バルタン星人

登録日:2010/05/12 Wed 00:54:42
更新日:2024/01/17 Wed 16:22:24
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(V)(V)

フォッフォッフォッフォッフォッフォッフォッフォッ


バルタン星人は円谷プロダクション制作の『ウルトラマン』を初めとしたウルトラシリーズに登場する宇宙人





【データ】

別名:宇宙忍者
身長:ミクロ~50m
体重:0~1万5千t

◆能力

分身能力
複数人に分身し、敵を惑わす。忍者らしい唯一の技。

瞬間移動
瞬間移動する。

飛行能力
飛行する。

●脱皮能力
これで核だろうと火炎だろうとどんな攻撃を受けても平然と蘇る。抜け殻は消える。

憑依能力
人間に憑依する。この状態でその人間の脳髄を借りる事で、人間の言葉を話す事も可能。

●赤色冷凍光線
ハサミから放つ冷凍光線。
これを受けた者は死にはしないが、体が緑色に変色して一切の身動きが取れず、まるで凍らされたかのようになる。

●白色破壊光弾*1
ハサミから放つ破壊光弾。バルタン星人の必殺技といえばコレ。

赤色冷凍光線や白色破壊光弾は分身能力と併用する事で「分身赤色冷凍光線」「分身白色破壊光弾」となり、相手に集中砲火する事が可能。
ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth』では大量に分身して敵をドーム状に包囲した状態で放つ一撃必殺技がある。



【概要】

最早説明不要の数多くいるウルトラ怪獣の中で最も知名度の高いキャラクター。
巨大なハサミになった両手、セミを思わせる愛嬌のある顔つき、
「フォッフォッフォッ」という不気味で美しく華麗な声が特徴で、一度見れば絶対に忘れられない見た目。
『ウルトラシリーズ』、ひいては特撮作品自体に疎い人でも一度はその姿を見た、あるいは名前を聞いた事のあるくらいには圧倒的な人気と知名度を持つ。
多分ウルトラマンセブンと間違えるレベルの人でもこいつの名前や姿は分かるはず。
記念すべき製作話第1話に登場しているあたり、やはり代表格である。


世界観の壁を超えて何度も登場しており、よくウルトラマンたちの代表的ライバルとして挙げられる。
しかし、その知名度の割に実は圧倒的な強さを見せた事はあまりなかったりするばかりか、
後述するがウルトラマンは実質バルタン星人にとっては天敵と言っても過言ではないほど、多くのバルタン星人が倒されている。
それでも地球侵略を目論み、それを阻もうとするウルトラマンに挑む限りなきチャレンジ精神はある種の感心すら覚えるレベル*2
ただ、『ウルトラマンメビウス』以降の作品では、侵略活動を行うバルタン星人は出てきていないどころか、
ニュージェネレーションヒーロー以降はバルタン星人そのものが出てこないことの方が多く、有名どころのメフィラス星人メトロン星人のみならず、
マイナー寄りなバド星人ですら再登場している現状において、最も有名なバルタン星人が登場しない事を残念に思うファンは多い*3

『ウルトラマンの代表的なライバル(宿敵)』というポジションも、ヤプールレイブラッド星人ウルトラマンベリアルアブソリューティアンと移り変わった上、
揃いも揃ってウルトラマンを苦しめる頭脳派、あるいは凄まじい実力者ばかりなので、少々出辛そうな雰囲気が漂っている。
ただ、『大怪獣ラッシュ』にて、バルタンバトラー・バレルという中々のイケメンも登場している。

一方、知名度の高さは世代が移り替わろうと変わらず、ウルトラ怪獣系の商品では大抵1番目をキープしている。
それもあってかザム星人、テンペラー星人など、バルタン星人を意識したデザインの宇宙人も度々登場している。


なお、バルタン星人といえば両手のハサミを上下させるポーズが非常に印象的で、
基本的に初代のこのポーズは、大半の(作品に登場した)バルタン星人たちも披露している。
ちなみにこのポーズについては、初代の企画段階では巨大なハサミを普通に腕として使わせるつもりだったのだが、
実際にスーツを着てみるとハサミが重くてまともな動きができず、腕を上げていると楽だったのでそれに上下運動を加えたことで生まれたという裏話がある。
もしハサミが軽くて普通に扱えたら印象的なあのポーズは存在しなかったと思うと、運命のいたずらを感じずにはいられない。


初代バルタン星人のスーツは『ウルトラQ』に登場したセミ人間の改造
初代『ウルトラマン』の「侵略者を撃て」で監督と脚本を担当した飯島敏宏氏によると、「スーツ部分はケムール人から流用し、そこにセミ人間の頭部を組み合わせて装飾を加えたもの」との事。
ただし、改造と言っても元のスーツから原型がなくなるレベルで手が加えられているため、殆ど新規造形と言っても過言ではないかもしれない。

デザインは成田亨氏が担当。「侵略者を撃て」で特技監督を務めた的場徹氏のアイデアを元に飯島氏から発注がかけられた。
今でこそ最も有名なウルトラ怪獣の1体であり、成田氏の代表作の1つにも数えられるバルタン星人だが、
実は当の成田氏本人はというと「『セミ人間に角と大きなハサミをつけてくれ』という無意味な注文が嫌だった」とその存在に対して否定的なスタンスだった*4
なお、二代目は成田氏のデザイン画をベースとした細身のスーツが新造されているが、これはスーツの経年劣化に伴うもので、氏の意向が反映されたわけではないらしい。

ちなみに「既存のデザインに何か付け足して」という依頼によって誕生したデザインは、他にもゾフィーなどが存在する。

スーツを製作したのは造形担当の佐藤保氏。
なお、彼は「セミ人間を改造した覚えはない」と発言しており、上記の飯島氏の発言の解釈に関して再び議論が起こっていたりする。


