テラ(キングダム ハーツ)

登録日:2010/02/11(木) 16:55:45
更新日:2022/12/25 Sun 20:21:58
所要時間:約 9 分で読めます




―――この力、友のために



KINGDOM HEARTSシリーズの登場人物で、BbSでは三人の主人公の内のひとり。
CV.置鮎龍太郎


概要

己に厳しく強さを追い求める、真面目で実直な性格をしたキーブレード使いの青年。そして何よりも友達を大事にする。
修行仲間であるヴェントゥスアクアとは非常に仲が良く、特にヴェントゥスとはまるで兄弟のようだとアクアに言われていた。
また、厳しくも優しい師匠であるヒゲエラクゥスを実の親のように慕っている。

しかし純粋すぎる為に非常に騙されやすく、ヴェンとアクアの光の心が強すぎる故に心の闇が浮き彫りになっている。
小説版では甘い物が苦手で、特にフルーツが大の苦手。大の甘党のアクアやエラクゥスとは好みが合わないので、苦労していたとか。
実際ゲーム中でとある場面でアイスをもらえるのだが、テラの物は甘さ控えめのアイスである。

使用するキーブレードは「アースシェイカー」、物語終盤はアースシェイカーの強化体の「ガイアベイン」。

ゲーム内での性能は攻撃力が上がりやすく、全体的にリーチが長いため三人の中では物理・パワータイプである。
また専用コマンドは名前通りクエイクなどの「地」に関係したものや、フリーズ等の「氷」タイプ、デジョンやダークヘイズ等の「闇」に関係したものが多い。

テーマ曲「Terra」は彼の勇ましさを現したようなかなりカッコいい曲。


KINGDOM HEARTS Birth by Sleep

本編開始時は修行の地でアクア、ヴェンと共にマスター・エラクゥスの元でキーブレードマスターを目指し修行に励んでいた。
そしてマスター承認試験前日、アクアからつながりのお守りを貰い、試験に臨む。

試験当日、アクアとの模擬戦で追い詰められた際、とっさに闇の力を発現させてしまう。
その結果、エラクゥスに心の闇を制御する力が不十分と告げられ、アクアだけがマスターとして承認される。

その後、自身の闇を指摘され悩むテラはエラクゥスの兄弟子であるマスター・ゼアノートに「心の闇を消すのではなく、力で制するのだ」と諭され、エラクゥスの光を絶対視する考え方に疑問を持つようになる。

その直後、魔法使いであるイェン・シッドから光のプリンセスと呼ばれる者に迫る危機、負の感情から溢れ出す存在「アンヴァース」の出現、そしてゼアノートの失踪を知らされる。
エラクゥスからアンヴァース討伐とゼアノート捜索の任務と任務の結果に応じてはマスター承認を再考する旨を聞き、テラの旅が始まる……


運が悪いのか各世界で最初に出会う人間はヴィランのことが多く、やたらに騙されている
シリーズお馴染みのマレフィセント、白雪姫に登場する悪い王妃、ハデス、ジャンバ博士、フック船長と、見事に騙されまくり*1で、あの悪戯小僧のピーターパンからすらも騙されやすそうと心配される程である。
マレフィセントに心の闇につけ込まれ操られてしまったこともあった。*2

あっさり騙されるだけならまだいいのだが、各ワールドの問題ごとを途中でほったらかしにしていることがたまにあったり、微妙に無神経な発言してたり、心臓を心と勘違いしてたり*3と絶妙な残念イケメン臭を漂わせている。

物語中盤、マスター・ゼアノートと再会したテラはヴェンの心から抜き出した闇…ヴァニタスが制御できなくなってしまい、彼を倒すよう懇願される。

レイディアントガーデンでアクアやヴェンと再会するも、「エラクゥスはアクアに命じて自分を監視させていた」と曲解してしまい、二人と険悪になってしまう。
自分を評価してくれるマスター・ゼアノートに傾倒していくテラはキーブレードを欲しがる謎の男ブライグに捕らえられたゼアノートを助けるために闇の力を発現させてしまう。
闇に堕ちてしまった、帰る場所はもうないと自己嫌悪するテラをゼアノートは「闇を制した」、「自分が弟子として迎え入れる」、「自分がマスターとして認める*4」と声をかけ、彼を惑わしていく。

