デジモンテイマーズ

登録日:2010/04/23 Fri 00:01:53
更新日:2024/02/24 Sat 20:08:20
所要時間:約 6 分で読めます













MATRIX
EVOLUTION_






















『デジモンテイマーズ』は2001年に放送されたアニメ作品。



デジモンアニメシリーズの三作目にあたるが、前作『デジモンアドベンチャー02』が前々作『デジモンアドベンチャー』の続編だったのに対し、こちらは完全に世界観が異なる。

前2作はSFファンタジー寄りだったが、本作は非常に現代的要素が強い。
子供達は非常に年相応であり、序盤からして悩んだりするシーンが多くみられる。
中盤で描かれたあるデジモンの死とそれがきっかけで最終話近くまで精神を病んでしまうメインキャラ、終盤でプログラムに侵略された現実世界など、日曜朝とは思えない陰鬱な描写も目立った。
おそらくシリーズ構成を担当した小中千昭の作風の影響という説が濃厚である。

小中千昭によれば、初期のストーリーは平成ガメラシリーズの最初期の構想である小中兄弟によるプロットの影響を受けている(この「小中ガメラ」は『小さき勇者たち~ガメラ~』の由来にもなっている)。
更に本作の参考にした作品は『快獣ブースカ』と『未来少年コナン』だと語っている。


自らの分身のようなパートナーデジモンとは仲は良くても、完全な意思疎通が出来るのは中盤から。
一番の違いはアドベンチャー系では謎のデジタル生命体だったデジモンが、ホビーとして商品展開されているという事(要するに現実と同じ)である。
これにより、当時の子供たちはより感情移入しやすくなった。
現実世界とのシンクロもより強くなっており、デジモンの実在性もまた本作で強化されているのが特徴。
また、実際に販売されていた〈デジモンカード〉の要素を取り入れている。
これにより、前作までの「デジモンが戦っている間パートナーが傍観している」というスタッフが自問自答するようだった状態から脱却。
後半の究極体進化における合体も含め、「共に戦う」という事を強調している。
これは一定の効果を得た反面、シリーズにマンネリを感じる視聴者が増え、デジモン離れが明確化。
本作のギミックがデジモンカードの売上にある程度貢献はした一方で、全体的な商業売上は減少した。


劇場版は『冒険者たちの戦い』『暴走デジモン特急』の二作品。

上記の様に前作、前々作とは世界観が異なるが『冒険者たちの戦い』では異世界から来たオメガモンの声がアドベンチャーのアグモン、ガブモンと同じで「太一とヤマトのオメガモンではないか」と言われていたり、
ワンダースワン用ソフトの主人公であり、初代の劇場版『ぼくらのウォーゲーム』にも出演した秋山遼が本編に登場したり(後述)と繋がりはある模様。



【あらすじ】

デジモンにハマってデジモンカードで遊ぶ小学生、松田啓人は、ある日自分のカードケースに見慣れない青いカードが入っているのを発見する。
謎の青いカードをカードリーダーに読み込んでみると、カードリーダーは〈デジヴァイス〉に変化してしまった。

その夜、思いつきでオリジナルデジモン・ギルモンの絵や設定が書かれたメモ帳をデジヴァイスに読み込ませるのだが――。


【登場人物】

松田 啓人(マツダ タカト)
CV:津村まこと
小学5年生。
Dアークの色:金色
パートナー:ギルモン

デジモン大好きな少年。シリーズ初となる一人称が「僕」の主人公でもある。
前作までの主人公に比べて大人しく優しい性格で、臆病な面もあったが成長していった。
クラスメイトの樹莉に好意を抱いており、彼女と接する時にはちょっと緊張している。
これまでのシリーズ主人公の伝統であるゴーグルを付けている。
『松田ベーカリー』というパン屋の息子で、ギルモンの餌は売れ残りのパンで賄っている。


