ハートフルボッコ

登録日:2009/09/03(木) 15:42:07
更新日:2023/11/09 Thu 20:41:39
所要時間:約 4 分で読めます




「ハートフル」と「フルボッコ」の造語

英語で表現すれば、「心を満たす」などの意味を持つ「heartful*1ではなく、「感情を傷つける」「〜に有害な」といった意味の「hurtful」である。
ちなみに、正しい切り方は「ハート・フルボッコ」である。「ハートフル・ボッコ」ではない。
決して「ハートさん」や「ハート様」をフルボッコにする意味ではない。
北斗の拳とも関係無い。

概要

一見するとほのぼのとした雰囲気や萌えをテーマにした「ハートフル」に見える。
……かと思いきや、話が進むに連れて、実際はハート(精神)を「フルボッコ」にする様な鬱展開が全開な作品を指す。

要するに「前半で油断させて、後半で一気に叩き落とす」という、とても恐ろしい方法。
だが、初めから「ハートフルボッコな作品」と解っていれば、それほど精神的ダメージは大きくない。
また、物語のお約束を徹底的に破壊した作品を指すこともある。

主な作品例

ハートフルボッコ作品の基準としては、以下のものが挙げられる傾向が強い。総じてOP詐欺鬱ゲーが多いようである。
  1. 悲しくなる一方、あるいは暗くなる一方の展開。
  2. 明るい雰囲気から鬱な気分になる落差が半端じゃない。
  3. タイトル・表紙・事前情報等の詐欺。
  4. 不条理やエゴイズムなど、悪意が満ちた設定。
  5. ホラーチックにグロテスクな描写という合わせ技。
  6. 主人公の心を平然とへし折りに来る。
  7. メインキャラの精神崩壊や闇堕ち
  8. 全体の空気感や制作側の意図などがぶっ飛んでいるなど、思わず笑ってしまいそうになる狂気。

一覧

後半からは想像を絶する鬱展開。
アニメは原作を知っている人から見れば最強のOP詐欺。

子供向けアニメに見えて……。

「王道ハートフル学園物」と名打っているが……。

鮮血の結末などが有名。アニメ最終回はスカッとする人続出
パッケージ等がぱっと見普通の学園物に見える。
が、「よくよく見ると登場人物が死んだ魚の目のように見えたから地雷だと気づいた」と後に語った者も居たという。
なお選択ルートによっては明るい展開もあるので、バッドエンドばかり話題にしたり絶対視したりすると、にわか認定を食らってハートがフルボッコ。