一方で、様々な世界を巡る内に、自分にとって大切な物や夢を信じる事について再認識していくテラ。

全ての世界を巡ったテラは、光に導かれ辿り着いたデスティニーアイランドで幼い頃のソラとリクに出会い、リクから光を感じ取る。
「外の世界に出て強くなり、友達を守りたい」と願うリクにかつての自分を重ね、リクにキーブレードの力を継承する。この時ソラは完璧にスルーされていた

その後、マスター・ゼアノートからヴェンが自身の過去の真実を問いただすため、只ならぬ様子でエラクゥスの元に向かったと聞き、後を追う。

するとヴェンがエラクゥスに返り討ちにされ封印されそうになっており、直前に何とか間に割って入りヴェンを助ける事に成功する。
この時親友であるヴェンを救う為に頑なに拒んできた闇の力を自ら受け入れ、エラクゥスと対峙する。
そのため、この戦いではスタイルが闇の力である「ダークインパルス」固定となる。

ちなみにテラ編から始めるとエラクゥスが無茶苦茶言ってるようにしか見えない。

簡単に説明すると、

ヴェンが師匠にボッコボコにされ問答無用で封印されそうになっている
 ↓
テラがヴェンを庇う
 ↓
師匠「命令だ! どけ!」
 ↓
テラ「嫌です!」
 ↓
師匠「何故師の心を理解しない、ならお前も一緒に封印だ(泣)」

説明も無しに行きなり封印しにくるとはたまったもんではない。しかも泣きながら……というかスクウェア師匠は説明足りなさすぎです。*5

激戦の果てにエラクゥスを退けたテラ。
流石に二人とも冷静になり、テラは「師匠であるエラクゥスに刃を向けた」事、エラクゥスは「自分の態度が逆にテラを闇に落としてしまった」ことを互いに詫び和解するが、テラとの闘いで体力を使い果たしたエラクゥスはゼアノートに止めを刺され、消滅してしまう。

唖然とするテラの前にゼアノートが現れ、自分がすべての黒幕である*6とテラに告げ、怒り闇に心をゆだねるよう言い、彼をキーブレード墓場へと誘う。

全てに決着をつけるためテラはキーブレード墓場へと向かう。

最終決戦にて、ゼアノートの「おまえはヴェントゥスもアクアも救えん!」という言葉に激昂、再度闇の力に飲み込まれてしまう。
力を増幅させたテラはゼアノートを追い詰める*7が、その時ヴェン達のいる方向から巨大な光の柱が発生。*8
その隙をついてゼアノートは自らの心を解放、悲願であったテラの体の乗っ取りに成功する。

勝利を確信し、その場立ち去ろうとするゼアノート…テラの肉体をのっとたテラ=ゼアノートの前にテラの思念が留められた鎧…留まりし思念が立ち塞がる。

留まりし思念はテラノートを打ち破るが、テラノートはχブレードから溢れ出した光に飲み込まれ、思念も再び荒野に留まる。

アクア ヴェン――――
俺がいつの日か必ず――――

この戦いの後にテラ=ゼアノートと、テラを追ってきたアクアとの戦いに発展。
最終的にはテラノートは完全に記憶喪失に陥り、倒れていたところを賢者アンセムに助けられた。
以降ゼアノートは、『1』のきっかけとなったあの事件を引き起こすまで、アンセムの弟子として充実した日々を送るようになった。

ちなみに体はマスター・ゼアノートに乗っ取られたがテラの心はまだ残っており、「ゼアノート」の中でマスター・ゼアノートと心の主導権争いをしていた。

たとえ我が心が取り込まれようが−−たとえ我が身が闇そのものになろうが−−そのためにどんな犠牲を払おうが構わない。俺の目的はただ一つだ。

後にテラ=ゼアノートはハートレス(闇の探求者アンセム)とノーバディ(ゼムナス)に分かれてしまう。
ゼムナスがアクアと忘却の城の「目覚めの部屋」に眠る人物(ヴェン)を友と呼ぶのは、テラの影響らしい。

