ビワハイジ(競走馬)

登録日:2011/12/16(金) 15:35:54
更新日:2024/04/13 Sat 02:46:38
所要時間:約 4 分で読めます





ビワハイジとは中央競馬の元競走馬である。

1993年3月7日生まれ
父:Caereon
母:アグサン
母父:Lord Gayle

馬齢は旧表記(-1すると現在表記)である。

デビュー戦は札幌競馬場で新馬勝ちした。
2戦目は札幌3歳ステークスでこれも勝ち、勢いに乗って阪神3歳牝馬ステークスに出走する。
これまで乗っていた武豊騎手は1番人気のイブキパーシブに乗る為に、角田晃一騎手に乗り変わる。
これが功を奏したのか、逃げ切りの体勢から2着のエアグルーヴ(後のオークス・秋天馬)以下を寄せ付けずにこのレースを制し、無傷の3連勝が評価されて最優秀3歳牝馬に選ばれた。
以後、ラストラン以外は角田騎手が騎乗することとなる。

4歳になったビワハイジはチューリップ賞から始動するが、エアグルーヴに差され2着に敗れてしまう。
ここからがスランプの始まりだった。
続く桜花賞は2番人気になるもファイトガリバーの15着。
しかしその能力を買われて、果敢にも東京優駿(日本ダービー)に牝馬ながら出走する。
残念ながら結果は13着で、レース後骨折が判明し1年以上も棒にふる。

5歳になったビワハイジは、10月のカシオペアステークス(OP)から始動する。
結果は5着。
次走はG1のエリザベス女王杯でエリモシックの追い込みを眺めながらの7着。
その後、阪神牝馬特別に出走し7着。

6歳になったビワハイジはGIIIの京都牝馬特別を選択する。鞍上は外人ジョッキーのオリビエ・ペリエ。チューリップ賞ではエアグルーヴの鞍上であった。
そして全盛期を思わせる逃げを成功させ復活の勝利。
だがやはり骨折の影響かこれで引退。ラストランを花道で飾ることとなった。

通算10戦4勝

繁殖入りしたビワハイジだが、これが競走成績以上に結果を残すことになる。


第3子アドマイヤジャパン 牡
(父:サンデーサイレンス
京成杯を勝ちその後05年クラシック世代、要するにディープインパクトの相手として皐月賞3着&菊花賞2着と奮闘。
クラシック次年は屈腱炎で引退。通算10戦2勝。
2007年から種牡馬として活躍。2019年に引退し、以降は功労馬・乗馬として過ごす。血縁馬で有名なのは母父アドマイヤジャパンのサークルオブライフ(2021年阪神ジュベナイルフィリーズ)。
ちなみに2022年5月、静養先の牧場で牧場のスポンサー「yogibo」謹製のビースソファ(ハッシュタグ「馬をダメにするソファー」)を枕にお昼寝する映像が公開され話題となった。

彼までのハイジ産駒は早田牧場生まれなのだが、馬主の他界と牧場の破産によりビワハイジがノーザンファームに託されたため、以降の産駒はノーザンファームで生まれている。

第4子アドマイヤオーラ 牡
(父:アグネスタキオン
07年クラシック世代(いわゆるウオッカダイワスカーレット世代)としてシンザン記念 弥生賞 京都記念と重賞3勝。
5,6歳時は故障に苦しみ引退。通算16戦4勝
兄に続き種牡馬として活躍していたが2015年に重度の故障がありそのまま安楽死。代表産駒は死亡から三か月後に生まれたアルクトス(2020・2021年マイルチャンピオンシップ南部杯勝利)。

第6子ブエナビスタ 牝
(父:スペシャルウィーク
阪神ジュベナイルフィリーズ、08年牝馬クラシック2冠、ヴィクトリアマイル、天皇賞(秋)ジャパンカップのG16勝を含む通算23戦9勝(着外は3回のみ)。
牡牝クラシック古馬国外を越えて活躍し続け、ビワハイジの最高傑作であるとともに最強牝馬候補として不動の地位を築いている。
ウオッカの牝馬最高賞金(当時)も更新(なおその後ジェンティルドンナとアーモンドアイが出たので…)。
2011年の有馬記念を最後に引退。最初で最後の対決となった三冠馬オルフェーヴルの1着を眺める7着であった。
2012年以降は繁殖牝馬入り。ちなみにキングカメハメハだけで4回。

第8子トーセンレーヴ 牡
(父:ディープインパクト)
産駒では6年33戦と2番目に長く活動。エプソムS、プリンシパルSなどOPまでなら重賞4勝。通算8勝。
外国人騎手を13人27戦も乗せたことに定評がある。
一度は乗馬行きと思われたがなんとか種牡馬入り。

第9子ジョワドヴィーヴル 牝
(父:ディープインパクト)
デビュー2戦目で阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)を圧勝。その圧勝ぶりから早くも親子三冠達成へ期待されていたが骨折もあり桜花賞6着までで打ち止め。
クラシック次年はヴィクトリアマイル4着など復活の気配はあったが調教中に予後不良となり安楽死。「生きる喜び」という名前を持ちながら皮肉な最期であった。


第10子サングレアル 牝
(父:ゼンノロブロイ
GIIフローラSを勝利。だがその後のオークス以降は精彩を欠き2016年に引退。
以降は繁殖牝馬。


全て同じサンデーサイレンス系の種牡馬とは言え、5頭の異なる種牡馬から活躍馬を出し、重賞勝利馬6頭を輩出(物悲しい結末もあるが)したことは、ビワハイジの基礎能力の高さの証明と言えよう。

余談だが第1子ビワワールド(牡→騙)のみ父ブライアンズタイムなのだが、「ビワ」冠名で最期にJRA登録から抹消された馬(最後のビワ系勝利馬自体は別の馬)という物悲しい記録を持っている。

そして2015年に第12子プリメラビスタ(牝、父オルフェーブル)を産み、2016年にルーラーシップと交配するも不受胎となった後繁殖を引退。その後はノーザンファームで仔馬達のリードホースを務め、2022年2月25日に29歳で老衰死した。

第11子エルプシャフト(牡、父:ディープ)は三度のサラオク出品を挟み中央も地方競馬も回り続けた果て、産駒で最も長い66戦8勝の戦績を以って2023年にようやく引退した。
ビワハイジの直仔はこれにてついに競馬場から姿を消した。
これからは産駒の産駒たちが走り続けて行くだろう。



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最終更新:2024年04月13日 02:46