空想科学大戦!

登録日 :2012/09/24(月) 11:07:07
更新日 : 2017/05/25 Thu 20:11:22
所要時間 :約 6 分で読めます




空想科学大戦! とは、『空想科学読本』の「非現実を科学的に検証したらどうなるか」という内容を基に漫画化した作品。
原作は勿論柳田理科雄、漫画は筆吉純一郎。
外伝に『Dr.猫柳田の科学的青春』がある。

全5巻で、巻ごとに扱うテーマが違う。
紆余曲折あって、様々な雑誌を転々とした末に最終巻は描き下ろしで発表された。


◆1巻:科学的に正しい巨大ヒーロー

西暦200X年、ついに異星人が地球に現れた。異星人は地球を侵略すると告げ、巨大怪獣を地球に送り込む。
それと同時に正義の巨大ヒーローが飛来。このまま戦いに移行するかと思われたその時、両者は「科学の壁」の前に自滅した。
そして、巨大ヒーローを先輩と呼んで死を嘆く青年の姿が……。

ヒカガク・アソブ/ウーターマン

「ソフィー先輩、後はオレが頑張りますから。安心してジーサンのリューマチ治してやってください」
風来坊。カッコよさからSAMONにスカウトされた。

その正体は大宇宙警備隊の一員「ウーターマン」だが、
地球でウーターマンの姿に戻るためには質量保存の法則に基づき大量の食料と9時間半の時間を要する *1
おまけに変身後3分経つと変身が解け、周囲が垢まみれになってしまう弱点を持つ。
最初の戦いで自滅したヒーロー「ソフィー」は先輩。跡地には温泉が湧いた。

猫柳田愛吉

「科学の非情さは時に我々の行く手を阻む壁となるが、命がけでその本質を見極めれば逆に強力な味方となる」
悪人面をした老人だが博識で、毎回どこが非科学的だったかを解説する役割。
この作品の実質的な主人公であり、ストーリーごとに

SAMON科学班最高顧問

喫茶店「ブラボー」の店長

万能科学研究所客員研究員

無所属

SAMON科学班最高顧問兼ヒーロー課顧問

と立場が変わっている。
基本的に周囲の非科学的な言動に振り回されたりツッコミを入れたりする苦労人だが、
1巻の時点では自ら巨人になる野望を抱いたり、己の命も顧みずウーターマンの決死の自爆攻撃に立ち会おうとしたりと、
ややマッドサイエンティスト寄りの描写が目立った。

『Dr.猫柳田の科学的青春』などを見る限り、元々どちらかと言うとマッドよりの人なのだろう。
ただし、科学の力で人々の夢が叶うことやそのロマンを解するなど、若かりし頃よりも心情を察する成長が見られる。


SAMON

「Science Attack Members Of Nipoon」の略。モブ隊員は全員『巨人の星』の左門豊作に似ている。
科学の粋を集めた特別国家防衛基地で、怪獣が出現する度にここの攻撃班が出動するが……。

アサハカ・ボケツ

「男がロマンを追いかけて何が悪い。ただの『お仕事』に命張れるかってんだ」
SAMON攻撃班隊長。
家庭を持つ中年の男だが、男のロマンを追求している。
見てくれ重視のあまり、非科学的な行動でいつも墓穴を掘る。

ウルワシ・キレイ

「その通り!私はSAMONの隊員だったのだ~!」
SAMON攻撃班の紅一点。
地球の科学を理解していないヒカガクに誤って攻撃されたり、知らずの内に盗聴されたりと苦労が絶えない。
猛烈な料理下手。

ウワノ・ソラキチ

「ヒマっすねー」
SAMON攻撃班の一人。あまりキャラが立っていない。

ササヤキ・シンリ

「隊長ーっ、このササヤキが見えませんかーっ!?」
SAMON攻撃班の一人。眼鏡をかけており、地味。

モドキング一味

宇宙帝王 モドキング

「支配…殺戮…うーん、おいちぃーっ❤」
地球を支配しようと企む異星人。犬。
部下2名と共に様々な技術を用いて日本を恐怖に陥れようとするが、いつもどこかで失敗する。
そして地球侵略ビザが切れる頃には毎回資金が底をつき、炭坑夫のバイトで資金稼ぎをするために地球から去るのがお決まり。
40年前は可愛いこいぬだった。

パッチー

「このままでは私のNo.2の立場が…」
モドキングの忠実な部下。ゴリラ。
いつも一言多く、よくモドキングからお仕置きを食らっているが本人がドMなので効果があるかは疑問。
その忠誠心は本物で、4巻のラストではモドキング の計画を成功させるため、決死の覚悟でヒーロー軍団の足止めに向かう漢気を見せた。
40年前は可愛い子ゴリラだった。

ちなみにこのコンビの元ネタは『怪獣VOW』に掲載されていた筆吉氏の漫画に登場する「宇宙犬人コリーとパー」であり、さらにその元ネタはかの宇宙猿人ゴリなのだ。

ズキン

「…タイプ❤」
モドキングの所で下働きをやっている女性。人間型異星人。
モドキング達より科学に対する知識は深く、2人の非科学さにツッコミを入れる役。
一方で惚れっぽく、毎回イケメンなヒーローに惚れてしまい、ヒーローを我が物にするため暗躍する。
その名前やヒーローに惚れるという要素からアンパンマンのドキンちゃんのパロディキャラだと思われる。