◆牧野 留姫(マキノ ルキ)
CV:折笠富美子
小学5年生。
Dアークの色:
パートナー:レナモン

レナモンを強くするためにバトルに明け暮れている。パイナップルヘアーと割れたハートのTシャツが特徴的。
クールながらかなり好戦的な性格で、素直に感情を出すことは少ない。迷彩グラウモンをバレバレと言った時は完全に敵キャラ。
しかし、レナモンや啓人達と交流を深めていくうちにツンツンした態度が軟化していき、素直になっていったツンデレ。
Tシャツもとあるきっかけで割れていないハートのものに着替えた。
テイマーズの仲間内では、女同士であるためか樹莉との仲がいい。代わりに博和や健太や遼は嫌い。
デジモンカードの腕前は高校生も真っ青なレベルであり『デジモンクイーン』と呼ばれているが、遼との対戦では負けている。
その性格のせいか、啓人、健良、遼、博和とのフラグが立って…なくもない。
また最終回でのレナモンとの別れを認めておらず、本編終了後の時間軸であるドラマCDでは唯一パートナーへのメッセージを送ろうとしなかったが、最終的に送ることを決意し録音する中、自身も再会への希望を抱く事となった。


◆李 健良(リー ジェンリャ)
CV:山口眞弓
小学5年生。
Dアークの色:
パートナー:テリアモン

中国人と日本人のハーフの少年。愛称は「ジェン」。
年の割りに落ち着いていて大人びているが、頑固者な一面もある。
ある理由から戦いには乗り気ではない。
啓人とは同じ学校であり、テイマーの先輩かつ良き友人だが、啓人や留姫以外の友人は特に見られず、啓人の友達とも関わりが薄いが、
テリアモンをキャンプに連れていく際、リュックに偽装する為にクラス全員が協力している所を見るに、
プライベートでの友人が少ない(ように見える)だけで、学友としての関係性はきちんと築けている模様。
その代わりとしてか、拳法の先生や研究者の父など大人とのかかわりが濃い。
中国拳法が使え、完全体であるハンギョモンを素手で懲らしめた。


◆秋山 遼(アキヤマ リョウ)
CV:金丸淳一
Dアークの色:紺色
パートナー:サイバードラモン

遂にTVシリーズに本格的な出演を果たしたWS版主人公。爽やかスマイルが似合う男。
一年前のカード大会で優勝し、突如行方不明になった伝説のテイマー。デヴァイスカードを使いこなす。
02での回想に登場した遼と同一人物で、ミレニアモンとの戦いで記憶を失いテイマーズの世界に飛ばされた…らしい(by 関P)。
作中では上記の様な経歴は言及されないわ、デヴァイスカードを使いこなすわ、いつの間にか究極体に進化できてるわで非常に謎が多い。


◆加藤 樹莉(カトウ ジュリ)
CV:浅田葉子
小学5年生。
Dアークの色:黄色
パートナー:レオモン

啓人と同じクラスの、啓人が想いを寄せる少女。
常に犬のハンドパペットを持っており、腹話術で場を和ませる。「わん!」
至って普通の少女だが、メイン回ではレオモンを様付けで呼んで公園内を追いかけ回したり、クルモンが自分のパートナーだと思ったり、珍言も多数飛び出したりした。
レオモン様がマクラモンに傷を負わされた時にDアークが現れ、デジタルワールドの旅にも同行する。
作中であまり語られはしないが、実はデジモンシリーズでも屈指の悲しい生い立ちを背負っており、物語後半で悲しみに心を押し潰され、心を閉ざしてしまった。
ドラマCDでは、啓人のことを意識している描写があった。


◆塩田 博和(シオタ ヒロカズ)
CV:玉木有木子
小学5年生。
Dアークの色:茶色
パートナー:ガードロモン

啓人と同じクラスでカード仲間。サンバイザーが特徴的。
快活な性格であるが、ギルモンと出会った当初は恐怖心から啓人を拒絶してしまう。後に事情を知り和解。
テイマーに憧れ、パートナーを探すためデジタルワールドの旅に付いて行った。理想はオメガモン。
小世界でオロチモンと勇敢に戦い、退化までしたアンドロモンとの間に友情が芽生えて正式なパートナーとなる。


◆北川 健太(キタガワ ケンタ)
CV:青山桐子
小学5年生。
Dアークの色:薄紫
パートナー:マリンエンジェモン

啓人と同じクラスでカード仲間。メガネが特徴的。
特に博和とは仲が良く、つるむことが多い。ちなみに新宿区内の小学生の中で一番コレステロール値が高い。
演歌を歌うことが好きだが、酷い音痴。キャラソンでは美声を聴かせてくれるのでご安心を。
博和と共にテイマーの存在を知り、パートナーを探すためデジタルワールドの旅に同行した。理想はインペリアルドラモン。
終盤にクルモンがシャイニングエボリューションで究極体を集めたとき、付いてきたマリンエンジェモンがパートナーとなる。


