大空翼(キャプテン翼)

登録日:2012/02/19(日) 11:50:05
更新日:2024/02/06 Tue 03:40:34
所要時間:約 7 分で読めます




概要


大空(おおぞら)(つばさ)は『キャプテン翼』の主人公。通称は「サッカーの申し子」

国籍:日本
生年月日:7月28日
出身地:東京都
身長:175cm(プロ入り以降)
体重:64kg(プロ入り以降)
利き足:右
ポジション:FW→MF
所属:南葛小サッカー部→南葛SC→南葛中学→サンパウロ→バルセロナ

担当声優は以下の通り


略歴


幼い頃、サッカーボールに命を助けて貰い「ボールはトモダチ、怖くないよ」という名言が生まれる。
(後に『おれたちのこの怒りはボールにぶつけよう』と衝撃の発言をした)

南葛小に転校するまで無名の選手。
あれだけ上手いのに何で?と思うかもしれないが、連載開始当時の日本ではサッカー自体がマイナースポーツだったので無理もない。
ちなみに2018年のアニメ版では時代背景が現代になったためサッカーも盛んになっているのだが、こちらでは転校前にいたところが「俺が俺が」とボールを取り合う実に小学生らしいプレーばかりだったので翼も活躍できなかったようだ。
「いや、それでも翼1人で勝てるだろ」等と言ってはいけない。というか翼からボールを奪える超人がごろごろいたことになるのだがどんな地区だったんだ……

小学生の頃から驚異的なキック力を誇り、2Kmはあろうかという距離を越えて、
サッカーボールの挑戦状を若林邸に叩きつけている、脚力は世界最高峰クラス。また、脅威的なジャンプ力も併せ持つ。

若林源三との初対決では、いきなり修哲2軍10人をごぼう抜きにして若林からゴ―ルを奪う。
この対決を見ていたロベルト本郷が翼にコーチさせてくれと言い出す。

岬太郎とゴールデンコンビを形成し、他の選手をも生かすサッカーセンスの凄さが現れている。

全国小学生サッカー大会に南葛SCのCF兼キャプテンとして出場して優勝、得点王と大会優秀選手に選ばれている。

小学生編はライバル・日向小次郎の圧倒的なパワーに一度は敗北し、三杉淳に自信を打ち砕かれるも、周囲の人の後押しで立ち直り心技体全ての面で成長していく。
決勝の二度目の日向との対決で最早完全に才能が開花し、同時にその才能は日本全国の選手全てを突き放してしまう。

中学生編開始時の中学三年生の時点で既に全国中学生サッカー大会は二連覇済、中三の春には高校選抜の合宿に参加し、高校レベルを越えているとの評価を受けていた。
しかし全国大会に入ると早田の反則スレスレのプレー、立花兄弟とのアクシデントにより足と肩の怪我のハンデを負い、万全の状態で戦えない状態が当たり前になってしまう。
対比良戸中戦では前半で3点差をつけられてしまい、ケガが悪化した翼はフィールドに倒れてしまう。三杉と戦って以来の大ピンチ。
小学生時代に共に戦った岬も若林も居ない今、翼は『岬君とのコンビプレイなら天下無敵なのに』と悔しさを滲ませるも夢に出てきた、岬、若林、ロベルトに諭される。

ケガを負ってなお翼は全中大会三連覇を達成し、JY大会優勝の原動力となり、日本代表に最年少で選出、グレミオとの親善試合に出場して、ハットトリックの大活躍。
後にブラジルのサンパウロFCに入団。三年後のブラジル選手権に優勝。

WY大会も色々あったがまたしても優勝。WY本大会前、サンパウロFCからの帰国命令を無視したため解雇。

そして、幼馴染みの中沢早苗と結婚し新所属先としてFCバルセロナに入団。入団前に自主トレで身体を鍛え上げ、バランスの悪さを解消。
芸術家(ファンタジスタ)の巧さに剣闘士(グラジエイター)の強さを加えた「ファンタグラジスタ」となることを目指す。字面はややトンチキだが理屈はマトモである。

