アクシズ・ショック

登録日:2012/06/19 Tue 23:56:50
更新日:2024/03/13 Wed 10:39:48
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ふざけるな!
たかが石っころ一つ、ガンダムで押し出してやる!


アクシズ・ショックとは『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』終盤で起きた超常的現象を指す。

名称の初出は『機動戦士ガンダムUC』にて付けられたもので、逆襲のシャア劇中ではこの名称は使われない。

◇概要

『逆襲のシャア』本編中の戦闘にて、地球に向けて降下を始めたアクシズの後ろ半分(前半分はロンドベルの尽力により爆砕・分離を成功した。
ただしその時の爆破の威力が強すぎたために後ろ半分は減速してしまい地球の引力に引かれる事となった)の軌道を変更する為、
アムロの駆るνガンダム・連邦軍のMS隊、更にはアクシズ落としの為に作戦に参加していたはずのネオジオンの部隊までもがアクシズを押すという行動に出た。
当然小惑星をMSの推進力程度で動かす事などできるはずがなかった・・・のだが、突如νガンダムを中心として広がった緑色の光によってアクシズは包まれ、その軌道を変える事となった。

この時にアクシズが地球から離れた現象、またサイコフレームによる発光現象を指す。

◇発生原因

『サイコ・フレーム』と呼ばれるMS構造材がある。
これはサイコ・コミュニケーター(通称『サイコミュ』)の基礎能力を持つコンピューターチップを金属粒子レベルで鋳込んだ新素材で、ようはサイコミュの凄い版である。

このサイコフレームは、人間の出す感応波を集積して光に変え、物理エネルギーに転化する機能を持っており、アクシズが逸れたのは地球圏の全人類の無意識を集積・物理的パワーに転化したサイコ・フィールドによるものだった。

◇富野由悠季のインタビュー

福岡美術館で開催された『富野由悠季の世界展』の公式図録内のインタビューにて、CCAのラストシーンのアクシズの押し返しについてこうコメントを残している。

(―――では『G-レコ』から連想しつつ、他の作品についても聞かせてください。先程「宇宙エレベータがあり得ない」というお話がありましたが、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のサイコ・フレームの存在も「ありえない」存在で、そこに中々インパクトがありました。)
「サイコ・フレームについての指摘は、厳しいですね。映画のクライマックスにあれを持ち出したというのは、窮余の一策でも何でもない。「こういうことをやらなければSFっぽく見えないよね」っていうことだけです。だからその部分を拡大してシリーズを作るということは絶対にできないという自覚があった。もしそこを拡大して描いていったら、虚像を拝むカルトと変わらないことになってしまうからです。」

◇後生への影響


そうだよ、そうなんだ!
誰にだってわかってることじゃないか!
こんなところで地球に育む生命の歴史を終わらせちゃいけないってことぐらい!

ゲーム『機動戦士ガンダム外伝』の主人公で、ブルーディスティニー1号機と3号機を駆り、宿敵ニムバス・シュターゼンと激闘を繰り広げた。

ゲーム三作を最高成績でクリアした場合のAエンドでは「宇宙世紀0093第二次ネオ・ジオン抗争の後ユウ・カジマ大佐は軍を退役した。」という終わり方を迎える。

上記のエンディングを元にした皆河有伽の小説「機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY」は設定を膨らませて、ユウ大佐はジェガンに乗っていた、アクシズ落としに参加した、ユウ大佐のジェガンはアクシズから離れたギラ・ドーガの手を掴んだという独自の設定を付け加えた。これがゲーム「SDガンダム GGENERATION-F」で取り入れられ設定の認知度が上がった。
後に描かれた夏元雅人の漫画作品「ガンダムレガシー」でも上述の皆河有伽の小説版の設定を取り込み、逆襲のシャアで弾かれたギラ・ドーガの手を掴んだジェガンがユウ・カジマ機だったという事になっている。


私は欲しかったのだよ
“ガンダム”の力が!

ネオ・ジオン第二の反乱の時、俺は見た
νガンダムから放たれた光を!
そして思った、いつかこのガンダムの力を手にしてやろうと

これがガンダム……悪魔の力よ!

機動戦士ガンダムF90』に登場。
シャアの反乱時、連邦軍に在籍していて、シドへ語った話ではジムⅢに乗ってアムロ・レイとも交流があったと話し、デフとの決戦の際には、ジェガンに乗って、νガンダムが不思議な光を発してアクシズを押し返した、つまりアクシズ・ショックの現場を目撃した事を話した。
νガンダムの放った光に魅了されガンダムの力に感動をしていたが、やがて「悪魔の力」という歪んだ解釈によって強く執着するようになり、遂には火星ジオン軍『オールズ・モビル』と内通し、ガンダムF90を手に入れた。
アクシズでの現象がニュータイプがサイコフレームを媒介にして、人類の無意識の集合体である全体からパワーを引き出したという事実を理解しておらず『ガンダム』そのものが持つ力と思い込んでいる。

『機動戦士ガンダムF90FF』では、ボッシュ・ウェラーという名称になり、また今作からの後付け設定としてカラバに所属していた頃からシャアの反乱の頃までアムロに従ってきたという事になった。

  • カムナ・タチバナ

こんなにも…

諦めずに命を燃やしてる人間がこんなにも…!


