アーレン・ブラフォード(FSS)

登録日:2012/02/06 Mon 22:21:32
更新日:2024/03/03 Sun 15:14:41
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「一度…一度でいい……あんなMHを……」



◆アーレン・ブラフォード
「アーレン・ブラフォード」は永野護の漫画作品『ファイブスター物語』の登場人物。
本格的な初登場は「放浪のアトロポス」編だが、名前のみはそれ以前から登場していた。
初登場時は、余りにも非凡な才能を持つが故に表舞台に出る事が叶わず、兇状持ちとなっていた悲運の騎士であったが、シーブル軍の傭兵騎士として「命の水」を巡る作戦に参加。

……その作戦中に、様々な常識を外れる者達との出会いを経て(ブラフォード自身のとんでもなさも明らかになったが)、長い間待ち焦がれていた「主」を得る事になる。

ミラージュ騎士団右翼大隊No.21
A.K.D.入りした後には天照の庇護の下で騎士としての才能を発揮。
「天位」を持つ剣豪であり、ブラック・スリーの襲撃により壊滅に追い込まれた後に再編成され「魔導大戦」から「星団制圧」までを戦い抜く第3期ミラージュ騎士団の筆頭騎士として名を挙げられている。



【人物】
褐色の肌にストレートの黒髪と云う、地球で云う所のネイティヴ・アメリカンの様な容姿をした民族性の高いデザインワークが為された人物。
「コーラス×ハグーダ戦」にて、ブーレイ傭兵騎士団に雇われていたボォス星のミミバ族と同じ地方の出身である事が明かされている。

ブラフォード自身は非常に「徳」が高く、才能もある人物なのだが、その出自からも容易く予想出来る様に王族・貴族偏重の社会では如何に才能のある人物でもいきなり立身出世が出来る立場でもなかった。

その高徳な精神のためか、
「騎士は主君を得て、その命令で行動すべきである。超常の力を持つ騎士が自分の欲望・思想で力を奮えば、それはただのおそろしい殺人鬼・破壊魔だ」
という固い信念を持っている。
力あるものとして立派な考えなのだが、若かりし日のブラフォードはこれが悪い方に出てしまったようで、
愚かな主君に仕えていた際に血腥い汚れ仕事(小さな村での虐殺)に手を染め、兇状寸前の汚名にまみれて大騎士団への登用の道を閉ざされた事がスカ閣下の口から明かされている。
もう少し主の人柄を選ぶ感性が有ればよかったのだが…。ある意味、究極の世渡り下手。

……その後、下記の劇中での経緯を経て史上初めて、契約金ロハでミラージュ騎士団に入団する事になる。

ミラージュ騎士団では、上記の様に筆頭騎士として名を挙げられる反面、ステートバルロ・カイダの後を引き継ぎ、愛騎テロル・ミラージュを駆り、間者として星団中を駆け回る等、その実力を遺憾なく発揮した様だ。


ファンにはお馴染みだが、登場当初より既婚者であり、お相手は何とあの天然ジャンキーにして、超絶お嬢様のキュキィ・ザンダ・理津子

……如何に、裏では非合法犯罪組織のスポンサーをしてたり、頭のネジがブッ飛んでても、立身出世のままならない地方出身の下層民からすればトンでもない逆玉なのだが、その不相応さを誰よりも解っていたのはブラフォード自身であり、叶う筈も無い筈だった立身が叶うまではと家出をしていた状態であった。

……が、行方不明だったブラフォードがミラージュ入りを果たした事を知ったキュキィは自らも押しかけミラージュ入り(契約金ロハ2人目)。

夫に劣らず、キュキィも騎士としての能力は勿論、付随するオマケが半端無い人物であり、夫婦揃ってアイシャに重用される等、現在のミラージュ騎士団の中核を担いまくっている。



【劇中での活躍】
上述の通り過去の兇状寸前の汚名のために表舞台に立つ事が叶わず、用心棒や暗殺者稼業に手を染めていたらしい
シーブルの宰相にして強力な老魔導師であるディー・バローに、「命の水」探索作戦に雇われた傭兵として登場。
ブラフォード自身は「騎士としての力を有用視されて雇われただけ、今までの仕事よりマシ」と認識していた。
共に作戦に参加していたパイパー将軍からはその実力を見抜かれ誘われてもいたが、主を得ると云う夢の為に、それを断っている。

「命の水」を追う中で変な女二人(アトロポス、レディオス・ソープ)を追うが、天照と戦う事を無意識下で嫌がるパートナーの京の不調・天照その人の異常性などの巡り合せの悪さで失敗が続き、遂にはシーブルより見限られてしまう。

