バットマン(人物)

登録日:2010/12/27 Mon 00:11:30
更新日:2024/03/18 Mon 17:15:02
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I AM VENGEANCE...


I AM NIGHT...



I AM...BATMAN!!


『バットマン(Batman)』はDCコミックスのキャラクターで1939年に初登場したスーパーヒーロー。
初登場は『Detective Comics (Vol.1)』#27。
蝙蝠を模したコスチュームを身に着けたヴィジランテ。
ライバルであるスーパーマンと対照的に闇と影を背負うスーパーヒーローとして誕生しながら、やがてはの如き超人に対する人間の究極形として現在も根強い支持を集めるアメコミ界最大のカリスマである。
MARVELやイメージコミックスが人気を集め、DCの売上が低迷した時代でもバットマンだけは売れていたことが幾度もある。
現在のスーパーヒーロー映画全盛の中でも、やっぱりバットマンだけが流行に先駆けて地位を固め、何時までも需要があるというのも似た構図である。
2023年の全米のコミックブックストアを対象とした売上ランキングでは、上位10冊のうち7冊がバットマンだったことからも、未だ衰えぬバットマン人気がうかがえるだろう。





【概要】

DCコミックスの看板スターであり、スーパーマンをも超えるアメコミ界のカリスマ中のカリスマである。
スーパーヒーローの先駆けとなったスーパーマンに続くキャラクターとして、アーティストのボブ・ケインとライターのビル・フィンガーによって考案された。
ケインによる構想段階では赤いタイツにコウモリ型の翼をくっつけ、ドミノマスクをつけたスーパーヒーロー然としたキャラクターだったが、
そこにフィンガーが口以外を覆った耳付きのマスク、マント、モノトーンの色調にすることを提案し、パルプ・マガジンの主人公のような性格付けをするなど、スーパーマンとは対照的な特徴を与えられて完成。
より直接的には、1926年に公開されたローランド・ウェスト監督による蝙蝠姿の殺人者を描いたサイレント映画『The Bat』や
顔をマスクで隠した正義の剣士『奇傑ゾロ』、パルプマガジンで好評を博していたクライムファイター『ザ・シャドウ』などがアイデアの源流として挙げられている。
看板誌『Detective Comics (Vol.1)』でデビューしたバットマンは瞬く間に人気を博し、DCコミックスを代表するキャラクターになった。
その後サイドキック、ロビンの登場によって更なる人気を獲得したバットマンは、個人誌『Batman (Vol.1)』を得て
最大の宿敵ジョーカーや運命の相手キャットウーマンをはじめとするヴィランたちとの戦いを始めていく。
50年代のヒーローコミック冬の時代を摩訶不思議な冒険で乗り切ると、66年の実写ドラマ化が大ヒットを記録しさらにその存在感を増していく。
70年代からは初期のダークな世界観とヴィランとの戦いを取り戻し、現在のバットマン像の原型を築いていった。
そして86年、もはや伝説級と称えられる『ダークナイト・リターンズ』の成功を皮切りに、よりリアルな人間としての姿と、狂気の権化であるジョーカーや神の如き力を持つスーパーマンに対抗する人間離れした精神・思考力のギャップが多くの人を魅了し、幾度もの実写化によってコミックを読まない層にもその存在感を保ち続けている。



【人物】

本名…ブルース・ウェイン(Bruce Wayne)

幼い頃、映画*1を見た帰りに目の前で医師にして実業家でもあった父トーマスと母マーサを強盗ジョー・チルに殺された経験により、この世の悪と戦う事を決意した若き億万長者。
そのために肉体を鍛え上げ武術を修得すると共に、学問を究めて探偵術や犯罪捜査を学んで文武両道のヒーロー、バットマンとなる。
蝙蝠の意匠を顕すコスチュームに身を包み、超能力の類は持っていないものの極限までに鍛え上げた肉体と技そして数々の秘密兵器を駆使して戦う。
その為、特殊能力満載のグリーンランタンには初対面時に「コスプレ野郎」と逆ギレされた事がある。
尚、銃は親を死に至らしめた武器であるため使わない(例外もあるが、人を殺した事は無い)。


