翠星のガルガンティア

登録日:2013/05/06 Mon 00:33:23
更新日:2023/10/20 Fri 15:39:05
所要時間:約 9 分で読めます






太陽系第三惑星地球。

これまで記録によってのみ存在を示唆されてきた、

人類発祥の星である。





『翠星のガルガンティア』は2013年4月から放送中の深夜アニメ。制作はProduction I.G。
全13話+OVA2話。


◆スタッフ陣

原作:オケアノス
監督:村田和也
シリーズ構成・脚本:虚淵玄ニトロプラス
キャラクター原案:鳴子ハナハル
メカニックデザイン:石渡マコト
アニメーション制作:Production I.G
音楽:岩代太郎
製作:「翠星のガルガンティア」製作委員会


◆主題歌

OP「この世界は僕らを待っていた」
歌:茅原実里

ED「空と君のメッセージ」
歌:ChouCho


◆ぷちっとがるがんてぃあ

公式サイトで配信中のショートムービー。
等身を70%縮め、愛らしさを900%以上にデフォルメされたキャラクターたちが繰り広げる、
「本編に登場した人物及び情報について補足しつつ、あとは適当に遊べばいいじゃん」なコーナー。
毎週水曜更新。



宇宙からやってきた少年兵と、遠い未来の地球の住人たちとの交流を描くSF冒険活劇。
しかし、脚本があの虚淵玄であるため、大体の視聴者はいつバッドエンドになるかとハラハラしながら見守っていた。
最終話まで放送されたところ、結局バッドエンドやしんみりしたところを残すビターエンドでもなく、
ガルガンティア船団の人間誰一人死なないハッピーエンドであるなど、まごうことなき白淵作品であった。

……が、人類銀河同盟やヒディアーズを初め設定には黒い部分も散見され、ストーリー後半では欝展開も見られるなど、
やっぱり虚淵玄の作品でもある。虚淵ェ……。

……ちなみに、「仕事をする意志はあるのに仕事への適性がなく結局無職」という、
本編におけるレドの境遇は「観る人間を別の意味で鬱にさせるアニメ」ともっぱらの評判である。
最終的に無事就職に成功したが。


過去編の小説がニトロプラスより発売された。
またアニメ版のノベライズもファミ通文庫にて発売された。(全3巻)



◆あらすじ

遠い未来、遥か銀河の果て。人類は、異形の怪生命体ヒディアーズと種の存続を賭けた戦いを続けていた。
激しい戦いの最中、少年兵レドは乗機である人型機動兵器チェインバーとともに時空のひずみへと呑み込まれる。

人工冬眠から目覚めたレドは、忘れられた辺境の惑星・地球へと漂着したことを知る。
表面のほぼすべてを海に覆われた地球で、人々は巨大な船団を組み、
旧文明の遺物を海底からサルベージすることで、つつましくも生き生きと暮らしていた。
ここはそんな船団の一つ、ガルガンティア。言葉も通じない、文化も習慣も異なる未知の環境に戸惑うレド。
やむをえず、少女・エイミーらガルガンティアの人々との共生を模索し始めるのだが、
それは戦うこと以外の生き方を知らないレドにとって驚きに満ちた日々の始まりだった。



◆登場キャラクター

◇レド
CV:石川界人
主人公。人類銀河同盟軍の少尉。
ヒディアーズとの戦いで時空のひずみに巻き込まれ、地球に流れ着いた。

人生のほとんどをヒディアーズとの戦いに費やしてきた少年兵。
そのため平和に馴染みがなく、認識の違いから船団との間に緊張状態があったものの、次第に船団の人々との共存の道を探るべく交流を深めていく。
その後、働く意思を見せているもののチェインバーからも、
「非戦闘任務への適性は皆無」と酷評される生活能力の無さ故、ほぼニートと化している。
加えて、チェインバーが出した損害は彼に請求されるのに対し、
チェインバーの労働への報酬は彼に還元されないという、悪徳契約によって負債だけが積み上がっていく悪循環。
まさに借金スパイラル。

