シュトロームベルクの金の城(遊戯王DM)

登録日:2012/01/27 Fri 17:20:34
更新日:2023/11/26 Sun 13:16:39
所要時間:約 4 分で読めます





遊戯王デュエルモンスターズ』のKCグランプリ編で登場したアニメオリジナルのフィールド魔法。

効果は以下の通り

《シュトロームベルクの金の城》
フィールド魔法
このカードのコントローラーは1ターンに1度、デッキからレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。
このカードがフィールド上にある限り、お互いのプレイヤーはバトルフェイズを行い、すべてのモンスターで攻撃宣言しなければならない。
このカードがある限り、お互いのプレイヤーは通常召喚を行えない。
相手モンスターの攻撃宣言時、攻撃宣言した相手モンスターを破壊して破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。
このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ時にデッキの半分を墓地へ送る。
送れない場合はこのカードを破壊する。

ジークフリードがレオンハルトに渡して、遊戯VSレオンのデュエルでレオンが発動した。


以下ネタバレ















ペガサスが数年前に開催した大会の優勝者に配布され、商品化されていない試作品のカードである。
ペガサス直筆のレアカードのためコレクターが喉から手がでるほど欲しがる幻のレアカードである。
ゆえに禁止カードであるためデュエルでは使用することができない。

しかし、海馬瀬人に強い恨みを持つジークフリードによって禁止カードのリミッターを解除されデュエルで使用できるようになった。
ジークフリードはリミッターを解除するだけではなく、このカードのテキストデータを改竄して以下の効果を加えた。

●このカードは魔法・罠・効果モンスターの効果を受けない。
●このカードの「デッキの半分を墓地へ送る」は相手プレイヤーがかわりに行う。

さらに禁止カードのリミッター解除、データの改竄にとどまらずに、
このカードに海馬コーポレーションのデュエルデータを破壊するプログラムを組み込んでいた。

フィールドに出した瞬間にウイルスが作動し、デュエル中にこのカードを破壊しなければウイルスは止められず、
このカードには魔法・罠・効果モンスターの効果が効かないと言うまさに反則を通り越している。

しかし、どんな無敵のカードにも落とし穴や思わぬ弱点がある。

遊戯は維持コストを払えない場合はこのカードを破壊すると言う唯一の弱点を利用し、自分のデッキを残り1枚にしてこのカードを破壊することに成功した。*1
因みにこのカードを破壊した後に遊戯が引いた最後の一枚は『拡散する波動』でこのカードでレオンにも見事に逆転勝利した。

なお、本来は通常召喚を封印する効果があるのだが、テキスト改変の影響でバグでも起きたのか、このデメリットは機能していない。



そして、2018年5月。

  • 《シュトロームベルクの金の城》
フィールド魔法
このカードのコントローラーは自分スタンバイフェイズ毎にデッキの上からカード10枚を裏側表示で除外する。
除外できない場合このカードを破壊する。
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:自分メインフェイズに発動できる。
「シュトロームベルクの金の城」のカード名が記されたモンスター1体をデッキから特殊召喚する。
この効果を発動するターン、自分は通常召喚できない。
②:相手モンスターの攻撃宣言時に発動する。
その攻撃モンスターを破壊し、その攻撃力の半分のダメージを相手に与える。

CP2018でまさかのOCG化。
海外ではワルキューレや時の女神の悪戯など、ジークのカードがTCGとなっていたが、一足早くこいつがOCGに殴り込んで来た。
同時収録となる、レオンの使用した「シンデレラ」や「森のハンス」などの童話モンスターの効果を最大限発揮するためのキーカードとなっている。

基本的には童話モンスターのリクルートがメインになる。
この効果を使うと召喚権がなくなるが、童話モンスターは特殊召喚であっても各種誘発効果を使えるので展開できないということはない。
後半の効果は強制の誘発効果であるため、「バトルマニア」や「竜星の極み」などの攻撃強要カードと合わせると手軽な除去+バーンになる。

問題なのは維持コストで、強欲で貪欲な壺のコストと同じ「デッキの上から10枚裏側で除外」というかなり重いもの。
しかし、このカードのメインとなるリクルート効果はメインフェイズに使用するものであり、コストを払うのはスタンバイフェイズであるため、
リクルートを行ったら「森のざわめき」などで手札に回収してやればコストを踏み倒せる。
迎撃効果も使いたいなら「砂利ケーン」で相手のターンにバウンスするのが良いだろう。