蝙蝠のコスチュームを身に纏うのは犯罪者と戦うには彼らを恐怖させる必要があり、迷信深い犯罪者を恐怖させる存在として蝙蝠を選んだため。
なぜ蝙蝠を選んだかというと初期はたまたま蝙蝠が目に入ったからや父の仮装パーティの衣装が似ていたからだったが、
現在は蝙蝠こそがバットマン=ブルース・ウェインが『最も畏れる対象』だからとなった。
蝙蝠を畏れる理由としては幼少期に裏庭で後に『バットケイブ』となる洞窟に落ちた際に大量の蝙蝠を目撃し記憶に刻み込まれたのがきっかけ。
その後コスチュームを身に着けず自警活動を行うも徹底的に打ちのめされ、死を覚悟しながら父の胸像に弱音を吐露した際に蝙蝠の姿を目撃し天啓を得たため。

上記の設定は1986年にフランク・ミラーが手掛けた『バットマン:ダークナイト・リターンズ』及び翌年の『バットマン:イヤーワン』に於て描写され、
ミラーが記した同作のバットマン像が現在までのキャラクターの基本となっている。

フィジカル面に関しては、素手で鉄格子外すわ、何メートルも自力で跳躍するわ、身長3メートル以上の筋肉達磨の怪人やらサイボーグやらとも真正面から殴り合うわ。B&Bなんか時間稼ぎとはいえ、小細工を挟みつつもあのDC最強ヴィランに数えられるダークサイドとタイマンしている。

…設定的にも間違いなくただの人間なのだが最早自称にしか見えない、というか蝙蝠スーツの下に更に哺乳類の皮の重ね着した何か別の生物に見え、誰が呼んだか最強のコスプレおじさんとも言われたりしている。

また、バットマンがフィジカル面以上に優れているのはメンタル面で、卓越した頭脳と研ぎ澄まされた精神、チート級の慧眼を持つ。
特にその慧眼はレギュラーシリーズでは犯罪者の企みを見破り、クロスオーバー大作や特別編では銀河や魔界の果てをも見据える程である(マジ)。
前述の秘密兵器もその慧眼や頭脳を利用したアイディアを用いた物が多く、保有する技術の科学レベルは一般の地球人の常識を遥かに超えている。

自身が無能力者である故にか他のヒーローの能力にも精通しており、その能力の限界と可能性…弱点までをも知り尽くしている。
…それが事態を打開することもあるが、その情報をヒーローや敵対するヴィランに知られ騒動の元となることも多い。

殺人や強盗であれ、こそ泥やカツアゲであれ、どんな犯罪も厳格に容赦しない。
また自らの殺人を禁じており、どんな凶悪な犯罪者も逮捕するように心掛けている。
……ただし、優しいという訳ではなく、寧ろ死んだ方がマシと云う位の目に遭わせる場合も少なくない。

彼が筆頭株主を務めるウェイン・エンタープライズはゴッサム最大の企業であり、世界有数の資産家でもある。
時にはその肩書を利用して事件を捜査することもある。

このウェイン・エンタープライズの利益の一部がバットマンの活動を支える資金源であり、開発された新技術がスーツを始めとする秘密兵器の出所先である。

なお彼自身は悪を憎み正義を求める誠実な男だが、普段は社長兼慈善家を務めながら軽薄なプレイボーイを演じている。
これは事件が起きたときにバットマンになるために姿を消しても、周りの人から「またブルースは逃げたのか。まああいつはヘタレだからな」と気にされないようにするため。
事情を理解している友人たちは黙認しているが、そのために恋人とはすれ違いが起きやすく悩みの種でもある。

