ウルトラマン夕陽に死す/ウルトラの星光る時

登録日 :2011/12/24 (土) 07:14:04
更新日 : 2017/08/06 Sun 22:39:46
所要時間 :約 7 分で読めます





太陽エネルギーをくれ!


頼む、太陽エネルギーをくれ!


私はここで倒れるわけにはいかないのだ!





「ウルトラマン夕陽に死す」、「ウルトラの星光る時」とは『帰ってきたウルトラマン』37話、38話の前後編からなるエピソード。



【ストーリー】




ウルトラマンは


我々ナックル星人の手で葬った


ウルトラマンは死んだ!


●「ウルトラマン夕陽に死す」

地球侵略を企む、ナックル星人は最大の障害であるウルトラマンを倒すべく、再生怪獣を使って、ウルトラマンの戦闘データを収集。
もう1つの障害であるMATに対しては、 一滴でタンカーを爆発、ニトログリセリンの6000倍の威力、タバコの箱程の量で富士山を吹き飛ばせる 特殊火薬サターンZを強奪するのだった。

最後の一押しとして、ウルトラマンの変身者、郷秀樹の家族同然の存在である坂田健と坂田アキを殺害し、郷に精神的ダメージを与える。

その直後、ナックル星人が対ウルトラマン用に訓練したブラックキングが出現。郷はウルトラマンに変身して戦うが、
復讐心から冷静な戦いを出来ないウルトラマンに対し、ブラックキングはスペシウム光線を跳ね返し、ウルトラブレスレットを弾く等、優位に立つ。
さらに、ナックル星人自らも戦闘に参加。2対1に加え、戦闘に夕暮れ時を選んだことから、太陽エネルギー不足のウルトラマンを追い込んでいき、勝利した。

勝ち誇るナックル星人は、ウルトラマンをナックル星で処刑すべく、ウルトラマンを連行するのだった。



ウルトラマンを蘇生させるには


ウルトラの星作戦しかない


協力を頼む!


わかりました


ウルトラの星を作りましょう


●「ウルトラの星光る時」

ウルトラマンを倒したナックル星人は、宇宙電波研究所の妨害電波でMAT基地の機能を麻痺させ、MATに無条件降伏を迫り、見せしめとして、宇宙ステーションV1を破壊した。
MATは電磁波を逆探知して、ナックル星人が宇宙電波研究所に潜んでいると知り、研究所に向かうが、丘以外のメンバーは洗脳されてしまう。

その頃、ナックル星へ輸送され、八つ裂きの刑にされるウルトラマンだったが、その危機に初代ウルトラマンとウルトラセブンが駆け付けた。
2人のウルトラの星作戦により息を吹き返したウルトラマンは地球への帰路を取り、援軍のナックル船団も壊滅させた。

地球に帰還した郷は洗脳中の伊吹たちに処刑されかけるが、丘と共に伊吹たちを気絶させ、洗脳用受信機を外し、研究所の妨害電波も停止させた。

共に復活を果たしたウルトラマンとMATは、ナックル星人とブラックキングを倒し、サターンZの奪還にも成功した。


【概要】

ウルトラシリーズで初めてレギュラーキャラ。しかも、主人公の恋人と兄貴分が殺されるという衝撃的なエピソード。
これはヒロインの坂田アキを演じた榊原るみが他のドラマの出演が決まり、スケジュール確保が難しくなった為の処置である。

また、視聴率を上げる為かはたまた後編の放送日がクリスマス・イヴということもあってのサプライズとしてか、
中の人込みでゲストとして初代ウルトラマンとウルトラセブンを客演として登場させている。
死亡するレギュラーメンバー、ウルトラマンが敗れて終わる前編、助けに現れるウルトラマン達等から結果的にこの話以降は 視聴率25%以上を維持
第二期ウルトラシリーズでは一番高い時期を最終回まで保ち続けた。



【登場人物】

郷秀樹ウルトラマンジャック
MAT隊員
再生怪獣とサターンZ強奪からナックル星人の仕業に気づき、挑発に乗らないように決めた矢先、坂田兄妹がナックル星人に殺害されてしまう。
復讐心に駆られた今の自分ではウルトラマンが力を貸してくれないと判断し、病院の屋上から飛び降りることで、捨て身の変身を果たすが、
ウルトラマン自身も復讐心を抑えきれなかったために、ナックル星人とブラックキングのタッグに敗れてしまう。

