マグカルゴ

登録日:2010/02/15(月) 21:56:05
更新日:2024/03/03 Sun 01:59:42
所要時間:約 7 分で読めます




体温は 約10000度。マグマが 固まって できた 殻の 隙間から 炎を 噴き出す。


ポケットモンスターシリーズに金・銀から登場したポケモン


■データ


全国図鑑No.219
分類:ようがんポケモン
英語名:Magcargo
高さ:0.8m
重さ:55.0kg
タマゴグループ:不定形
性別比率:♂50♀50

タイプ:ほのおいわ
特性:ほのおのからだ(接触攻撃をしてきた相手を30%の確率でやけど状態にする)
  /マグマのよろい(こおり状態にならない)
※上記の特性二つは本来の効果に加え、手持ちのタマゴの孵化歩数を半減する効果がある。
隠れ特性:くだけるよろい(物理攻撃を受けると防御が1段階下がり、素早さが2段階上がる)

種族値
HP:50→60(SMから)
攻撃:50
防御:120
特攻:80→90(SMから)
特防:80
素早さ:30
合計:430

努力値:防御+2

4倍:みずじめん
2倍:かくとう/いわ
1/2:ノーマルこおりどくひこうむしフェアリー
1/4:ほのお


■概要


マグマッグがレベル38で進化する。
進化する事でいわタイプが追加された。

身体がマグマで出来たカタツムリのような姿をしたポケモン。
だが本物のカタツムリと違って雌雄がそれぞれ存在している。
その背中の殻は身体のマグマが固まってできたもので、少し触れただけでボロボロと崩れてしまうがマグマの中に入る事で何度でも再生できる。
マグマの身体は冷えると固まって動けなくなるため、火山等の熱い場所に好んで生息するらしい。

そしてなんとその体温は1万度にも達する。
ブーバーやブースターはおろか、ウルトラネクロズマすら比較にならない高温である。
というより太陽の温度(約6000度)を大幅に超えてしまっている。
こんだけ熱いとぶっちゃけ戦った相手どころか繰り出したトレーナー自身も危ないような気がするが気にしてはいけない。
また、マグマの温度は地表では1200度位であり、マグマの温度でも1万度にまで上がる訳ではない。誤植を疑うレベルである。
そのトンデモ解説のせいで空想科学読本の題材にもなった。
ちなみに1万度の物体に人間がある程度近づくと有無を言わさず炭になるらしい。有効距離は数百メートルだとかなんとか。


■ゲームでのマグカルゴ


金銀から登場するのだが、出会えるのはジョウト地方クリア後であるカントーサイクリングロードのため、当時はとても影が薄かった。
主要トレーナーではカツラが使用する。

ルビー・サファイア・エメラルド』では進化前のマグマッグが「ほのおのぬけみち」等で比較的早めに出現し、主に特攻の努力値稼ぎの為に大量虐殺されている。
ちなみに主要トレーナーではアスナ等が使用する。

また『FR・LG』では「ともしびやま」、『ダイヤモンド・パール・プラチナ』では「ハードマウンテン」に登場する。
さりげなく金銀以降の全てのシリーズで皆勤賞をつとめていたが、第七世代で途絶え、第八世代では(特性的な意味でも)後輩に立場を譲って欠場した。
第9世代では「碧の仮面」で久々に本編復帰。何気に使い回しの多いポケモン図鑑の説明もなぜか新規のものが与えられた。

■対戦でのマグカルゴ


高い防御力を持つが、それ以外の能力は平均かそれ以下。
タイプはほのお/いわの複合であり、第八世代(剣盾)でセキタンザンが登場するまでは固有の複合タイプだった。
攻撃面では優秀な組み合わせだが、鈍足耐久型である種族値との相性が最悪。
何しろ弱点がみず・じめん4倍、かくとう・いわ2倍とメジャーどころがズラリと並び、特にじめん4倍が致命的である。
物理の超メジャー技「じしん」で楽々落とされてしまうため、最大の長所であるはずの物理耐久を活かし切れない……

データを見比べても分かる通り、耐性面は同じマグマ系のポケモンであるヒードランの下位互換。
具体的にはくさ・ほのお・どく・ドラゴン・フェアリーという実に5つのタイプの攻撃に対して差がついている。
相手が『もらいび』を無効化する『かたやぶり』等を持つ場合に限り、ほのお耐性ではマグカルゴが勝るが…。

ぶっちゃけ、対戦において比較的不遇なポケモンが多いほのおタイプの中でもブースターやクイタランと最不遇を争うポジション。

一応「じこさいせい」「おにび」「ステルスロック」「たくわえる」「どわすれ」「てっぺき」「あくび」「ひかりのかべ」「リフレクター」「おきみやげ」等、
ほのおタイプ屈指の補助技のバリエーションを持つのがせめてもの救いか。
使う前に落ちるとか言わない。

