統合失調症

登録日:2011/01/19(水) 05:11:50
更新日:2023/12/25 Mon 21:23:32
所要時間:約 6 分で読めます




※ご自身の健康問題については、専門の医療機関に相談してください

今日は晴れですね。晴れといえば、僕の誕生日は来月だけど君はお肉が好き?

精神疾患の一つで、日本では機能性精神障害に分類される。

罹患率が約1%。100人~120人に1人はなる病気。これは胃潰瘍や喘息とほぼ同じ発病率である

原因は以下の3つが主に仮説として考えられているがはっきりとはわかっていない。
  • ドパミン仮説:中脳辺縁系におけるドパミンの過剰分泌が原因という仮説。
  • セロトニン仮説:上記に加えセロトニンの機能異常(5-HT2の低下)が原因という仮説。セロトニンの異常は鬱病においても原因となっている。
  • グルタミン酸仮説:NMDA受容体遮断薬のフェンサイクリジンを投与したとき統合失調症様の症状が出たためにNMDA受容体が関与しているのではないかという仮説。

昔の病名は精神分裂病だったが精神分裂病では文字通り精神が分裂、理性の崩壊を連想させてしまうため、
偏見を増長させるのと症状を的確に表していないという理由から、2002年に改名となる。
ちなみに統合を失調すると書いているがこれは当て字みたいなものなのであまり意味は無い。

診断には主にシュナイダーの第一級症状が用いられる。

症状は大きく分けて陽性症状と陰性症状に分けられる。ここでは症状の一例を示す。
陽性症状(急性期):中脳辺縁系の異常が関与。いらいらや不眠、不安、幻覚、妄想等が起こる。なお急性期に病識は無い。重症時は狂乱状態になる。

陰性症状:中脳皮質系の異常が関与。意欲低下、自発的行為の欠如、感情鈍麻などが起きる。重症時は寝たきり。
簡単に言えば陽性症状は普段ないものが現れ、陰性症状は普段あるものが失われた状態。
更に以下の6つに分類される。

妄想型:最も一般的な型。主に妄想、幻覚を伴う。
緊張型:精神興奮、昏睡が主。
破瓜型(解体型):予後が悪く、上記の陰性症状の症状が出る。主に思春期前半に発症する。
鑑別不能型:上記の型のいずれにも該当しないか、あるいは上記の複数の型の症状が見られる型。
統合失調症後抑うつ:罹患後1年以内に見られる抑うつ性の発作。
残遺型:診断基準に見られる症状がなくなり何らかの陰性症状が長期に持続する状態。

基本的には陽性症状→陰性症状→陽性症状→…と繰り返していき転帰をむかえる。
妄想や幻覚って結局何なの?と思うのだろうからここで例をあげていく。

妄想にも色々あって、被害妄想で考えると、周囲が何もしていないのに患者本人は「周囲の人が自分に嫌がらせをしている」と考えている。
関係妄想では「〇〇は悪意の仄めかしだ」と全てを自分に関連付けて考えること、等がある。
一部の者から被害を報告される「集団ストーカー」や「電磁波攻撃」なども、統合失調症による妄想の可能性が指摘されている
更に「統合失調症自体が(嫌がらせ行為などを隠蔽するための)デマである」という妄想に囚われる場合もある。

幻覚では実際に知覚を発生させる人物や発生源があると考えるとわかりやすい。
それによって「悪魔がいた」や「宇宙人が交信してくる」と妄想的(現実的もある)に解釈して幻覚を見る。

これらは自我意識の障害により自己と他者を区別することが出来ないために生ずると考えられている。

治療は主に薬物治療とSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)。カウンセリングは無効。
薬物治療としては定型のフェノチアジン系やブチロフェノン系、ベンズアミド系の他、非定型のSDAやMARTA、DDSがある。
これらは上記のドパミン受容体やセロトニン受容体に作用することで治療効果をしめす。
セロトニンは鬱病とも関係されることから、鬱病の治療に用いられることも稀にある。
この上で、対症療法としての睡眠薬であったり、頭痛薬であったりが出される。

ちなみにこれらの薬の副作用として定型はパーキンソン病様症状や悪性症候群等、SDAは高プロラクチン血症等がある。
まずいないと思うが、一般人が気軽に飲むと目眩や頭痛、吐き気を引き起こすため、絶対に興味本意で飲まないように。いないとおもうが。

またパーキンソン病はドーパミンの不足によるものだと考えられている。つまり不思議なことにパーキンソン病と統合失調症はある種の鏡みたいな関係にある。
こう考えると医学も面白いと思えないだろうか?

上記の治療により寛解(25%)部分寛解(50%)慢性化(25%)の何れかに移行する。
寛解とは症状が抑えられコントロール出来た状態。つまり統合失調症は治らないのである。
また治療が遅れるほど寛解するのは難しくなり社会復帰が困難になるため早期に治療又は病院に連れていきましょう。
なった本人も辛いし、その周りも辛いから…

と、ここまで治療を書いたが何よりも始めに患者に病識を得させることが大事である。
病識とは患者が病気になっている自覚があるかということで、これが無いと治療が非常に困難になる。
これを得させる為には医者や周囲の助けが必要なので周りに患者がいたら助けてあげよう。
ただし中途半端な助けはかえって状態を悪化させるため、そこは医者や臨床心理士と要相談。
ただし、誤診も少なからずあるため複数の医療機関を回ることを推奨する。

TVでマスコミや医者が心の病とか言ってる時があるがこれは病識を得やすくするのとショックを受けないようにするためで、
実際はれっきとした脳の疾患なので注意。

ここで記した情報は一部であるため、色々知りたいという人は診断基準のWHOのICD-10や米国精神医学会のDSM-5を見て下さい。
統合失調症になった人で有名な人と言えばアメリカの数学者ジョン・ナッシュだろうか。
彼の人生を描いた映画『ビューティフル・マインド』はタイトル位見たことある人も多いだろう。
ぶっちゃけこれを見れば何となくわかる筈なので見ることをおすすめする。
患者の中には、一生治らないという運命から自暴自棄になって、自殺未遂を繰り返したり、他者への依存に走ってしまったりする。
余談だが、タバコの喫煙率も異様なほどに高い。依存しやすいのである。

どうか、患者の方々は自分の事を傷つけるのは止めていただきたい。それを強いる事はとても辛い事かもしれない。
でも、あなたの周りの人々がそれを望んでいるのである。
いつの日か、病気に冒される前のあなたの暮らしに戻る事を


追記修正お願いします。













































「統合失調症」は、自分で知覚出来ない病気です。
早期の治療が有効ですので、親族知人に疑わしい人が現れた場合は、すぐに医療機関に連れていってあげてください
(※1970年代を境に軽症化している傾向にあり、稀に患者自身が病気を自覚して受診する例もある)。

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最終更新:2023年12月25日 21:23