ただの萌えゲーに見えるが、Trueで……。

  • "Hello, world."
やっぱりニトロでした。

CMが2種類あり、能登ボイス版しか見ていない場合、よくあるボーイミーツガール萌えアニメだと油断してかかる分落差が凄まじく酷い。
ボーイミーツガールではあるが。

一巻時点から不穏な設定や状況ではあったのだが、三巻以降の鬱度が異常。

難易度的な意味でフルボッコ。
ある意味OP詐欺。

OHPから悪意全開。

  • こいこい7※漫画
てこ入れした結果……。

メイド萌えに見せて、メイド燃えな作品&凌辱あり。

必死にエフェクト集めたのにエンディングが……。

空鍋。そしてネタバレを知ると――その杜撰さやヤラセ臭もあり――開いた口が塞がらなくなって、これまたハートがフルボッコ。

と同じ展開を期待してはいけない。

  • 鬼うた。〜鬼が来たりて、甘えさせろとのたもうた。〜
流石は130cmというべきか。

BadEndがヤバい。
ひだまりスケッチじゃないよ。

しかし……。

↑のうめてんてーの絵に釣られて見ると絶望する。脚本家は通常営業

ほのぼのとした絵ではあるが、戦争をかなり生々しく描いており、レイプや大量虐殺等かなりダーク。

ポップでハチャメチャなファンタジーアニメだが、登場人物の心理描写がリアル。終盤は怒濤の鬱展開ラッシュ。

原作を知ってる人はアニメ化の絵を見た時周囲に忠告した。

16人の個性豊かな高校生が殺し合う。そして犯人は処刑される。おかげで好きになったキャラが次々と死んでいく。

  • ふぉうちゅんドッグす
一見まったりした、犬の冒険記。実際前半はそう。しかし後半はメインキャラも容赦なく死にまくり、鬱展開も多い。

ほのぼの学園日常ものかと思ったら、ヒャッハー要素のない『学園黙示録』だった。


「プリキュア同士の戦い」という展開で、映画を観に来た幼女達を本気で泣かせ、親御さんからの苦情が殺到した。おまけに予告にはそういうシーンが無かった。

アニメ版のが原作にはなかった要素としてのハートフルボッコ。

  • 嵐の暴魔と囚われの騒魔(メギド72イベント)
幼女メギド・ジズとのほのぼのした交流を描くイベント……かと思いきやゲーム内屈指の凄惨な鬱展開が襲い掛かる。

  • びんちょうタン
絵柄もストーリーも至って可愛らしい内容だが、主人公であるびんちょうタンは言ってしまえば天涯孤独の日雇い労働者であるため、日々の生活における孤独や貧困の描写がやけにリアルに感じられてガチ凹みしてしまったという読者・視聴者も少なくなかった。

可愛らしくファンタジックな絵柄に釣られた読者を絶望のどん底に叩き落したり特殊性癖に目覚めさせたりした。

甘く切ないジュブナイル恋愛ストーリー」を謳い文句に送り出された作品。
……が、前作の視聴者ですらドン引きするほどの凄まじくエグく救いのない展開が詰め込まれていた。

絵柄や演出はコミカルだがストーリーは『闇金ウシジマくん』もびっくりのクズ人間と胸糞展開のオンパレード。
「連ちゃん」しているのはパチンコではなくパパの悪行と不幸である。
サクサク読めて後から効いてくる、「悪意のストロングゼロ」。

ノスタルジックかつ温かみのある世界観やキャラクターの冒険ファンタジー。
……なのだが蓋を開けてみれば、視覚的にも精神的にも非常にエグい描写の鶴瓶打ち。
そして登場人物全員がとてつもない闇や業を抱えている。

子供たちのひと夏の成長物語。よくある話じゃん……と思いきや。
前半は何にでもワクワクできる子供の好奇心や冒険心が描かれるが、後半ではそれが一変。
アルベルトがルカの変化を受け入れられずに嫉妬心を抱き始めたことをきっかけに、成長期特有の心の闇や軋轢をリアルかつハードに描いた怒濤の修羅場ラッシュが展開される。
そしてその中で発せられたとある一言は、シンプル故に観る者の心にもダイレクトに重い衝撃を与えてくる

放送開始からわずか5話で爆弾発言、(テレビ業界含む)風刺とブラックジョークの宝庫、誰が呼んだか「和製サウスパーク」「深夜31時台アニメ」。

かわいらしい挿絵の割に展開がハード。憂鬱展開と人死にが多い。

  • 河童のクゥと夏休み
登場人物の大半が、陰湿かつ暴力的な扱いを社会から受けて追い詰められる。

  • フランダースの犬
最終回に至るまでが哀しすぎる。

全体的に身体破壊や人喰いなどの描写が多い上に、大半の登場人物の過去がとにかく悲惨
とりわけ鬼になった(あるいはされてしまった)人間たちの過去は悲惨極まりない

  • カムカムエヴリバディ
朝ドラらしく心温まるホームドラマ……と見せかけておいて、前半でいきなり重苦しい展開の連続。

「そうか、そうか、つまりきみはそんなやつなんだな。」

  • 講談社ミステリーランドの一部作品
2003年~2016年に展開された、「かつて子どもだったあなたと少年少女のための――」のキャッチフレーズを謳ったジュブナイルミステリーレーベル。
一応全作が未成年メインの児童文学……なのだが、大人向けも視野にいれて描かれたため、一部作品には子供が見たらトラウマになるような展開が存在
主人公の心に徹底的に絶望を刻んだ上さらなる真相をもエンドに暗示した『神様ゲーム』を筆頭に、『びっくり館の殺人』『探偵伯爵と僕』がエグイ話、『子どもの王様』『透明人間の納屋』がキツイ話の代表か。
もちろん全部がそんな黒くて後味悪い話ではなく、冒険に挑んだり作者の代表作と同じ世界観だったりと普通の作品も多いのだが、
レーベル最終作『七月に流れる花』『八月は冷たい城』の恩田陸がインタビューにて「きれいごとじゃない話として書いたつもり」と言ったように、『銃とチョコレート』等希望はあっても途中がビターなのも多めだったり。








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最終更新:2023年11月09日 20:41

*1 いわゆる和製英語であるため、英語圏では一般的な用法ではない。ちなみに英語圏で「心を満たす」に該当するのは「heartwarming」や「hearty」もしくは「heartfully」である。