新明解

登録日 :2009/11/15 (日) 01:00:59
更新日 : 2016/11/04 Fri 11:21:13
所要時間 :約 4 分で読めます




新明解国語辞典(三省堂)のこと。版元からの正式略称は「新明国」。好事家からは「新解さん」とも呼ばれる。項目数は第六版で76500。



たまにテレビメディアなどで取り上げられ、有名な辞書のひとつ。もともとは山田忠雄を主幹に編纂していたが、現在は柴田武。

新明解の前身は「明解国語辞典」であり、「三省堂国語辞典」の見坊豪紀と山田忠雄で編纂していたが、のちに「新明解国語辞典」へ改題する。
そのいきさつに、見坊がいないときに決まったとあり、結果としては見坊をはずしての決定、それがゆえ山田と見坊の間に溝ができたともいわれる。
そのため三省堂発行の小型国語辞典は二種類がある。




また新明解は数ある国語辞書の中でもかなり売れている。



と、いうのが辞書としての概要である。なにが新明解を有名にしたかというと、その独創的な解釈で、また例文にもかなり独特なものが多い。

がんば・る【頑張る】(自五)
(我に張るの変化という)途中の困難にめげず、最後までやり通す。「死の瞬間まで頑張った(=あきらめないで、生きる意思を持ち続けた)幼い生命」

あい【愛】
個人の立場や利害にとらわれず、広く身のまわりのものすべての存在価値を認め、最大限に尊重して行きたいと願う、人間本来の暖かな心情。「親子の―(=子が親を慕い、親が子を自己の分身として慈しむ自然の気持)」「動植物への―(=生有るものを順当に生育させようとする心)」「自然への―(=一度失ったら再び取り返すことの出来ない自然をいたずらに損なわないように注意する心構え)」「学問への―(=学問を価値有るものと認め、自分も何らかの寄与をしたいという願望)」
「芸術への―(=心を高めるものとしてすぐれた作品を鑑賞し、その作者としての芸術家を尊敬する気持)」「人類―(=国や民族の異なりを越え、だれでも平等に扱おうとする気持)」「郷土―(=自分をはぐくんでくれた郷土を誇りに思い、郷土の発展に役立とうとする思い)」「自己―(=自分という存在を無二の使命を持つ者と考え、自重自愛のかたわら研鑽に励む心情)」
―のけっしょう【―の結晶】
(愛し合う)夫婦の間に生まれた子供。
―のす【―の巣】
愛し合っている男女が、二人だけで住んでいる家。





といったように、概念的・抽象的な事柄を哲学のように捉え、それを言語にしている。なにかの一文にしてもよさそうなくらいだ。また、
どうぶつえん【動物園】
捕らえてきた動物を、人工的環境と規則的な給餌とにより野生から遊離し、動く標本として都人士に見せる、啓蒙を兼ねた娯楽施設。



のように明確な意図の見えるものを哲学に捉えたものもある。他にも、

こしら・える【拵える】(他下一)
今まで無かったものをきちんと作り出す。「五人も子供を―(=生む)」





と言ったように、ネタでやってるんじゃないかと思うようなものまで、様々である。
ちなみにもうひとつの三国は、新語に強く簡素な説明であるため、受ける印象が変わる。
このあたりの感性が三省堂小型国語辞典の二極化の要因ではないか、とも言われている。



とまあこのように、独創的な国語辞典に仕上がっている。他にも抽象的概念である心や魂なども哲学を感じることができる。
あるいはなんでもないような言葉の解釈が妙に笑えたりと、一読する価値は充分にあるはずである。



ついき【追記】
主に本などにおいてそれまであった内容に付け加えて書くこと、またはその行動。
「この項目にーする(=この項目に不足している内容や補足などを付け足す)」

しゅうせい【修正】
間違っていたり問題のあるものを消して正しく上書きすること。
「彼の性癖は社会のために―しなければならない。(=彼の性癖は問題があり、このままでは社会に悪影響を及ぼしかねないため正しくする必要がある)」

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