しかし、チームエースのリバウールとキャラが被るということで同ポジションとして圧倒されBチームに降格。
下部リーグの試合においてプレーで格の違いをこれでもかと見せつけ、下部リーグの選手に無双状態。リバウールの体調に不安があるため、Aチームに合流。
11人抜きを幾度か実現したり、各国の代表クラス(超一流)を相手に攻守に完璧超人ぶりを発揮して、レギュラーとして活躍。


一見すると好青年の様に見えるのだが、その実メンタルが非常に強く、更に狂犬かと思ってしまうぐらい負けん気が強かったり自信過剰だったりする。
もっとも、人としてはともかくスポーツマンとしては好ましい性向ではある。

なお、登場人物はもっぱら苗字で呼ばれる本作において最大の例外であり、基本的に「大空」と呼ばれることはない。


評価

キャラクターの優遇・冷遇が著しい本作だが、そのヒエラルキーの頂点。
プレースタイルとしては華麗で創造的なプレーを最大の持ち味とするファンタジスタであるが、サッカーとしての厳密性よりエースのぶつかり合いといった漫画的表現が優先される作風もあってあらゆる局面において活躍し、テクニックだけでなくフィジカルも抜群で「ファンタグラジスタ」の肩書きが示すようにそこを磨き上げることに余念もない。
全てのライバルを踏み台にして高みに上り続ける最強主人公、ぼくのかんがえたさいきょうのサッカー選手であり、良くも悪くも、そのタイトル通り『キャプテン翼』を体現するキャラクターと言える。

その最強っぷりは、第2部・中学生編にして早くもライバルの視点から「最強の敵」としての翼を描き、翼は中盤以降万全に程遠い状態での戦いを強いられるという展開が始まることにも象徴されている。
サッカー漫画最強論争のようなことをするとしても、作品の圧倒的なネームバリューは置いといて作中での活躍だけで考えても全く隙がないため、確実に真っ先に候補に上がるだろう。リアルファイトの強さを持ち出されても証明済みなので問題ない
もし現実世界に存在しても、作中通りにサッカー界を席巻する存在になることは疑いようもない。

コアなファンほど脇役たちに目が行きがちであり、翻ってインターネット上では腐されやすいが、誰よりもサッカーを楽しみながらも立ち塞がる壁に臆せず立ち向かい、より強くなって克服して頂点を目指し続ける彼の姿は本作の魅力であることも忘れてはならないだろう。
「キャプ翼の影響で90~00年代の日本の才能がMFに偏った」とまことしやかに囁かれた*1ように、紛れもなく世界中のサッカー少年の憧れとなったキャラクターなのである。


テクモ版において

原作JY編までを再現した「初代」の後、「Ⅱ」「Ⅲ」にてブラジルのサンパウロユースでサッカーを続ける。
ある時はブラジルのクラブチーム同士で、ある時は日本の対戦相手として、またある時は再び日本代表として戦い続けた。
「Ⅳ」で原作同様サンパウロFCでプロ入りし、「V」にてレッチェへ。
プロチーム内でのチームメイトとの衝突や小学生以来となる敗北にも負けず、才能をさらに開花させていく。
数々の大会で栄冠を手にし、最終的に早苗とのゴールインでもう一つの大空翼の歴史は幕を閉じた。

テクモ版における性能

主人公だけあって、全てのステータスが高いキャラクター。
それを活かし、原作同様に攻撃に守備に一騎当千の活躍……とはなかなかいかなかったりもする。

サッカー部やクラブチームを使用する序盤は全能力値がチーム内トップなのも珍しくないが、
終盤の日本チームになると攻撃面はどの数値もトップだが*2、守備能力では本職のDF達に劣るという調整がされている作品が多い。
基礎ステータス上は守備能力も日本内上位の作品も多いが、 ほぼ全作においてディフェンス必殺技を持たない*1 、という点が響く。

以上の事から、 攻撃寄りの 万能キャラという認識を持った方がいいだろう。
それだけあって、攻め手は実に豊富。
ドリブル、シュート、パス、トラップ、オフェンス時に使う能力値は全てが世界でもトップクラスな上、必殺技も豊富。
  • 遠くからぶっぱなしてもOK、主に序盤に猛威を振るうおなじみ「ドライブシュート」。
  • ただでさえ高いドリブル値に更に+される最強のドリブル、「ヒールリフト」「クリップジャンプ」。
  • 翼をもってしてもドリブル突破が困難な相手を釣り出せる、「ドライブパス」。
  • どの作品でもまず取られない岬とのワンツー、「ゴールデンコンビ」。
  • 圧倒的な決定力&地上・低空・高空、全てで使用可能のゲームオリジナルシュート、「サイクロン」シリーズ。
シュート技に至ってはこれでもまだ一部で、シリーズ限定のものも挙げるとキリがない。

