さらば師匠!マスター・アジア、暁に死す

登録日 :2012/07/19(木) 21:03:09
更新日 : 2017/06/18 Sun 17:22:12
所要時間 :約 7 分で読めます




皆さん、ついにデビルガンダムは倒されました。

ですがそのために兄・キョウジとシュバルツ・ブルーダーの二人を犠牲にしなくてはならなかったドモン・カッシュ。

その心境は如何ばかりのものでしょう。

…… ぐすっ

ですが非情にもガンダムファイトはまだまだ続くのです。

――そう。
東方不敗マスター・アジアとドモン・カッシュの正真正銘の決戦として。

……それではぁっ!

ガンダムファイト最終決戦!

レディィィィ・ゴォォォォウ!!




さらば師匠!

マスター・アジア、暁に死す

































「さらば師匠!マスター・アジア、暁に死す」は機動武闘伝Gガンダムの第45話。
もちろん最終回ではない。

……最終回ではない。

大事なことなので(ry
余談だが、今川氏は思わず絵コンテの最後に『終』の文字を加えそうになったという。
それも筆でドーンと。
この回のラストが筆文字で締められているのはその名残だったらしい。

最もこの回でガンダムファイト自体は終了し、残り2話はエピローグ的な側面が強いので『終』と書いても良かった気もするが。

タイトルの時点でネタバレだが、Gガンのタイトルは概ねそんなものである。
つかネタバレしてても爆熱燃焼で面白いのがGガンである。

作中最高の熱いバトル、その後に訪れる大切な人との悲しい別れ……特にクライマックスの石破天驚拳の撃ち合いは、作画及び声優の関・秋元両氏の名演により鬼気迫るものがあり、前回・第44話「シュバルツ散る!ドモン涙の必殺拳」と共にファンの間で神回の一つに数えられている。

Gガンファンもそうでない人も、視聴後には涙腺にくるものがあるはず。ドモンも泣いたんだ、君も泣いていいんだ。


【あらすじ】
――第13回ガンダムファイト。
ランタオ島での最終バトルロイヤルがデビルガンダム本体と四天王の乱入により混戦となる中、主人公ドモン・カッシュはついに探し求めていた兄キョウジの真実を知る。

生体ユニットとなっていたキョウジとシュバルツ・ブルーダーもろとも、デビルガンダムを石破天驚拳で破壊したドモン。
ドモンが二人の死に涙にくれる中、怒りに燃える一人の男がいた。
崩壊するデビルガンダムを前にして自らの希望を打ち砕かれた東方不敗・マスターアジアである。

「許さんぞ……許さんぞ、ドモン! 貴様、自分が何をしたのかわかっておるのかぁ!?」

「黙れ、マスター・アジア!」

「なにぃ!?」

「デビルガンダムを使って、世界を我が物にせんと企む悪党がぁ!!」

「たわけが! 儂がいつ、そんなものを欲しいと言った!?」

マスター・アジアは、自分はデビルガンダム復活のためにウォンの力を利用しただけと言う。

「なら! なぜデビルガンダムが必要だ!?」

「知りたいか! ならば『勝負』の二文字を以て教えてくれよう!!」

「望むところだ! ガンダムファイトォォォォ!」

「レディィィィ!」

「ゴォォォォッ!!」

ゴッドガンダムマスターガンダム
今ここにガンダムファイト最終決戦、流派東方不敗の師弟対決が幕を切って落とされた。


【マスター・アジアの目的】
戦いの中、マスター・アジアは語る。

かつてガンダムファイトで優勝したマスター・アジアが後ろを振り向いた時に見たもの。
それはガンダムファイトにうつつを抜かし、知らずして、知っていても、見て見ぬふりをして母なる星を滅ぼさんとする人間の姿。
自分はそんな地球の断末魔の光景を前に、ただ傍観してはいられなくなった。

そして「何があろうと地球を自然のあふれる元の姿に戻してみせる」――そう、誓いを立てたのだと。

地球環境の再生のため、マスター・アジアが考えたのは 環境破壊の原因である『地球人類』の抹殺 だった。
そして、それこそが地球再生のための三大理論を飛躍させたデビルガンダムの導き出した答えであり、デビルガンダムの意志なのだと語る。

「わからぬか? 地球を汚す人類そのものがいなければ、自然は自ずと蘇る」

「そして最強の力を持ったデビルガンダムさえいれば、もう誰も地球へ降りられなくなる」

「そうだ、それがいい! それが一番だ! そのためならば、人類など滅びてしまえ! フハハハハーーッ!!」


【ドモンの喝破】
人類抹殺を掲げるマスター・アジアと、それを阻止せんとするドモン。
撃ち合う拳を通して、マスター・アジアの深い哀しみがドモンに伝わった。

「東方不敗の拳が泣いている……!?」

己の拳は、己の魂を表現するものだとドモンに教えたのは、他でもないマスター・アジア自身。
ならば、これがマスター・アジアの魂の叫びなのだろうか……?

