役割語

登録日 :2010/08/05(木) 04:45:44
更新日 : 2016/11/04 Fri 04:05:43
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役割語とは、発話者の性別、職業、性格などを強調したり識別しやすくするための作劇上の手法。
漫画やライトノベルのみならず、一般向け小説や映画字幕などヲタと無関係な世界でも見受けられる。

主に語尾や一人称や方言などによって、出身地や職業を識別する役目を果たしている。

【語尾など】


女性であることを示す「よ、わよ」や老人などを意味する「じゃ」など。

「説明書を読んだのよ!」                  コマンドー(映画)より
「それでもいいわ 近頃少し 地球の男に 飽きたところよ」   ピンク・レディー「UFO」より

「いやならやめてもいいんじゃぞ」              FINAL FANTASY ⅩⅠより

このようにオタクと関係のない一般メディアの、近年でもない作品にも見受けられるし、
例に挙げていないゲームなどの媒体にも使われていることが分かる。



語尾の示す役割は、年齢性別だけに限らないにょ
犬系などの動物キャラが使う事もあるワン。「バウ」な例もあるバウ
人間がその動物の要素を示したくて使う例もあるにゃ
つまりキャラ立てにおいて語尾は偉大ということザウルス!


【言葉遣い】

語尾ではないが、語の用法などが特殊なことをキャラクターの識別性に使うケースもある。

とあるシリーズには「○○力」を多用するキャラがいる
極上生徒会の「角元れいん」は「ホの字でライクでラブ」のように同じ意味の語を連ねる。(一部での通称:三連語)
ONE PIECEではグララララ!ゼハハハハ!など、
固有の(そして一般的ではない)笑い方をするキャラが複数見受けられる。


一人称


余とか我とか拙者とか。種類や使い分け方は単独項目に詳しい。

キャラクターの性質と分類について記述すれば、例えば「拙者」などは武士・忍者系キャラが用いる。
このため作品の描かれている時代そのものが古かったり、文明レベルが近代的ではないという事もある。

「拙者はただの流浪人でござる」 るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-より

武士という身分階級が実在した時代、実際に生きていた最後の部類の主人公。
このような武士・忍者キャラは「ござる」語尾の語尾キャラにも分類されるだろう。


忍法顔写しを使った時の台詞。「Jrでござる」と言っていないように、彼は語尾的にはござるキャラではない。
作品の舞台も現代なので、特殊な環境から蘇った超人でなければ普通に現代文明の言葉で生きている面もあるのだろう。

ただし近年の出演では「安心申した」とか「よく覚えておる」などの言葉を使っている。
「〜し申した」や「〜しておる」といった用法は古い日本語のものであり、特定の語尾ではないが現代の一般的日本語でもない。
これもまた前述した語尾ではない言葉遣いによるキャラ立てであり、役割語的な運用と言える。


【現実との差異】


「よ、わよ」を中年くらいの一般人女性が用いるのはTV等で見受けられる事はあるし、実在の方言話者であれば広島弁などで「じゃ」と言う人もいる。
しかし現代には芸能人のように「キャラ立て」を意識する職業ではなく、一人称が自然と「拙者」である人物などは少ないと思われる。
方言における一人称の「わい」などと違い、周辺環境からの影響度が低いからだ。(いくら近年は低下傾向があると言っても、方言話者の集団は拙者を常用する集団よりは当然はるかに多い)

このため、一人称が拙者のキャラクターの出現率は戦国や幕末漫画など特定の時代を除くと大きく減ると思われる。
ザ・ニンジャのように「作品の中でこのキャラだけ、この集団だけ」にすることでアクセントにする用途が一般的だからである。
逆に方言に関しては、現代文明での特定地方をモデルにした漫画などでモブやメイン含め方言話者の方が多数という例も見受けられる。
(「ナニワ金融道」や「カバチタレ」系列の漫画など。「カバチタレ」や「極悪がんぼ」では殆どの人間が広島近辺の方言で話し、標準語話者は元東京のキャリア警察官僚だったなど明確に出身が違う描写がある。)



金水敏さんに、敬意をこめて。


 追修願

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