ライオウ(遊戯王OCG)

登録日:2011/10/25 (火) 12:41:15
更新日:2023/12/26 Tue 15:48:58
所要時間:約 4 分で読めます




サンダー・キング!

ライオウ
光属性 雷族
☆4
ATK/1900 DEF/800
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、お互いにドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加える事はできない。
また、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地に送る事で、相手モンスター1体の特殊召喚を無効にし破壊する。

概要

《ライオウ》とは、漫画版遊戯王GXで登場した下級モンスターである。
お互いにドロー以外の方法での手札補充を封じる永続効果、自身をコストとして相手モンスター1体の特殊召喚を無効にして破壊できる誘発即時効果を持つ。

漫画版では「デッキからの特殊召喚」及び「通常ドロー以外のドロー」を封じる効果を持っていた。
漫画版とOCG版の効果を比較しても、両者に影響を与える効果が差異となっているので、一概に上位・下位の区別はできない。

まず最大の目玉といっても過言ではない、第一の効果であるサーチ封じは影響力が大きい。
現在デッキの多くは回転を安定化するために、特定のカードを直接デッキから手札に加えるサーチカードを採用、依存している場合が多い。《ライオウ》はそれらを全て封じ込めてしまうのだ。

サーチができなければキーカードを回収するには何が来るかもわからない不安定なドローに頼るしか無くなる。必然的に相手の展開は遅く不安定になってしまうため、本来の動きを行うまで時間を稼ぐことができる。

先攻でこいつを出された場合、こいつを退かせない限り《強欲で謙虚な壺》などのサーチカードは死に札になる。
墓地へ行くことで真価であるサーチ効果を発揮する《クリッター》なども機能しなくなる。
これだけで生半可なデッキはガタガタにされてしまうのだ。

自分もサーチができるなくなるが、あらかじめそれらを使ってから召喚することである程度対処はできる。それ以外の状況でも、《ライオウ》が維持できている時点で有利な状況であることが多いため、それほど気にならない。

《ライオウ》が採用される【メタビート】でも《強欲で謙虚な壺》のような汎用サーチカードが投入されるのは珍しいことではない。

なお、ドローならば問題なく行えるため、自分は《強欲で貪欲な壺》《強欲で金満な壷》命削りの宝札》などを採用するといいだろう。
逆にいえば、相手が使うこれらを止められない点には注意。

さらに特殊召喚を無効にする効果が地味ながら凶悪。
ルール上「チェーンブロックを作らない特殊召喚」しか無効にできないのでカードの効果による特殊召喚こそ止められないものの、
《マスター・ヒュペリオン》や《ダーク・アームド・ドラゴン》等の特殊召喚をモンスターを安全に処理が可能。
EXデッキから呼び出されるモンスターも、シンクロ、エクシーズ、リンクモンスターを道連れにして墓地へ送ることができる。
ちなみにペンデュラム召喚も特殊召喚されるモンスターが1体だけの時であれば効果を発動できる。

しかも「特殊召喚を無効にして」なので、《神の宣告》同様フィールドに出ることすら許さない。フィールドを経由することで発動するタイプの効果を不発にでき、特殊召喚モンスターは蘇生制限を満たせなくなる。

発動条件で自身を墓地に送るので、効果解決時にはフィールドからいなくなり《スキルドレイン》でも止められない。

その他「特殊召喚を無効」についての詳細は《昇天の角笛》の項を参照されたし。

そこへ追い打ちを掛けるように攻撃力も下級メタモンスターとしては異例の高さの1900と言う高数値であり、デメリットアタッカーでもない限りほとんどの下級モンスターを寄せ付けない。

光属性なので《オネスト》にも対応。狩りに来た大型モンスターを返り討ちでき、光属性というだけである程度のプレッシャーがかけられる。
メタ効果を持つ下級では《インスペクト・ボーダー》《閃光の追放者》も同じ光属性なので、ともに《オネスト》で戦闘をサポートできる。
カオスのコストになることもでき、【カオススタン】などでも採用が検討できるだろう。

《ライオウ》を倒せるようなモンスターは大抵サーチできないため呼びにくく、チェーンに乗らない特殊召喚を間に挟むようなら効果で破壊できる。

スキルドレイン》などと同じく、あくまで敵の行動を封じるための一手段、ないしローリスクハイリターンな汎用妨害カードとして使われる事が多い。
サイドデッキに投入されるケースも多く、【ガジェット】などのアンチシナジーなデッキのサイドデッキに採用されることすらあった。
第5期に登場したカードではあるが、今現在もメタカードとして採用の余地はある。

