スケバン刑事(ドラマ)

登録日:2011/02/04 Fri 22:41:18
更新日:2024/01/05 Fri 20:04:25
所要時間:約 6 分で読めるぜよ





スケバンまで張ったこの麻宮サキが、
何の因果か落ちぶれて、今じゃ警察(マッポ)の手先。

笑いたければ笑えばいいさ。
だがな、てめぇらみてぇに魂までは薄汚れちゃいねぇんだぜ!




本項では、和田慎二原作の漫画『スケバン刑事』の実写化作品について解説する。
1985年から1988年にかけてテレビシリーズが3本、劇場版が2本製作され、その後2006年にリメイク版の映画が制作された。
いずれも東映が制作に関与しており、テレビドラマは全てフジテレビ系列で放送された。


概要

基本的には原作漫画に準じているが、不良少女が桜の代紋入りの重合金ヨーヨーで戦うという荒唐無稽なスタイルが大いに受け、主演女優はいずれも本作で大ブレイクを果たすこととなった。

原作と異なり麻宮サキの名称はコードネームの扱いで、「少女鉄仮面~」以降は歌舞伎のように襲名するシステムとなっている。

ヨーヨーも蓋が開いて桜の代紋が出て来るというギミックもあってか玩具が多数出回り、そのほとんどがパチモンだった(公式ライセンス商品が発売されたのは2000年代以降のことである)。
そういう点では特撮的人気を誇った作品と言えよう。

3部作の完結後も路線を直接引き継いだ『少女コマンドーIZUMI』*1花のあすか組!』や『セーラー服反逆同盟』などの類似作品が数多く登場し、1980年代を代表するテレビドラマ作品として今なお高い知名度を誇る。

原作漫画の連載終了後にテレビドラマ化されたため、原作漫画があったことを知らない人も多いかもしれない。

作品解説

スケバン刑事

1985年に放送。全24話。
原作の第1部をベースとしているが、登場人物の顛末など多少の差異が見られる。
演者の斉藤にとってはこれがドラマデビューで、幼さの残る容姿と役柄のギャップから次第に人気を博し出世作となった。

  • 麻宮サキ
演:斉藤由貴
鷹ノ羽学園2年B組。サウスポー。死刑囚の母を救うためにスケバン刑事となる。
ちなみに、本作から9年後に誕生する演者の姪が後にアニメ系アイドルユニットの一員となるのは別の話。
「てめえら!許せねぇ!」

  • 神恭一郎
演:中康次
暗闇指令のエージェントでサキをサポートする。原作と違い長髪でもないし、サキとのロマンスも無い。凡庸。
演者は後にゴーマ族と戦う道士流星塾の創設者を演じる。

  • 海槌三姉妹
日本征服を企む、トチ狂った「悪魔の三姉妹」。彼女達の登場によりこのドラマシリーズは一気に加速(暴走)していく。


スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説

1985~86年に放送。全42話。
原作漫画の第2部をベースとしているが、主演3人の魅力と熱く荒唐無稽な内容で、当時ちょっとした社会現象にまでなった。
原作者からは「鉄仮面によって『麻宮サキ』の持つ孤高を上手く表現できている」と絶賛され、最高傑作として挙げるファンも多い。
放送終了後の1987年には劇場版も公開され、後述する『Ⅲ』の主人公・風間唯がゲスト出演している。

  • 五代陽子/二代目麻宮サキ
演:南野陽子
土佐出身のスケバン鉄仮面。本名は「早乙女志織」といい、十数年間、鉄仮面を着けて暮らしていた。
名前が複数ある事から察される通り、とても数奇な運命に翻弄されている。スケバンというにはかなり生真面目すぎる性格。
中の人は当時前転すらろくにできないほどの運動音痴で、スタント担当の大野剣友会に呆れられたというのは有名な話。
「おまんら、許さんぜよ!」

