常識

登録日:2010/02/21(日) 19:13:36
更新日:2022/11/06 Sun 15:24:58
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じょうしき。
common senseの訳語。

健全な社会人なら持っているはずの(ことが要求される)、ごく普通の知識・判断力。


新明解第六版より。










つまり常識とは「誰でも知っていること」ではなくて「誰もが知らなくてはならないこと」である。

対義語は非常識。


しかし先人は上手いことを言ったもので、常識ほどわかりづらいものはない。

よく上司やその他人物から怒られたりすると「常識で考えろ」等という言葉を耳にするが、
本当にそれが常識であるのかどうかを確かめる術も定規も存在しない為、常識で考えた結果がそれであった、なんてことも珍しくない*1
また何を基準に常識を考えるかにもよって常識は変化する。

例えば日常生活において比熱や加速度の計算等は必要ないが、その分類を研究する人物にとってその計算式は常識でなければならない。

「常識的な知識」だけでなく、「常識的な時間・空間感覚」も職業等によって大きく変わってくる。
例えば、地質学者が言う「つい最近」はIT技術者が言う「大昔」よりもはるか昔の話であり、建築家の言う「極小」は半導体設計者の言う「巨大」よりもはるかに巨大である。

このように常識ほどわかりやすい例えとして使われ、その実わかりづらいものはない。
常識でどうのこうのと言われたらそれは単純に、常識を指しているのではなく、
「そんなことも知らないのか」と自分の知識において馬鹿にしているだけ、というのが関の山だろう。
なお、天才と謳われたアインシュタインでさえ、
『常識とは人が18歳になるまでに集めた偏見のコレクションである』
と常識の難しさについてこんな言葉を残すほどである。

※但し、アインシュタインがアスペルガー症候群という常識を理解しづらい体質であったことも考慮する必要がある。


しかし最低限人間として、社会人として必要な知識は常識だと断言してもいいだろう。

自分よりも上の人間に対しては敬語を使う、何事に対しても節度を守る、自分の気分如何に関わらず他人との接し方を考える、等は常識であるはず。
いや、常識でなければならない。
そう考えると近頃若年層の一部は常識が欠如しているとも言える。

成人式で暴れる成人等、まさにそのいい例だろう。








この常識を養う為に必要なのは親の教育や義務教育機関での教育であり、親もそういった機関に預けているから、と教育することを放置してはいけない。

しかし最近ではその常識を養う機会を親が、ましてや養わなければならないはずの教育機関が奪ったりもしている。国の常識も欠如しているのだろうか?








でもそうやって怒られたときにこのことを思い出して反論してはいけません。屁理屈をこねるなと余計怒られます。



ましてや怒られて、「チッうっせーな」と言った日には…
また、似た言葉に良識というものがある。こちらは、健全な判断力のことをいう。

例えば良識と正義心があれば圧倒的不利な状態からハッタリと勢いだけで無実の人間の無罪を勝ち取るのは当然である。
常識的に考えてそんなことが起こり得るはずもないが。




また武装した敵に追いかけられているとき、通路の脇で段ボール箱をかぶるのは「華麗なる潜入工作員」だけの常識であり、一般的には常識ではない。


最近では蛇神と蛙神に仕える巫女が捨て去ったものである。


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最終更新:2022年11月06日 15:24

*1 例えば「Aさんが暗殺者に殺されるのを阻止せよ」と命じられたとする。このとき、「人命は尊重されるべきである」という常識に基づけば「Aさんの身辺警護をする」という選択肢が現れ、「一度失われた命は二度と戻らない」という常識に基づくと「あらかじめAさんを殺しておく」という選択肢が出てくる。どちらの常識に基づいた行動をとるべきかは、先の命令がどういう意図なのかという情報が必要となるが、そこが伏せられると命じた者の意図と異なる行動をとってしまいかねない。