ネェル・アーガマ

登録日:2012/03/25 Sun 23:31:34
更新日:2023/06/10 Sat 20:22:23
所要時間:約 5 分で読めます





機動戦士ガンダムΖΖ」及び「機動戦士ガンダムUC」に登場する戦艦。
名称は「アーガマに近い」という意味。

正規の国防計画を通さずに設計・建造された艦であるため、〜級といった名称は基本的に使用しないが、
便宜上「ネェル・アーガマ級機動戦艦」、改装後が「ネェル・アーガマ級強襲揚陸艦」といった風に使われることがある。



■U.C.0088年時

全長:380m
武装:対空機銃×16
単装ビーム砲×2
単装副砲×2
2連装メガ粒子砲×2
ハイパーメガ粒子砲
サブメガ粒子砲×2

乗組員:ブライト・ノア(艦長)
ビーチャ・オーレグ(艦長代理)
トーレス
キースロン
アストナージ・メドッソ


エゥーゴの機動戦艦。
アーガマに代わる旗艦としてアナハイム・エレクトロニクス社がグラナダで建造していた。
どちらかというと全体的なシルエットは原型のアーガマよりホワイトベースに似通った物になっている。

アーガマ同様、MSの運用能力を重視していて、12機まで搭載できる。
カタパルトは艦前方に3基有って左右のカタパルトは上下というか表裏というかとにかく両面共に機体発進に使用可能、設定画などでは
基本上面から見る為分かり辛いがMSなどの待機する格納庫はちゃんと左右カタパルト裏面まで達しているのが分かる。
後方中央(前部中央カタパルトの真後ろの位置)には前方カタパルトの発進作業を邪魔しない様に用いられる着艦専用デッキを1基装備。

艦後方のエンジン部には出撃時のカタパルトの反動を相殺する目的でカウンタースラスターと呼ばれる細長いスラスターを4基設置している。
アーガマで問題となっていた火力不足も火器類の増設で解消されており、高い戦闘力を持つ。

艦の両側に設置された主翼にはソーラーパネルを内装。また、必要に応じて折り畳めるようになっている。

艦自体の運用面にもかなり改良が加えられ、5人程度いれば動かせるようになっている*1他、アーガマの特徴の一つだった居住区はドラム式に変更された上で艦体に内蔵された。



○武装(「UC」登場時も併記する)

  • 対空機銃
艦体の各所に設置されている。対空迎撃用。
後に8門増設された。


  • 単装ビーム砲
両側のカタパルト先端に装備している。


  • 単装副砲
艦後方の上下に設置。アーガマなどと同じ物。
後に2連装メガ粒子砲に換装される。


  • 2連装メガ粒子砲
艦前方の上下に設置されている。


  • ハイパーメガ粒子砲
中央カタパルトの真下に装備、その為UC版では前部中央カタパルトの下部は本装備用の加速バレルフィールド発生器となっていて
真下をビームが通ってもカタパルト部自体にはダメージは一切入らない事にされた。
拠点攻撃用武装という事もあって本艦の武装の中でも威力は最強で、なんでもコロニーレーザークラスの威力なんだとか。
コロニーの残骸をも一撃で消し飛ばせるし、MSに至っては掠めただけでも吹っ飛ぶ。
それに比例して必要なエネルギーも膨大で、一発撃てばあっという間にエネルギー切れである。
ぶっちゃけると宇宙世紀版波動砲である。
大規模な戦闘が起こる事が無くなり、持て余していたため後にフラムで撤去することも検討されたが、撤去費用が下りないのでそのままにされている。


  • サブメガ粒子砲
艦の両側にある円形ドラム内側の黄色いシャッター内に格納されている。



○劇中の活躍
ラビアンローズに係留されていて、ジュドー・アーシタ達の新たな母艦となった。
エゥーゴ上層部は当初、ブライトを艦長に据えて新たなクルーを乗せ、他のアーガマクルーは降ろそうと考えていたが、ネオ・ジオン軍の襲撃の影響で結局ジュドー達が運用することになった。
その際、ブライトは敵の攻撃で宇宙に放り出されたシンタとクム、ハロに新規クルー達を助けるために艦を降り、ビーチャが艦長代理に任命されている。