◆2巻:科学的に正しい改造人間ヒーロー

前回の戦いからしばらく経った頃、人々はすっかり平和を取り戻していた。
しかし、そんな平和な街を突如として怪人が襲う!再び地球にやってきたモドキング一味の仕業だ。
その怪人に立ち向かう青年がいたが「科学の壁」に敗北、瀕死の重傷を負ってしまう。
偶然その青年を保護したズキンは青年と一度面識があったことから、青年を生かすために手術を施す。
そして青年は改造人間となった。

リフジン・トオル/仮名ライダー

「正義のためなら老衰なんざ怖かねェ!」
「ブラボー」の店員だったが、上記の流れで改造人間「仮名ライダー」となる。25→27歳。
人の身でありながら強力な力を操れるようになるが、代償として多大なカロリーを得る必要がある身体になってしまった。
その力でモドキングらが改造した改造人間と戦っていくのだが、新陳代謝も激しいため、急速に老化。
見た目だけでなく中身もすっかりロマンスグレーなジジイに。

サラワレ・ヒメイ

「辞めます!辞めさせてもらいます!!」
「ブラボー」の看板娘。常識人。
誤解からモドキングに魂を売ったかつての先輩との悲しい別れを経験した。

ホリノ・タツロー/エリート脳味噌男

「組みませんか、僕と。2人が組めばあんな獣2匹どうとでもできる」
リフジンの友人でエリートだったが、モドキングによって改造人間に変貌してしまった。
モドキングの参謀として暗躍するが、その真意は……。


◆3巻:科学的に正しい巨大人型ロボット

仮名ライダーの活躍により、日本はウィルス感染の恐怖から救われた。
それから後、猫柳田はかつての友人であるネッケツ・サワグの下を訪ねたが、彼はすでに故人であった。
そしてサワグが残した巨大ロボット「カガクゴー」を息子のモユルが受け継ぎ、モドキングが送り込むロボット群と戦う、はずだったのだが……。

ネッケツ・モユル

「あんなんでも、オヤジの夢でしたからね」
万能科学研究所所長の一人娘・シズカのアッシー(死語)をやっている青年。
車と付くものならなんでも動かせると豪語しており、その手先の器用さでカガクゴーを操る。
ちなみにヒーローの中で唯一完全に生身の地球人だが、体当たりで壁をぶち抜くなど宇宙人や改造人間にも負けない高い身体能力を持っている。
おそらく父親の血だろう。

熱血万能カガクゴー

「中身はカラだ~っ!スッカラカン!!」
万能科学研究所にて制作されていた、超合金スーパー・チタン・モリブデン鋼製のスーパーロボット。
しかしその実態はただのガランドウ。
ネッケツ博士の後を引き継いだ猫柳田によって内部にメカをつめ込まれ、次々に立ちはだかる科学の壁を乗り越え、着実にスーパーロボットへの道を歩んでいく。
はたしてこんなものを遺したネッケツ博士の真意とは……。

ミヤビ・シズカ

「そのオモチャの技術ってのが安っぽくていやなのよ!!」
所長の一人娘。負けず嫌いで高飛車な性格。
しかし過去2巻のヒロインに比べると一途だし、ヒロインしている。

ミヤビ所長

「だから~、ワシは所長なの!」
万能科学研究所の所長。成り行きから「万能科学国」の国王になってしまう。

アヤノコウジ・スミレ

「お父様ったらお疲れになられているのね」
トラディショナル・コンツェルン社長の一人娘。
財力と技術にモノを言わせて幼い頃から幾度となくシズカをいじめてきた。

アヤノコウジ・ミツル、アヤノコウジ・スグル

「体制の変わり目こそビッグビジネスのチャ~~~~ンス!!」
スミレの父親と叔父で、それぞれトラディショナル・コンツェルンの社長/副社長。
モドキングに洗脳され、社員共々侵略用ロボットの製作に取りかかることになる。
ミツルは娘を溺愛しており、ロボットを含む自社製品のデザインは全て娘をモチーフにしている。正直気色悪い。


◆4巻:科学的に正しい自然の脅威との戦い

カガクゴーの活躍により、巨大ロボット侵略作戦も潰えた。
しかしモドキングはまだ諦めておらず、今度はヒーローですら太刀打ちが困難な自然現象を武器とした戦略を繰り広げてくる。
そしてそれに対抗するように、猫柳田の下に3人の(バカ)ヒーローが集結するのだが……。
この3人の組み合わせにコンパチヒーローを思い出した人も少なくないのでは?


◆5巻:科学的に正しい宇宙決戦

前巻ラストでズキンが宇宙へさらわれてしまった。
ズキンは地球の3大ヒーローへSOSのメッセージを送る。
そのメッセージを受け取ったSAMON、そして3大ヒーローは宇宙へと旅立つ。

ワルサー総統

「あんなカスに何ができるというんだい」
ズキンを妻にするためにさらった張本人で、宇宙艦隊を率いるワルサー一族の当主。
エリートでプライドが高い。ズキン以前に930人の妻がいる一夫多妻な人。


ヒーロー名からも分かる通りパロディがふんだんに用いられており、モドキングやワルサーの配下もパロディが多い。
など

物語の進行上、科学的に間違っている、あるいは無視している描写もあり、その場合は注釈を入れることもある。
また一度突破した科学の壁は、以降も突破しているものとして扱われている他、一部の壁は地球の外に出たり続編になると消える場合も。
作者曰く 「登場人物が何度も何度も同じ所でつまづいていたら話が進まない」 とのこと。そらしゃーない。


追記・修正は科学的にお願いします。

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