◆李 小春(リー シウチョン)
CV:永野愛
Dアークの色:ピンク
パートナー:ロップモン

ジェンの妹。
テリアモンを気に入っており、オモチャ代わりにして遊んでいた。
中盤でデジタルワールドに飛ばされ、デーヴァのアンティラモンと出会う。
反逆した事により退化させられたロップモンがそのままパートナーとなる。


【デジモン】

この作品でのデジモンは人工生命体である。
現実世界に〈リアライズ(実体化)〉して暴れる事もあり、新宿都庁を監視する組織も存在する。デジモンがリアライズすると周囲は霧に包まれ、戦闘は霧の中で行われる。
また、他のアニメシリーズの世界観では「はじまりの街」の設定などにより、死んだデジモンはデジタマとして復活する言わば「輪廻転生」的な救済措置が存在しているが、
本作では死んだデジモンはデータが消失するため決して蘇らないという、他のシリーズに比べてもシビアな設定が特徴。
リアライズしたデジモンを倒し、データを吸収(ロード)する事でデジモンは強くなる。

《パートナーデジモン》

ギルモン
CV:野沢雅子
啓人のパートナーデジモンで、啓人が考えたオリジナルデジモン。
啓人の落書きを〈Dアーク〉が読み込んで誕生した。
産まれたばかりで無邪気な性格だが、戦闘時には目の色が変わり凶暴になる。初期の啓人はその落差に頭を抱えていた。
大型で目立つため、普段は啓人の命令で公園の廃れた檻(ギルモンホーム)に隠れている。そのため秋葉原での戦いでは同行すらできてなかった。
穴を掘る事が好きで、それが役に立ったことも。
よく啓人からもらう、彼の実家である松戸ベーカリーのパンが好物。

幼年期:ギギモン
成熟期:グラウモン
完全体:メガログラウモン
究極体:メギドラモン、デュークモン
最終形態:デュークモンクリムゾンモード


レナモン
CV:今井由香
留姫のパートナーデジモン。
狐型で、テクニカルな戦いを好む。
進化するため、留姫と共にリアライズしたデジモンを無差別に倒してロードしていたが、
一方で戦う対象ではないデジモン等を巻き込まないようにしているらしく、攻撃に巻き込みそうになった時には「どいて!」と慌てた声を出したことも。
クールだが気は利く性格で、留姫を始めとするメインキャラクターに信頼されており、インプモンにも気を配っていた。
なお、デジモンには本来性別はないのだが、留姫の家族には「貴女はきっと女の子」と称されており、実際に口調などに女性的なところがみられる。
忍者の様に姿を隠せるため、正体を隠す努力はしていない。

幼年期:ポコモン
成熟期:キュウビモン
完全体:タオモン
究極体:サクヤモン


テリアモン
CV:多田葵
ジェンのパートナーデジモン。
テリアモンは前作劇場版『黄金のデジメンタル』に登場した特別キャラだったが、本作にて別個体としてレギュラー登場した。
性格は気ままで能天気だが、割と好戦的。
「無問題(モーマンタイ)」が口癖の可愛らしいデジモンで、男女問わず視聴者に好かれた。
普段はぬいぐるみのフリをしており、健良の頭に乗ったり、小春に遊ばれることが多かった。
初進化では「あははははは」と笑いながらガトリングを撃ちまくった。怖い。
ももまんが好物で、本を読むシーンも見られたりする。

幼年期:グミモン
成熟期:ガルゴモン
完全体:ラピッドモン(緑)
究極体:セントガルゴモン


◆サイバードラモン
CV:世田壱恵
遼のパートナーデジモン。
完全体で、一度暴走すると言うことを聞かなくなる程の凶暴な性格。
コイツを飼いならそうとしたせいか、遼は10ヶ月以上デジタルワールドを彷徨うハメになった。
だが仲間のことはちゃんと考えている。
リアルワールドでは圧縮ゲートをくぐった影響でモノドラモンに退化する。

幼年期:ホップモン
成長期:モノドラモン
究極体:ジャスティモン


レオモン
CV:平田広明
樹莉のパートナーデジモン。
彼女が一目惚れするほど、強く雄々しく優しい。
クンビラモンを倒したり、メラモンを蹴散らしたり、ベヒーモスに乗ったギルモンを気絶させたりと、成熟期のためか非常に実力が高い。
やはり本作でも、「歩く死亡フラグ」の宿命から逃れることはできなかった。しかも本作の設定上救済の余地がない。


