斎田リコ

登録日:2011/03/05 (土) 17:07:58
更新日:2023/12/29 Fri 12:28:41
所要時間:約 6 分で読めます





彼女のあどけない笑顔、何気ない仕草。
全てが愛おしかった。


彼女と過ごす時間は永遠に続くものと信じ、僕は二人の未来に、ただ光だけを見つめていた。





斎田リコとは『ウルトラマンネクサス』登場人物の一人。


演:中丸シオン


主人公「孤門一輝」の恋人。
孤門は防衛隊ナイトレイダー(NR)に所属しているが、彼女は隊員ではなく一般人。

美術大学生であり「家族の象徴」をテーマに卒業制作を考えている。
そのため、よく動物園に足を運び、動物の親子の絵を描いていた。

職業上、異形の怪物やキツい副隊長を相手にする孤門にとって、よりどころとなる存在。
ちなみにNRやスペースビースト(怪獣)の存在が隠蔽されている世界観であるため、孤門の現在の職業を知らない。
しかし「人を救う仕事」を懸命に頑張る孤門を応援し、励ましている。

準レギュラーながら第1話から登場しており、イチャイチャっぷりを視聴者に見せ付ける。
そろそろ家族に孤門を紹介することも考えている様子。

孤門爆発しろ。



◆出会い

孤門と彼女の出会いは半年前で、出会いの場もまた動物園。
きっかけは前職で失敗しヘコんでいた孤門が、風で飛ばされたリコの画用紙を拾い、うっかり手が触れ合うというベタベタなもの。
以前から動物園に通っていた二人は、話を弾ませ、次第に惹かれ合ったのであった。
はよ爆発。


◆ガンバルクイナ君

リコが孤門にプレゼントした、マスコットのお守り。
「ヤンバルクイナ」と「頑張る」をかけているのは言わずとも。
以降も、孤門の正念場で力となる。


シビアな本編ストーリーの合間に、クッションのように挟まれる二人の時間。
しかし光を狙う闇の力は、やがて彼女にまで忍び寄り……



◆警告

第9話にて、デート真っ最中だった孤門はNRからの召集を受ける。
その時、二人目掛けて空からガラス戸が落下。リコは足を怪我する。これは危ない。
孤門の通信機には「これは警告だ」と謎のメッセージが表示されていた。

さらにネクサスと謎の敵「ダークファウスト」の交戦後の森で、孤門は気を失ったリコの姿を発見。
その手にはある男が持っていたはずのタグが握られていた。
その人物と因縁のある凪副隊長は彼女を問い詰めるが、本人は何故この場にいるのか全く覚えがなかった。
ちなみにファウストはネクサスとの戦闘で、足を攻撃されて撤退していた…


翌10話で病院に入院することになるが、その際に二人はキスを交わし、そのシーンも堂々と放送された。
惚気気味な孤門とは対照的に、事態はより深刻になっていく……



◆異変

第11話から、彼女の不可解な行動が急増。
病院から自宅に電話を掛け、母に「孤門を紹介する」と嬉しそうに語るリコ。
しかし母親と話しているはずなのに電話は通じておらず、受話器から聞こえるのはプー、プーという発信中の音だけであった。

さらに病院を抜け出し、自宅に帰ってしまったリコ。
扉を開くと家族が暖かく出迎え、怯える彼女を慰めた。
食卓の中で、紹介する予定だった孤門の話題になるが…



「孤門くんって、誰だっけ…?」


やがて自宅には最初から誰もおらず、自分一人であることに気づき、閑散としたリビングで疑問と怯えを感じ始める。



「どうして皆いなくなっちゃったのよ!」


穏やかなピアノの旋律が徐々に狂っていくBGMがまた怖い。
そこに、鏡からファウストが姿を現し…

一方、通信機から「オ前ハ、大切ナモノヲ、失ウ」という警告を受けた孤門。
リコを心配する孤門は、一度も行ったことのない彼女の自宅へと向かうが、道中でファウストからの襲撃を受ける。

