現存12天守

登録日:2012/05/17(木) 08:17:16
更新日:2023/10/20 Fri 11:38:50
所要時間:約 4 分で読めます




現存12天守とは江戸時代、又はそれ以前に建てられてから現在まで残っている城の天守の事である。

12とあるように現在まで改修されたりしながらも当時から残っている天守は12城しか無い。

▲歴史▲
元々城は存在したが本格的な天守閣が出来たのは織田信長により建築された安土城と言われている。

その後、様々な場所に天守閣を持つ城は造られたが江戸時代に入ると一国一城令により徐々に数を減らしていった。
そして1873年に明治政府から廃城令が出され一気に数を減らす事になる。

1940年代まで廃城令を避けて数々の災害を乗り切り、20城までまで残っていたのだが、戦後の1949年に火災で焼失した松前城を除き、戦時中のアメリカの空襲により
  • 水戸城
  • 岡山城
  • 大垣城
  • 名古屋城
  • 和歌山城
  • 福山城
が焼失。
  • 広島城
が原爆により大破した。


■現代■
現在は現存する12天守全てが重要文化財・又は国宝に指定されており、一大観光地として多くの人に当時から殆ど変わらない姿を見せている。

~現存天守一覧~

●姫路城(国宝世界遺産)
通称:白鷺城
兵庫県姫路市にある我等が日本人の誇る名城。城の規模も最大級で国宝・文化財指定も最も多い。
様々な部分が残っているのだが、それでも幾つか廃城令等により壊されたりしている。

なお、戦時中にアメリカ軍の爆撃を受けて二発の爆弾を下層構造物に、天守閣の最上階の中にも滑り込みの一発を貰ったのだが全部不発に終わり、半ば無傷だった。
下の街は見るも無残な状態になっていたため、焦土の中に雄々しくそびえ立つその姿は城下の住民達に希望を与えたという…

流石姫路城だ、爆撃されても何ともないぜ!

実はそのあまりの巨大さ・豪華さに維持費だけで姫路藩の財政を逼迫したといわれる。
これは、徳川家康の娘婿であり、一族合計100万石を誇った姫路藩主池田輝政が現在の姿にしたものの
輝政の死後、池田家領の分割や領地替えによって姫路藩の石高が15万石になったため。


●彦根城(国宝)
通称:金亀城
滋賀県彦根市にある琵琶湖に近い山に造られたゆるキャラの『ひこにゃん』でお馴染みの城。
徳川四天王の一人井伊直政や安政の大獄を行った井伊直弼で有名な、譜代大名筆頭彦根藩30万石の居城。
全国的にも珍しい馬屋が残っている場所でもある。
世界遺産登録を目指しているが少し雲行きが怪しい。
実は11km位南に行くとコレがあるのでそっち系の人が来ることが有るとか無いとか…


●松本城(国宝)
通称:烏城
長野県松本市にある水掘りとの見栄えが素晴らしい城。
廃城令後、天守が大きく傾いたので明治に大修理を、昭和時代にも大修理をしている。2011年の地震で壁等にヒビが入った。


●犬山城(国宝)
通称:白帝城
愛知県犬山市にある城。
台風や地震の被害を受けながらも修理しながら現代まで残った。
実は2004年まで個人所有(城主であった旧尾張藩附家老家・成瀬家)だった城である。


●弘前城(重要文化財)
通称:高岡城
青森県弘前市にある最北端の城。
実は1627年に天守が焼失しているので今あるのは二代目(それでも200年前だが)。
廃城令で一部取り壊されたが殆どが当時のまま残っている。GWの際は桜の名所として観光客で賑わう場所である。


●丸岡城(重要文化財)
通称:霞ヶ城
福井県坂井市にある城。1948年の福井地震で倒壊しているがバラバラの部材を組み直して復元された。


●備中松山城(重要文化財)
通称:高梁城
岡山県高梁市にある現存で唯一の山城。現存天守の中では最も規模が小さい。
山城である為、整備された道ではあるが登山しなければならない。


●丸亀城(重要文化財)
通称:亀山城
香川県丸亀市にある可愛らしい天守が特徴の城。
小柄な天守とは逆に城としては本格的で、特に石垣は高さが日本一高くて圧巻。


●松山城(重要文化財)
通称:勝山城
愛媛県松山市にある城。
こちらも様々な建造物が残っているがこれでも空襲で焼失したり廃城令で買い取られなかった城を一部解体したりしている。
1933年に放火され一部焼失している(大天守のみ焼失を免れる)。
放火ダメ!絶対!
なお、後に逮捕された犯人は4年間に寺院や学校など45箇所に放火しており、1939年に死刑に処された。


●宇和島城(重要文化財)
通称:鶴島城
愛媛県宇和島市にある現存では最南端の水城。現在は埋め立てられているので回りに水は無いが当時は西側が海だった。


●高知城(重要文化財)
通称:鷹城
高知県高知市にある城。現存で唯一、本丸が完全に残っている。
ちなみに本丸は一度火事で焼失しており、現在は江戸時代に建て直された二代目だったりする。
他にも様々な建造物が残っている珍しい城である。
2014年に大阪城(大阪)、高田城(新潟)とならび日本三大夜城に認定され、3Dマッピングやイルミネーションで夜の城を照らし出すイベントが定期的に開催されている。


●松江城(重要文化財国宝)
通称:千鳥城
島根県松江市にある城。天守以外は殆ど撤去されているが天守自体は江戸時代初期から変わらず残っている。
黒い下見板張りの外観が特徴で、様々な仕掛けが施された実戦的な作りの天守。城としては唯一、内部に井戸がある。
松江市街地内にあるので観光しやすい。宍道湖と並んで松江市のシンボル。
2015年、行政と市民が一体となって長年行ってきた運動が実を結び、戦前以来の国宝への復帰を果たした。





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最終更新:2023年10月20日 11:38