M78ワールドのバルタン星人】

ウルトラマン

●バルタン星人(初代)



君ノ宇宙語ハ分カリニクイ。

生命?ワカラナイ。生命トハ何カ。

第2話「侵略者を撃て」に登場。
一般的なバルタン星人といえば、やはり初代のこいつである。
「宇宙忍者」の異名通り、分身や瞬間移動等の敵を惑乱させる能力を使う。

生命力も非常に強く、核ミサイルの直撃を受けても平然としている。
唯一の弱点は火星に存在する物質「スペシウム」。
このスペシウムのみがバルタン星人を殺す唯一の方法である。
そんな訳で、よりにもよってバルタン星人最大の弱点がウルトラマンの得意技だったわけで……


○活躍
彼らの故郷であるバルタン星は狂った科学者による核実験で既に壊滅したとされており、おそらく大半のバルタン星人もその時に死亡している。
たまたま宇宙旅行中で難を逃れた20億3千万人のバルタン星人は、母星に帰れずそのまま宇宙船に乗って自分達が定住可能な星を求めて放浪する難民となったが、
地球の近くまで来た時に宇宙船の重力バランスに故障が発生したため、修理のために地球に来訪。
科学センターを占拠して宇宙船の重力バランスの修理に必要なダイオードを手に入れたものの、
地球の環境を気に入った彼らは、元々の修理が終わればすぐに地球を去る予定を変更し、移住を決定する。

ハヤタ・シンも最初は「地球の風俗・習慣に馴染み、地球の法律を守るなら不可能ではない」と答えたが、
彼らの数がいくらなんでも多すぎる為(ミクロ化能力があるので*5、実はこの点に関しては問題はなかった)*6に難色を示し、
代替案として火星への移住を提案されるも、火星にある自分の弱点(前述の通りスペシウム)を喋りかけて中断。
「話は終わりだ。我々は地球をもらう」と一方的に交渉を打ち切って巨大化し、市街地で暴れ始めた。

ウルトラマンと激しい空中戦を展開するも、左手のハサミを叩き折られ、最終的に弱点であるスペシウム光線を浴びせられて敗北。
その後ウルトラマンはバルタン星人の宇宙船を発見次第、容赦なく破壊し、約20億2千999万9999人のバルタン星人のうち殆どが死滅した。

●バルタン星人(二代目)


ウルトラマンなど恐れる事はない。
スペシウム光線を撃ってきたら今度はスペルゲン反射光の餌食にしてやれ!

CV:西田昭市

第16話「科特隊宇宙へ」に登場。
上記の通り見た目が初代と変わり、スリムでセクシーになった。


○活躍

先述の生き残りがR惑星と呼ばれる星に移住。
ウルトラマンに復讐するために、唯一の弱点であるスペシウム光線対策として胸に開閉式の「スペルゲン反射鏡」を備え、再び地球を襲う。
さらに重力を操る能力や、光波バリヤーも身に付けている。

初代が単独で侵略を実行しようとして失敗した事を反省してか、今回は1人が金星ロケット「おおとり」を襲う事で科特隊とウルトラマンを宇宙におびき寄せる囮となり、
彼らがいなくなっている隙に、地球に等身大のバルタン軍団が押し寄せて侵略するという二面作戦を用いた。

囮役はスペシウム光線を跳ね返すのには成功したが、ウルトラマンの新必殺技八つ裂き光輪で頭から真っ二つにされた。
地球の等身大バルタン軍団は地球に残ったイデのマルス133で数人倒されるも、光波バリヤーを張った宇宙船に逃げ込む。
その後、テレポーテーションで地球に来たウルトラマンに対し、合体巨大化した上に光波バリヤーを装備して挑む。

八つ裂き光輪を光波バリヤーで防ぐも、ウルトラ眼光でバリヤーを無効化され、八つ裂き光輪で頭から真っ二つにされて、そのままスペシウム光線でとどめを刺された。

ミニバルタンの群れがウルトラマンに襲いかかるアイディアもあり、こちらはデストロイアやダークバルタン等に受け継がれた。



●バルタン星人(三代目)

第33話「禁じられた言葉」に登場。
メフィラス星人の配下として、ザラブ星人、ケムール人とともに現れた。
とはいえ、ただ立っていただけであり、他の2人と同じく映像説もある(一応他の2人と違って大声で笑い声をあげている)ので三代目と言えるのかは正直微妙。姿は2代目ベースの色違い。
また、巨大フジ隊員はこの三代目が変身していたとする説も(巨大フジ隊員と同じ地点に、入れ替わるように現れたため)。


帰ってきたウルトラマン

バルタン星人Jr.


勝負はまだ1回の表だ。必ずお前の命をもらいに来る。さらばウルトラマン!