「東方不敗! あんたは間違っている!」

「なぜならば、あんたが抹殺しようとする人類もまた天然自然の中から生まれたもの……」

「それを忘れて、何が自然の、地球の再生だ!」

「――そう。共に生き続ける人類を抹殺しての理想郷など……愚の骨頂!!」

マスター・アジアは見た。
己の手を離れたかつての弟子を。
見違える程に大きく、雄々しく成長した一人のの姿を。

「……フン。ならば儂が正しいかお前が正しいか、決着をつけてくれるわ!」

「応ッ! キング・オブ・ハートの名にかけてぇぇぇぇ!」


【真のキング・オブ・ハート】

「いくぞぉぉぉぉ!」

「応ッッッッ!」

「ハァァァァッ! 流派ッ!」

「東方不敗がぁぁぁぁ!」

「最終ぅぅぅぅ!」

「奥義ぃぃぃぃ!」

「石 天・驚・けぇぇぇぇぇんッッッッ!!!!」

最終奥義・石破天驚拳の撃ち合いは、拳を鍛え磨き抜いた年月の差なのかマスター・アジアが優勢に立つ。

「フハハハハ!」

「そこまでか?」

「貴様の力など、そこまでのものに過ぎんのかぁ!?」

「足を踏ん張り、腰を入れんかぁ! そんな事では、悪党の儂一人倒せんぞ! この馬鹿弟子がぁぁぁぁ!!

「何をしておる? 自ら膝を付くなど、勝負を捨てた者のする事ぞぉぉぉぉ!!」

「立て! 立ってみせい!!」

「う、五月蝿い! 今日こそは俺は、 あんたを超えてみせる!!

マスター・アジアの叱咤を受け、立ち上がり形勢を盛り返すドモン。
仲間たちの声援に応えるように、ドモンは己が今繰り出せる最強最後の一撃を叩き込む。

「石破ッ、天驚ォッ!! ゴッドォゥ! フィンガァァァァァーッッッッ!!!!」

極大の闘気エネルギーの拳が、マスターガンダムをその中に握り込む。

「ヒィィトゥッ!! エェェェ――」


その時――


「……よろしい」

「今こそ……お前は、本物のキング・オブ・ハート……」


そう言い残し――マスター・アジアは、かつてドモンが敬愛してやまなかった偉大な師匠は、 右手にキング・オブ・ハートの紋章を浮かばせながら 優しく微笑んだ。
拳を通してドモンの中にマスター・アジアの魂が伝わり――
この時ドモンは初めて師匠の怒りを、切なさを、哀しみを理解するのだった。
そして、戦いの中で師匠が自分に対して抱き続けてくれていた想いのすべても……。

「師匠ぉぉぉぉぉぉぉっっっっ……!!」


【マスター・アジア、暁に死す】
すべての戦いが終わり、長かった夜が明けた。
流派東方不敗の師弟は新しい一日を照らし出す美しい朝陽を共に見ていた。

「なあ、ドモンよ……お前には教えられたよ……」

「人類もまた自然の一部。それを抹殺するなど自然を破壊するも同じ……」

「儂はまた……同じ過ちを繰り返すところであった……」

「師匠……」

「儂をまだ……師匠と呼んでくれるのか……?」

「俺は、今の今になって、初めて師匠の哀しみを知った……」

「なのに俺は……あんたと張り合うことだけを考えていた、話を聞こうともしなかった!」

「なのにあんたは最後まで……俺のことを……」

「何を言う。所詮儂は大罪人よ」

「だがな……見てくれ、儂の体は一片たりともデビルガンダム細胞には侵されておらん……」

「わかっていた……わかっていたのに!」

滂沱の涙と共に、ありったけの想いを吐露する師弟。

「ドモン……お前と新宿で出逢わなければ……」

「お前がガンダムファイターになどならなければ……」

「こんなことにはならなんだのに……」

そして、暁の光に照らされる中、二人は最後の言葉を交わす。

「……美しいな……」

「はい……とても美しゅうございます……」

「ならば……!」

それは、流派東方不敗の合言葉。

「流派、 東方不敗は!」

「王者の風よ!」

「全新!」

「系列!」

「天破 侠乱!」

「見よ! 東方は、 赤く燃えている!!」

その直後、マスター・アジアは穏やかな顔のまま、息を引き取った。
ドモンは師匠の亡骸をひしと抱き、いつまでも離すことはなかった……。

新一派
東方不敗
王者之風
全新招式
石破天驚
看招!
血染東方一片紅

機動武闘伝Gガンダム 完


追記・修正の際は、うっかり『終』の文字を書き加えないようにしてください。

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