◆ガードロモン
CV:梁田清之
博和のパートナーデジモン。
元はアンドロモンだったが怪我を負って退化した。
主にギルモン達のサポートを行う。
アンドロモンの時は勇敢な性格だったが、博和と出会ってからは彼の影響をかなり受け、以降は漫才コンビのようなやり取りをする。

幼年期:カプリモン
完全体:アンドロモン


◆マリンエンジェモン
CV:岩村愛
健太のパートナーデジモン。
クルモンの力に誘われて現れた究極体。
リアルワールドへ帰還する際、健太のズボンのポケットに入り込んで密航した。
パ行でしか喋らないが、健太には何となくその意味が分かるらしい。因みにOP声優ver.では普通に歌っている。謎だ。
実は凄い力の持ち主。強制退化を受けても何故か退化しない。


◆ロップモン
CV:多田葵
小春のパートナーデジモン。
元はアンティラモンで、「卯」を司るデーヴァの一体だったが、小春を守ろうとして他のデーヴァと争ったために任を解かれ退化した。
テリアモンと瓜二つだが性格は真逆で真面目。古風な喋り方をするが、小春に咎められて普通の喋り方に矯正中。
そのため、劇場版では健良がテリアモンと間違えて連れていってしまった。

幼年期:チョコモン
完全体:アンティラモン


《その他のデジモン》

◆クルモン
CV:金田朋子
白くて小さくて可愛い謎のデジモン。
戦闘能力はないが、飛行能力は持つ。感情表現も豊か。
額に特徴的なマークがあり、デジモンを進化させるなど不思議な力を持つ。
その正体は、デジモンの進化を司る輝き「デジ・エンテレケイア」の化身。
「クルクルクル~♪」


インプモン
CV:高橋広樹
そこら辺でイタズラを繰り返す悪ガキデジモン。
普段は悪ぶっているが、実際は口ばかりでビビリ。
『強くなりたい』という強い願いや、パートナーを内心では欲している心を察したレナモンには、よく気遣われている。
終盤では漢になる。
進化するとかっこいい
そして愛すべきバカである。


《その他の人々》

◆山木満雄
CV:千葉進歩
ネット管理組織「ヒュプノス」の室長。サングラスとジッポの男。
デジモンを秩序を乱すものとして見ており、啓人達テイマーズとは度々敵対する。


◆李鎮宇
CV:金子由之
健良と小春の父。
若いときはチーム「ワイルドバンチ」の仲間とデジモンの開発を行っていたが中止する。
この時に作ったものを流用したのが、この世界でおもちゃとなっているデジモンである。


【用語】

◆Dアーク

本作のデジヴァイス。作中では「デジヴァイス」または「アーク」と呼称される。
デジモンカードの読み込み機能を持ち、「カードスラッシュ」する事でパートナーデジモンにカードの力を付加できる。またリアライズしたデジモンのデータを表示する機能も持つ。
玩具は劇中と同じくカードスラッシュできるが、カードの端が触れるまで深く差し込むと擦れてしまうので注意。
一応カードの認証自体はスラッシュ前のパスワード入力で完結しているため、浪漫皆無な話ではあるがスラッシュの作業自体は適当な厚紙でしておけばOKである。


◆ブルーカード

謎の青いカード。
カードリーダーをDアークに変える、デジモンを進化させるなど様々な効果をもつ。
なお、当時発売されていたデジモンカードゲームのカードダスにブルーカードを模したホログラフィックカードが実際に封入され、知らずに引いた子供たちを驚かせた。


◆デ・リーパー

本作後半で敵対する存在。
デジモンとは異なるデジタルワールドの原始的なプログラム。
詳細は項目参照


【主題歌】

◆オープニング

『The Biggest Dreamer』


◆エンディング

『My Tomorrow』
『Days-愛情と日常-』


◆挿入歌

『SLASH!!』
『EVO』
『One Vision』
ちなみに、メガログラウモン、デュークモン、ラピッドモン、セントガルゴモンの進化バンクはフルCGが使われ、当時の子供たちをワクワクさせた。
レナモン系のみ通常のアニメだったが、映像だけでなく音楽やSEまで神秘的で美しいその進化バンクも多くの視聴者を魅了した。





君も、テイマーを目指せ!

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  • ※日曜朝9時です。
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最終更新:2024年02月24日 20:08