○データ
身長:ミクロ~45メートル
体重:0~3万トン
デザイナー::井口昭彦
CV:阪脩

第41話「バルタン星人Jrの復讐」にて登場。
初代バルタン星人の息子。やや鋏が小ぶりになっており、腕の動きが活発。
復讐のため建設中のビルをロボット「ビルガモ」に改造してジャックに挑む。


○活躍
ビルガモを倒されると「勝負はまだ一回の表だ!」と、どこで覚えたのか野球用語を使って負け惜しみ。
そのまま逃走を図るも、「一回の裏なんてあるか!」と言わんばかりに背後からジャックのスペシウム光線を受けてコールド負け姿を消した。その後の行方は不明。
結局本人は戦うことはなかった。

内山まもるによる漫画版『帰ってきたウルトラマン』では「最後のスペシウム光線で死んでいなかったら」という仮定でこの後日談が描かれている。

着ぐるみは『ウルトラファイト』に登場したバルタン(アトラクション用)から型取りして新規に作り起こしたもの。


ウルトラマン80

●バルタン星人(五代目)


「我々優秀なバルタン星人の動物園に入れるんだ。下等動物として動物園にな!」

CV:水鳥鉄夫

第37話「怖れていたバルタン星人の動物園作戦」に登場。
画質が良くなったので口元にある空気孔を隠すためか豚面になっており、正直初代のスタイリッシュさは皆無。なのでデザイン評価は歴代でも低め。
着ぐるみは映画『ウルトラマン怪獣大決戦』の新撮シーン用に新造されたものの改造。

○活躍
この頃になるとバルタン星の再建に成功したようだが*7、ウルトラマンへの恨みは健在。

今回の目的はウルトラマン80を捕獲し、バルタン星の動物園に入れること。

……と目的はまるでギャグじみているが、戦闘能力は何気に高い。
ハサミから連射する火炎弾「バルタンファイヤー」やフラッシュ、テレポートや透明化や飛翔能力、
そして80に投げられても一回転して着地するなどの身軽さを活かした体術、果ては自らの母船からの援護射撃までを組み合わせて、地上から空中まで激闘を展開。
80の側も透明化を見破るウルトラアイスポット、バルタンファイヤーに対するバリアの展開、全力疾走からのタックル、スペースマミーの応援など次々対策を編み出しつつ奮戦。
最終的に飛び立とうとしたバルタンの足に80が食らいつき、マミーを撃墜した直後で動きを止めていたバルタン母船に投げつけ、両者とも爆発させた。

なお、80やウルトラの父ウルトラセブンとも戦っているスナップが現存している。勿論、本編にこんなシーンは無かった。


●バルタン星人(六代目)


子供と子供が喧嘩する!男と女が喧嘩する!
家と家とが喧嘩する!
そして、オシマイには、国と国が喧嘩する!
ミサイル発射!手裏剣シュッシュッ!
日本は滅びる!地球は滅びる!

CV:西村知道

第45話「バルタン星人の限りなきチャレンジ魂」に登場。見た目は五代目同様豚面。
何故か性格は江戸っ子っぽくなっている。
この頃になるとさすがに地球文化にも詳しくなってきたようで、「これが喧嘩の元になるとは……お釈迦様でもご存知あるめえ!!」ともはや現代人は使わないような町人言葉を交えて話す。
「君の宇宙語」も「生命と言う概念」すらわからなかったあの頃から実に14年後のことであった。
ただ、どうも日本では未だに手裏剣シュッシュッで争ってると勘違いしているらしい。宇宙忍者だけに手裏剣に心惹かれるものでもあるのかもしれないけど


○活躍
山野正明少年の撮ったUFO写真をめぐって人類同士を仲違いさせ、そこから世界大戦にまで発展させると言うかなり気の長い作戦で人間社会から信頼を奪い、戦争を起こそうとする。

しかしながら五代目と同じく戦闘能力は高く、前回同様バルタンファイヤーを使える他、
新必殺技の白色破壊光線「エクシードフラッシャー」は80先生のサクシウム光線と互角の威力を誇り、ありとあらゆる手段・技量をもって80とかなり熱いバトルを繰り広げた。
加えてこの時は子供達を拘束した袋で右腕が塞がっていた状態であり、いわば片腕だけで80と激しい戦いを行っている。
最後は80が初代ウルトラマンから教わった八つ裂き光輪を受けて真っ二つにされた。
先生同様、顔があれでも動いているとかなりかっこいい。つなぎの合成もかなり上手いので驚くこと必至。



大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE

ベリアルが怪獣墓場から蘇らせた怪獣軍団の一体として登場。
初代マンと戦ったが、ベリアルショットの巻き添えを受けて爆死した。
その後、ベリュドラの角を構成するパーツとなった。
結局再生怪獣の一体に過ぎない活躍だったが、大群の中で遠目でもどこにいるか一目で分かりやすい辺り、流石バルタン星人である。
ちなみに着ぐるみはダークバルタンを改造したもの。



【別次元のバルタン星人】

ウルトラファイト

○データ

身長:40m
体重:2万t

新撮編にて、『バルタン』名義で登場。
バルタン忍法を駆使してセブンと互角に渡り合うなど本作きっての実力派。一度セブンによって首を切られたが、その後も何事もなかったかのように登場した。
最終話「激闘!三里の浜」では人間と同じ5本指の両手で角材を手にセブンに挑むも他の怪獣達共々やられる。


レッドマン

第13話と第16話に登場。どちらもジラースと共に登場している。
第13話ではジラースと戦っていたところにレッドマンが現れ、停戦してレッドマンと戦う。挟み撃ちでレッドマンを追い詰めるも、左右から同時に突撃したところをレッドマンにかわされて同士討ちで倒れた。
第16話ではジラースと共闘し、倒れたジラースを助け起こす等、仲の良い様子を見せるも、ジラースに何かの合図をしたかと思うと逃亡してしまう。
結局ジラースは巴投げで倒され、バルタンは戻ってこないのであった。


ザ☆ウルトラマン

教えてやろう。地球制覇を目指す我々バルタン星人にとって、
ウルトラマンのお前は邪魔なのさ!