ゴッサムシティの住民から信頼される正義の味方として描かれることもある彼だが、原則的には不法で過激な自警活動を止めない犯罪者とも言える。
また、挑戦や怨恨からバットマンを付け狙う凶悪犯罪者を引き寄せる他、後継者等仲間との関係で新たな犯罪を引き寄せてしまうこともあり、完全な正義の抑止力とも言い難い。
特にジョーカーはバットマンを最高の遊び相手と見做して付け狙いつつ大規模な犯罪を頻発させており、バットマンの不殺主義も相俟って不毛なイタチごっこが終わることが無く、犯罪誘引によるゴッサムシティの治安悪化に拍車をかけている感も否めない。
作品によってはバットマンという存在が与える影響の大きさ、その逆に無力さ等を描くものもあるほど。

トラウマ故に犯罪者を許さず、だがそのトラウマから来る信念故に犯罪者を殺さず、イカれたコスプレをしながら日々命懸けの犯罪と言える自警活動に勤しむ。
そんなバットマンをジョーカーは『最高に逝かれてる自分達の同類』と揶揄して挑発したこともあったが、皮肉にもこの指摘は案外的外れではない。



【主な活躍】

【ゴールデンエイジ】

1939年の『Detective Comics Vol.1』#27で初登場。初期のコスチュームは黒いマスクとマントに灰色のスーツ、紫色のグローブという現在のものに通じるデザインだったが、
徐々に水色のマスクやマントに変わっていった。
当初は殺しもいとわない正真正銘のダークヒーローだったが、編集部の方針もあって『Batman Vol.1』創刊の前後には殺人や銃を封印して戦いに臨んでいる。
『Detective Comics Vol.1』#38でロビンことディック・グレイソンが、『Batman Vol.1』からは現在も活躍するヴィランたちが登場すると、
ロビンとのダイナミック・デュオで様々な戦いと冒険を繰り広げた。
またヒーローチーム『ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ/JSA』にも参加した。

シルバーエイジではこの時代のブルースはマルチバースの1つ『Earth-Two』の人物として登場。
キャットウーマンことセリーナ・カイルと結婚した彼は、娘ヘレナの誕生をきっかけに活動を制限し始める。
また親友のゴッサム市警本部長ジェームズ・ゴードンが引退したのを受け、その座を引き継ぎ公的な立場で街を守っていく。
しかしセリーナがある事件で命を落とすとバットマンを完全に引退し、その正体を自ら公表した。
その後はロビンとハントレスとなったヘレナにゴッサムを任せ癌になりながらも公務を続けていたが、
かつて逮捕した犯罪者が魔力を得て復讐に現れ命を落とした。


【シルバーエイジ】

50年代は表現規制の影響で犯罪やヴィランとの戦いが減少し、代わりに当時流行していたSF的なストーリーで活躍した。
1964年からはコスチュームの蝙蝠マークが黄色い楕円に囲まれたものに変更され、作風も犯罪との戦いにシフトし始めたがドラマの影響で本格的ではなく大げさなパロディめいたものだった。
ドラマ終了後の70年代からはダークな世界観とヴィランとの戦いを再び開始、初期メンバーとして参加していた『ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカ/JLA』でも活躍が増えていった。


【ポストクライシス

『ダークナイト・リターンズ』と『イヤーワン』によってリアルさを持った世界観を得て現代のバットマン像を確立するが、その影響は『バットファミリー』にも及びディックとの関係は悪化し、バーバラ・ゴードンジェイソン・トッドはジョーカーの魔の手にかかってしまう。

そして『Batman: Knightfall』ではバットマンまでもが新たな強敵ベインに敗北し、ブルースは引退を余儀なくされその後釜をアズラエルことジャン・ポール・ヴァレーに据えることとなった。
しかしブルースはリハビリを重ねることで復活、暴走を続けるジャンを『ファミリー』と協力して倒しバットマンに復帰した。
この一件でディックと和解し、コスチュームを水色から黒いものに変更した。

