう結婚しちゃえよ。

「スパロボKにもユウナはいましたよ。原作の彼とは比較にならない程優秀なユウナがね…」

が、実は 「カガリが留守中に勝手に連合と同盟を結ぶ」 という原作以上の大ミスをやらかしており、この件でカガリをマジ切れさせた。
そのため、カガリからは手腕と人格を評価されつつも終始ぞんざいな扱いを受けていた。
次作に当たるLでも行動そのものは原作通りでカガリに殴られて逮捕されてしまうのは同じだが、
周囲からは結果的に失敗してしまったとはいえ、彼なりにオーブを守る為の行動であったとフォローされている違いがある。

二次創作では「原作以上の無能、小物」だったり、「ヘッポコだけど民と国は大事にする良い人」だったり、「おちゃらけているけど実は切れ者」だったり、
「まだまだ未熟ではあるが将来有望な金の卵」だったり、
「カガリの成長を促す為に悪人として」死んだり、
「原作終了後を題材にした作品でも生存して政治面で駆け引きを繰り広げる」等、様々な書かれ方をしているのが興味深い。


ただ否定的な意見を挙げれば

  • ユウナ自身は何も成し遂げていないのでは?
  • 前述の通り「オーブの復興に尽力した政治家」がセイラン家の人間というソースはどこにもない。小説版の設定では件の政治家は「復興後に辞職している」ので少なくとも現役のウナトやユウナではありえない。
  • 現実には「正論を言っている=有能」という訳ではない。「正論」を言うだけなら誰でも出来るが、それを実際に「結果」に繋げられるかはあくまで別問題。
  • 最終的に以前の恩義からミネルバに肩入れしたトダカの暴走を招くなど、部下からの人望は基本的に薄かった模様。
  • 戦闘はユウナが無能な訳でもオーブ軍が無能な訳でもなく補正のかかった"主人公達"が相手なのが悪い。普通なら落ちてる。(コレは流石に身も蓋もないが)
  • また「落とせるところまで行ったけど主人公補正で落とせなかった」のはあくまで結果論であり、「なんらかの不測の事態でミネルバを落とせなかった場合」の事をまったく考えていなかったのは事実である。
  • 引き渡しの際にたとえ決定権があっても、ジブリールの脅迫を断れる度胸は無かった結果、将来のリスクより自らの身の安全を選択した。
  • 結局、自分達が国を玩具にしてしまった。

といった指摘もある。
オーブを持たせていたと言えば聞こえは良いが、連合に媚びを売っていただけとも言い換えられる。
あのまま実権を持っていたら、どちらにしろ連合の都合や、大戦に巻き込まれてオーブも大打撃、下手すると滅んでいた可能性も高い。
国の理念を捩曲げて他の国(それもかつて自分たちを攻撃してきた国)に媚びを売り、挙句の果てにまた国を滅ぼしそうになった為政者を優秀と呼べるのかどうか…。

でもまあ前作SEEDにて理念を貫き連合にもプラントにもつかないまま中立を貫き通そうとした結果、連合との戦争に突入し、国を焼かれたのも事実。
その結果犠牲となったシン・アスカの家族の様な無関係なオーブの一般人が事実として存在。
更にオーブが技術立国である事を考えれば、彼らが連合に近づいた判断は正解とも間違いだったとも安易には言えない。

セイラン家もオーブを短期間で復興させる一端を担ったのだとすれば、彼や父親のウナトは外交よりも内政の方が得意だったのかもしれない。
時代が違ったならば内政で名声を得ていた可能性もある。

ユウナは本来なら嫌味で小物で恋敵という、視聴者からの嫌われ役になるはずが、脚本によってカガリが一国のトップとしては未熟な面ばかりが強調された結果、
途中まで彼女を否定するために正論を言うキャラになってしまい、有能なのか無能なのか分からない中途半端なキャラになってしまったと言えよう。

彼らもまた激動の時代(と脚本)に翻弄された犠牲者だと言える……。


久織ちまき氏によるTHE EDGEでは補正が掛けられており、カガリが連合との同盟を頑なに拒否していた時は叱責したり、
「後退しろ」と叫ばれた時はトダカ達が鵜呑みにしそうになった中、ネオに言及されたのもあって戦闘継続を選択するが、
「はいそうですかと引き下がれるか!」と連合に後ろから撃たれるのを避ける為に継続を選んでいたりといくらかまともになっている。


まあカガリに殴られる前に将兵にフルボッコにされてたけどな!……将兵ェ…
ちなみに、カガリに問い詰められた際になぜジブリールに与するような真似をしたかに対して、ちゃんとした理由も吐露している。
このシーンはジブリールの狂気と空恐ろしさ、それに立ち向かえなかったユウナの弱さを上手く描いた名シーンなのでぜひ御確認を。


「項目はあなたのオモチャではない!いい加減感情で追記・修正するのはやめなさい!」

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