○データ

身長:ミクロ - 90m
体重:0 - 5万4千t
CV:寺島幹夫

第8話「ヒカリ隊員の秘密が盗まれた!?」に登場。
アニメをいかした独特なバランスが特徴で、足が二又のハサミ状になっていて手のハサミがでかい。こちらが4代目とされることも。
巨大化時は「ホアーッ!」というこれまた独特な叫び声を発する。何気に指人形にもなってたりする。

○活躍

地球征服に邪魔なウルトラマンジョーニアスを抹殺すべく、差し向けた怪獣ミコノスを倒すために変身したシーンの隠し撮りフィルムをネタにヒカリ隊員をアジトの洋館へとおびき出した。
洋館の仕掛けでヒカリの変身を妨害して苦しめるが、科学警備隊にアジトを突き止められ阻止される。
巨大化して生物の動きを封じるS電光でヒカリ以外の隊員達を停止させ、ジョーニアスとの戦いではハサミで首を締め付けてエネルギーの消耗を狙うも活動限界寸前で突破されてしまい、最期はプラニウム光線を受けて倒された。

実は同作で唯一直接巨大化してウルトラマンと戦った宇宙人だったりする*8
ダークネスファイブからは色々言われた。


『アンドロメロス』

●メカバルタン

別名:ファイティング・ベム
身長:50m
体重:2万2500t
出身地:グア星

グア軍団によって強化改造されたバルタン星人。左手が三本爪、右手がメカのハサミになっている。
ちなみに素体になったのは初代バルタン星人という説もあったりする。Jr.「えっ」

作品自体のマイナーさに反して、人気怪獣のサイボーグ化という造型はちびっ子のハートを確実に鷲掴みにしており、
『メロス』の怪獣の中では主役のアンドロ超戦士たちを差し置いてかなり長期に亘ってソフビのラインナップに並んでいた。
作品自体を知らずとも、メカバルタンのソフビだけは持っていたという人も少なからずいるのではないだろうか。
後年には児童誌でパワーアップコンテストまで行われた(後述)。

○活躍
テレビシリーズではファイティングベム5号という設定で、ジュダの手下となって4号のザビデンとコンビを組む。
ダメージを受けてもジュダの超能力で回復し、一度受けた技はもう二度と効かなくなる(ザビデンも同様)。
グア星でザビデンや怪獣戦艦達と共にアンドロ超戦士達を最大のピンチに追い込んだが、ザビデンやグア兵達と共にフロルバリアーで跳ね返されたギエロニアの光弾に巻き込まれて倒された。
そしてザビデンやグア兵達共々、アンドロ超戦士達によって墓を作られて弔われた。

雑誌展開では『てれびくん』1981年8月号に五代目、六代目と同じデザインのバルタンが軍団で登場。
東京を襲撃するも、次から次へとメロスに倒されていった末、ボスもコスモギロチンを受けて葬られた事で全滅した。

1982年2月号でボスだけがメカバルタンに改造され、右手のコスモニュームクロウが装備された状態で改造怪獣共々復活。
メロスとウルフの周囲を総出で取り囲んで高速回転し、そこから発生した炎の渦で攻撃を仕掛ける火炎車戦法を披露した。
だが、両者に破られた挙句にアンドロビームでエースキラー以外の怪獣達を殲滅された事で戦況が一変し、自身もエースキラー共々アンドロストリームでまとめて倒された。
『小学一年生』1982年2月号では倒される順番が異なっており、エースキラー共々メロスとウルフのアンドロビームで最初に倒され、その後残った改造怪獣達も倒されたとされている。

3月号ではまあたも復活してジュダと共にウルフを襲撃して異次元岩に封印したが、駆けつけたメロスのダブルサーべルの露と消えた。こちらはどの雑誌展開でも同じ。

居村眞二氏の漫画版では軍団ではなく1体で登場。
ベムスターロボ(ベムズンではない)と共にウルトラマンジャックに襲い掛かり、
ベムスターロボがメロスに倒されると冷凍光線でジャックを人質に取るが、ウルフのアンドロビームで敗退。
その後、メカバルタンに改造されると宇宙船・白鳥を襲撃してカプセルエネルギーを入手し、うち半分をグアに捧げ、残りを自身のものにしようと目論んだ。
ウルフとの戦いでは光線技や分身などで圧倒したが、メロスがウルフに助太刀すると戦況が一変。
分身を倒された上に両腕まで切り落とされた事で、我が身可愛さからグア軍団について白状しようとしたところをホログラフのジュダに処刑されるという末路を迎えた。

もう登場する事はないと思いきや、『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』において、
グア・スペクターがロボット怪獣「サイバーメカバルタン」と共に召喚するという形でまさかの登場を果たした。



ウルトラマンパワード

●パワードバルタン星人

別名:宇宙忍者
身長:ミクロ - 65m
体重:0 - 2万3千t
飛行速度:マッハ27(地球大気圏内)
デザイナー:前田真宏

第1話「銀色の追跡者」にて登場。
全体的に青くメタリックに、鋭角的になった。ハサミは長く鋭くなっている。
これまでのバルタンとは違い、数々の惑星の文明を滅ぼしてきた凶悪宇宙人。
また、背中には巨大な羽があり、羽を広げて空を飛ぶ。
パワードにおけるベムラー役でもある。
二代目の反重力波と初代の破壊光弾をそれぞれ強化した技が使用できる。
また、パワードを怯ませるほど臭い息を吐く事もできる。……ウルトラマンにも匂いがわかるのか?と思いきや、後に匂いで対象を追跡する変tウルトラマンが現れてしまった
実は大気圏内飛行速度が凄まじく、そのスピードたるや驚異のマッハ27。マッハ20のバードンを大幅に上回っている。


●サイコバルタン星人

別名:宇宙忍者
身長:ミクロ - 75m
体重:0 - 2万6千t

第13話「さらば!ウルトラマン」にて登場。
パワードバルタンの頂点に立つリーダー。
異常に発達し、頭から突き出た脳ミソがソフトクリームみたいになっている。
配下にはパワードを瀕死に追い込んだパワードドラコや、お馴染み最強の宇宙恐竜パワードゼットンがいたりと、その実力が伺える。

