人魚シリーズ

登録日 :2011/02/04(金) 02:10:27
更新日 : 2017/05/01 Mon 15:43:53
所要時間 :約 6 分で読めます




人魚シリーズとは高橋留美子原作の人魚をテーマに置いた読切作品シリーズの総称であり、後にアニメ、小説、ラジオドラマ化された。

本シリーズの人魚は普段我々が想像しているかわいらしい人魚とは異なり、不老不死の醜悪な化け物として描かれている。
また、作品のテーマも「 永遠に生き続けることの苦悩 」、「 不老不死を求める人間の愚かさ 」、「 命の意味 」など非常に重く、
暴力的なシーンも多いかなりシリアスな作品。
さらにストーリーもバッドエンドやしこりが残る終わり方が多く、『うる星やつら』『らんま1/2』などギャグ要素の強い作品しか知らなかった人はまず驚くと思われる。

しかし、読んだ後はいろいろと考えさせられる趣深い作品でもある。


単行本は高橋留美子 人魚シリーズとして、
人魚の森
人魚の傷
夜叉の瞳
の三冊が発行されている。読切作品だが主人公は共通して湧太と真魚。シリーズとしての物語は未完の状態であり再開を望む声が多い。


〇基本知識

  • 人魚
不老不死の化け物であり、頭を打ち落とされなければ、身体に杭を打ち込まれ絶食状態になってミイラのようになって生存している。


  • 人魚の肉
不老不死の妙薬とされていて、食べた者の身体の作りをまるごと作り変える。
しかし、実際に不老不死になれるのは 何十年何百年にひとり (湧太談)。
不老不死になれなかったものは死ぬか、後述のなりそこないになる。
類似品(?)に人魚の生き血、灰、胆がある。


  • 不老不死
本シリーズでいう不老不死とは、身体の成長(老化)が止まり、首を切り落とされたり再生する間もなく焼かれたりしない限り、驚異的な回復力で甦ることができる。
が、そのつど痛みや苦しみを感じる

  • なりそこない
人魚の肉を食べたが、その急激な身体の作り替えに耐えられなかった者たちの末路。
知性や理性を失った半魚人姿の化け物 になるが、不老不死なので永遠にさ迷い続ける。
見た目はクトゥルフの深き者を想像していただきたい。


〇各話あらすじ & 登場人物

◆全話共通

■湧太
CV:山寺宏一
500年程生きてる元漁師。
漁師仲間が見つけてきた人魚の肉を興味本位で食べた事により不老不死の身体になってしまう。
普通の人間に戻る方法を人魚に教えてもらうため、人魚を探して漂泊の旅を続けていた。
本人は老衰で死にたいらしい。

■真魚
CV:高山みなみ
赤子の時にさらわれ、人魚の里で足枷をはめられたまま15歳まで育てられ、不老不死にされた美少女。
湧太に助けられて以後は共に旅をしている。
勝気で男勝りな性格と、里で大事に育てられたためがさつで世間知らず。


人魚は笑わない
□記念すべき第一話。
舞台は現在(昭和50年代後期頃)。
湧太は元の人間に戻る方法を知るために、人魚が住んでいるといわれる人魚の里を訪れる。
しかし、そこで待っていたのは……。

