ファイブスター物語(FSS)

登録日 :2011/10/12 (水) 19:06:03
更新日 : 2017/07/26 Wed 18:00:15
所要時間 :約 7 分で読めます




◆ファイブスター物語

「ファイブスター物語(The Five Star Stories)」は永野護の漫画作品。
「月刊ニュータイプ」誌上に1986年4月から連載を開始されたSFコミックスで(作者自身はおとぎ話であると語っている)、永野護の実質的デビュー作品であると言っても良いサンライズ制作のアニメ作品『重戦機エルガイム』の世界観をベースに、より壮大な歴史、群像絵巻としてスケールアップを図った内容となっている。
物語自体は文学オタクにして戦争オタクであると語る、作者らしく架空の星系である「ジョーカー太陽星団」の人類が住む五つの星を舞台とした歴史、軍事絵巻を基本とするが、何より読者を惹き付けて止まないのがデザイナーである永野護が自身の考える思想や格好良さを第一とした先進的なメカデザインやキャラクターデザインにあると思われる。
……事実、デザイナーとしての永野護と云う存在は比較対象が考えつかない程に異質なので、今や番外として扱われている感もあるのだが、永野護が本作で示したデザインはその時代、その時代の最先端である事も、また事実であろうと思われる。


【概要】

漫画として連載されている本編では主に星団歴2000年代後半~3000年代初頭を舞台とした群像劇が描かれているが、実は『ファイブスター物語』の物語自体は連載開始当初に掲げられた年表内にて既に完結しており、読者は結末に至るまでの過程を切り取って見せられていると云うのが真実である。
その為、本編連載とは別にデザイン集や設定資料集でも物語が進む為にフリークの財布がどんどん寂しくなるのは、また別の話。
現在は当初から予定されていた「運命の3女神編」が取り敢えず完結し、この部分だけは当初の年表に入っていなかった「シバレース編」を経て、星団中を巻き込んだ大戦争へと発展する「魔導大戦」の物語が開始されている。
ただし、作者自身の制作、連載スケジュールが数々の「 連載休止期間 」を挟むと云う、非常に特徴的な形態にある為か連載の進行が非常に遅い。2013年7月現在はようやくの連載再開と同時に設定のゴティックメードへの大改変という爆弾が投下されたが、ファンの今の心境はどれだけ今の連載が続くかというところにある。

【世界観】

ジョーカー太陽星団は、以下の4つの太陽系を纏めた呼び名であり、その太陽系に属する5つの惑星と、そこに存在する国家が物語の舞台となる。
※以下に、太陽系と惑星、代表的な国家を挙げて行く。
○太陽系
●惑星名
◆国家名


○第一太陽系 イースター
●デルタ・ベルン
海と緑に囲まれているが、寒冷地帯であり気候は冷たい。
星団でも非常に古くから人類の歴史が確認出来ると云う。

◆A.K.D.(アマテラス・キングダム・ディメンス)
A.K.D.は物語全体の主人公である天照帝が収める国家であり、何と生国であるグリース王国を中心にデルタ・ベルン全星を支配する。
星団歴3100年代に、突如として星団に進行を開始。
天照の私設騎士団であるミラージュ騎士団L.E.D.ミラージュを以て星団を焼き払い、ジョーカー太陽星団をその支配下に置いた。

●アドラー
デルタ・ベルンの衛星にも見え兼ねないが、星団歴以前の惑星改造により入植可能の地となった。
比較的歴史が浅く、自由を好む風潮が強い一方で、星団歴以降の重要な役目を担う国家も存在する。

◆トラン連邦共和国
複数の王国、帝政国家を母体に誕生した。
未だに古くからの王族や貴族による支配体系を残すジョーカーでは珍しく完全な共和制に移行している。
古い支配体系から逃れる為か、数々の科学者や学術機関が集まる事でも有名で、Dr.クローム・バランシェの屋敷や学術都市バルチック・アカデミーはここに存在する。