メタカードとしてどんなデッキでも採用できるポテンシャルを持つが、【メタビート】の駒としても一考に値する存在である。
場持ちをよくするために【メタビート】として専用の構築を組んでみるのも有りだろう。
特殊召喚封じなど、別のメタ手段と組み合わせることで相乗的に拘束力が高まるため、上手に使っていきたい。

ちなみに冒頭のサンダー・キングはライオウの英語名。
キングを名乗るには控え目なステータスかも知れないが、怒りの海王と言うATK800のバニラがかつて存在したので十分に強力なステータスと言えるかも知れない


弱点

このように強力なモンスターではあるが、当然ながら欠点は存在する。
まず、先攻で出せれば強いが、後手に回ると手遅れなことが多いこと。
サーチを封じる永続効果は好き勝手に動かれてしまった後では効果が薄く、逆に自分の首を絞めるだけになってしまう。
もっともこれは《フォッシル・ダイナ パキケファロ》、結界像、《インスペクト・ボーダー》など他のメタ効果を持つモンスターにも言えることではある。

チェーンブロックを作る特殊召喚には対応しないため、融合召喚や儀式召喚を無効にすることはできない。
効果によって特殊召喚される融合モンスターなどには一方的にやられかねない。

攻撃力1900というのは優秀な数値だが、絶対的なものではない。
通常召喚でこいつの打点を越えてくる《ヴェルズ・ヘリオロープ》なども天敵か。
無効化できるとはいえ《サイバー・ドラゴン》や《フォトン・スラッシャー》には道連れをほぼ強要される。
この点は厄介な《ダイナレスラー・パンクラトプス》などをこれ1枚で処理できるとプラスで捉える事もできるが。

そして自身がコストなので、特殊召喚を無効にしてしまうと再びサーチできるようになる。適当なモンスターで処理されてメインフェイズ2からはやりたい放題されてしまうことも。

守備力は低いため表示形式を変更するモンスターやカードには弱い。
特に裏側守備表示にするカードの類は効果ごと無効化されてしまうため、《ライオウ》を簡単に除去できるようなモンスターが躍り出てくる。

また根本的な弱みとしてサーチをあまり~ほぼ使わないデッキに対しては強みがやや薄れる。
採用には環境をよく読む必要があるだろう。

強力なメタではあるものの、展開力に長けたデッキ相手では、このカード1枚だけでは力不足となることも多い。
《ライオウ》1体で潰せるのは1体のモンスターだけなので、特殊召喚の手数が多いデッキが相手だとさすがに手に負えなくなってしまうことも。
サーチに頼らずに複数回の特殊召喚を行えるデッキも増えているため、過信はできない。





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遊戯王GX第2巻をお付けして
好評発売中!



こんな優秀なカードの収録パックが気になる方もいるのではないか。
だが、このカード、通常のパックには一度も収録されていない。

まさか…。

そう、ライオウは単行本「遊戯王GX第2巻」の付録である。

単行本の付録である

1枚につき450円程度で入手できる。

3積み推奨とは言え、まだ良心的と言える。
だが、ゲーム付録よりも、Vジャンの付録よりも優しくない点が有る。

それは

再録されない

という点だ。

単行本の販売戦略にも関わるためか、単行本が増刷される限り再録される可能性は極めて薄い。
しかし、ライオウの需要が高かった頃は単行本が入手困難になっていたこともあり、単行本の数倍の価格で取引されていた
単行本も幾度も増刷されたが、それでも入手できない人も多く、再録を希望する声も非常に多かった。

ちなみに海外でも単行本付録なのだが、海外のGOLD SERIESでは収録されている。
価格なども相まって単純な比較は出来ないが、GOLD SERIES2012での収録に期待されていた。
が、結果は残念であった。

初登場から15年以上経った2023年現在も単行本が増刷されているため、一度も再録されていない。
とはいえ、単行本が増刷されている限りは入手できる機会もあるという事でもある。2023年現在も新品の単行本が売られている
また、現在は環境の変化もあって採用率が落ちていることもあり、シングル価格自体も落ち着いている。状態に拘らなければ入手そのものはさほど難しくない。


そしてもう1点、これはKONAMIや集英社に言うべき点では無いのかも知れないが。

抜き取り被害

が多いという問題がある。

単行本を買わずに、店員の目を盗んで付録カードのみを抜き出す不逞の輩がいるのだ。

○○「単行本付録でIF強化来たお!ジェネラル3積みで満足するお!」
○○「3冊買ったのに1枚しか入ってないお…。」

こんなことになった人もいる。
悪辣と非難されるKONAMIの販売戦略ではなく、犯罪者のせいでこんな状況が生まれているのだ。

万引きは犯罪です。付録だけでも罪状・量刑は変わりません。


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最終更新:2023年12月26日 15:48