デジモンアドベンチャー

登録日:2010/03/08(月) 21:25:31
更新日:2023/12/31 Sun 09:39:24
所要時間:約 6 分で読めます







ジモ
チャ

●目次

【概要】

『デジモンアドベンチャー』は、携帯育成ゲーム『デジタルモンスター』を元に製作されたTVアニメーション作品。
1999年3月から翌2000年3月末にかけて放送された。

一応分類としては子供向けアニメではあるが、「ポケモンを卒業した子供」をターゲットとしており、大人の視聴者に向けた要素なども含まれている。
よって同作と比べると、アニメでできうる限りのリアリティ(特に心情)を考慮した作りになっているのが特徴。
当時社会問題とされていた親の離婚と、それに巻き込まれた兄弟の複雑な心境なども組み込まれているのは、初ではないが当時としてはまだ先進的な試みであった。
細かい人間関係やそれにおける子供たちの精神状態も描かれるなど、ジュブナイル作品・文字通りのアドベンチャーとしてサバイバル的な要素も含まれている。

また、ポケモンシリーズ等と違い『死ぬ』『殺す』等と容赦無くバイオレンスな表現が飛び交う。(これは同年に放送開始されたモンスターファームのアニメ版も同じ)
実際犠牲になる味方キャラクターが多数出るほか、少ないが流血描写もあったりする。
80年代後期から90年代半ばまでの生まれのアニヲタにとって少年時代を象徴するアニメかも知れない。

その完成度の高さから大ヒットとなり、以降のデジモンアニメシリーズの先駆けとして礎を築いた。
よって現在もなお名作にして最高傑作と名高い。
一方でこの作品が神格化されたことで以降のシリーズが非常にこき下ろされやすくなったことも事実としてある。
こうした初代信仰とシリーズ後輩作に対する風当たりの冷たさは、製作側の間でも初代に対する絶対主義を生み出し、
後に大きな波紋を呼ぶこととなる『02』以降の続編シリーズにおける迷走を生んでいる。

なお、物語の前日談(4年前)として『劇場版デジモンアドベンチャー』、後日談(半年後)として『劇場版 デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』という劇場作品が作られた。
直接の続編は『デジモンアドベンチャー02』。

漫画版に『デジモンアドベンチャー Vテイマー01』があるが、これは主人公が太一という以外は完全に別物。だがこっちも名作。
作者はやぶのてんや先生。後年コロコロコミックで連載した『イナズマイレブン』シリーズの作者でもある。

2013年1月17日にはTVと劇場版のストーリーを完全再現したPSP用ゲームソフトが発売された。

2015年から2018年にかけて17歳となった太一たちの新たな物語『デジモンアドベンチャー tri.』が劇場用作品として公開された。

2020年には20周年記念作品『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』が公開。

リブート

2020年4月から2021年9月までは、本作のリブート作『デジモンアドベンチャー:』を放送。ラスエボと同年の放送である。


【ストーリー】

異常気象が続く1999年8月。
子供会の合宿で山に来ていた小学生の八神太一、石田ヤマト、竹之内空、高石タケル、泉光子郎、城戸丈、太刀川ミミの7人は異常気象の吹雪に巻き込まれ孤立してしまう。
何とか吹雪をしのいだ彼らだったが、突如現れたオーロラに吸い込まれるようにどこかへ連れていかれてしまった。

見知らぬ場所に連れてこられた子供たちは、そこで奇妙な生物〈デジタルモンスター〉と出会う。



選ばれし子供達

デジタルワールドへ導かれた8人の子供の事。

八神太一
CV:藤田淑子
小学5年生
元気で快活、前向きなリーダーシップのある少年。お気楽思考で一見何も考えていないように見えるが、実は全体の事を考えている。
学校ではサッカー部に入っており、チームの要として活躍していた。
持参物は単眼鏡。


石田ヤマト
CV:風間勇刀
小学5年生
クールに見えるけど情が深い少年。
弟のタケルを非常に心配している。半ばブラコン。太一とはよく衝突する。
持参物はハーモニカ。