パワードが倒された後、W.I.N.R.とパワードを迎えにきたM78星雲人達に宇宙船ごと倒されたため、Jr.と同様に本人は戦っていないが、
NGシーンでは部下と思われる他のバルタン星人と共に地球へ降り立ってパワードの死体を確認するシーンが存在した。
また、『ウルトラマン画報 下巻』の欄外に記されている各エピソードの台詞の中に、
「『命、わからない。命とは何か?』(バルタン星人 パワード/13話)」とあった事から、未使用シーンでW.I.N.R.と交信したことが示唆されている。


ウルトラマンコスモス

●バルタン星人(ベーシカル)

別名:宇宙忍者
身長:50m
体重:3万5千t
デザイナー:丸山浩
CV:郷里大輔、堀之紀

映画『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』に登場。
これまでとは違い、クワガタモチーフのデザイン。そのためあの丸っこいイメージながらちょっと攻撃的なデザイン。飛行時には下半身が変形する。
「ベーシカル(Basical)」とは「基本、基礎」という意味で、下記のネオバルタンとの区別で謂わば「バルタン星人・ノーマルモード」といった意味合いだが、
現在では「『コスモス』に登場するバルタン星人」に対する固有名のような扱いを受けている*9

母星を失った子供達のために地球を手に入れようとする。
一族の子供達のためという動機はわかるのだが、地球を汚染し続ける人類を劣等種とみなしてろくに交渉もせず強引に征服しようとしたのは評価が分かれるだろう。
音楽が好きなのか、シューベルトの曲を聴くと眠ってしまう。


●ネオバルタン

身長:51m
体重:4万5千t
デザイナー:丸山浩

ベーシカルバルタンがコスモスと戦うために変身した強化形態(ただし、相手はルナモード)。

悪魔のように禍々しい姿で、両手はハサミではなく鉤爪になっている。
というかバレルを含めたバルタンの中で、初見でこの個体がバルタンだとわかる人がいるだろうか……。
※逆にバルタン星人を知っている人からは「ハサミなしでここまでバルタンにできるのか」という意見もある。

右手の剣から剣型の光弾バッドナイフを連射する、左手の光線砲からビームロープのバンドルコートを出す、
肩アーマーを無数のトゲのバンプスプレーに変えて射出するなど、全身に針鼠のように武器を装備している。

コスモスを苦しめ、コロナモードに変身したコスモスとも互角に渡りあったが、徐々に押され、最終的にはブレージングウェーブを受けて敗北。
種族の未来に絶望し、涙を流しながら胸部を自爆させて自ら命を絶った
コスモスによって亡骸は元の姿に戻され、宇宙へ運ばれた。

この時の多くのチャイルドバルタンが涙を流すシーンや地球の子供も涙するシーンは目からウルトラ水流必至である。


●チャイルドバルタン

身長:120cm
体重: 15kg
デザイナー:丸山浩
CV:最上莉奈(シルヴィ)

上記のバルタン星人の子供。
そのうちの「シルヴィ」という名のバルタンが当初はコスモスを回復させないために春野ムサシから輝石を奪ったが、後に主人公達と仲良くなる。

その後地球から去ったが、無事どこかの星に移住することに成功したようで、
後に映画『ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET』『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE』にも登場している。


ロボバルタン

『コスモス』TVシリーズ放送当時に『てれコロコミック』誌に掲載された読切漫画に登場した、上述のベーシカルのデータを地球人が解析して建造したロボット兵器。
詳細は当該項目を参照。


ウルトラマンマックス

ダークバルタン

別名:超科学星人
身長:ミクロ~51m / 357m(超巨大化時)
体重:0~3万9千t / 27万3千t(超巨大化時)
出身地:銀河系外惑星バルタン
演:尾崎右宗

第33話「ようこそ!地球へ 前編 バルタン星の科学」
第34話「ようこそ!地球へ 後編 さらば!バルタン星人」 に登場。

見た目は初代バルタン星人そのまんまだが、最強!最速!のウルトラマンマックスと二回戦って2回ともマックスを圧倒した実力者。

そのチートさを纏めると
  • 357mまで巨大化。マックスもできるが、マックスはエネルギーを消耗する
  • 重力を広範囲にわたり操作する
  • バラバラにされても即再生
  • 空を埋め尽くす分身を一瞬で生成
  • ゼットンのバリアーを破ったマックス最強の必殺技を跳ね返す
……等々挙げたらキリがなく、「歴代最強のバルタン」と言われている。
後述のタイニーバルタンら穏健派のバルタン星人が持ってきた銅鐸によって戦意喪失し、矛を収めてバルタン星に帰って行ったが、
もしも穏健派がいなければ地球は大変なことになっていたに違いない。

詳細は該当項目を参照。


●タイニーバルタン

別名:子供の超科学星人
身長:ミクロ - 1.5m
体重:0.1g - 55kg
出身地:銀河系外惑星バルタン
デザイナー:丸山浩
演:半田杏

バルタン星の穏健派で、偶然会った地球の少年と協力してダークバルタンとマックスの戦いを止めようとした。

魔法少女ばる☆たん。人間体はまさかのボクっ娘美少女。
「ばるるん」「マルルー」*10と唱えながら指を交差することで超能力が使える。
つまり属性だけ抜き出せば「ボクっ娘魔法少女」ということになる。まさかバルタン星人で萌える時代が来ようとは……。


ウルトラマンギンガ

●バルタン星人(SDI)

