片翼の天使

登録日:2010/02/10(水) 00:33:47
更新日:2023/12/16 Sat 11:32:15
所要時間:約 5 分で読めます





※この項目はネタバレを含みます。



概要

FINAL FANTASY Ⅶ』のラスボスセーファ・セフィロス戦で流れる曲。作曲は植松伸夫。
「星に選ばれし者」同様にセフィロスのテーマ曲の1つでもある。
曲名の「片翼の天使」とは言うまでもなくセフィロスの事。彼の肩書きともなっている。

メインキャラ中、明確に「~のテーマ」とされていないのはクラウドヴィンセント、そしてセフィロスだけである。

FF7中には様々な名曲が流れるが、その中でも特に人気が高い。
筆者陣の主観ではあるが、闘う者達、更に闘う者達、フィールド曲、空駆けるハイウインド、エアリスのテーマなどと並び、FF7を代表するBGMと言えるだろう。

実質セフィロスのテーマな為、ヤツが出てくる作品には必ずと言っていい程流れる。
むしろヤツが出るのにこれが流れないのはありえない。

FF全体でも特に知名度が高い曲の1つで、FF7本編をプレイした事がなくても一度聴いたことがある人は多いのではなかろうか?
しかしあまりに出番が多い為、セフィロス共々食傷気味になっている人が多いのも事実。
ある意味、FF7の在り方を如実に表した曲である。

ちなみに、AEW所属で、大のゲームオタクであるプロレスラーのケニー・オメガ選手は自身のフィッシュ・ホールドの技名にこの『片翼の天使』を冠している。
2023年1月4日の『新日本プロレス1・4東京ドーム大会』に参戦した際は後述の「再生」版を入場曲として使用した。


FF7

初出の作品。
オーケストラは内蔵音源であるが、コーラスは生音のサンプリングであり、多くのプレイヤーを驚かせた。
ちなみにコーラスを歌っているのは、FF13等のBGM担当で有名な浜渦正志氏と浜渦氏の知人達である。

重厚ながらも激しい曲調、そして歌声がセフィロスの神秘性や狂気、恐ろしさをよく表現していると言えよう。
また、この曲の特徴は何といっても、曲中盤から流れる混声コーラスだろう。

歌詞は、クラシック曲の「カルミナ・ブラーナ」から引用している為、微妙に意味が通じない部分もあったりする。
意訳としては「来るな、殺さないでくれセフィロス」ってなものらしい。

また、セフィロスのテーマ曲である「星に選ばれし者」のフレーズが使用されている。

♪エスタンス インテリウス イラウェー ヘメンティ×2
セフィロス!
ってな感じの歌いだしなのだが、
また、日本人に馴染のないラテン語な上に音源由来の音質の悪さも相まって様々な空耳ネタが生み出された。
最も有名なのは田代神ネタで、一時期はやたらタシロスタシロス言う人もいたりした。ちなみにマーシー公認ネタである。
本当にセフィロスが好きな人には不快を与えかねないので使用する際は気を付けよう

ちなみにイントロ部分は、ジミ・ヘンドリックスの「パープル・ヘイズ」を意識したものになっている。


アレンジ版

リユニオン・トラックス

オーケストラアレンジが収録。待望の完全生演奏アレンジである。
アレンジは『ああっ女神さまっ』、『ガールズ&パンツァー』の劇伴で有名な浜口史郎氏が担当した。

概ね原曲に忠実なアレンジであり、流用機会も多く、以降のアレンジはこれが基準になっている事が多い。

隠しトラックとしてコーラス無し版が収録されている。
CDプレイヤーで1曲目を逆再生してみると……。


FF7AC

「再臨:片翼の天使~Advent:One-Winged Angel」という曲名で新アレンジが使用された。
シンフォニック・ロック調のアレンジ仕上がっており、クラウドとセフィロスのハイスピードバトルを盛り上げてくれる。
なお、オーケストラは新録されたものらしい。

歌詞は野村氏が作詞*1しており、きちんと意味が通じる。
訳は、まあ簡単に言うと「私は思い出にはならないさ……」といった所。

ACでも抜群の存在感を誇り、こちらの人気も高い。

ACCだと追加シーン部分で最初の部分のコーラス無しバージョンがちょこっとだけ流れる。

どうでもいいがセフィロスの片翼は鳩の翼っぽい形をしている。
あとACの翼は他媒体より明らかに大きい。


CCFF7


その他の作品と違い、セフィロス以外にも片翼の天使がいる*2今作では「世に仇なすもの」という曲名で登場。
原曲よりもダークな曲調で、お馴染みの前奏は流れない。
流れるシーンはセフィロス達の回想ムービー、およびニブルヘイム魔晄炉。
どちらもセフィロスの強さと恐ろしさを引き立ててくれる、隠れた名アレンジ。