ラーズ・アル・グールのウイルスと大地震の影響でゴッサムが『ノーマンズ・ランド』に変貌すると、
一時自暴自棄になりかけるが『ファミリー』と市民たちと協力して1年間を耐えきり、
最終的にゴッサムを狙うレックス・ルーサーの陰謀を打破した。
『ノーマンズ・ランド』後、コスチュームを再び変更し蝙蝠マークを囲んでいた黄色い楕円を無くした。

この時代に入ってからバットマンは『JLA』とは距離を置きなかなか正式メンバーにならなかったが、『Final Night』後に中心メンバーとして活躍するようになった
その一方でスーパーヒーローやメタヒューマンへの不信感を強めており、その不信感は『アイデンティティ・クライシス』で発覚した過去で頂点に達し、
バットマンはメタヒューマンを監視する衛星『ブラザーワン』を作ってしまう。

復活したジェイソンとの戦いに苦しむ中、『インフィニット・クライシス』に巻き込まれたバットマンは『ブラザーワン』が事件に利用されたことを知り絶望に飲み込まれてしまう。
ディックとの対話で希望を取り戻すと反撃を開始し、他のヒーローたちの力を借りて自らの手で『ブラザーワン』が進化した存在『ブラザーアイ』を破壊することに成功する。
しかし『ブラザーアイ』を生み出したことと最終決戦で銃を本気で構えたことに責任を感じ、ディックとティム・ドレイクとともに自分を見つめ直す旅に向かった。

1年後ゴッサムに帰還すると息子ダミアンとの出会いや本当の父親を名乗るドクター・ハートとの戦いを繰り広げ、
そして『ファイナル・クライシス』でダークサイドに致命傷を負わせるも命を落としたと思われた。
実際は過去に飛ばされダークサイドの兵器に変えられようとしていたが、ヒーローたちの協力でダークサイドの野望を阻止することに成功した。

現代に帰還すると犯罪組織『リバイアサン』を阻止するため、コスチュームを新たに世界規模のバットマン組織『バットマン・インコーポレイテッド』の結成に乗り出した。


【ポストフラッシュポイント

『DCユニバース』全体の歴史が変更されバットマンはコスチュームとオリジンが変更された。

『ジャスティス・リーグ』の創設メンバーとして活躍する一方で、新たな強敵『梟の法廷』永遠の宿敵ジョーカー愛憎渦巻くタリアとの戦いに挑んでいく。

ジョーカーとの戦いで『ファミリー』が分断され、タリアとの戦いの果てにダミアンが命を落とし、『フォーエバー・イービル』でディックが犠牲になるなど多くの喪失を経験するが、
バットマンだけでは対処できない事件ダミアンの復活によって絆を取り戻した。

その直後のジョーカーとの直接対決の末にブルースは過去の記憶をなくし、ただのブルース・ウェインとして生きるチャンスを得る。
しかし再びゴッサムを襲う危機を前にブルースはバットマンに戻る決意を固め、新たなコスチュームとともにゴッサムに舞い戻った。

気持ちを新たに戦いに臨むも普通の人間である自分の限界を目の当たりにし、強敵ベインとの戦いや父との邂逅で自分を見つめ直しキャットウーマンに告白した。

その一方で金属の謎を追う内にその危険性を知り『バットファミリー』の配置転換や新チームの結成デューク・トーマスの育成を行っていた。そして人類誕生の頃から仕掛けられていた罠にはまり悪魔バルバトスと自分の悪夢が生み出した『ダークナイツ』を呼び寄せてしまうが、仲間たちと希望を失わずに戦い続け闇の軍勢との戦いに勝利を収めた。

新たな強敵バットマン・フー・ラフズと戦いつつ、隠していた過去の告白友人たちへの報告を経て、キャットウーマンとの結婚の準備を進めていたが、ジョーカーや父トーマスともつながっていたベインの陰謀によって結婚はご破算に終わった。