ナックル星に連行され、八つ裂きの刑にされかけるが、初代ウルトラマンとウルトラセブンに窮地を救われて復活。
地球に向かうナックル船団をスぺシウム光線で一掃した。

ナックル星人&ブラックキングとの再戦では冷静さを取り戻しており、宇宙電波研究所の妨害電波アンテナをスぺシウム光線で破壊してMATの基地の機能を正常に戻し、MATの協力も得る。
最終的には初代マン&セブンから伝授された新技・スライスハンドとウルトラ投げで勝利。

その後、残った次郎の為にプレゼントを抱えマンションに帰った際に隣人の村野ルミ子と知り合い最後は少し複雑な笑顔を見せた。

ちなみに演じた団時朗は台本を読んだ時には「何、この終わり方?」と驚き、
村野と出会った郷に対し 「何だよ! 郷ってこんなやつなのかよ」と突っ込んだ という。


●坂田次郎
郷とは家族同然の少年
ただでさえ両親がいないのに、いきなり兄と姉を失い天涯孤独となってしまった一番の被害者。

しかし、隣の村野ルミ子との出会いにより、明るさを取り戻した。


●坂田アキ
郷の恋人
正月には一緒にスキー旅行に行くことを郷に約束してもらうが、修理に出していた郷の腕時計を取りに行った帰りに、ナックル星人の車に拉致され、脱出を試みるも車に引きずられて重傷を負う。
病院で郷に犯人がナックル星人であることを告げた後、郷と次郎の見ている前で息を引き取った。
郷の腕時計については、アキと健の時間が止まることを揶揄していたのかもしれない。

●坂田健
アキと次郎の兄
考案したスタビライザーがマットビハイクルに採用されたのも束の間、ナックル星人に誘拐されたアキを救おうとして、轢き殺されてしまう。
次作では、天の声に転生。

●伊吹竜
MAT隊長
サターンZ輸送任務においては、マットジャイロから指示を出すが、ブラックキングの陽動に引っかかってしまう。
岸田と共にナックル星人に捕らえられて、操られてしまうが、正気に戻った後は地上からジャックを援護した。

●南猛
MAT隊員
サターンZ輸送任務においては、郷と同じ車に乗り、アキのことを話題に出して、運転中の郷の緊張をほぐしたが、私語厳禁でもある。
上野と共にナックル星人に捕らえられて、操られてしまうが、正気に戻った後はマットアロー1号でウルトラマンを援護した。

●岸田文夫
MAT隊員
サターンZ輸送任務においては、上野と同じ車に乗る。
伊吹と共にナックル星人に捕らえられて、操られてしまうが、正気に戻った後はマットアロー1号でウルトラマンを援護した。

●上野一平
MAT隊員
ナックル星人に操られる。
サターンZ輸送任務においては、岸田と同じ車に乗る。
伊吹と共にナックル星人に捕らえられて、操られてしまうが、正気に戻った後は地上戦でウルトラマンを援護した。
ウルトラマンがブラックキングに止めの一撃を放つ際には 「やったー!すたほんろー!」 というよく分からない歓声を上げており、ファンにもよくネタにされている。

●丘ユリ子
MAT隊員
サターンZ輸送任務においては、マットビハイクルを運転し、奪還を試みた際には、郷にマットビハイクルを託した。
ナックル星人に操られた伊吹たちに殺されそうになるが、南と上野を倒したり、郷と共に他のメンバーの洗脳を解除。
決戦では地上からウルトラマンを援護した。

●村野ルミ子
郷のマンションの隣に暮らし始めた大学生
新たなヒロイン

ハヤタ・シンウルトラマン
ジャックと別人であることが判明したため、初代ウルトラマンとナレーションで呼ばれる。
プラズマスパークのエネルギーを作り出してジャックを復活させる「ウルトラの星作戦」の発動をセブンに呼びかけ、処刑寸前のジャックを救う。
今回以降のハヤタは本人ではなくウルトラマンの擬態。
最終回でも声だけで郷に忠告する。

モロボシ・ダンウルトラセブン
初代ウルトラマンと協力し、ジャックを救う。
何気にジャックを助けたのは二回目。


【敵】

●暗殺宇宙人 ナックル星人
宇宙電波研究所を隠れ家にしており、何人か部下がいる。
再生怪獣を使いジャックの能力や武器を研究し、ブラックキングを訓練させ、動揺を誘う為に健とアキを殺害。
さらには太陽エネルギーの少ない夕方に戦うというかなりの策士であり、実際にジャックを倒す。