しかし世界クラスのストライカーの常として、どの作品においてもガッツ(スタミナ)枯渇が付きまとう。
序盤、守備能力の水準が低い南葛やサンパウロ内においては積極的に守備参加もさせたいが、そうすると得点に回すガッツがすぐに尽きてしまう。
日本においては性能上守備の負担も減るが、徐々に消費の多い必殺シュートでないとゴールを奪えなくなり、ゲームメイクに多用しすぎると貴重な得点源が減ってしまう。

そのためボール奪取は松山・ドトール達DF陣、パス供給役は早田、困ったときのボール維持はバビントンや岬、というように得点以外で極力役割を他のメンバーに回すのも重要。
翼のプレーをいかに効率良くゴールに繋げられるかで、試合の勝敗は決まると言っていい。
というより翼に頼りすぎると他が育たなくなるので、実のところできるだけ翼を温存した方が総合力の向上につながる。
もっともこれはこれで自主的に半縛りプレイをやることになってしまうので、翼などの強力な選手でごり押しするかチームの総合力で勝負するかはプレイヤー次第。


余談


◆実際にサンパウロFCでプレーした水島武蔵を参考にしたという。
 若くしてブラジル行きという点でキングカズと勘違いされることあるが、連載当初のカズはまだリアル中学生なので参考になりようがない。

◆『ホイッスル!』の登場キャラクターの1人、椎名翼の「翼」は『キャプテン翼』並びに大空翼が由来である模様。


必殺技


  • オーバーヘッドキック
キャプテン翼の代名詞。翼の得意技。

  • ヒールリフト
ボールを踵で蹴り上げ、背中から相手の頭上を越え、自身の前に落とす。全国のサッカー少年は真似した。

  • 黄金コンビ(テクモ版では「ゴールデンコンビ」)
岬とのパス回しで敵陣を突破。

  • ドライブシュート
大空翼の代名詞。強い縦回転をかけることにより、ボールを急降下させてゴールを狙う。テクモ版では南米系の選手が、原作ではファン・ディアス、三杉、弓倉宣之、マーク・オワイランなどが使う。

  • ドライブパス
翼の必殺パス。強い縦回転をかけることにより、ボールを急降下させて相手にパス。

  • ドライブオーバーヘッド
JY編の西ドイツ戦で決勝点を決めた技。オーバーヘッドでドライブシュートを打つ。テクモ版でも2でイベントの後、覚える。

  • サイクロン
テクモ版2で出てきた翼の必殺技。
伝説のシュートと呼ばれており、かつてブラジルのスーパーストライカー・ジャイロが編み出した技である。
バックスピンの浮き球を上げてドライブシュートで打ち抜く。螺旋の軌道を描いてゴールを狙う。
イベント、エフェクトがカッコいいがガッツ消費量が多過ぎるので多用は出来ない。
後に隙が大きい、脚への負担が大きいなどの理由でネオ・サイクロン、サイクロン改(表記上は「サイクロン」)、最終的に必殺パスの回転を利用したブーストサイクロンへとたどり着く。

  • フライングドライブシュート
WY編で登場。斜めの軌道を描くドライブシュート。

  • グリーンカットパス
WY編で登場。バックスピンが掛かった受け手に易しいパスで、後に岬も使用。
バックスピンパスそのものは中学生編の対南葛戦で次藤が使用したのが初

  • スカイダイブシュート
WY編で登場。相手全選手を踏み台にして独力で抜き去り、ゴールにボールごと飛び込む技だった。
この技を見たロベルトは「独りよがりな技だ」だの「サッカーを舐めるな!!」だのと吼えた。あと複数の危険行為を平然とやっていたりもする。
後にボールを体で包み込み皆と一緒に(後押ししたり周囲を囲むように一緒に飛んで防御したりして)ゴール突っ込む技に昇華された……?
いやこっちもキャプ翼とは言っても有りなの?敵の方は体を蹴る訳にはいかないし周囲のメンバーにも押し出されているんだけど…。
ただし実際のサッカーのルールでは、相手選手を踏み台にする行為は反則である。