どうしても使いたいなら、こおり状態になることは滅多に無いので特性は『ほのおのからだ』推奨。接触技を使ってくる相手はほとんどが物理タイプなので、やけどにしてしまえば機能不全にできる。

じめんタイプの技を持たないハッサムマニューラ等なら結構耐える事ができるので、そいつらを起点にステロやおにびを蒔いてやろう。
コータスでやれ」なんて心ないツッコミは無しの方向で。

4倍弱点持ちではあるが、その4倍弱点がどちらもある程度読みやすい相手であるというのが特徴。そのためパラセクトと同じように、「相手の4倍弱点技を誘って後続を降臨させる」という使い方ができる。
第四世代ではこういった運用で使われたのだが、しかしこういったテクニカルなことができるのはいいとしても、肝心の「マグカルゴ自身を相手と戦わせる」のが難しいというのが最大の難点。
例えば、貴重ないわタイプの特殊アタッカーとして活路を見出そうにも、第7世代までは「パワージェム」を習得できない。
低い素早さを活かして「トリックルーム」下で戦わせようにも、「ふんか」などの高威力技を覚えることができず、「きあいパンチ」だとか「だいばくはつ」はもちろん、意表をついて確実に1匹持っていくような小器用なことができるわけでもないのである。マイナー使いのプレイヤーにとってもハードルの高いポケモンなのだ。

だが、実はマグカルゴ(マグマッグ)の特性は両方とも手持ちのタマゴの孵化歩数を半減させるという隠し効果がある。
この特性のおかげで日々タマゴ厳選に励む廃人達に引っ張りだこにされている。
今日も廃人達はマグカルゴを引き連れ廃人ロードを駆け巡る。
おかげでほとんどのマグカルゴは特に戦闘に出してもいないのになつき度MAXに。
その姿はさながら卵を見守る保母さんである。

一応ブーバーンバクーダも同じ特性を持つが彼らと違って入手がお手軽なのが最大の魅力。
マグカルゴ(マグマッグ)は出現率が高く特性はどちらでも良いので全く手間が無い。


…しかしBWからの新ポケモンウルガモスが特性『ほのおのからだ』持ちなうえ「そらをとぶ」まで覚えるためマグカルゴの価値が激減。
多くのマグカルゴが路頭に迷う事に…。
マグカルゴは犠牲になったのだ…ウルガモスの犠牲にな…
さらにXYから、より入手しやすく、進化の早いファイアローが登場する羽目に。
第七世代からはひでんわざが廃止される傾向になり、この差は埋まったものの、前作経由でないと手持ちに入れられない。
代わりにポケリゾートのシンボルとしてタマゴやポケモン達を見守っている。




これが何を意味するかおわかりだろうか。
そう、これらのポケモンたちの種族値の合計はみな410。
第六世代以前のマグカルゴと同等の数値なのだ。
進化前ながら『しんかのきせき』型で活躍できるポニータ、種族値の配分に無駄のないウソッキー、
特性のおかげで高い火力を誇るチャーレム、マリルリ。

それに比べ、進化後にもかかわらず無駄しかない配分、バトル向きではない特性、しかも唯一の役割すら完全上位互換の燃える蛾に奪われてしまった。
彼がいかに大変な思いをしているか感じ取っていただきたい。

そんなこんなで不遇街道まっしぐらの彼もBWにて「からをやぶる」を習得。
これにて遂に不遇脱却!…と思われたが、
素の火力の微妙さや有用な攻撃技の少なさ、最速で殻を破っても意外と抜ける範囲が微妙等の点で意外と落とせない相手は多い。
(タイプ自体は攻撃面で優秀でも特殊いわ技の威力が貧弱、確実に抜けるのが化身トルネロス&ボルトロスまでで112族とは同速勝負になる等)
さらにそのパルシェン以上に不安定なタイプや耐久力からアイテムや仲間のサポート無しでは積みの起点が作り辛い…と欠点はかなり多く、
劣化にはならないながらも「からをやぶる」を中心に戦うポケモンの中では特に扱いが難しい部類でもある。

とは言え、

「俺炎弱点だけど俺の方が速いし地震覚えてますからwww残念wwwww」

と、調子に乗ってた連中の殆どが、巻いたりしてない限り、
ホイホイ消し炭に変わっていくというのは数年前には考えられなかった光景である。
マグカルゴにとっては大きな進歩と言えるだろう。