乱入した姫矢准=ネクサスの助けでその場を後にするも、彼女の家は無人。
その上…





部屋の中は大量のグロ絵画で埋め尽くされていた。
動物の親子?そんなものはなかった。


姫矢は苦戦の末にファウスト撃退に成功するが、その戦いの後には、血を流しながら再び森を彷徨うリコの姿があった。


この回、メモリーポリス(NRの別部署)はある事実を発見していた。
半年前に発生したビーストによる一家四人失踪事件、その被害者の名字は「斎田」。
そして、内一人の名は




「斎田リコ」



※以下、本編ネタバレを含みます















◆第12話「別離 -ロスト・ソウル-」

ついに彼女に関わる真相が判明。
実は孤門と初めて出会ったその夜、ビースト「ノスフェル」の襲撃によってリコの父・母・弟は惨殺されており、
彼女自身も元NR副隊長・溝呂木眞也対ビースト用のディバイトランチャーを至近距離で撃たれて殺害されていた。

その死体は“魔人”ダークファウストの媒体に利用され、自覚もないままに溝呂木に操られる生きる屍と化していた。
(※ファウストの詳細はウルティノイドの項目を参照)

そのことを踏まえて本編を見直すと、孤門とリコが接触していないタイミングでファウストが登場していることが分かる。

溝呂木から自分の正体を教えられた彼女は、孤門と姫矢の前に姿を現す。



お前と出会ったから私は殺された
操り人形として、利用されるために


そして、孤門の目の前でファウストへと変貌。
姫矢もネクサスに変身して応戦するが、劣勢に追い込まれてしまう。
ネクサスの光を奪い去ろうとするファウストだったが、孤門の悲痛な叫びで微かに記憶が戻り、攻撃の手を止める。

しかしこの展開を快く思わない溝呂木の差し金で、ノスフェルが乱入。
元の人格を取り戻したリコ=ファウストは孤門をかばい、彼を狙うノスフェルの攻撃を受けて力尽きてしまう。

ネクサスによってノスフェルが倒された後、孤門と出会ったことで家族が皆殺しにされ、自身も殺害された上に生きる屍として利用されたことを知りつつ、
リコは孤門に出会えたことを後悔していないと伝え、彼の腕の中で光となって消えていった。


リコォォォォォォォォ!!!


この辺で鬱になって見るのをやめた人も多いはず。
実際、グロ絵画の件は新聞に批判まで掲載された。



翌回からの孤門の心は完全に空虚であったが、溝呂木の攻撃の手は緩むことはなく

  • 孤門が斎田家に招かれる幻覚を見せる(実際は空き家とマネキン人形
  • 孤門が動物園で出会ったリコという名の少女をノスフェルに取り込ませた上で、孤門に迎撃させる

など二人の関係性は彼女の死後も冷徹に利用され、孤門の精神をボロクソに叩きのめした。
これらは凪にビーストへの更なる憎しみを植え付けるための手段であり、リコを通して抜け殻と化した孤門を凪に見せつけることが、溝呂木の目的であった。
しかしこれらの精神攻撃を受けて尚孤門は折れず、むしろ彼のメンタルを強くする結果に終わっている。

終盤で溝呂木は改心し、自らが犯してきた過ちを謝罪するが、彼を殺してもリコが戻ってこないことを理解していた孤門は、復讐までは行わなかったものの、本当に復讐すべき相手は、彼らのすぐ近くにいた




ざっと要約すると、
  • 主人公と偶然出会ったために一家惨殺
  • 生きる屍として蘇らされ、無自覚なままに一家の仇に利用された挙句殺される
  • 死後も自身の恋人への精神攻撃に自分との思い出を利用される
と、「本当に子供向け番組か?」と突っ込んでしまいたくなるほど悲愴な運命を辿った彼女。

後々生き返るかもしれないとの期待もあったが、そんなご都合設定はなかった。


しかし、リコとの絆は孤門の中に生き続け、彼女から贈られたガンバルクイナ君は孤門の心の支えになり続けた。

そして、最終話「絆 -ネクサス-」で、ウルトラマンノアとなった孤門が元凶であるダークザギを撃破した直後、イメージとして登場。
全てに決着をつけた孤門を讃えた。


「私、信じてた。孤門くんなら、きっと守ってくれるって」


孤門君爆発しろとか言ってごめんなさい。



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最終更新:2023年12月29日 12:28