性能の話

とまあそんな具合にストーリー上踏んだり蹴ったりな彼だが、性能面でも割と不遇。

上記のようにパワーはあるものの隙が大きく、他2名は後半で強力で隙の少ない技をガンガン取得するのでリードしているのは序盤のみ。
このゲームの強敵は皆回避能力が高いので、この大きく振りかぶって斬り付ける以外出来ない彼独特のモーションは実用面では大きな枷になってしまう。

また、独自の回避手段「スライド」の低性能ぶりは他2キャラと比べても頭抜けており、

スライドで回避
→ボタンの押し時間や強弱等による移動距離調整が出来ないため、変な位置でテラが停止してしまう
→他2名の回避技の数倍はある硬直時間で、敵の追撃をあっさり貰う
→そのまま死亡

という展開を、これでもかと言わんばかりに見る羽目になる。


スライドの性能の所為で、強敵相手の際の難易度がテラだけ跳ね上がる、とすら評され、何かと不遇なテラの代名詞として扱われるまでに発展。
スライドさん」「スライドマスター」「スラさんのことテライドとか言うなよ!
などというあだ名やネタレスが付けられるに至る。
見栄えは良い技はあり、ストーリーモードの魅せプレイをやってる分には困らないが、やり込みに関しては鬼門と言って良い。
特に攻撃の激しいFM版追加ボスとの相性が非常に悪く全国のプレイヤーたちを苦戦させた。

最高威力のシュートロックで、下記の『留まりし思念』戦を繰り返した人にはお馴染み『アルテマキャノン』の性能も、他2名と比べて効果時間が短い影響で、のけぞり難いアーマーとテレポート等を駆使する強敵が多い今作では回避され易く、ふんだりけったり。

更に言うとBBSはボスに対しての最大ダメージ上限が他の作品より低くなっていることが多く手数ゲーと言われている。テラ専用のコマンドはほとんどが高威力だが単発型。
つまり、他の二人よりパワーがあるという利点がゲームの仕様上大した利点になってないのである。
魔法力が低いためのも難点で今作の強コマンドのデトネ系が大した威力にならず、ヴァニタスの思念で苦戦させられる。

弱いというより、テラの個性がBBSというゲームの仕様と致命的に噛み合ってないのである。まさしくストーリーで本人は真面目でいいやつなのに、出会う人や評価に恵まれなかったテラの姿そのものであった…。


留まりし思念

ゼアノートに体を奪われた直後、テラの思念が鎧に宿った存在。
テラのキーブレード「ガイアベイン」を手に、テラノートと最後の戦いを繰り広げ、打ち破った。

BbSから長い年月が経ったKH2の時点でも地縛霊のような形で友への思いとゼアノートへの怒りが染み付いた鎧だけが荒野に残されている。
詳細は専用項目


彼の抱える「痛みの記憶」は、他者であるソラの中に残っており、ナミネがソラの記憶を修復する際に見つけていた。
データ世界のナミネはミッキーに、いずれテラ達の目覚めが必要になること、そしてその痛みを癒やせるのはソラだけだと語った。
また、3Dや0.2で光の守護者の一人として彼もカウントされている。

そしてKH3Dでアンセムもゼムナスも倒されたことでゼアノートは蘇ったが、なぜかテラは行方不明になっており…


KINGDOM HEARTSⅢ

敵に捕らわれていることを中盤で察知される程度でなかなか出番がなかったが
とうとう終盤のキーブレード墓場で登場。

しかしそこにいたのは肉体を乗っ取られたテラ=ゼアノートの方であり無茶苦茶な強さを発揮して一度は光の守護者たちを完全敗北まで追い詰めてしまう。
時間が巻き戻った際には留まりし思念の活躍で何とか退けることはできた。

その後最終決戦ではヴァニタスとともにヴェントゥス、アクア組と戦う。
ソラの助力で一度は倒され二人に必死に語り掛けられるものの闇の力で復活。
鎖の様な魔力で二人を拘束してしまう。

この鎖はおまえたちには断ち切れん 絆だからな
自らの無力さを思い知れ!