その後はサイド3へと向かい、ネオ・ジオンと交戦。ハマーン・カーンとグレミーの内紛にも介入し、最終決戦まで大した損害もなく戦い抜いている。

終戦後はビーチャ達が退職金代わりに貰おうと考えていたらしいが、実現はしなかった。

また、後にエゥーゴが地球連邦軍に統合されてロンド・ベル隊が発足すると、ラー・カイラム就役までの間、本艦が旗艦として運用されていたという。

ゲームブック『シャアの帰還』ではロンド・ベル隊所属(艦長はもちろんブライト)の設定で登場し、サイド3モウサ跡に向かうシャアの乗るシャトルの前に出現、シャアは大人しく乗艦するか、逃走するかの選択を迫られる事になる。
またストーリー終盤でも、サイド3周辺に集結しているジオン残党を一網打尽にするために出現し、シャアの指揮するグワダン級大型戦艦イン・エクセスと戦う事になる。


○艦載機

◇U.C.0088年時


◇ロンド・ベル発足時



■U.C.0096年時

艦籍番号:SCVA-76
武装:対空機銃×24
単装ビーム砲×2
2連装メガ粒子砲×4
ハイパーメガ粒子砲
サブメガ粒子砲×2

乗組員:オットー・ミタス(艦長)
レイアム・ボーリンネア(副長)
ミヒロ・オイワッケン

ここからは「ガンダムUC」版。
ロンド・ベルに所属を移行。それに当たって、カテゴリが「強襲揚陸艦」へ変更された。
袖付き」からは「木馬もどき」と呼ばれている。

当時の主力艦であるクラップ級巡洋艦と同規格のパーツを使った大規模近代化改修(フラム)が行われ、これによって整備や修理がある程度やりやすくなった。
が、それでも同型艦が存在しないせいで、性能を合せた艦同士で運用するのが基本の艦隊運用が適応できない為、基本的には艦隊を組まずに
本艦のみの単独特務艦的な形で運用されている。

MSデッキは拡張されていて、搭載数も16機に増えた。
また、デルタプラスのような規格外のMSでも問題なく運用できるという長所を持つ。

ちなみに、Gジェネでは改修前と区別するため、名称が「ネェル・アーガマ改」となっている、改修自体は施されているので間違ってはいない。



○劇中の活躍(ネタバレあり
袖付きビスト財団で行われる「ラプラスの箱」の取引阻止のためインダストリアル7へ向かい、結果的には箱の鍵であるユニコーンガンダムを回収する。しかしその代償はとても大きく、クシャトリヤ一機に艦載機のほぼ全てを喪失してしまう。
隠密作戦の失敗から参謀本部に半ば見放され、本部からの通信待ちのロンド・ベル、ルナツーへ向かい解析をすべきだと進言する特殊部隊エコーズ、社の資産という理由で月のグラナダに向かえと指示するアナハイムの寄り合い所帯となり、一時は進路もままならず廃棄コロニー内部に係留していた。

直後にユニコーンガンダムを奪おうとする袖付き主力部隊と戦うも、クルー達の実戦経験の乏しさが災いしてフル・フロンタルシナンジュ相手に大損害を被っている。
この時受けたダメージは最終盤に至るまで尾を引いており、特に左舷カタパルトデッキの喪失は大きな痛手となっている。また艦載機も僅かに残っていた4機のうち3機を喪失し、残った1機も修理ドック行きという無残な結果に終わっている。

序盤のクライマックスであるパラオ攻略戦では、前述のハイパーメガ粒子砲が重要な役割を果たした。はみ出し者な艦とヘタレな艦長と埃を被っていた大砲が大活躍する過程は非常に胸熱。
しかし単艦で要塞攻略は非常に危険な行為で、エコーズを2個小隊と若干のMS*2だけというささやかな戦力で作戦実行をしている。