【ブルース以外のバットマン】

  • ジャン・ポール・ヴァレー
『ポストクライシス』で就任。宗教集団『聖デュマ騎士団』の戦士アズラエルとして生きることを定められた青年。
とある事件でバットマンと出会い、彼のようなヒーローとなるべく修行していたが『Batman: Knightfall』で新たなバットマンに指名された。
後継者としての責務を果たそうと努力していたが、使命感と『聖デュマ騎士団』に仕掛けられた洗脳によって徐々に暴走し装備を強化していった。
その結果ベインを倒すも暴走は続き、最後は復帰したバットマンとの戦いに敗れコスチュームを脱ぐこととなった。
『ポストフラッシュポイント』ではバットマンにはなっていないものの、新たな『聖デュマ騎士団』の戦士との戦い
『ジャスティス・リーグ・オデッセイ』での任務でバットマン風のアーマーを身に着けている。

  • ディック・グレイソン
『ポストクライシス』、『ポストフラッシュポイント』で就任。ブルースに引き取られたサーカス出身の孤児で、後に養子となった。
ロビンそしてナイトウィングとして活動しでいる『バットファミリー』の長男。
『ポストクライシス』では『ファイナル・クライシス』でブルースが姿を消した後、バットマンを引き継いだ。
当初はブルースの遺言もあって引き継ぐ気はなかったが、周囲の期待もあってバットマンとなった。
ダミアンをロビンに据えゴッサムを守護し『JLA』にも参加、ブルースが戻ってきてからもゴッサムのバットマンとして活動を続けた。
『ポストフラッシュポイント』では似た経緯でバットマンになるも、開始時点でナイトウィングに復帰している。

  • ジェイソン・トッド、ティム・ドレイク、ダミアン・ウェイン
『ポストクライシス』、『ポストフラッシュポイント』の可能性の未来の中で就任。ディックに次ぐ歴代のロビンたち。
バットマンに就任しているが、いずれも危険なヴィジランテとなることが多い。

  • トーマス・ウェイン
『フラッシュポイント』で就任。ブルースの父。
ブルースが強盗に殺され、その強盗を自らの手で殺したのをきっかけにバットマンとしての活動を開始した。
フラッシュから本来の世界ではブルースが生きていることを知らされ、元の世界を取り戻すめにフラッシュに協力した。

  • ジェームズ・ゴードン
『ポストフラッシュポイント』で就任。ゴッサム市警本部長でバットマンの良き理解者。
ジョーカーとの決戦の末に姿を消したバットマンに代わって『ロボバットバニー』とも呼ばれるパワードスーツを身に着けバットマンとなった。
時に他のヒーローとも組むなど活躍し、バットマンの復帰に伴い元の職務に復帰した。

  • テリー・マクギネス
『ポストフラッシュポイント』で就任。ブルースがバットマンを引退した未来の青年。元々はアニメのオリジナルキャラ。
父の復讐のためにスーツを使ってしまうが、ブルースに認められバットマンを引き継いだ。



【関連人物】












【主な装備・メカニック】



  • スーツ
彼の象徴でもあるコウモリのスーツ。コウモリスーツが「犯罪者を恐怖させるため」なのは上述した通り。
さまざまな装備が備えられている他、スーツ自体にも防弾機構がある。

  • バットケイブ
バットマンの秘密基地。ウェイン邸の地下の洞窟を利用して作られた。様々な設備やメカ、記念品が置かれている。

  • 万能ベルト
侵入用の七つ道具から発信機、小型爆弾まで、あらゆる装備を納める。

  • バットラング/バッタラン
蝙蝠型の手裏剣(ブーメラン)。
様々な形状、用途の物が存在する。

  • ワイヤー
投げたり、銃で撃ったり、バットラングに付けて使用する。
高所への移動や、摩天楼でのターザン、敵の捕獲までと用途は広い。

  • バットモービル
バットマンの操る高性能スポーツカー。形状は作品どころか作家によってもバラバラだが蝙蝠マークや意匠を持つ。
主に移動・追跡用に使われているが、『ダークナイト・リターンズ』のように強敵に立ち向かうこともある。
他、飛行機やヘリ、ボートにロボット等が存在する。