しかし、初代ウルトラマンとウルトラセブンの活躍でジャックが復活。
ウルトラ投げに敗れる。

盗んだサターンZも郷の活躍で被害を回避される。


●ナックル星人処刑用宇宙船
ウルトラマンを逆さに吊り、八つ裂きにしようとした。

用心棒怪獣 ブラックキング
ジャックを倒す為に鍛えられた怪獣
実際にかなりの実力を持ち、ナックル星人と共にウルトラマンを倒す。
ちなみにウルトラブレスレットを完璧に防いだ怪獣は後にも先にもコイツのみ。
セブンもブレスレットを渡した時に「どんな宇宙怪獣とも互角に戦えるだろう」と絶対とは言っていなかったがすごい。
しかし、再戦時にはスライスハンドに敗れる。

●竜巻怪獣 シーゴラス(再生)
ナックル星人が用意した噛ませその1。
以前と同じように大津波を引き起こすもウルトラバリヤーで押し返され、スぺシウム光線(バンク映像ゆえに、レーザーガンSP-70)で角を破壊されて倒される。
再生怪獣扱いされているが、シーゴラスは死んではいないので、別個体であろう。
また、後のタイラントの一部になったシーゴラスは、こっちのほうのシーゴラスなのかもしれない。

●宇宙大怪獣 ベムスター(再生)
ナックル星人が用意した噛ませその2。
以前と同じように、ウルトラスパークで倒される。
尚、第37話シナリオ段階では再生グドンをスピンキックで倒す予定であり、ナックル星人がスピンキックの事を言及するのは、この名残である。


【余談】


よく勘違いされる方がいるが、この回は最終回ではない(『スーパー特撮大戦2001』では本エピソードが最終回)。
最終回はバット星人戦、あの「ウルトラ5つの誓い」である。

第38話シナリオではブラックキングを倒す新必殺技スライスハンドをナックル星でウルトラセブンから伝授されるシーンがあり実際に撮影されていたが
尺の都合で放送ではカット。セブンがナックル星で宙返りするのはこの名残でありスチールも存在している。
???「さすが名伯楽」
???「まあ、当時はスポ根ブームもあったしな、先生」

破壊された宇宙ステーションV1であるが、MAT前隊長の加藤がMATの宇宙ステーションに異動したことから、加藤の勤務する宇宙ステーションこそがV1説もある。
そうなると加藤は殉職したことになるが、総攻撃される前に既に脱出していた説もあるので、真意は定かではない。

映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』でウルトラマンメビウスが迷い込んだ平行世界では、郷とアキは結婚し、健は既に(演者も)他界していたものの娘のメグと3人で幸せな家庭を築いていた。
しかし、ヒッポリト星人の襲来によってアキは重傷を負い、危険な状態に陥ってしまう。
だがウルトラ戦士達の勝利の後に峠を越え、別世界での悲劇を繰り返さずに終わった。
…この世界の次郎君はどうなっているんだという疑問は残るが(メタ的な話を言うと次郎君の演者のその後が不明だったせいか?)。

郷さん!


メリークリスマス!

ちなみに『ウルトラマンX』の第5話「イージス光る時」はこのエピソードが元ネタ。
窮地に陥ったジャックの救援に駆け付けるセブン。その息子であるウルトラマンゼロもまた、親父と同様にエックスの救援に駆け付ける。
助っ人の伝統は、親から子へと受け継がれていくのである。



【円谷作品以外において】
秘密戦隊ゴレンジャー』第67話「真赤な特攻!! キレンジャー夕陽に死す」は本タイトルと似ており、脚本も上原正三が担当している。
どちらも夕日の中、倒される点は共通しているが、ジャックは次の回で蘇ったのに対しキレンジャーは本当に死んでしまった。
だが、これは諸事情で登場した2代目の方であり、直後に初代が戻ってくる。

烈車戦隊トッキュウジャー』第10駅「トカッチ、夕焼けに死す」は本作のタイトルが元ネタになっており、サブタイトルロゴもよく似ている。
劇中では死亡後、「そして、復活!」とテロップが出て蘇ったが。


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