『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』に登場。
スパークドールズイミテーションを使って、健太が疑似ウルトライブした怪獣の1体。
分身やテレポート、赤色凍結光線や白色破壊光弾で千草のテレスドンを倒すも、美鈴のモチロンに、じゃんけん勝負を持ち込まれて負ける。


ウルトラマンX

映画『劇場版 ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』に、ファントン星人グルマンが初代ウルトラマンについて語る際のイメージシーンとしてのみ登場。

どこかの惑星で分身と白色破壊光弾を武器に、ウルトラマンと激闘を繰り広げていたが、
この分身は実体があるらしく、ウルトラマンと格闘戦を行って倒されていたが、
何体倒されても、倒されたそばから次々と新たな分身を生み出してウルトラマンを翻弄するという、実にバルタン星人らしい戦いを見せた。
だが、最後はスペシウム光線の連続照射で全員まとめて一網打尽にされた。

ちなみにこのシーンの撮影では着ぐるみを2体使い、他は合成で分身を表現しているんだとか。

なお現時点において、正規のウルトラシリーズでバルタン星人そのものが登場したのは本作が最後である。


◆その他のバルタン星人

●アンドロ・ザ・キラーメカバルタン

別名:ハイブリッド強化ベム
身長:55m
体重:4万2000t

2010年度に児童誌で行われた『メカバルタン強化改造コンテスト』でデザイン公募された、メカバルタンの強化形態。
メカバルタンがアンドロ超戦士への憎しみを糧に自己を強化改造した姿であり、全身が青を基調としたアーマーのような姿になっている。
右腕のアイアンクローには銃が、左腕のハサミにはチェーンが追加武装として取り付けられている。

公募企画自体は元々、アーケードゲーム『大怪獣バトル』との連動企画として行われたもので、アンドロ・ザ・キラーメカバルタンも本来は同ゲームへの本格登場を確約された存在であったのだが、
実装を前にして当の『大怪獣バトル』が稼働終了してしまい、デビューの場を挫かれてしまった結構可哀想な存在。
結果、着ぐるみはおろかCGモデルすら存在しておらず、現在は『ウルトラ怪獣シリーズ』のEXナンバーとして過去販売されたソフビのみでその姿を確認できるのみである。


バルタンバトラー・バレル


「プラズマソウル」というエネルギー鉱石が主要な資源となっている「プラズマギャラクシー」という世界で、
プラズマソウルを吸収したプラズマ怪獣を狩ってプラズマソウルを回収するハンターの一人。
「命知らずの宇宙忍者」の異名を持つ。

一騎当千の凄腕で、分身で敵を翻弄して隙を作り出したり地形を利用して自滅させたりと、クレバーな戦い方を好む。
クールで寡黙であり、必要最低限のことしか喋らない。

ちなみにプラズマギャラクシーでもバルタン星は爆発して消滅しているが、生き残りはバレル一人しかいないらしい。
ジェントからはそのしぶとさを高く評価されている。

詳細は該当項目参照。


●ゼットンバルタン星人

ウルトラフェスティバル2016第一部「新たなる光 バルタン星人襲来!」に登場したオリジナル形態。
バルタン星人を退けたニュージェネレーションヒーローズの前で、MCのお姉さんに化けていたゼットン星人が「ウルトラマンへの応援のパワー」をゼットン人形にかすめ取り、
そのエネルギーを使ってカード化したゼットンと力尽きていたバルタン星人を融合させて生み出した超合体怪獣。

現れた際の衝撃波でウルトラ戦士達を怯ませ、高速移動で次々となぎ倒し圧倒。
最後に残ったウルトラマンオーブも追い込んだが、ウルトラマンギンガ達が集めた光のエネルギーによって初代ウルトラマンが出現したことで形勢が逆転。
カラーリウム光線で動きを封じられ、ダブル・スペシウム光線を食らって消滅した。

第二部「ウルトラマンepisode-Z〜脅威のゼットン軍団〜」では、宇宙恐魔人ゼットが最後の切り札として通常のゼットンにバルタン星人の大群を融合させて誕生させた。

2017年のウルトラヒーローズエキスポではジャグラス ジャグラーがゼットンとバルタン星人のカードを使ってこの形態にフュージョンアップしている。

着ぐるみは後に『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』に登場するゼットン・ファルクスに改造され、ハイパーゼットン・デスサイスの鎌に差し替えられている。

●サイバーメカバルタン

ウルトラフェスティバル2016第一部「新たなる光 バルタン星人襲来!」に登場したメカバルタンの強化タイプで、左腕が巨大なドリル*11になっている。
スーツ自体はバルタンバトラー・バレルのイベント用スーツの改造。

ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』では、通常のメカバルタン共々グア・スペクターによって生み出される形で出現した。この時は左腕がハサミになっている。

【派生作品のバルタン星人】

『ザ・ウルトラマン(内山まもるの漫画)』

『帰ってきたウルトラマン』の漫画版では、TV版の後日談相当のエピソードが展開され、バルタン星人Jr.の逆襲劇が描かれた。

『タロウ』放送時の読み切り漫画『かがやけ ウルトラの星』ではウルトラキング軍団の六大将軍が一角として登場。
北海道に侵攻するも、ウルトラ兄弟により撤退に追い込まれ、本戦では怪獣軍団を相手取ったウルトラマンエースを背後から狙撃して暗殺。
しかし、怒りに燃えるウルトラセブンのアイスラッガーを受けて他の将軍たち共々掻っ捌かれた。

『友情の星よ永遠に』ではキングバルタンに付き従うレッドバルタンブルーバルタンが登場。
ウルトラの星に侵攻を掛けようとするが……?