ちなみにこのカードは後述のとおりレオンの童話モンスターと紐づけられているが、このカード自体もグリム童話「大がらす」に出て来る同名の城が元ネタ。
大きなカラスに変えられた姫が幽閉されている、ガラスの山の上に立つ城であり、助けに来た男はガラスの山を登ろうとしても滑り落ち、姫が乗った馬車が毎日城から出て来ては周囲を巡るのを見ているしかなかったという。

リクルート効果が馬車、迎撃効果がガラスの山だろう。

◆関連カード

アニメでレオン・ウィルソンが使用したグリム童話モチーフのカードたちとOCG化の際に関連付けられている。
モチーフはともかくゲーム的にはバラバラだったカードたちを纏め上げる中核のカードとなった。
アニメでの使用経緯を考えると皮肉な気もする

放送からかなりたってのカード化だけあって、全体的に底上げされている。

モチーフは『おとぎ話』。
同じお話のモンスターたちで相互に連携している反面、それ以上のつながりは薄かった。
OCGでもカオスが暴れてた時代でカテゴリという概念が希薄だったので当時としては珍しくも無いが。


鉄のハンス

呪われて鉄のような肌になった大男ハンスと、そのハンスに攫われた王子様の話。



《鉄のハンス》
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1200/守 800
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「鉄の騎士」1体を特殊召喚する。
この効果の処理時にフィールドゾーンに「シュトロームベルクの金の城」が存在しない場合、
ターン終了時まで自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(2):フィールドゾーンに「シュトロームベルクの金の城」が存在する場合、
このカードの攻撃力は自分フィールドの「鉄の騎士」の数×1000アップする。

ゆるゆるのリクルート効果を持ったレベル4モンスター。
アニメ版は「鉄の騎士」の特殊召喚効果だけだったが、展開の制約がなかった。
このご時勢ではさすがに許されず、OCG化の際にエクストラデッキからの制約がついた代わりに、自己強化能力もゲット。


《鉄の騎士》
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1700/守 700
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「鉄のハンス」が存在する場合、このカードの攻撃力は1000ダウンする。
(2):フィールドのこのカードが効果で墓地へ送られた場合、または戦闘で破壊された場合に発動できる。
デッキから「鉄のハンス」1体を手札に加える。
フィールドゾーンに「シュトロームベルクの金の城」が存在する場合、
代わりにデッキから戦士族モンスター1体を手札に加える事ができる。

ハンスに呼び出される騎士。でもハンスがいると弱体化するよくわからない奴。
OCGではハンスに強化能力がついたので総攻撃力は変わらない。
地味に通常召喚や金の城でリクルートもできる。


《鉄の檻》
永続魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、自分フィールドのモンスター1体を墓地へ送る。
フィールドゾーンに「シュトロームベルクの金の城」が存在する場合、
代わりに相手フィールドのモンスターを墓地へ送る事もできる。
(2):自分スタンバイフェイズに、このカードの(1)の効果で
自分または相手の墓地へ送られたモンスター1体を対象として発動できる。
このカードを破壊し、そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

亜空間物質転送装置の亜種みたいなカード。
アニメではハンスを一時的に墓地へ置いて鉄の騎士をパワーアップ、次のターンに復活したハンスで2体目の鉄の騎士をリクルートした。
ハンス以外にも特殊召喚で効果が発動するモンスターと相性がいいが、蘇生前に檻自体を破壊されると蘇生ができない。
シュトロームベルクの金の城があれば除去として機能する。



シンデレラ

ご存知シンデレラ。
継母にいじめられる薄幸の少女のお話だが、カードのシンデレラはバリバリの武闘派。


《シンデレラ》
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻 300/守 600
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
手札・デッキから「カボチャの馬車」1体を特殊召喚する。
フィールドゾーンに「シュトロームベルクの金の城」が存在する場合、さらにデッキから「ガラスの靴」1枚をこのカードに装備できる。
(2):このカードが直接攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた時、
このカードに装備されている「ガラスの靴」1枚と、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
その「ガラスの靴」をそのモンスターに装備する。

召喚時にカボチャの馬車を呼び出し、金の城があればガラスの靴も装備する。
それらの効果はこの通り。


《カボチャの馬車》
効果モンスター
星3/地属性/植物族/攻 0/守 300
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分の「シンデレラ」は直接攻撃できる。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分フィールドの「シュトロームベルクの金の城」は効果では破壊されず、
相手の効果の対象にならない。


《ガラスの靴》
装備魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):装備モンスターの種族が天使族の場合、
装備モンスターの攻撃力は1000アップする。
天使族以外の場合、装備モンスターは攻撃できず、攻撃力は1000ダウンする。
(2):装備モンスターが破壊された事でこのカードが墓地へ送られた場合、
自分フィールドの「シンデレラ」1体を対象として発動できる。
その自分の「シンデレラ」にこのカードを装備する。


