登録日:2011/04/09(土) 15:48:05
更新日:2023/06/16 Fri 19:15:41
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※ご自身の健康問題については、専門の医療機関に相談してください


聞いたことはあっても実際にどのようなものかを知らない人が多いこの病について書いていきます。


【患者数】


3人に1人です。
アニヲタ民が6000人いるので、2000人以上が痔になる可能性を秘めています。



【種類】


主に次の4つが挙げられます。

◎内痔核(中の痔)
歯状線よりも内側、肛門の中にできるタイプで、知覚神経の無い粘膜なので痛みはあまり感じませんが、排便の時に違和感や残便感を伴います。
肛門外に脱出する程度になると、出血を伴ったり、腸液の流出が見受けられます。
肛門近くには太い血管が3本あり、刺激物の大量摂取や、固い便で擦れたり、いきんだりすると、この付近が大きく膨らむきっかけとなります。
ほとんどの人がこれになる可能性を秘めており、出産時のいきみでこれが出来てしまう女性も意外と多いです。
魚の骨が分解されずに肛門奥に突き刺さって内痔核を発生する場合もありますので注意しましょう。
この様に、誰にでも出来る可能性がある為、痔では最も患者が多いのですが、ステージ1~2の場合ならば生活習慣の改善やジオン注射(大きな痛みはありません)で治せます。
肛門外に脱出してしまうようなステージ3以上になると、伸びた皮膚を元に戻す事が出来ない為、切ったり縛ったりの手術をしないと治りません。

◎外痔核(外の痔)
歯状線よりも外側、いわゆる肛門の外にできるタイプで、知覚神経も近いので多くの場合は痛みを伴う様になります。
血栓性のものと内痔核の延長の場合があり、どちらも生活習慣の改善で治る場合があります。
軽度な血栓ならば患部を温める事で簡単に解消する場合がありますが、大きな血栓の場合は血液の塊を溶かす様な薬を処方したり、
手術で血の固まりを取り除いてしまう場合があります。

◎裂肛(切れ痔)
おそらく皆さんが想像する痔はこれでしょう。
いわゆるアッーな状態で痔になったらこれを疑ってもいいでしょう。
固い便ばかりしていてもなりやすく、逆に下痢によって肛門を痛ませたり、ウォッシュレットの使いすぎでなったりもします。
嗜好品や辛い物ばかりを食べていてもなりやすく、その発生原因から他の痔と併発しやすいのも特徴です。
肛門が切れているので軽度の出血を伴い、排便時やウォッシュレットの使用時には突き刺さる様な痛みを感じます。
軽度な場合なら生活習慣の改善で治る場合があります。

そして、ラストに

◎痔漏、ぢろう(穴痔)(蓮痔)(痔結核)
1番たちが悪いのがコレで、例えば、
切れ痔がヒトカゲみたいなもので、
痔核がリザードみたいなものならば、
痔瘻はリザードンみたいなものです。

他の痔と違って、放置しても治らないばかりか、最終的には穴がいっぱい出来て癌化します。

基本的には、肛門周囲膿瘍(膿の溜まる状態)を経て、痔瘻(瘻管が確立してしまった場合)に至ります。
出来た瘻管は自然には消滅しないので、それを取り除く手術が必要なのはもちろん、最悪の場合は人工肛門のお世話になることもあります。
また、たとえ手術が成功しても術後の回復に時間がかかります(開放術で2ヶ月程度、シートンは本数によりますが6ヶ月~)。

見た目は外痔核と似ていますが、の有無で判別できます。
外痔核らしきモノからがでていたら、それは痔漏の可能性があります。
膿が出来る時点で高熱や激しい痛みを伴います。それこそ、立っていられないほどの痛みになる場合もあります。
ある日、パンツにがついていたら、早急に肛門科で診察を受けましょう。
他の痔は温める事によって症状緩和の方向に向かいますが、痔瘻のみ温める事は悪化させる原因となります。