元部下であったパミル・マクダミルと戦場で再会、説得した後にアクシズを押し返す行動を取り直後に自分以外にも多くの人間がアクシズを押す姿を見て感極まり涙を浮かべた。
この時の光景が強く心に刻まれたのか、U.C.0123年にて戦闘による爆発を「憎しみの光」ではなく「生命の輝き」と評した。

  • ミノル・スズキ
機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』に登場。
地球から、シャアの隕石落としを見たことで連邦軍人を志して「連邦の青い閃光」と呼ばれるほどのMSパイロットまでになったが、大きい戦乱が起きなかったので作中が初実戦。
主に教官として活躍しており、コスモ・バビロニア建国戦争で多くの教え子が亡くなってしまったことと、地球連邦に愛想がつきてサナリィに移ったとのこと。

相手の新型+エースを相手に撃破こそできなかったが、やや旧くなってきた機体で持ちこたえたりトビアの絶体絶命を救うなどその腕前は確か。
基本的には温厚だが、説得しようと熱弁するトビアを制して冷静に作戦立案したり最後まで諦めずに援護したり後進を守ろうとするなど、腕前だけでなく人格的にも優秀で教え子からかなり慕われている。
レコードブレイカーの3人のパイロットや、「連邦の青い閃光」の二つ名を受け継いだハリソン・マディンは彼の教え子であり、
クロスボーン関連の作品において色々と影響が及んでいる。


地球を包んだあの虹を見ても、人は変わらなかった

これからも変わることはない

ネオ・ジオン軍残党『袖付き』の首領。
全体の一部となり、この世の果てで人類がいなくなった未来を見て絶望したシャア・アズナブルの思惟が宿った人物で、モハナン・バハロにより整形と人格の抹消を施された強化人間である。シャアの思惟が宿っている為、当然、アクシズ・ショック時の記憶も有しているが、その振る舞いはどこか他人事で、バナージからは嫌悪感を持たれている。

  • イアゴ・ハーカナ

俺は見た……あの暖かな光が地球を包むのを。そして、その中心には……!

行け!ガンダム!お前たちならやれる!
あの時と同じだ!

小説『機動戦士ガンダムUC」の最中に起きた事件を描く『機動戦士ガンダムUC 不死鳥狩り』及びアニメ版『機動戦士ガンダムUC』の後を描いた劇場版『機動戦士ガンダムNT』の登場人物。不死鳥狩りの為に臨時に編成された地球連邦軍特殊部隊シェザール隊の隊長を務める男性。
『不死鳥狩り』では、グリプス戦役でティターンズのコロニーへの毒ガス注入を間接的に手伝った事がトラウマとなっており、その時期から全体に呼ばれていたが、不死鳥狩り作戦時に、ヤクト・ドーガをコアにしたネオ・ジオングに機体を操られ、仕方なくヨナ・バシュタにより介錯され全体の一部となった。
『NT』では、連邦兵として第2次ネオ・ジオン抗争に従軍し、アクシズ・ショックを目撃したという事になっている。
終盤、フェネクスを救出する為に、ネオ・ジオングⅡと激闘を繰り広げるヨナ・バシュタの駆るナラティブガンダムを、激励とともに、ユニコーンガンダム3号機"フェネクスのもとへ送り出した。

  • アフランシ・シャア
宇宙世紀0200年代を舞台とした小説『ガイア・ギア』の主人公。反地球連邦組織メタトロンの総帥を務める。

シャアの反乱から100年が経過した世界では、シャア・アズナブルはスペースノイド独立運動の英雄として知られる伝説の人物として語り継がれていた。
新生ネオ・ジオンの創設から始まった反乱はジオン残党の期待に応えるためのシャアの行動と解釈され、戦争の末路は「シャアの人徳とニュータイプとしての才能は、地球を汚染する恐れのあった隕石を回避させてシャアは死亡し、その際にシャアの意思はオーロラとなって地球を包んだ」と伝えられている。

そういった伝説により、シャアの絶対理想に共感した人達は、第二のシャアである、シャアのクローン、アフランシ・シャアを作り上げて、地球連邦軍の改革を試みたが、アフランシがシャア・アズナブルを演じなかったために、劇中終盤には暗殺者としてブノア・ロジャックを送り込むなど、アフランシを排除しようとする意向を見せた。

  • カール・シュビッツ、ジョブ・ジョン、ブラウン・ウッダー
過去作の登場人物だが『F90FF』にて実際に現場に立ち会っていた設定のついた人達。
カールは『シルエットフォーミュラ』、ブラウンは『フォーミュラー戦記』の人物。
『F90FF』におけるアクシズ押し返しの回想場面ではこの3人やボッシュ、カムナやギラ・ドーガに手を伸ばすジェガンと過去作の人物達が交流していたという独自の設定が散見される。