カボチャの馬車で舞踏会に出かけ、忘れていったガラスの靴が巡り巡ってシンデレラの元へ帰ってくる…というストーリーだが、
OCGのはどちらかというと、カボチャの馬車で殴りこみ、合わない靴を無理やり押し付け、持ち主が放り出した靴を取り返してまた押し付ける娘。
ヤクザかよ。

アニメでも仕様はほぼ同じ。
シンデレラはガラスの靴の装備に金の城は不要で、直接攻撃以外でもガラスの靴を押し付けられ、ガラスの靴は天使族ではなくシンデレラ限定だった。
カボチャの馬車の耐性付与もアニメにはなかった。
「シュトロームベルクの金の城」が使用禁止カードだったのだから当然とはいえる。


怪鳥グライフ

3兄弟の正直な末っ子ハンスが王様からふっかけられた無理難題を解決していくお話。
最後の試練として、「何でも知ってるグライフ鳥の尻尾の羽を抜いて来い」と言いつけられる。


《怪鳥グライフ》
効果モンスター
星4/風属性/鳥獣族/攻1500/守1500
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。
デッキから「シュトロームベルクの金の城」1枚を手札に加える。
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、
相手の魔法&罠ゾーンのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

アニメでは魔法・罠の破壊効果だけだったが、「シュトロームベルクの金の城」のサーチ効果が付き、重要度が増した。
しかしアニメで使われたデュエルでは金の城は使ってない。


トゥルーデおばさん

親の言いつけを聞かない女の子が、言ってはいけないと言われたトゥルーデおばさんの家へ行ってしまい、
そこで「着飾った魔女の姿」を見てしまい、薪に変えられて炉にくべられてしまうお話。
ものすごく短く唐突かつ意味深なお話。


《ヘクサ・トルーデ》
効果モンスター
星8/闇属性/魔法使い族/攻2600/守2100
(1):フィールドゾーンに「シュトロームベルクの金の城」が存在する場合、
このカードはリリースなしで召喚できる。
(2):1ターンに1度、フィールドゾーンに「シュトロームベルクの金の城」が存在する場合、
このカード以外のフィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、このターンこのカードは1度のバトルフェイズ中に2回までモンスターに攻撃できる。
(3):このカードが戦闘でモンスターを破壊した時、
自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力は400アップする。

金の城関連で唯一の最上級モンスター。
強化と連続攻撃を合わせたフィニッシャー。
「シュトロームベルクの金の城」のリクルートにも対応し、手札からもリリースなしで召喚できるためかなり出しやすい。

レオンの使用した他のカード

童話モチーフではあるが、シュトロームベルクの金の城とは関連していない。

  • お菓子の家
永続魔法
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手スタンバイフェイズに発動できる。
相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力は600アップする。
その後、相手フィールドの攻撃力2500以上のモンスターを全て破壊し、
自分は破壊したモンスターの数×500LP回復する。

ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家。
相手モンスターを強化する変わったカード。だが食べ過ぎると自滅する。
分かりづらいが、「この効果で攻撃力が上がったモンスター」を破壊するのではなく、元々2500以上のモンスターも巻き込んで破壊する。


  • 星の金貨
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の手札を2枚選んで相手の手札に加える。
その後、自分はデッキから2枚ドローする。

手札を捨てるのではなく相手に全てプレゼントする手札交換カード。OCGでは2枚に限定された。
元の話は本来は「星の銀貨」だとか。ちなみに「星の金貨」というドラマが日本で放送されていたこともある。
敬虔な娘が自分のわずかな食べ物も身につけるものも全て人に分け与えるが、その行いに神様が報いて星を降らせて銀貨として与えるお話。
ドラえもんのこのお話でも紹介されている。


  • 命の水
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、
自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで
自分はこの効果で特殊召喚したフィールドのモンスター以外のモンスターの効果を発動できない。

自分墓地に限定された死者蘇生。OCG化にあたり自分のモンスターなし、蘇生対象以外のモンスター効果の発動不可というデメリットがついて来た。
元の話では万病を治す薬として扱われている。

その他

レオンが使用したうちカード化されていないものもいくつかある。
今後登場するならそれらも「シュトロームベルクの金の城」と関連付けられる可能性が高いだろう。




このカードがフィールドにある限り、追記・修正を行わなければならない。

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最終更新:2023年11月26日 13:16

*1 OCGでは四捨五入される=残り1枚を墓地に送るため不可能という意見もあるが、OCGに類似カードがないため詳細は不明。一応、ライフポイントの場合は四捨五入する。