  • スカイウィングシュート
陽一版サイクロンで、地面にわざとつま先をぶつけながら放つシュート。
日向の雷獣シュートと同じ原理の技であり、隙が大きい、脚への負担が大きいなどの理由はサイクロンと被る。ロベルトから教わった。
後に同じくロベルトから伝授されたカルロス・サンターナも使用。

  • ツインシュート
岬と同時にシュートを放つ技で、元々は試合中に「偶然放ってしまった」技。
後に立花兄弟など数多くの選手に真似された。

  • ドライブタイガーツインシュート
日向と放つツインシュート。原作ではミューラーに止められている。

  • ファイヤードライブツインシュート
テクモ版「III」「IV」で使用。シュナイダーと放つツインシュート。
ストーリーモードでシュナイダーと同じチームになる事は無いので、オールスター専用の技である。

  • ネオドライブシュート
「RISE OF NEW CHAMPIONS」で使用。威力が強化されたドライブシュート。

血縁者及び関係者


  • 大空広大
父。外国航路の船長で、年の大半は母子家庭。
「死ぬほど好きな船に乗りに行く」父親を見て育った息子が、好きなことのために命を賭けるのは当然の成り行きだったといえばそうだろう。
あの親にしてこの子あり。

  • 小坂奈津子→大空奈津子
母。仕事の都合があるとはいえ、たまにしか家に帰って来ない広大と翼を見て、次男の名前を「日本に根差して欲しい」という意味で大地にした。

  • 大空大地
かなり歳が離れた翼の弟。

  • ロベルト本郷
翼の人生観を大きく変えた人で、元ブラジル代表CF。
立ち位置が師匠、ライバルチーム監督、後見人と色々変わる。
弟子の翼は結婚しているが、師匠のこの人は独身。

  • 中沢早苗→大空早苗
南葛小応援団長。あねごのアダ名で呼ばれていた。アニメ版では最初、並木ミユキと名付けられていた。
JY後告白、遠距離恋愛の果てWY後に結婚。

  • 神田幸志
石崎の忠告を無視して、早苗に手を出したボクシング男。早苗を巡って翼とタイマン。翼の蹴りで肩を骨折した。
忠告を無視して怪我をしたのだから、自業自得である。
後にライジングサン編でオリンピックにおけるボクシングの日本代表になっている。

  • バビントン
ゲーム版に登場するサンパウロFCユースのチームメイトでMF。
アルゼンチンユース代表でアルゼンチンの井沢とテクモ版の愛好家から呼ばれる。
他のチームメイトに、低い浮き球に強いドトール、高い浮き球に強いアラマウのDFコンビ、ブラジルの森崎ことGKのレナートなどがいる。

  • ぺぺ
WY編に登場。サンパウロFCのチームメイト。ブラジルの石崎だがポジションはFW。


○名言

『ボールはトモダチ こわくないよ』 

『まだだ!自分たちで試合時間をきめちゃいけない!!
審判の笛がなるまで、それまでの最後の0.1秒までも試合では、全力をつくすんだ!!』

『こい! おれにもってこい!!』

『おれたちの この怒りは ボールにぶつけよう』

『サッカーはおれのゆめだ』

『たとえ 足の骨が折れたって さいごまでプレイするぞ』

『俺は、俺達は、その夢に向かって走り続けます!』

『夢に向かって走り続けることは自由です。そしてオレ達はこれからも夢に向かって走り続けます』

『確かに早田の穴は一人では埋まらない。しかしピッチにいる10人がいつもより少し頑張れば、1.1倍頑張れば、10人で一人分カバー出来るんだ』

『10ゴール10アシストは無理だったか』

『世界一になったとは思っていません。なぜなら、この大会にはサッカー王国のブラジルが参加してないからです』



追記・修正はトモダチさ。


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最終更新:2024年02月06日 03:40

*1 事実かどうかは証明のしようがないのでわからないが。

*2 特殊な性能である三杉を除く。