  • バットシグナル
初期の作品ではよく見られたでっかいサーチライト。
これを空に向けて照らすることでバットマンに出撃要請を下すことができる。
もちろんバットマン本人は使わないが、作品によってはブルースがバットマンを引退する際に破壊することもある。




【主なメディアミックス】

  • ドラマ『怪鳥人間バットマン』
演…アダム・ウェスト 吹…広川太一郎(フジテレビ版)/田口トモロヲ(WOWOW版)
1966年から68年まで放送されたドラマ作品。デフォルメされた世界観ながら高い人気を博した。
因みに、週1回ではなく2回も放送され、たった2年の放送期間ながら100エピソードを越えている。
ダークなイメージが定着したバートン版以降の“モダンバットマン”世代からは軽く見られがちだが、実は本シリーズこそがバットマンを単なるコミックのヒーローからスーパーマンに次ぐ国民的ヒーロー、延いてはスーパーマンをも越えるヒーローの中のヒーローに押し上げるきっかけとなった作品。
日本では、それこそバートン版が公開されるまでは懐かしのテレビ番組となっていたが、本国アメリカではレギュラー放送終了後も幾度も再放送され、世代を越えて親しまれていた。
その影響は当時のコミックにも及び、最近ではコミックで新作が発表されたりアニメまで制作されている。
アダム・ウェストは本作以降いくつかのアニメでもバットマン役を担当しており、下記の90年代アニメ版では原作の怪傑ゾロに相当する、幼き日のブルースの憧れのTVヒーロー、グレイゴーストを演じて新旧バットマンの共演を果たしている。

演…アダム・ウェスト 吹…広川太一郎(ビデオ版、旧テレビ版)/小川真司(新テレビ版)
上記ドラマの劇場作品。ジョーカーをはじめとするヴィラン軍団にロビンとともに挑む。

演…マイケル・キートン 吹…渡辺裕之(ソフト版)/堀勝之祐(TBS版)/山寺宏一(テレビ朝日版)
1989年に公開され、シリーズ化もされたティム・バートン監督作品。
ドラマ版のイメージを払しょくするダークな世界観で一般層にもダークなバットマンを知らしめた。
所謂現在まで続く“モダンバットマン”の始まりとなった作品であり、以下のコミック以外のバットマンの活躍する場を作り上げ、コミックに於いても更にダークさを増した展開を取り入れさせるきっかけとなった。
近未来的でクラシカルなゴッサムシティの造形も話題を呼んだ。
その一方で容赦なく殺人を行う姿は賛否両論。まぁ監督がティム・バートンだし。
本作のテレ朝版で吹き替えを担当した山寺氏は後述のレゴシリーズや『ニンジャバットマン』でもバットマンを演じている。
まさか下記のジョージ・クルーニー共々2023年の『ザ・フラッシュ』で再びバットマンを演じることになるとは誰が予想できただろうか。

演…マイケル・キートン 吹…渡辺裕之(ソフト版)/山寺宏一(テレビ朝日版)
上記『バットマン』から始まったシリーズの第2作。ティム・バートンらしさを強く打ち出した異色作。
ヴィランのペンギンとキャットウーマンにスポットを当てている。

声…ケヴィン・コンロイ 吹…玄田哲章
ポール・ディニやブルース・ティムが手掛けたアニメ作品。
『リターンズ』公開のタイアップとして製作され、アニメらしい陽気さとバットマンらしいダークな世界観が合わさり高い評価を得ている。
日本では残念ながら玄人好みの作品に落ち着いたが、本国では傑作シリーズとして広い層に受け入れられ、続編として『スーパーマン(アニメ1996)』や『ジャスティス・リーグ』も放送された。
ケヴィン・コンロイ氏は本作以降も多くのアニメ、ゲームでバットマン/ブルース・ウェイン役を担当した。また『Arrowverse』のクロスオーバー『クライシス・オン・インフィニット・アース』では『Earth-99』のブルース・ウェインを(声優としてではなく俳優として)演じている。*2
本作で吹き替えを担当した玄田哲章氏は『バットマン:ブレイブ&ボールド』でもバットマンを演じている。