キングダムハーツFM


当然といわんばかりに流れる。
流れるシーンの関係上短めにアレンジされている……のだが、初見では聞き入ってる余裕なんぞない。まず瞬殺される。
本作では主にセフィロスの影響でクラウドにも片翼が生えている(ジェネシス同様歪んだ左翼)が、セフィロスのテーマはそのまま「片翼の天使」である。


DISSIDIA FINAL FANTASY


「再臨」ではなく、リユニオン・トラックスに収録されたオーケストラ版を使用している。
早く勝負を決めると前奏で終わってしまう事がままある。
FF7のラスト、クラウドとセフィロスの一騎打ちを踏襲したイベントシーンは中々秀逸。

また、セフィロス専用のレベル100武器の名前にもなっている。


半熟英雄対3D

3D大元帥との戦闘曲として、片翼の天使のアレンジ曲「絶望すべき咆哮」が使われている。
いかに3Dが演出面で優れているか、というようなことを歌い上げる歌詞になっている。


モンスターストライク

FF7コラボで登場。ボスとしてのセフィロスのテーマ。
追い詰めると再臨版に切り替わる。
空耳に聞こえないようにしたのか、わざとぼかしたような歌い方が特徴的。


FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE

「片翼の天使ー再生ー」として、やはりセフィロスのテーマとして収録。
ミッドガルラストのセフィロス戦では戦況に応じてパートが移り変わる変則的なループがとられた。ベースはリユニオントラックス版。
前半4分(戦闘開始〜2人目加勢まで)は従来のコーラスとイントロと間奏を、オリジナルフレーズと共に複雑につなぎ合わせたもの。
1人目加勢までは「Estuans interius ira vehementi」の、加勢後は「Sors inmanis et inanis」のフレーズを中心としているが、いずれも代表的なセフィロスコールは行われない。
後半は片翼を生やすと同時に力強いイントロから始まる、いつもの「片翼の天使」のアレンジとなっている。
ここからセフィロスコールも追加。「闘う者達」「更に闘う者達」「運命の番人」のフレーズも含まれている。
そして戦闘終了後は最後の1人とレッドⅩⅢも加勢し、ムービー内で〆に入る。
J-E-N-O-V-Aと同様、前半に大胆アレンジ、後半に原曲に忠実なアレンジをする、ファンサービスたっぷりな一曲となっている。


大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL

セフィロス参戦に伴い、原曲と再臨版が収録。
北の大空洞では両バージョンが半々の確率で選出されるが、再臨版はミッドガルで流した方が雰囲気出るかも?
なお、非ゲーム作品からBGM出典がなされるのは再臨:片翼の天使(と闘う者達&更に闘う者達のAC版)が初。


歌詞


日本語訳のみ掲載。ちゃんとラテン語で歌いたい人は各自検索。

片翼の天使


※燃えるような激しい怒り\セフィロス セフィロス/

心なくおぞましき運命

※繰り返し

来たれ 来たれ 愛しの人よ、来ずば焦がれて死のうものを
栄光なるもの 高貴なるもの

\セフィロス セフィロス/


「燃えるような激しい怒り」はかつてジェノバは古代種だと勘違いしたセフィロスの心情、及びその結果であるニブルヘイム事件の事を指していると思われる。燃える"ような"どころか本当に燃えているが。
「来たれ 来たれ 愛しの人よ」はリユニオンのことだろう。愛しの人はクラウド…だろうか?



再臨:片翼の天使~Advent:One-Winged Angel


※思い出の中に留まる事はない\セフィロス セフィロス/

烈しき怒りと苦き想いを\セフィロス セフィロス/

心なくおぞましき運命

※繰り返し

来よ 来よ 愛しの人よ
さあここに来て 私に再び死を与えよ
来よ 来よ 愛しの人よ
さぁ私に…

思い出の中に留まることはない
烈しき怒りと苦き想いを
心なくおぞましき運命
彼は再び降りてくる

来よ 来よ 愛しの人よ
死を誘いし者
破壊の罪に生まれし子
その名を口にするなかれ
彼は再び降りてくる

\セフィロス セフィロス/
\セ フ ィ ロ ス/




追記・修正にてリユニオンする事を望む。

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最終更新:2023年12月16日 11:32

*1 ラテン語訳は、山下太郎氏が担当。

*2 アンジールとジェネシスのこと。ジェノバ細胞の影響らしいが、ジェネシスは歪んだ左翼、アンジールは白く細い右翼が生える