『ウルトラ兄弟物語』

『ウルトラ最後の決戦』編に登場。
スペースサタンキングの軍勢と共に地球を侵攻し、潜伏したウルトラ兄弟達を焙り出す為に占領下の地球人たちを蹂躙する非道を行う。


ウルトラ怪獣かっとび!ランド

ガキ大将のレッドキングの腰巾着。分身の術が得意だが、幼い頃は全身をバラバラにして飛ばすという気色悪い“分”身の術を使っていた。
実家はプロの忍者で、親馬鹿なかあちゃんと雷親父のとうちゃん、幼い弟がいる。


ウルトラマン超闘士激伝

メフィラス大魔王傘下の鋼魔四天王が一角として登場。詳細は該当項目参照の事。
またパワードの門下生としてパワードバルタン星人が登場している。

ウルトラ怪獣擬人化計画

POP版にて初代が別名通りに忍者を思わせる衣装で美少女化。フィギュアとして立体化もされている。
大胆な露出度の衣装でフィギュアでは眩しい背中も堪能できる。腰には(普通の)ハサミを模した刀を装着している。

KADOKAWA版ではパワードに登場したものが「パワードバルタン」名義で巨乳萌え美少女化。胸も含め鋭角的でハサミ似の剣を振るっている。
デザインはZトン。


ウルトラ怪獣モンスターファーム

最初から育成可能な怪獣として登場。
ちからや丈夫さは苦手だがかしこさと回避に優れた軽量級キャラ。
初期技でかしこさ技はひとつしかないので修行をうまく使う必要がある。分身を覚えたら半端な攻撃はそう当たらなくなるので心強い。
正面から殴ってもそれなりの火力は出せるがガッツ削り戦法にも優秀な技があるので避けて避けての持久戦勝ちも狙いやすい。
プレイヤー以外ではライバルキャラの一人のニールが使ってくる。
回避が高いので初期怪獣に毛が生えた程度の育成では勝ち目が薄い。回避と命中の大事さを初心者に叩き込んでくれるので、勝利した暁には修行で頼りにしてあげよう。



【円谷作品以外のバルタン星人】

『有言実行三姉妹シュシュトリアン』

地球に降り注いだ流れ星の力で、怪獣倉庫に安置されている着ぐるみが命を持つという形で登場。
ゴモラダダガラモンエレキングと共に暴れ回るが、ウルトラマンと巨大化したシュシュトリアンに敗れた。
何故かロブスターを食べる人間を目の敵にしていた。セミじゃなかったのかモチーフ。


【バルタンではないもの】

●セミ人間
ウルトラQ』に登場。ガラモンの飼い主。
上記にある通り、初代バルタン星人はこの着ぐるみを改造したもの。
2話目(製作話的には1話目)にして改造だったということなのだが、今やそれがシリーズの代名詞である。
つまり、コイツがいなけりゃバルタンも生まれなかった。
頭のVやハサミが無いだけで、顔はバルタンと同じ。
「ぼくら」誌に掲載された絵物語版「SOS富士山」では地球の為に巨大化して怪獣と戦うという
バルタンばかりかウルトラマンをも先取りしたような活躍を見せている。


●マタンゴ
東宝の怪奇映画『マタンゴ』に登場するキノコ人間。
あまり知られていないが、バルタン星人の特徴的な笑い声(実際に笑い声を加工したもの)は元々はこいつのもの
しかしカルト映画ゆえに知る人が少なく(作品を知ってても声を知らない人も)、バルタン星人が初代だと言われてしまいがちである。
ちなみに、マタンゴの声は下記のケムール人以外では悪魔ッ子リリーにも使われている。


ケムール人
『ウルトラQ』で初登場した怪人。
上記の通り初代『ウルトラマン』で共演した他、コイツの声もマタンゴの声を使っている。
また、これも上記の通り、初代の体部分はコイツのものである。


●フリップ星人
ウルトラマンレオに登場した、バルタン星人と非常によく似た声を持ち、分身の術を得意とする共通点も持つ宇宙人。
ウルトラ怪獣大百科では「遠い親戚に当たるのかもしれない」と解説された。
しかし多彩な能力を持つバルタンに比して分身以外にはなんの武器もなく、目つぶしによる心眼でレオに本体を見切られるとあっさりと倒された。



   /∧-∧
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   にノ( ソノ
   に) `‖)
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  〉/Kニ-'-'-]〈
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_((∠二ニ/ バルタソ /
   \/____/ ̄



【余談】

◆「バルタン」の名付け親は飯島敏宏氏で、その名の由来は「『ヨーロッパの火薬庫』と称され、紛争が絶えなかったバルカン半島」「設定作業していた当時、人気だった歌手のシルヴィ・ヴァルタン」の2通りの説があるが、
飯島氏のコラム『今明かされるバルタン出生の秘密』によれば、前者の方が正しい模様。
……だったが、WOWOWの『ザ・プライムショー』では「飯島氏がシルヴィ・ヴァルタンのファンだった」という理由で後者の説が取り上げられる事態に。
また、『ザ・プライムショー』とは別に書籍『世界怪物怪獣大全集』では後者について「シルヴィ・ヴァルタンが出演したCMから取られた」と言及された事も(後に復刻版で「事実と異なる」とされたが)。
……とまあ色々述べてきたが、とどのつまり飯島氏自身も多分名前の由来についてどっちだったか覚えていないと思われるので、
もはや真相は1966年に行って当時の飯島氏本人に問いただすしか方法はないと思われる。
と思いきや、日本経済新聞(2016年2月19日号)掲載のコラム『ウルトラマン誕生 大作戦』で飯島氏が明かしたところによれば、
名前の由来そのものはバルカン半島からだが、宣伝部のアイデアで『シルヴィ・ヴァルタンから名付けた』という事にしたからどちらの説も間違ってはいない(意訳)」らしい。
仮に由来のままだったら、同年に始まった海外ドラマに出てくる異星人と名前が被っていたので危ないところだった。