演…ヴァル・キルマー 吹…竹中直人(ソフト版)/小杉十郎太(テレビ朝日版)
1989年の『バットマン』から始まったシリーズの第3作。
監督がジョエル・シュマッカーに変更され、それに伴って作風も明るめの雰囲気になった。

演…ジョージ・クルーニー 吹…竹中直人(ソフト版)/小山力也(テレビ朝日版)
1989年の『バットマン』から始まったシリーズの第4作。監督はジョエル・シュマッカーが続投。
前作以上の明るい作品で、『怪鳥人間バットマン』を思わせるバカバカしさで多くの人の記憶に刻まれた。悪い意味で。

  • アニメ『バットマン・ザ・フューチャー』
声…ウィル・フリードル(テリー)、ケヴィン・コンロイ(ブルース) 吹…川島得愛(テリー)、玄田哲章(ブルース)
上記のアニメ『バットマン(1992)』の未来を描いた作品。ということでブルース役はコンロイ氏が続投。
ブルースは新たなバットマン、テリー・マクギネスをサポートしている。

  • アニメ『ザ・バットマン』
声…リノ・ロマノ 吹…加瀬康之
2004年から始まったアニメ作品。活動を始めて間もないバットマンの成長と発展を描いた作品。
当初はヴィランとの初対面が多くサポートキャラも少なかったが、最終的には『ジャスティス・リーグ』も登場した。
本作で吹き替えを担当した加瀬氏は『ヤング・ジャスティス』でもバットマンを演じている。

  • 映画『ダークナイト・トリロジー 』
演…クリスチャン・ベール 吹…檀臣幸(ソフト版)/東地宏樹(ビギンズ日本テレビ版)/高橋広樹(ビギンズフジテレビ版)/藤真秀(ナイトテレビ朝日版)
よりリアルなバットマン像を描いた、『バットマン ビギンズ』『ダークナイト』『ダークナイト ライジング』の3部作。クリストファー・ノーラン監督作品。
徹底したリアリズムを打ち出し、現実の都市を舞台に描くことで、漸くというか遂にというか、やっとバートンの影響を抜け出したゴッサムシティを描いたことでも注目された。
『ビギンズ』は原作ファンの高い評価が聞こえる程度の評判だったが、第2作『ダークナイト』は衝撃的な作り込みと内容から世界にショックを与えた。
精神的にも肉体的にも弱さを抱えたバットマン/ブルース・ウェインの姿はもちろんのこと、
ヴィランであるラーズ、ジョーカー、ベインの活躍も高い評価を得た。
本作で吹き替えを担当した藤氏は『バットマン:アーカム・ナイト』と『Arrowverse』のクロスオーバー『クライシス・オン・インフィニット・アース』でもバットマンを演じている。

  • アニメ『バットマン:ブレイブ&ボールド』
声…ディードリック・ベーダー 吹…玄田哲章
バットマンと様々なヒーローのコンビ/チームの活躍を描いたアニメ作品。
発表当時は『怪鳥人間バットマン』を思わせるビジュアルと明るい作風が不安視されたが、
放送後は笑いあり涙ありのストーリーが人気を博した。

  • ゲーム『バットマン:アーカムシリーズ』
声…ケヴィン・コンロイ(アサイラム、シティ、ナイト)/ロジャー・クレイグ・スミス(ビギンズ) 吹…藤真秀(ナイト)
2009年の『バットマン アーカム・アサイラム』から始まったゲームシリーズ。
『アサイラム』、『シティ』、『ビギンズ』、『ナイト』の本編シリーズのほか、いくつか派生作品が存在。
バットマンらしさを追求し高い評価を得た作品でギネス記録にも認定されている。