二人を散々痛めつけ高所より二人を落とそうとしたテラ=ゼアノートだったが…

テラ 俺が助けるよ――――

突如テラ=ゼアノートやアンセムの後ろにいた怪物*9が二人を救ったのだった!
ソラたちでも破壊できなかった鎖を握りつぶして破壊した「影」は狼狽するテラ=ゼアノートの頭を鷲掴み口の包帯を破り…

俺が――――
いつの日か――――
必ず――――

俺がいつの日か必ず――――
この地に戻り――――

二人を守る!


テラの心は影の怪物の中に入っていたのである*10
空によりテラ=ゼアノートは光の一撃を受け倒れその際に影から抜け出たテラの心は肉体を取り戻したのだった。
彼は闇に落ちても二人を守るという約束を今果たしたのである。

なお、テラがそれまで経緯だったのかイマイチ不明だがアルティマニアによると
ゼムナスとアンセム消滅でハゲと一緒に肉体が復活するもすぐさま青年ゼアノートの能力で過去のテラ=ゼアノートの心が入れられてしまい、
テラの心の方はスタンドさんになったり肉体で主導権争いしたりと行ったり来たりしていたとのこと。*11
また、テラ自身も復活後は戦闘機会がなくほとんど会話もなく比較的不遇。


KINGDOM HEARTSⅢ Re Mind

復活イベントこそこなしたが、やや地味な印象だったテラだったがDLCでのレプリカゼアノート戦で戦闘機会が訪れた。
守護者の中で唯一複数のレプリカを相手にしており、その設定上の実力の高さを見せつけた。念願のリクとのコンビ技も披露。

ⅢではBbSでのやや不遇な扱いを返上するほど格好良い場面が多く、精神的な弱さもほとんど見られず、彼本来の魅力を存分に発揮している。

3エンディング後は消えてしまったソラの行方を探すためにヴェンやアクアと共に闇の世界を探索しているらしい。


追記・修正は思念だけ鎧に留まった方か怪物になっても根性で戻った方にお願いします。
この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • KH
  • KINGDOM HEARTS
  • Bbs
  • 主人公
  • 置鮎龍太郎
  • 大地
  • さまようよろい
  • 留まりし思念
  • 騙されることに定評のある男
  • 俺の友に手を出すな!
  • ダークインパルス
  • ウサ耳
  • KH最強の裏ボス
  • 被害者
  • スライドマスター
  • 闇堕ち
  • 残念なイケメン
  • テラ
  • ゼアノートの被害者
  • スピンオフ主役
  • 悲劇の主人公

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年12月25日 20:21

*1 一応擁護しておくと、見た目だけで相手を悪だと断じずに一旦は信用しているだけで、自分の目で判断して本当に問題のある頼まれ事はちゃんと拒否している

*2 本人含めて勘違いされがちだが、心に光を宿すものに他者の心は奪えないと明言されているので、オーロラの心を奪ったのは実際にはマスター・ゼアノートである可能性が高い

*3 まあ、英語だとどっちもハートなので仕方ない一面もある

*4 ちなみにディレクターからマスター承認は自分を育てた師匠以外からは不可能とばっさり切り捨てられている。ひどいな野村…

*5 一応、後のシリーズでもエラクゥスは実は激情家であることが強調されている。

*6 そもそもエラクゥスは本来ならテラを試験などするなくマスターとして任命する予定だったが、ゼアノートが告げ口をして試験が開かれることとなった。

*7 後述のようにゼアノートは乗っ取る為のテラの体を無暗に傷つける訳にはいかないので、ある程度加減していたのではという見解がある

*8 これはヴェントゥスとヴァニタスの融合によって完成したχブレードに伴う余波

*9 通称スタンド、影

*10 今まで使ってなかったのにテラ=ゼアノートになった後影の技を使いだす、3Dでアンセム戦後に影がリクのキーブレードを見て意味深な反応をするなど伏線はあった

*11 アルティマニア発売前は肉体はレプリカ説がささやかれていた