  • リベラ・アマルガム
機動戦士ガンダムF90 FastestFormulaに登場。
メタボとなり部下に対しても陰湿なパワハラを行うクズ中のクズであるが、そんな彼もアクシズショック時はジェガンを駆るエースパイロットであった。
世界を救う為に戦っているという自負もあるが、何よりも自分は(もしくはロンド・ベルである自分たちが)選ばれた人間と信じていたのだが、その時の彼を支配していたのは恐怖であり、アクシズに取り付けなかったのである。ジムⅢに乗った部下ですらアクシズを止めようとしていたのに。
それ以降ニュータイプというものに否定的であり、またこの時の光景を夢に見るまで彼の心身を貪っていた。
かつては部下や仲間に恵まれた描写もある為、彼もまたアクシズショックにより人生を狂わされたと言えよう。尤も作中の言動のせいで同情の価値も無いが。




◇ゲーム作品において

クロスオーバー物のゲームではよく取り上げられ、逆シャア以外の作品の主人公達が自身の駆る機体でアクシズに駆けつけて押し返そうとする展開となり、盛り上がりどころにもなる。

Another Century's Episode 3 THE FINALではアムロの頑張りを見て、
フォッカー、イサム、ゲッターチーム、ドラグナーチーム、ガロード、ゲイナー、レントン&エウレカ、そして主人公たちが次々と駆けつけた。
この展開は専用のムービー&それぞれのセリフのおかげで最高に熱い。

スーパーロボット大戦シリーズでもこの展開になった際には自部隊の機体が続々駆けつける。
……んだが、近年の作品だとアルマゲドン1分の1で強制終了普通に敵ユニットとして破壊とかやらかす。
そもそも、スパロボに参戦している機体の中にはアクシズを押し返すどころか、軽く破壊出来てしまうトンデモ機体がいる事もあるからだ。
ガンダム作品だけでも、ツインバスタサテライトキャノンぶっ放す奴石破天驚拳月光蝶とかでも壊せそうだし……。

ただし、最初にアクシズを(ラスボスの機体を爆破させて)完全破壊したAでは、
「(命を投げ捨てようとする主人を助ける為に)一斉攻撃してアクシズを破壊できないのか!?」
「ロンド・ベル隊の機体が全て真ゲッター並みのパワーがあれば別だけどさ!」
…と流竜馬と神勝平のやり取り通り、様々なロボットが揃った自軍でも破壊不可能な状況だった。

また、落下には成功したものの何者かの手で地球が消滅した(と見せかけた)際に一緒に破壊されたこともある。

スマートフォンゲーム『スパロボX-Ω』においてもアクシズ・ショックが様々な期間限定イベントで取り扱われており、
特に「地球外勢力の襲来によりグリプス戦役が中断され、ネオ・ジオンとティターンズは双方健在で、シャアは新生ネオ・ジオンを率いることなく失踪」という、
衝撃のifを描くイベント「起死回生のシャア」での扱いが有名。
「起死回生のシャア」においてはなんとハマーン率いるネオ・ジオンがアクシズ落としを決行するという凄まじいif展開が描かれ、
和解したアムロとシャアを中心にしたロンド・ベルがこれを阻止する…というストーリーとなっている。
また、同イベントでは誰もが考えたであろう「スーパーロボットの力でアクシズを破壊できないのか」という疑問に切り込んでおり、
『トップをねらえ!』のノリコが「ガンバスターなら破壊できると思うんですけど」と提案するものの、
トロワとカズミに「破壊はできても二次被害が防げない(要約)」と反対される、という一幕がある。

なお、クロスオーバー作品で行われる場合大概シャアだけが行方不明になるが、上記スパロボで無理矢理破壊した作品はいずれもシャアが味方である(むしろ逆シャア版で率先して破壊した例も

時には時空修復の要である「大特異点」として登場することもあり、破壊したら時空修復ができず詰む。
更に次元力によるブーストがかかっているのでガンバスターグレンラガン真ドラゴンですら押し出すパワーもある。
特異点であるシャアはアムロ達と協力して時空修復を敢行し、フロンタルによる落下を阻止した。

スーパーヒーロージェネレーションではオリ敵を追って別世界に飛んだら偶然アクシズに出くわし、成り行きでνガンダムに協力。
戦闘中にオリ敵が別世界に逃げたので、降下中のアクシズを放置して敵を追っていった事もある。
…多分その世界では落ちたんだろう。νガンダムもアクシズ放置して自軍についてくるし(しかも参入イベントなし)。
ちなみに、この世界のネオジオンは酷く残念な有様で、点火に必要な燃料すら確保できておらずたまたま拾ったオリ敵のエネルギーで点火しようとした。
作中では戦闘イベントを進めると点火されるのだが、このゲーム、実は最終ターゲットをさっさと落とせば途中のイベントはスキップされる。
何が言いたいかというと、最終ターゲットのサザビーを速攻で落とせばアクシズは点火されずに終了し、地球に向かうことなく宇宙に放棄される。酷ぇ。

ガンダム作品のみを扱ったGジェネレーション DS、Gジェネレーション CROSS DRIVEでも描かれており、歴代ガンダムがアクシズを押し返そうとする展開もある。

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最終更新:2024年03月13日 10:39