  • 矢島雪乃
演:吉沢秋絵
スケバンお嬢様。二代目サキを慕い助太刀する。武器は袱紗と琴の爪。ボケ担当。
「本当にタコでございますわ」

  • 中村京子
演:相楽ハル子
またの名をビー玉のお京。二代目サキの親友となり助太刀する。ツッコミ担当。
「このタコ!」

  • 西脇
演:蟹江敬三
暗闇指令のエージェント。サキ達の担任でもある。キャラを使い分けている。
ウルトラマンレオ捕らえてバラバラにした過去があるかは不明。


スケバン刑事Ⅲ 少女忍法帖伝奇

1986~87年に放送。全42話。
風間三姉妹が悪の忍者軍団・六道衆と戦う。
原作枯渇により原作者の別作品『忍者飛翔』からモチーフのみ引っ張ってきた別モノ。
普通の(・・・)女学生が悪と戦うのが『スケバン刑事』の醍醐味だろ!?忍者ものがやりたきゃよそでやれ!」と、原作者の激怒を引き出した。
そのため、後枠で当初計画されていた本作の第4シリーズが『少女コマンドーIZUMI』という別番組に変更された経緯がある。
ただし「東映的忍者ドラマとしては割と面白い」と評価する声もそれなりにあり、本作も劇場版が作られたことがそれを物語っている。
二代目と同様、本作の風間三姉妹の役名は演者の下の名前と同じになっている。

  • 風間唯/三代目麻宮サキ
演:浅香唯
自称九州一の大スケバン(演者と同じ宮崎県出身である模様)。サキの名は口上の時しか使わない。
九州弁訛りのイモ娘描写が過剰。右人差し指で鼻をこするクセがある。
風魔一族の血をひく、つまりくノ一
考えないで走る。
「あんたら、許さんかいね!」

  • 風間結花
演:大西結花
風間三姉妹長女。鉄製の折り鶴と鶴拳が武器。
考えてから走る。
「いい加減にしなさい!」

  • 風間由真
演:中村由真
風間三姉妹次女。リリアン棒と糸が武器。
考えながら走る。
「だって~こいつがよぉ~」

  • 般若・依田
演:萩原流行
風魔一族鬼組頭。三姉妹を忍として厳しく鍛える。
表の顔はやはり担任で飄々を装っている。
「×ですねぇ~」


スケバン刑事/コードネーム=麻宮サキ

2006年に公開された18年ぶりの新作映画。といってもスタッフは全く違う。
雰囲気も脳天気で大らかだった80年代とはガラリと変わって、鬱であんまり爽快感が無い。むしろ60年代の不良映画に近いかも。
昔から「4をやろう」という声がスタッフやファンの間であったが、前述の通り原作者が中々首を縦に振らなかった。
そんな彼が「彼女がやるならいいよ」と推薦したのがあややこと松浦亜弥である。
セーラー服をモチーフにした妙にエロいスタイリッシュなバトルスーツや牙狼のスタッフが手掛けたアクションシーンの評価が高い。

  • K/麻宮サキ
演:松浦亜弥
NYのスラム街で育ち、母の釈放を条件に期間限定で麻宮サキを襲名する。
現代が舞台というのに歴代で一番スケバンらしいキャラクター。

  • 秋山レイカ
演:石川梨華
歴代で一番リアルかつ陰湿ないじめっ子。しかもビッチ。
実は公安から派遣された学生刑事だったが裏切っていた。ボンテージの衣装で石川は熱演したものの、かなりのイメージダウン。

  • Kの母
演:斉藤由貴
どうやら初代麻宮サキらしいのだが、「凛としていた彼女がこんな荒んだ女性になるとは思えない…」と斉藤由貴は語っている。

  • 暗闇警視
演:長門裕之
一応全シリーズ通して登場しているスケバン刑事達のボス。本作では原作版と同じ名義になった。
「セーラー服は学園の戦闘服だ!」






二代目「追記・修正ちゃあ、うち、初めてやき……」

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最終更新:2024年01月05日 20:04

*1 当初は本作の第4シリーズとして計画されたが、後述の理由から別作品となった。