ラプラス官邸事件後は参謀本部からの勅命も無いまま成層圏をうろついていたが、紆余曲折あってガランシェール隊と協力し、箱の在処を目指すこととなった。
小説版では捕虜同然の扱いを受け袖付きと一時行動を共にする。OVA版では味方であるはずのゼネラル・レビルから奇襲を受け、地球連邦軍という共通の脅威から身を守るという表向きの理由から共同歩調をする。
しかし艦内クルーからは良いように思われず、また袖付き側の代表のミネバ・ラオ・ザビが事実上離反したのもあり協力関係は解消された。ただしガランシェールのクルーのみはミネバと共に艦内に残り、最終決戦へ赴く事となる。

インダストリアル7への途上で待ち受ける袖付き艦隊との決戦では、小説版ではリゼルとスターク・ジェガンが1機ずつとロト数機、ガランシェール隊のギラ・ズール2機、修理しているとはいえ万全ではないクシャトリヤ、フルアーマー・ユニコーンガンダムの計6機のみと数の上では圧倒的に不利な状況から戦端が開かれる。
OVA版ではリゼルとジェガンがそれぞれ最低3機、プロト・スターク・ジェガン1機、エコーズ専用ジェガン数機、鹵獲した親衛隊用ギラ・ズール数機、クシャトリア・リペアード、フルアーマー・ユニコーンガンダムなど戦力的に余裕があるレベルまで改善。とはいえまともに拮抗できるレベルではなく、どちらもハイパー・メガ粒子砲による艦砲射撃で母艦を撃沈しなければ状況打開は無理な話だった。

その後の決戦には直接参加せず、メガラニカ独立起動後はその影に潜むように移動。ガランシェール隊のクルーやエコーズを移譲させている。

ガンダムUC本編後の所在は不明。
ただし、本艦パイロットであったリディ・マーセナスが無事連邦軍に帰参しているのを見るに、おそらくは無事ロンド・ベル隊へ戻れたものと思われる。


○艦載機


(占拠時に一時的)


ゲーム作品において
スーパーロボット大戦シリーズの初期作品(旧シリーズや64)においてはアーガマとラー・カイラムの中間として、ブライトが乗り継ぐ自軍母艦となる。
(そのため、原作では叶わなかった「ネェル・アーガマを指揮するブライト」が見られる。
ちなみに、アーガマやネェル・アーガマから武装が弱体化しないようにするための配慮として、ラー・カイラムにもハイパーメガ粒子砲が捏造される場合がある。)

スーパーロボット大戦MXではラー・カイラムが登場しないためナデシコBと並ぶ自軍の旗艦となった。
同作ではαシリーズからの影響もあり、旧シリーズよりも戦力にカウントできる3人乗りの母艦である。

それからは長らくご無沙汰であったが、『第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇』では『UC』参戦に伴い、オットー艦長をメインパイロット、レイアム副長とミヒロをサブパイロットとして登場。
ネェル・アーガマと(ブライトの指揮する)ラー・カイラムが並び立つ事になった。
『Z3』では武装が対空機銃と主砲、マップ兵器版のハイパーメガ粒子砲しかないという寂しさであったが(まあマップ兵器の射程は優遇されているが)、
BX』ではミサイルランチャー・通常兵器版のハイパーメガ粒子砲・各種カットインが追加されて汎用性が向上。
V』ではZ3をベースに通常兵器版のハイパーメガ粒子砲が優遇武装として追加。ロマン砲とながりで宇宙戦艦ヤマトとの共演も果たした。
DLCでは激務で倒れたオットーの代わりに、『ΖΖ』のビーチャが艦長代理を務めるひと波乱のエピソードも用意されている。

「Gジェネ ギャザービート」ではムーンレィスがアーガマを本艦に改造したという設定になっている。


■余談
  • ロンド・ベルに所属を移行した、という設定が以前からあった本艦だが、「UC」の著者である福井晴敏氏は執筆時にこの設定を知らなかった。




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最終更新:2023年06月10日 20:22

*1 劇中、民間人の少年少女たちが拠点としてやっていけるようにする根拠の類。

*2 OVA版ではかなりの数が補充されたような描写だが、小説版ではリゼル2機とジェガン2機とデルタプラス1機の計5機と非常に少なく、パラオ戦だけでも半数を喪失している