さらにSMでは『くだけるよろい』による素早さ強化が1段階から2段階になった上、HPと特攻の種族値が10ずつ上昇した。
『くだけるよろい』発動後に『からをやぶる』で130族まで抜ける。
この場合、持ち物は「きあいのタスキ」推奨。

攻撃技は「だいもんじ」「かえんほうしゃ」「げんしのちから」「パワージェム*1」「だいちのちから」「めざめるパワー*2」から選択したい。
めざパの有力候補は氷か草あたり。

ただ同じくほのお複合の積みアタッカーとしてはやはりウルガモスの壁が厚く、バクガメスにも全ての種族値で劣っている。
一致岩技や「だいちのちから」、フェアリー耐性等で差別化を図りたい所か。

愛を持って使用すれば、きっとこいつは期待に答えてくれるはず。
でもスカーフ巻いた連中の相手は勘弁な!


■ポケダンでのマグカルゴ


「本編では地味なポケモンが化ける」というジンクスがあるポケダンシリーズでもよく登場し、プレイヤーを戦慄させる。

デビュー作である救助隊では、敵としてはストーリー後半、Lv1ダンジョンでは中盤から終盤にかけての関門の様な登場をしていた。
この頃は「あくび」「スモッグ」という不思議のダンジョンでは致命的な追加効果をもたらす技で厄介がられる一方で、プレイヤーキャラとしては
「進化すればすなあらしで削られない」「防御力を上げる技が多い」「一定の頃から爆発的に成長する」点を買われる、隠れて強いポケモンあつかいだった。

そして、探検隊から強敵としても本格的に覚醒。
部屋の彼方から「だいちのちから」をぶっぱなすその雄姿でプレイヤーたちを恐れさせていくのであった…。

マグカルゴの強化はこれだけにとどまらず、世代が進むごとに「やきつくす」で命綱のアイテムをパーにしてきたり、
「からをやぶる」で大暴走したり、教え技で「ねっぷう」まで覚えたり、特性で飛び道具を無効化したりと、ストーリー道中で戦うポケモンとしてはデンジャーな相手となっている。
ターン制バトルには向かない能力傾向、やたら豊富な技の引き出し、それらがローグライクゲームのシステムで補え、技の種類の多さが長所になるからこその強いポケモンであるといえる。


■ポケモンカードゲームでのマグカルゴ


原作ではかなり不遇なマグカルゴだが、一転してポケモンカードでは強いカードが多いのが特徴。
初登場した旧裏面時代は「炎エネルギーを任意の数トラッシュでき、その数に応じてダメージを加速できる」というワザ「ようがんりゅう」を持っており、
HPが少なく高火力技を出すのも難しかった時代において「お手軽に火力を出せる上にダメージ調整まで可能、オーバーキルすることなく殺せる」という利点で強ポケの一角として君臨し、堅実な炎デッキにおける強ポケの座を射止めている。
2021年現在のローカル殿堂ルールでは★1、最も少ないとはいえ規制の対象となっている。

ADV時代は「山札の好きなカードをサーチしてデッキトップに置く」というポケパワー「じならし」を持つカードが活躍した。
次のドローが好きなカードになる。これだけで弱い理由がないが、これにドローソースを組み合わせると事実上ノーコストの《パソコン通信》である。
特に「毎ターン1枚の追加ドローができる」というポケパワー「すいすいダンス」を持ったルンパッパとの相性は抜群によく、この組み合わせは「ルンパカルゴ」と呼ばれて一世を風靡した。

さらにこのカードがスタン落ちして10年以上後、2018年5月3日発売の「チャンピオンロード」でこのマグカルゴのリメイク品が登場して出て環境に顔を出しているようだ。
「じならし」のテキストはもちろんイラストまで同じという徹底した懐古っぷりである。


■余談


その見た目や、タマゴと常に一緒な姿から「某ヒゲのパートナーの某緑色の恐竜」に似ている事を度々ネタにされる。
だが、ダイノーズとは弱点が重複し、特にダブルでは両者に4倍かつ全体攻撃の「じしん」でまとめて倒されるので相性は最悪である。

マグカルゴ「でっていうw」



マグカルゴ「パワージェム習得したいなぁ…そうすれば撃破できる範囲広がるのに」
トウコ「流石に無理でしょ?アンタの殻って溶岩だもん」
マグカルゴ「…進化して俺の殻がダイヤモンド製に!…とかどうかな?魚がタコに進化する世界だし」

トウコ「…ダイヤモンド製ならあんたの体温で即効燃え尽きるわよ?」
マグカルゴ「ショボーン」


追記・修正は10000℃の高熱に耐えながらお願いします。

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最終更新:2024年03月03日 01:59

*1 第9世代以降

*2 第7世代まで