中島敦

登録日 :2012/09/23(日) 04:42:17
更新日 : 2017/05/06 Sat 14:30:28
所要時間 :約 3 分で読めます




中島(なかじま)(あつし)は、日本の小説家。
1909年東京都生まれ。東京帝国大文学科卒。
代表作「山月記」「光と風と夢」など。


【来歴】
1909年5月5日、東京都四谷区(現新宿区)で、江戸時代より続く儒者の家系に生まれる。
東大を卒業後、教師となり、教師生活の中で「かめれおん日記」「悟浄歎異」を執筆。
のちに辞職し、南洋庁の書記官として、委任統治領であったパラオ島に赴任。この間「山月記」などを執筆する。
1942年、持病の喘息が悪化し帰国。「光と風と夢」が芥川賞候補になるが入賞せず、12月4日、喘息のため死去。享年33。直前に発表した「李陵」が遺作になった。



【作風など】
漢文調の格調高い文体が特徴で、中国古典に取材した作品が多い。
その他にも「光と風と夢」のような、赴任したパラオ島に関係するものもある。
生前はほとんど無名だったが、死後高く評価された。
また「山月記」がよく高校の国語の教科書に採用される。



【主な作品】

  • 山月記
『臆病な自尊心と、尊大な羞恥心』

自らの性情の為、虎になってしまった男の話。
中国の「人虎伝」という変身譚が元になっている。
前述の通り、国語の教科書に採用された。
上記の言葉や、冒頭の「性、狷介、自ら恃むところすこぶる厚く…」など記憶に残るフレーズが多い。


  • 名人伝
『ああ、夫子が、――古今無双の射の名人たる夫子が、弓を忘れ果てられたとや?ああ、弓という名も、その使い途も!』

師匠を越え、仙人の元で「不射の射」を習得し真の名人になるも、執着心を無くし、最後は弓を忘れてしまった弓の名人の生涯を描く。
こちらも中国の古典がモデルだが、「山月記」と比べ道徳的な要素が少ないせいか教科書には載らない。


  • 李陵
実際にあった「李陵の禍」という事件が題材。
前漢・武帝の時代、奮戦しつつも匈奴の捕虜となった武将李陵と、彼を弁護して武帝の怒りを買い、宮刑に処された『史記』の著者司馬遷。
立場・境遇は違えど、屈辱的な災難に見舞われながら信念を全うする二人を描いている。


  • 弟子
任侠無頼の身から弟子入りした子路と、師匠孔子の物語。
真っ直ぐな性格から、儒教・孔子に反発するも、彼の深い人間性を愛した子路、
軽率な言動を咎めつつ、子供のように真っ直ぐな子路を愛した孔子を、人間臭く描く。


他にも

  • 芥川賞候補にもなった中篇「光と風と夢」
  • 西遊記の沙悟浄が主人公の「悟浄出世」「悟浄歎異」
  • 古代オリエントが舞台の「木乃伊」「文字禍」
  • 南洋諸島の伝承がモデルの「幸福」「夫婦」
などがある。

ここで紹介したものは、一通り青空文庫で公開されている。どれもあまり長くなく読みやすいので是非読んでみてほしい。





追記・修正よろしくお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/