武之内空
CV:水谷優子
小学5年生
太一と同じサッカー部所属の少女。しっかり者。
母親と折り合いが悪い。
持参物は救急セット。


高石タケル
CV:小西寛子(TV版)・潘めぐみ(PSP版代役)
小学2年生
まだ幼いが、割としっかりしている男の子。ヤマトの弟だが、親の離婚で離ればなれに暮らしている。
持参物はお菓子。


泉光子郎
CV:天神有海
小学4年生
年の割りに非常に大人びている少年。パソコン関係に精通しており、メンバー中最も頭がいい。
持参物はノートパソコン。


太刀川ミミ
CV:前田愛
小学4年生
天真爛漫な少女。感情を隠さないため我が儘に見える。
味覚が……。
持参物はサバイバルキット。


城戸丈
CV:菊池正美
小学6年生
一番年上であるため、チームを指揮しようと努力するも、あまり報われない少年。
あまりリーダーシップがない。
持参物は非常食。


八神ヒカリ
CV:荒木香恵(現:荒木香衣)
小学2年生
太一の妹。合宿に来るはずだったが、風邪をひいて休み、不参加だった。
長らく出なかったが、中盤から『選ばれし子供』として冒険に加わる。
本編中は風邪のためか、いつも頬を紅くしてはぁはぁしており、その沸き立つ色気にTVの前の少年たちが目覚めてしまったとかどうとか。
変に名前を英語読みすると違う漫画の主人公になってしまう。



【パートナーデジモン】

選ばれし子供達と共に行動するデジモン。
原作ゲームでは進化すると以前の姿に戻ることが出来なかったが、本作ではその設定が変更され、
平時は成長期で行動し、戦闘時にデジヴァイスの力によって成熟期以上に進化して戦闘が終わると成長期(完全体以上は幼年期2)に戻るという設定になっている。
言ってみれば特撮ヒーローモノの『変身』に近い設定で、特に放送当時は原作を知る視聴者からは賛否両論だった。
ちなみに、完全体への進化では逐一成熟期を経由するが、究極体への進化は成長期から一気に進化する「ワープ進化」が基本となっている。
なお、本作では一部のデジモンしか究極体に進化しなかったが、PSP版や『tri.』では全てのパートナーデジモンが究極体まで進化する。

また、文字通り主人公たちそれぞれのパートナーであるが、一貫して子どもたちからは種族名で呼ばれており、ニックネームで呼ばれたりはしていない。

ちなみに、後の作品では基本的にアニメのための新種が設定されてアニメの主要キャラとして登場する、というのが基本だが、
第一作の本作は基本的に育成ゲームが原点のデジモンが大半。進化ルートは異なるのが殆どだが、ペンデュラムではアニメ通りのルートでも進化できるものが多い。


アグモン
CV:坂本千夏
太一のパートナーデジモン。元気一杯の食いしん坊。
太一とは熱い友情で結ばれる。
幼年期:コロモン
成熟期:グレイモン
完全体:メタルグレイモンスカルグレイモン
究極体:ウォーグレイモン


◆ガブモン
CV:山口眞弓
ヤマトのパートナーデジモン。ナイーブなヤマトを気遣う優しいやつだが、シャイな一面も。
幼年期:ツノモン
成熟期:ガルルモン
完全体:ワーガルルモン
究極体:メタルガルルモン


◆ピヨモン
CV:重松花鳥
空のパートナーデジモン。
かなりの甘えん坊で、空に懐いている。
飛行出来るが速度はパタモンとどっこいどっこい。
幼年期:ピョコモン
成熟期:バードラモン
完全体:ガルダモン
究極体:ホウオウモン 


◆パタモン
CV:松本美和
タケルのパートナーデジモン。
タケルと精神年齢が近く、パートナーデジモンたちの中でも特に子供っぽい。飛行出来るが歩いた方が速い。
作中最初の涙腺ブレイカー。聖なる力を使うエンジェモン系列に進化することから、切り札的な扱いをされることも多い。
幼年期:トコモン
成熟期:エンジェモン
完全体:ホーリーエンジェモン
究極体:セラフィモン