……が、自分が一度殺した筈のソープ(天照帝)との邂逅の中、彼の持つ底知れぬ雰囲気に圧倒されたブラフォードは、遂に望んでいた「主」を得ると共に、シーブルを裏切りA.K.D.側に付く事になるのである。

「魔導大戦」ではアイシャの補佐として妻キュキィ、先輩カイダらと共にハスハ入り。
戦況と共に介入のタイミングを見計らっている様だ。

【戦闘能力】
ミミバ族は環境の影響なのか、一般人も騎士に近い戦闘能力を持つという特殊な民族。そこに騎士の力を持って生まれた者は非常に強力な騎士になりやすいという。
アーレン自身も非常に優れた身体、感覚能力を持つ騎士であり、五感に優れた描写がされている。
特に異常なほど眼が良く、
  • 昼間の明るい空に星や大気圏突入艇の光が見える
  • 広々した平野で光学迷彩された小型カメラが見える
  • MHが暴れまわって朦々と土煙が立ち込めるのを突き通して戦況が見える
という超人芸を披露している。

出身地の関係か過去の仕事の関係か、僅かな足跡を追跡したり、催眠術を使用したりと多くの裏技も持つ。
これらは同郷の騎士である雲竜のケサギ・疾風のカエシのおすもうさんコンビも似たような事をやっており、地元芸であるらしい。

「天位」を持つ剣豪として、数々の剣聖、天位剣技を操る武人であり、まだカイエンに教授を受ける以前のジャコーすらが敬語を使う位に剣指南としても業績を残している。
MH戦においてもその才能は存分に発揮され、パートナーが突然エンジンチューニングを変更したのに一瞬で対応し、
適切な使い方をその場で発案したりしている。
そして、ブラフォードの闘法の何よりも脅威な点は一切の「型」を持たずその場その場で変幻自在、
普通に訓練された騎士では思いもよらない戦法を繰り出す点にある。
MHでゲンコツや肉斬骨断作戦など、まともに思いつけるものではない。
そのスタイルはあのデコース・ワイズメル(FSS)に特に近く、サリオン王子も「ブラフォードなら凸の剣技に対応できそうだ」と発言するほど。
もっともブラフォード自身は自分の剣を無頼の剣と称しており、元々自己評価が低い人柄のせいもあるが、「綺麗ではない剣」と自認している模様。
ヒエラルキー的にはデコース同様、超人外には素のスペックで厳しいがそうでない騎士の中では最高ランク、デコースに匹敵するレベルにあると言える。


【パートナー】
■バランシェ・ファティマNo.17
◇京
時、静、町に続いた日本人型ファティマ姉妹の最後の一人。
能力、精神バランスが優れた優秀なファティマだが、アーレン以前の主とは能力が高過ぎるが故に、折り合いが悪いと云うブラフォードとは似た者同士だった。
この京のエピソードを通じて、バランシェ・ファティマがソープ(天照)をアーク・マスターと定め、彼と戦う事を厭うと云う設定が明かされた。
アーレンの立場上、分不相応のバランシェ・ファティマである事も明かせていない状況だったが、主同様にミラージュ入りした後はのびのびと本来の役目を果たしている様である。

しかし、何よりもブラフォードと彼女のコンビの最大の功績と言えば不完全な状態とは云え、あのK.O.G.の一騎であるオージェを破っている事であろう。



【搭乗MH】
■アパッチ
傭兵時代のブラフォードと京が駆っていた中古のMH。
元々、完全兵器であるが故にMHは絶対的な性能差が付き難いのだが、搭乗する騎士とファティマが決定的な戦力を決める事を見せつけた(※ただし、K.O.G.に勝ったのは矢張り有り得ない出来事である)。


■テロル・ミラージュ
H型ミラージュ。
L.E.D.ミラージュと同型のエンジンを一回り小さいフレームに乗せた、遊撃戦を得意とする忍者MH。
設定変更により、ブラフォードの専用騎として一騎のみが存在する事にされた。
主のアーレンとは互いに一目惚れの仲。
大破したアパッチの戦闘メモリを移植された事も含め、ブラフォードと京の愛騎と呼ぶに相応しい。


L.E.D.ミラージュ
B型ミラージュ
ブラフォード騎は右翼大隊No.21
汚れ仕事も務めていたブラフォードらしく、ミラージュNo.と同一のNo.を付ける事で「虐殺行為」からは逃げないとの意志を示している。



【余談】
●作者によれば『FSS』ではブラフォードを始め、デコースやヨーンと云った非凡な騎士こそ不遇な扱いを受ける傾向があるとの事。



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最終更新:2024年03月03日 15:14