第6話にて無事にサルベージ業に就職したのだが、初のサルベージでヒディアーズに遭遇。
これを殺害したが、実はヒディアーズは地球で神聖視された生き物だったことが判明。
再び船団の面々との間に溝が生まれてしまい、船団を離れることを決意した。
とはいえ心境に何の変化もないわけではなく、ヒディアーズを放置しておけばいずれ人間を襲う時が来る。
そうなれば地球は銀河同盟の様に生存的弱者を排除する様になり、ベベルは生きていけなくなり、
エイミーが悲しむという彼なりに考慮した結果からヒディアーズの殲滅に固執している。

そして彼は衝撃の真実を目の当たりにする。
ヒディアーズの真実を知ってしまったレドは精神的に追い詰められ、
クーゲル(ストライカー)の「啓蒙活動」に従ってしまうが、その結果行われる生存的弱者への弾圧を目の当たりにし、
自分がヒディアーズを倒しに来たのはガルガンティアの皆を守るためだった事を思い出したレドは、遂に人類銀河同盟のイデオロギーに反旗を翻した。

第7話にて地球が銀河同盟の本拠地から遠く離れすぎていることが判明し(救難信号が到着するまで数千年かかる)、実質帰還は不可能になってしまった。

たまにヒディアーズの爪を加工して笛を作っているが、本人もなぜそんな事をしているのか分かっていない。
ある少年との思い出の品のようだが……。


◇エイミー
CV:金元寿子
ヒロイン。ガルガンティア船団で手紙等を配達するメッセンジャーをしている少女。
最初にレドに人質にされて以降、彼と交流を深めていく。
ヒロインとしての仕事はしっかりしているものの、チェインバーの影が濃すぎるのかたまに空気嫁扱いされる。


◇ベローズ
CV:伊藤静
サルベージ業を営む少女。おっぱい。
海賊に襲われたところをレドによって助けられるが、
その際海賊を殲滅してしまったことで船団は危機に陥ることになり、彼に人間同士の「交渉」の重要性を説いた。
主役の外伝漫画も描かれている。


◇リジット
CV:大原さやか
ガルガンティア船団の船団長秘書。眼鏡。こちらもなかなかのおっぱい。
8話ではロリジット(写真)・髪おろしを披露。
本編では女キャラ中トップクラスに活躍が多い。
またOVA14話では主役を務める。


◇ベベル
CV:寺崎裕香
エイミーの弟。病を患っており、ベッドの上での生活を余儀なくされている。
しかしそんな境遇と裏腹に明るく聡明な少年であり、彼の考え方はレドに影響を与えていく。


◇ピニオン
CV:小西克幸
機械の整備や修理を営む青年。レドのことは煙たがっており、よく思っていない。
が、実は意外といいやつだった。
昔サルベージ中に兄貴(CV:小野大輔)がクジライカに襲われ亡くなったことから、
仇打ちにレドとチェインバーの力を借り「霧の海」のクジライカを殲滅、サルベージを行い古代の遺産を引き揚げた。
が、仇打ちの範疇を超え古代兵器の強さに調子こいて周囲の船団に名乗りをあげた結果、
クーゲル率いる船団を招き寄せてしまい、ガルガンティアを危機に陥らせることに。
『ぷちっと』ではチェインバーにダメフラグだらけであることを指摘されており、若干生存が危ぶまれていたが、無事生存した。
なんかラケージとくっつきそうな予感。


◇クーゲル中佐
CV:小野友樹
人類銀河同盟軍の中佐。マシンキャリバー・ストライカーの搭乗者。
第1話のヒディアーズとの戦いの際、レドをかばって命を落とした……と思われていたが、10話にて地球に到着していたことが判明した。
地球の現状を恵まれた状況にありながらヒディアーズに屈服しているとし、
「啓蒙活動」として人類銀河同盟のイデオロギーの下、地球人類を統率・支配しようとしている。
ヒディアーズの真実を知っているが、「欲望のままにいき、繁殖するだけの生き物」としてその殲滅に疑問を持っていない。
12話ラストでは既に亡くなっており、ラスボスであるストライカーが声を借りていたことが判明した。