◆テントモン
CV:櫻井孝宏
光子郎のパートナーデジモン。知識が豊富。
何故か関西弁で喋る。
幼年期:モチモン
成熟期:カブテリモン
完全体:アトラーカブテリモン
究極体:ヘラクルカブテリモン


◆パルモン
CV:溝脇しほみ(現:山田きのこ)
ミミのパートナーデジモン。
植物をモチーフとした個性的なデジモンで、
種→花→サボテン→(花の)妖精という突然変異めいた進化は色んな意味で衝撃的。
最終回の涙腺崩壊兵器。
幼年期:タネモン
成熟期:トゲモン
完全体:リリモン
究極体:ロゼモン


◆ゴマモン
CV:竹内順子
丈のパートナーデジモン。
やんちゃな性格で、真面目過ぎる丈をからかったりする。
幼年期:プカモン
成熟期:イッカクモン
完全体:ズドモン
究極体:ヴァイクモン


◆テイルモン
CV:徳光由香
一見すると成長期のような小柄な猫型デジモンだが、パートナーデジモンで唯一の成熟期。
性格も大人びており、パートナーのヒカリには保護者めいた目線で接することも。
進化段階ごとに種族が異なる。
幼年期:ニャロモン
成長期:プロットモン
完全体:エンジェウーモン
究極体:ホーリードラモン/オファニモン


デジヴァイス

“聖なるデバイス”と呼ばれるポケベルのような機械。選ばれし子供たち全員が一つずつ持っている。
デジモンの進化に必要な重要アイテム。


【主題歌】

OP『Butter-fly』
作品同様未だに名高い名曲。
この曲を歌う和田光司は、『デジモンセイバーズ』までのOPを6曲中5曲歌い、
さらに『デジモンフロンティア』では挿入歌やED、『デジモンクロスウォーズ』でも挿入歌を歌っている、デジモン界の神クラスの人であるが、
癌を患い、二度に渡って休止から復帰して「不死のアニソンシンガー」と称されるも、2016年に惜しまれながらこの世を去った。
カラオケのランキングにも大体入っている。合コンでも失敗しない?

挿入歌『Brave heart』
主にデジモンが進化するシーンで使われる。
9時20分ごろに流れる曲と言った方がわかりやすい?
劇場版ではバグった。


ED『I wish』
 『keep on』
歌っているのは太刀川ミミ(の中の人)。
劇中で歌ったこともある。
後輩の世代だろうと平行世界だろうと歌い続けたとか言わない。



2013年8月1日、そう、あの運命の日である8月1日、
歌手・AiM(声優・前田愛)が「デジモンアドベンチャー」から「デジモンセイバーズ」までに歌ったエンディングをまとめたベストアルバム、『デジモンエンディングベストエイマー』が発売された。
また、トラック11として「僕らのデジタルワールド~AiMソロバージョン~」が新録されている。
このCDをリリースすることをAiMさんが発表した際には非常に大きな反響があった。

ちなみにジャケットには歴代ライバルキャラが描かれており、過去に描かれた主人公達と対比させた形となっている。

アニメ版デジモンの音楽を懐かしく思うあなた、是非ともこちらを手に入れてみてはいかがだろうか。





今、冒険が進化する――












なお、今でも名作と名高い人気を誇る作品であるが、本作を視聴したファンの中には、後年のデジモンアニメシリーズを頑なに否定し、それを声を大にして主張するマナーの悪いファン(いわゆる懐古厨)も多い(但し近年では他シリーズでも同類の者が見受けられる)。

しかし、それぞれの作品にも本作には無い、良いところはあるわけで、それが好きなデジモンファンも当然ながら多数いる。

なので、いくら自分が本当にそう思っていても、「無印はネ申、それ以降は糞」などと軽はずみな言動は慎むように。
言えば、デジモンファン同士で答えの見えない虚しい討論をすることになるだけなのだから。

それぞれの作品の悪い点ばかりを批判するのではなく、良いところを見つけて、それを認めることがデジモンファンとしてあるべき姿ではなかろうか。


今、追記修正が進化する。

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最終更新:2023年12月31日 09:39