HOPELESS(ULTRASEVEN X)

登録日 :2012/04/07(土) 02:20:56
更新日 : 2017/08/01 Tue 00:33:25
所要時間 :約 5 分で読めます







ジン、迷っていてはダメ。
あなたは救世主なんだから……。


概要

HOPELESSとは『ULTRASEVEN X』の第三話である。
セブンXの本筋には殆ど関係ないものの、現代の若者達の雇用不安や無気力化を鋭くえぐった話として評価は高い。
「ウルトラマンは現代日本を救えるか」という書籍の中でも、ゼロ年代の若者のありようを描写した作品としてこの話が取り上げられた。


なお、この回に登場するマーキンド星人を演じたのは、コント赤信号の小宮孝泰氏である。


登場人物

ジン……主人公。記憶を喪失したまま対エイリアン組織DEUSに所属し、ウルトラアイでULTRASEVEN Xに変身する。
今回の話では自分たちが守ろうとしていた人間の醜い一面を突きつけられる事となる。


ケイ……ジンの相棒。記憶を失ったジンを受け入れる度量の広さと、やや武闘派な思考を持つ。
今話では地球を守る意志の強さを冗談交じりに語る。


エレア……この時点では謎の美女。
ジンの行く先々に現れては警告じみた発言を残していく。


マーキンド星人……今話の敵。普段はタマルという名で人間に化け、
公園付近に現れてはホープレスと思しき若者に声をかけている。


【ホープレス】
ある意味今話の真の主役。ケイいわく「夢も希望もない奴ら」
SEVEN Xの世界では失業者撲滅政策が掲げられているが、その実態は公共事業の名を借りた辛い労働だった。
それが嫌で逃げ出し、公園にしか住めず、無気力自堕落に日々を送る人々の総称がホープレスである。
……ん? なんか他の世界の出来事に思えないような……。



あらすじ

特に事件もない昼下がり、ジンは公園でウルトラセブンごっこに興じる子供たちを微笑ましく眺めていた。
そこに一人の男が近づきいい仕事があると誘う。断るジンだったが男は勝手にタマルと名乗り、名刺を渡して去っていった。

そのころ妙な死体の発見が続出する。いずれも外傷はなく脳が萎縮したのが直接の死因であった。
ジンとケイは早速調査を開始。やがて被害者達が死ぬ直前に急に金回りがよくなった ホープレス だった事を知る。


ジン「ホープレス……?」
ケイ「夢も希望もない奴らって意味さ」


二人は事件にタマルが関わっている事を知り「仕事」の現場に潜入することを決意した。



電話をかけるとすぐタマルに繋がり、時間と場所を指定された。
そこでトラックに乗せられ、二人とホープレス達は外が見えない状態で仕事現場に配送される。

タマル「やぁ、よく来たね。やっぱり人間働かなくちゃね」
ケイ「稼げるんだろうな」
タマル「もちろん」

最初に見せられたのはどう見ても地球の技術で製造できる筈がない、謎の巨大装置。
何を造っているのか訪ねる二人に、そんな質問をしたのは君たちが初めてだとうそぶくタマル。

次に案内されたのは頭に電極をつけたホープレス達がテーブルを囲み、ひたすら眠りこける場所だった。

ケイ「ふざけるな、こんな仕事があるわけないだろ」
タマル「それがあるわけ。脳から吸い取ったエネルギーがあの装置を動かしてるんだ。寿命はちょっとだけ縮むけどね」
ジン「彼らを騙したな!」
タマル「騙してない騙してない、この仕事につく前にちゃんとリスクは説明したよ。みんな了解してくれた」

そこに一人の若者が電極を外し、三人の元にやってきた。
楽な仕事だから百時間も働いた、これからは遊んで暮らすというその若者を待っていたのは突然の死。

タマル「あーあ、だから遊ぶ時間は残しとけと言ったのに」

その言葉に憤慨したジンとケイはタマルに銃をつきつけ、DEUSである事を明かす。
侵略はさせないというケイに、これらの装置はクライアントから依頼されて作っただけと言うタマル。
二人はホープレスを解放しようとした。だが。


女1「ちょっと、いい加減にしてくれる?」
ジン「は?」
男1「俺なんかまだ始めたばっかりなんだぞ」
ジン「君たちは命を削ってるんだぞ。しかも地球を侵略する兵器に利用されてるだけだ」
女2「エイリアンでもいいわ。お金さえ払ってくれれば」
ホープレス一同「そうだそうだ」
男3「明日の生活の方が問題だよ。未来なんてどうせ真っ暗なんだし」
ジン「」


言うだけ言うとホープレスたちは電極をつけ、再び眠りについてしまった。なんだこいつら……。


一方、作業現場でも
ケイ「作業をやめてください! あなた達は侵略者の侵略兵器を作っていたんです!」
作業員「そう……(無関心)」
ケイ「なんで作業を止めないんだ!」

金のため一向に作業をやめないホープレスたち。
怒ったケイがウルトラガンで脅し、ようやく作業は止まった。


ジンは逃げたタマルを追っていた。
マーキンド星人に変身したタマルに対し、ジンもまたSEVEN Xに変身しようとするが、


タマル「私を倒すならあのホープレスたちも倒すんだろうな。侵略に手を貸す人間、彼らも 同罪 だ」


という言葉に躊躇する。
が、最終的に迷いを振り切って変身。
等身大のまま、ワイヤーアクションを使った派手な闘いでマーキンド星人を圧倒。




【ネタバレ】













マーキンド星人「何も知らないお前にいい事を教えてやろう。あの装置を作るよう私に依頼したのは……. 人間 だ」
SEVEN X「!?」


直後、アイスラッガーが炸裂してマーキンド星人は死亡。結局クライアントの正体はわからずじまいで終わる。
マーキンド星人の最後の言葉に衝撃を受けたジンに、エレアは項目冒頭の言葉をかけるのだった。



街に解放されるホープレスたち。
男「あーあ、楽な仕事だったのになー」
ジン「……」
苦い思いを胸に、ジンは車でその場を去っていった。



【備考】

  • マーキンドとは「魔+商人(あきんど)」からきた名前。
  • マーキンド星人は眼鏡を外すという、SEVEN Xと対になる方法で変身する。
  • 最終章でのグラキエスの言葉から、マーキンド星人に装置製造を依頼したクライアントは、
    グラキエスの地球征服に立ち向かおうとした組織だった可能性がある。
    ただでさえ重い話なのに、反攻の芽をSEVEN X自身が摘み取ってしまったかもしれないと考えると更にやりきれない。




ウルトラマンX』に登場する個体


第14話に登場。
武器商人としてギナ・スペクターにメカゴモラのスパークドールズとXioが保有するスパークドールズの情報を提供するが、
その見返りに報酬を求めるもシャプレー星人に射殺される。

「X」つながりで起用だったのだがまさかの登場に視聴者を驚かせた。
ちなみに第5話でナックル星人バンデロが取り引きをしようとしていた相手でもあったという裏設定がある。




TSUIKISHUSEI X

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