◆用語

チェインバー
CV:杉田智和
レドの愛機。対ヒディアーズ殲滅兵器・マシンキャリバー。
人類銀河同盟においては大量に量産されている兵器に過ぎないが、地球の勢力とは次元の違う性能を誇り、傷ひとつ付けることもできない。
両腿に設けられた穴・量子インテークから、空気中・真空を問わず空間中に存在する物質を吸収しエネルギーに変換しており、時間無制限稼働も可能。
パイロットをサポートする為の人工知能「パイロット支援啓発インターフェイスシステム」が搭載されており、
自律起動・思考と共に、会話による育成・支援、戦闘シミュレート、パイロットスーツと連動した恒常性維持などなど、
搭乗パイロットに対し様々な方面からの支援を行う機構を持つ。
古代語を元に地球の言葉を解析するなど汎用性も高い。
と、まあここまでだと普通にかっこいいロボットなのだが、
思考が機械的なために言動がズレており、作中のギャグシーンのほとんどを担っている。あと全体的に丸い。
そのおかげで主人公機というよりむしろ作品のマスコットという感じである。
というか公式でも着ぐるみを作成したりしているのでその扱いで正しいのかもしれない。
『ぷちっとがるがんてぃあ』ではやたら人間臭くなっており、もはやただの杉田である。
「ニュータイプアニメアワード2013」でマスコット賞の1位を受賞した。

中に人などいない。


◇ガルガンティア船団
複数の船舶を連結器などを用いて連結し、一つの都市の様な形を形成している船団の総称。
まあ要するに武蔵。飛ばないけど。
地球は過去に2度目の氷河期を迎え、その際に陸地が失われている。
そして地球に残った人々は太陽光を受け発電、
発光をするヒカリムシが集まって生息する海流・銀河道から電力を獲得しながら船団を形成して暮らしている。
過去に地球に存在した技術はほとんどが失われている。


◇ヒディアーズ
人類銀河同盟が長年に渡り戦いを繰り広げている宇宙生命体。
数メートル程度の物から戦艦のような超大型の物まで多くの種類が存在する。
マシンキャリバーを多数動員しても瞬く間に全滅させられる程の圧倒的な戦力を誇る。
そして第6話にて地球にも存在していたことが判明。
それと同時にOPの海底のカットの影が大量のヒディアーズではないかと予測され、地球はヒディアーズの母星説が浮上。
1話にしてバッドエンドフラグが立つ事態に。
実はヒディアーズことクジライカは、地球においては神聖視された生き物だった。
レドがそのうちの一匹を殺害した後、大挙して船団に押し寄せたが、結局何も危害を加えることなく去っていった。
こちらから手を出さない限りは大人しい生き物だと認識されているが……?

以下ネタバレのためステルス
その正体は、宇宙の環境に適応するために肉体に改造を施された元人間である。
過去、第五次氷河期を迎えた人類は地球から脱出するため、宇宙開発を推し進めていた。
この時、自律進化推進派・イヴォルバーは人間の肉体の進化を推し進め、それに反発したコンチネンタル・ユニオンとの戦争が始まった。
そしてコンチネンタル・ユニオンはワームホールを用いて太陽系から脱出し、おそらくそれに便乗してイヴォルバーも太陽系から離れたと思われる。
その後、コンチネンタル・ユニオンは人類銀河同盟となり、ヒディアーズの正体を隠蔽して兵士を育成していた。
かたや生命としての脆弱さの代償に技術的な発展を遂げたもの。
かたや肉体の進化によってあらゆる障害を克服し、その代償に人間としての発展を捨てたもの。

互いに相いれぬ存在意義を持つ彼らはどちらかを殲滅するまで争いを止めることができないのだろうか……



OVAはBlu-ray BOX に同梱。単巻発売は無し。

設定資料集『翠星のガルガンティア PROGRESS FILES』が受注限定生産で発売決定。予約を急げ!


放映終了後、続編として新作OVA「めぐる航路、遥か」が前篇・後編にわけて公開された。


本来はテレビシリーズ第二期が決定していたのだが、諸事情で凍結

その代り小説版『翠星のガルガンティア ~遥か、邂逅の天地~』が発売される事になった。
これは幻になった第二期が元になっている。
舞台がから陸になり、主人公・ラッセル、新ヒロイン・スカヤが登場する。
著者はメインライターの一人だった谷村大四郎氏が担当する。


2015年には『第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇』に参戦。

杉田氏曰く、現場のスタッフやキャストはスパロボに出たいと言っていたという。
実は参戦を嘆願されていたことを彼に言われる前に、寺田Pは既に参戦させるつもりでいたらしい。
その後2019年にも『スーパーロボット大戦X-Ω』に期間限定で参戦。
こちらでは何とアシベと共演するという誰もが想像していなかった形で登場した。



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