◆なお上記の2016年頃にNHKのインタビューにおいて飯島敏弘氏は「一番のお気に入り」であると同時に「もう悪役として出したくない」とまで述べている。
よく20億人全滅の一件がネタにされる『侵略者を撃て』についても彼らのことを「地球に逃れてきた難民」と述べている他、
猛威を振るったダークバルタンにしても最終的には和解に至った点を指して「ウルトラマンがただ敵を倒して終わりではない平和の使者であることの証明」と述べている。
それ以前のインタビューにおいても悪役として登場する後発のバルタン星人について快く思っていない発言も残していることから、バルタン星人の扱いについてはかなりこだわりがある様子。
また上述した円盤の一件も「あれはテレポートで円盤を遠くに運び去ったと解釈してほしい」等と述べている*12

……そして同氏がご逝去された現在、バルタン星人の扱いは非常に難しいものとなっているのは想像に難くなく、2022年に公開された『ギャラクシーファイト』においてはまともな出番がなくなって久しいバルタン星人を差し置いて、派生種であるメカバルタンの方がアンドロメロス原作同様グア軍団の一員として登場するという珍事に陥っている。

◆2022年公開の映画『シン・ウルトラマン』では未登場だが、これについては同映画のデザインワークス内にて、
「諸般の事情で登場させることが非常に難しく、残念ながら最初から選択肢から外さざるを得なかった」という事情が庵野秀明氏により明かされている。
事情は不明だが、上記の飯島氏の意向も併せて、初代バルタンのどの要素をとっても『シン・ウルトラマン』の展開とは相容れないことは容易に想像でき、宇宙人代表でありながら登場できないのは仕方のないところであろう。


◆「鉄板も切り裂くような強度のハサミ状の腕しか持たないくせに、どうやって宇宙飛行も可能な高度な文明を築いたのか?」はよく考察の対象になる。
確かに強度は恐るべきものだがこのハサミ、加工の基本である「真っ直ぐ切る」すらできない極めて難儀な形をしているため、地球人の感覚では文明発達の過程がよくわからないのは確かである。
「あのハサミの奥に器用な手が隠れているのでは?」というネタもチラホラ見られるが、少なくとも公式にそのような描写がされたことはない。
『ウルトラファイト』最終回「激闘!三里の浜」の角材持ってセブンと戦ったバルタンは逆にハサミ姿を見せていない
空想科学読本』では「なぜバルタン星人はあのようなハサミを持つに至ったのか」と考察するに辺り、「バルタン星の他の生物は手を出さない鉄のような強度を持つ枝に実る果実をもぎとって食べるためでは?」という結論に至っている。
そして、「このようなニッチに特化した生物は生態系の中で弱者であることが多い」と考察を進め、バルタン星にはバルタン星人でも対抗できないとんでもない大怪獣が生息しているのでは?(星を滅ぼした実験もその怪獣に対抗するため)という恐ろしい結論に至っている。


◆『ネット版 仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦乙!~Heroo!知恵袋〜あなたのお悩み解決します!』では、
「出しっぱなし布団の謎(仮面ライダーアクセル編)において」電波人間タックルの元彼として目元に線が入るなどぼかされてはいるが、登場している。


◆アニメ『ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』にてサトシのヘイガニがロケット団に「ヘイヘイヘーイ!?」と言った際

「『ヘイヘイヘーイ』と聞かれたら」
「答えてあげるが世の情け…」
「フォッフォッフォ…世界の破壊を防ぐため」
以下略
とバルタン星人のパロディをやっていた。その時腕にヘイガニの腕に似たものを付けており、完全にバルタン星人である。

◆前述の通りマタンゴを流用した「フォッフォッフォッ」という声がもはや流用元をも超えて有名だが、
実は当時のノベライズでは「ウヒヒヒウヒウヒ」と表記されていた。


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最終更新:2024年01月17日 16:22

*1 作品によっては「白色破壊光線」とも。

*2 作品によってはバルタン星人側がウルトラマンへの恨みから積極的に彼らを狙うこともある。

*3 バルタン星人関連の力を持つアイテムが登場したりはするのだが

*4 氏のデザインコンセプトである「余分なものを徹底的にそぎ落として単純化する」に反する為。

*5 会話時点でも1人を残してバクテリアサイズで眠っていたらしい

*6 イデが「世界中の人口を合わせても22億なのに」とこぼしているが、地球の人口は70年代には40億人、現在は70億人となっている。無論、異星人の移民によって人口が倍増するのでは話が変わってくるし、当然食糧問題も生じるであろう。

*7 辰巳出版『ウルトラマンAGE』Vol.1掲載の特集記事など、R惑星を第2のバルタン星としたと考察する書籍もある。

*8 他の宇宙人は部下の怪獣を差し向けたり、円盤で攻撃するパターンが多かった。

*9 TCGバトルスピリッツ「ウルトラ怪獣超決戦」で収録されたカードでは《宇宙忍者バルタン星人ベーシカルバージョン》名義。

*10 字幕や公式ブログで確認出来る。なお、飯島敏宏監督によるとタヒチの言葉とのこと。おそらくタヒチ語で「ありがとう」を意味する「Māuruuru(マーウルウル)」が元か。

*11 ウルフェス2015ライブステージに登場したエックス・デンパゴンアーマーからの流用。

*12 別項目の記述にもあるようにハヤタやバルタン星人2代目本人が本編でその手の発言をしているため、テレポートだけ行ったと解釈するのを難しくしているが。