■おばば
CV:滝沢ロコ
人魚の里の村長格であり、真魚を世話していた老婆。

闘魚の里
□時は戦国時代。
人魚を捕まえに行った湧太は、そこで海賊の若頭 鱗に拾われる。
一緒に暮らしていくうちに湧太に惹かれる鱗だが……。

■鱗
CV:桑島法子
海賊の頭領の娘。
病気の父にかわり頭領をしていた時に湧太に出会う。

■砂
CV:折笠愛
鱗たちとは敵対関係にある海賊「逆髪衆」の頭領の女房。
湧太のような若者を雇って人魚を捕まえようとしている。


ff人魚の森
□一緒に旅をしていた湧太と真魚だが、湧太が少し目を離した隙に真魚が事故で死んでしまう。
真魚の遺体は人魚の森を所有する神無木家に運ばれ……。

■神無木登和
CV:島本須美
右手に包帯を巻いている白髪の女性。
真魚の死体を欲しがっていた人。

■神無木佐和
CV:京田尚子池澤春菜(若い頃)
老婆であるが神無木家当主。


夢の終わり
□山で「なりそこない」に拾われた真魚とその「なりそこない」の交流。

■大眼
CV:郷里大輔
かつては漁師だった「なりそこない」。
シリーズ内のなりそこないで唯一、理性を残し言葉を話すことが出来る。
右手の親指と中指だけ人間のまま……。


約束の明日
□WWⅡ前の日本。
人魚のことを知ってるという地主の娘・苗と湧太は互いに惹かれあっていた。
それから60年後、再びこの町に訪れた湧太は、苗が昔の姿のまま生きているということを聞かされる……。

■苗
CV:天野由梨
60年前に湧太と惹かれあった女性。
湧太が村から出ていったと同時に行方不明になっていたが……。

■草吉
CV:稲葉実、頓宮恭子(60年前)
少年時代に苗に仕えていた。
ずっと苗を慕っており、湧太に対しても基本的には協力者。

■英二郎
CV:大木民夫、松本保典(60年前)
苗の許婚だった帝大にいってる大秀才。
後に財閥の娘と政略結婚した。


人魚の傷
□時は現代。
湧太と真魚は事故で死んだはずなのに甦った女性の話を聞き、見に行ってみることに……。

■真人
CV:大本眞基子、原田優一(OVA版)
真魚が初めて電車に乗った時に出会った少年。
正体は人魚の肉を食べて不老不死になり、800年間生きてきた人間である。本性を現す前は普通だったが、現した後は冷酷となる。

■美沙
CV:佐久間レイ
真人の母。
クルーザーの事故で、火傷により死亡したはずの女性。

■雪江
CV:本田智恵子
美沙の屋敷でヘルパーとして働いていた女性。結婚が決まり仕事を辞めようとしていた。


舎利姫
□江戸初期の日本。
湧太は道中で、人魚の肉を売っている親子の噂を聞く。
その夜、少女が坊主に襲われているところに通りかかり……。

■なつめ
CV:杉山佳寿子
坊主に手を切り落とされた少女。
見世物小屋で傷を負ってもたちまち治る芸をしていた。

■おとう(なつめの父)
CV:北村弘一、菅原淳一(若い頃)
なつめと芸をしていた。
彼だけ年をとっていくため、なつめは本当に実の父親か疑っていた。


夜叉の瞳
□日露戦争の少し前、湧太が雇われていた鬼柳家で姉弟の心中事件がおきた。
それから100年後、鬼柳家の屋敷は幽霊話で有名になっていた……。

■新吾
大正時代の名家・鬼柳家の長男。
様々な悪事を働いては家の力でもみ消していたが、姉に毒を飲まされ心中に巻きこまれた。

■晶子
鬼柳家の長女であり新吾の姉。
いつも新吾をかばっていたが、最期は新吾と共に毒を飲んで心中した。

※本作のみ映像化されていない。


最後の顔
□湧太と真魚は少年の誘拐未遂事件に遭遇する。
逃げてきた少年は傷だらけであったが、持参の薬を飲むとたちまち傷が癒え……。

■七生
CV:藤田淑子
冒頭で誘拐されていた少年。
アニメ版のOPで最後に出てくる少年は彼である。

■七生の母
CV:勝生真沙子
七生に家に古くから伝わる傷を治す薬を与えていた女性。
七生との親子関係は良好な様子。


〇余談
1989年に第20回星雲賞コミック部門を受賞。





アニヲタwikiの中に、この項目はあった……?


ああ、追記・修正されてたよ。

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