◆バキン・ラカン帝国
騎士の能力を一目で判断出来ると云う、特殊な力を持つバキン・ラカンの「聖帝」が収める国。
元はフィルモアの属国であったが後に独立。
歴代剣聖が守って来た国でもあり、現在でも「天位」を始めとする騎士称号は、この国で授与されるのが慣例となっている。


○第二太陽系 ウェスタ
●ボォス
独自の生態系が存在していたとされるが、人類の入植により絶滅したとされる。
一方で、カステポー地方には星団最強の力を持つ5種5体のドラゴン・ネイチャーが存在しており、AD世紀からの契約に従い、人類はこの地方での生存を許されていない。

◆ハスハ連合共和国
真の名をアトール聖導王朝と云い、AD世紀の「超帝国」の末裔が作り上げた巨大国家。
表向きの支配者は議会政治により決定された民政王だが、真の支配者は超帝国アトール皇帝の「血」を連綿と受け継ぐアトールの巫女である。


○第三太陽系 サザンド
●ジュノー
人類が改造無しで入植地とした若い星。
地球で云えば、未だに中生代位の環境にある。

◆コーラス王朝
星団歴と共に歴史がはじまったとされる南の大国。
物語ではA.K.D.と共に物語の柱となる国家と設定されている。
このコーラス王朝本家の長子は「必ず騎士の血を持って生まれて来る」と云う、星団でも他に例の無い特徴を持つ事で知られている。


○第四太陽系 ノウズ
●カラミティ・ゴーダーズ
星団でも最も古い歴史を持つ惑星であり、人類発祥の地とも考えられている。
険しい山脈も無く資源も枯渇している等、惑星その物の寿命が尽き欠けているともされているが……。

◆フィルモア帝国
AD世紀より続く歴史を持つ、星団最強の軍事国家。
帝政を掲げているが、実際には民意を汲んだ分厚いベールに阻まれた議会政治が国家の方針を決定しているとも言われており、皇帝ですらその深奥を見る事は叶わないとされる。


◆クバルカン法国
厳しい戒律と、徹底した機密主義で知られる法国家。
元々はフィルモア帝国の構成国であったがシステム・カリギュラの力を借り独立。
現在は共にノウズの巨大国家として君臨する。


○第五太陽系 スタント
ジョーカー太陽星団に1500年周期で接近する不気味な遊星群で、中心となるスタント恒星は、肉眼では見えない紫外線放射光を放つ暗黒の太陽である。
AD世紀の伝説の超帝国皇帝「炎の女皇帝」がこの遊星群に調査に向かい消息を経ったとされる他、伝説では「何者か」が潜むともされる。


【用語・基礎知識】


騎士(ヘッドライナー)
※当該項目参照。
AD世紀に作り出された超人間の末裔であり、常人の数十倍に及ぶ力を持つ戦争の代理人。


ファティマ・ファテイス
※当該項目参照。
ジョーカー太陽星団の科学が作り上げた、戦争の為に生み出された人工生命体。


●MH(モーターヘッド)
※当該項目参照。
AD世紀のマシンメサイアを前身とする、全高15m、自重100tを超える巨大な人型兵器。
騎士とファティマに制御され、音速をも超えるその能力は他の凡る兵器を超える破壊力を持つ。


●バスター・ランチャー
超破壊砲とも訳される、ジョーカーの生んだ超絶破壊兵器。
その、有り余るエネルギーは次元に歪みすら作る程。
現在は星団法により徹底した規制が掛けられているが、このバスターエネルギーの研究から外燃機関イレーザーコントロールが誕生している。





【余談】

※『ファイブスター物語』のスゲェ所。


●主人公が神。
●ヒロインも女神(人工)。
●十数年のスパンで伏線が回収される展開。
●モデラーの限界を試すかの様なメカデザイン。
●数年のスパンで、未登場のまま捨てられる設定資料。
●繰り返すが、物語は既に完結している。
●食事メニューの設定は毎度やたら凝っている。
●ファッションの設定も何かと凝っている。
●MHだと思っていたらGTMだった。






追記修正は早期の連載再開を願いつつしていきましょう。

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