演…デヴィッド・マズーズ 吹…田村睦心/島﨑信長(最終話)
バットマン登場前夜のゴッサムを描いたドラマ作品。
当初はゴードンと共に両親殺害の犯人を捜していたが、街にはびこる悪を目の当たりにし悪と戦うための力を養っていく。
コミックと異なりすでにセリーナと面識を持ち、10代にして自警団としての戦いを開始している。
そして最終話ではバットマンとしてゴッサムに現れ、物語の終わりと始まりを告げた。

  • 映画『DCエクステンデッド・ユニバース/DCフィルムズ・ユニバース』
演…ベン・アフレック 吹…小原雅人
2013年の『マン・オブ・スティール』から始まった映画シリーズで、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』から登場。
歴戦のヴィジランテで、20年にも及ぶ戦いの末にその意義を見出せなくなっていたが、スーパーマンとの戦いを経てヒーローとしての気持ちを取り戻した。
その後は『スーサイド・スクワッド』にも姿を見せ、『ジャスティス・リーグ』では(劇場公開版とザック・スナイダーカットの双方で)ヒーローチーム「ジャスティス・リーグ」のリーダーとして指揮を執ったが、
ジェームズ・ガン、ピーター・サフラン主導でユニバースが「DCユニバース」に新生される事に伴い、2023年の『ザ・フラッシュ』でその出番を終えることとなった。

声…ウィル・アーネット 吹…山寺宏一
レゴシリーズのバットマン単独映画。
レゴらしい明るくハチャメチャな展開だが、バットマンと家族、そしてジョーカーとの関係を明確に掘り下げている。
なお、山寺氏は本家アニメではバットマンを担当したことはなかったが、のちに放送された「ジャスティス・リーグ:アクション」で担当することになった。

声…山寺宏一
中世の日本を舞台としたアニメ作品。
日本にタイムスリップし、歴史改変を目論むジョーカーと戦う。

演…ロバート・パティンソン 吹…櫻井孝宏
当時同時に進行していたDCEUとは世界観を共有しない新シリーズ。
なお、元々は上記のDCEUに属する作品としてベン・アフレック監督・主演で制作される予定だったが、紆余曲折の末に現在の形になったという経緯を持つ。
全体的に「復讐者」としての一面が強調され、表の顔であるブルースとしても荒んだ印象を受けるが、一方でバットマンとして活動してからまだ2年目という事もあって、どこか青臭さも残している。



【余談】

バットマンの使う武術は、日本やチベット、北朝鮮等と設定はバラバラだが、東洋の武術とされる事が多い。

主な異名としては、
『ダークナイト(闇の騎士)』
『ダークナイト・ディテクティブ(闇夜の探偵)』
『ケープドクルセイダー(ケープの聖戦士)』
等があり、これらは作品タイトルにも使われている。
他、キャットウーマンらが呼ぶ「イヤーポインター(尖り耳)」等、あだ名(アメコミらしく)が多い。


また、俗称としてバットマンが使われることがある。
突然変異でヒレが一部欠損しているエイ、特に前ヒレが欠損しているものはその姿からバットマンと呼ばれる。
野球においていわゆる天才と呼ばれる打者もバットマンと言うことがある。こちらのバットはコウモリでなく野球道具を指しているが。



闇夜の空にバットサインが浮かんだら、追記・修正の合図だ。

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最終更新:2024年03月18日 17:15

*1 オリジンでは『怪傑ゾロ』とされており、その姿にインスピレーションを受けたブルースが、更に蝙蝠の姿を見てバットマンを思い付いたということになっていた。後のシリーズでは『怪傑ゾロ』とは限られていない。

*2 長きにわたりバットマン声優として親しまれていたが残念ながら2022年に癌により死去。享年66歳。