このぢろうは古代インドでも確認されており、今でも古代インドの治療法が、シートン法という名で使われています。



【日本の痔の歴史】


日本では医学天正記(1607)で存在が確認され、「痔漏痛不(レ)可(レ)堪、咽乾大便結」と記されています。



【注意点】


痔かなと思ったら早急に肛門科に行きましょう。決して恥ずかしがってはいけません。案外、女性の患者も多いものです(特に妊婦さん)。
ですが、その辺の入院設備の無い様な小さな肛門科や皮膚科には行くより、自分の住んでいる地域で評判の良い医師を探してから行きましょう。
ただし、肛門科があるとしても総合病院だけは避けましょう。総合病院は他科兼任の様な片手間な医師が多くて、技術的に信用できません。
よく分からない場合は、『日本大腸肛門病学会』の認定施設から選ぶとハズレが少ないでしょう。


見た目の状態と比較して入院期間は長めとなりやすいのですが、無茶を言って早期退院しても、回復まで苦痛が長引いたり、
ひどい場合は、予定よりも早く退院後、無理に動いて大出血(先に説明したとおり、太い血管が近くにある)で、救急車で病院に出戻った人を知っています。
早く治すのならば、安静にしている(入院は必然的に安静状態となる)のが一番の薬です。

痔によって異なりますが、ジオン注射、開放術、くり抜き術、結紮切除術、シートン法等の手術は、ものの30分程度で終わります。
その前の、絶食や剃毛、浣腸などの準備段階の方が長いでしょう。
腰椎注射や頸骨注射で下半身麻酔をかけるので、手術中に痛みを感じる事もありません。レーザーメスで切っている臭いは感じます。

なお、病院の手術数が多い=経験値が高いです。なにせ痔の手術に失敗すると、再発はもちろん、肛門が変形して便が漏れてしまう場合もあるのです。
痔に限った話ではありませんが、苦しまずにちゃんと治したいならば、治療技術に評判のある名医に診てもらうのは必要不可欠です。

また、痔を疑って病院を受診した結果、別の病気(潰瘍性大腸炎や大腸がんなど)だったというパターンもあり得ます。
こうした病の早期発見のためにも、おかしいなと思った場合は恥ずかしがらずに医療機関を受診しましょう


【痔の原因】

ここでは最も多く、さらに無自覚のうちに悪化させてしまう可能性の高い、中の痔、いわゆる「いぼ痔」について説明します。

まず、なぜ「いぼ痔」になるのでしょうか。それは人間の体の構造に関係しているのです。

人間は「座る」という体勢をとることが多く、それによって肛門付近に血液が溜まりやすくなります。
そうすると肛門の入り口、つまり直腸が鬱血し、便の通り道が狭くなってしまいます。
この状態で排便の時にふんばると直腸が圧迫され、「いぼ」となっていきます。
これが徐々に脱落していき、肛門から外側に出て来た途端に激痛が走ります。酷い人は歩けなくなる程の痛むを感じます。
見た目にも痛々しく、患者本人が言うには「2、3cm大の梅干しが3つ位肛門にくっ付いていた」とのことだそうです。

これは直腸内部では痛みを感じることができず、痛みを感じることが出来る外側に出てきたときに初めて痛みを感じるからであり、
無自覚のうちに悪化させてしまう原因もここにあります。



【予防法】
◆湯船にしっかりと浸かる
前述の通り痔は肛門付近の鬱血であることが多いので、体の血流を良くすることで大体は防げます。
低温ヤケドをしない様にして、尾てい骨あたりにホッカイロで温めるのも良いと言われています(肛門直撃はダメです)。

◆排便の際、いきまない。トイレは長くとも5分まで
鬱血状態でいきむことで、痔は発生します。なるべく力を入れず、尚且つ早く済ませることでも十分に予防になります。
さらにウォシュレットも30秒以内に済ませるのが好ましいです。それ以上は常在菌までも洗い流してしまって、逆に痔の原因となりえます。
勘違いされる方が多いと思いますが、上記の通り、肛門の不衛生さが痔の直接の原因になることはあまりありません。
まあ、かといって不清潔な状態では陰菌などの他の病気を招いてしまうので、油断は出来ませんが。

◆ウォシュレットを使用する
一番良いのは座浴なのですが、自宅ならばともかく一般的にこれを行うのは少々難しいので、ウォッシュレットを利用する人が多いでしょう。
自宅以外のウォシュレットは不潔だという人も居ますが、最近のウォシュレットは賢く出来ており、洗浄機能の付いている方が多いです。
定期的に使っているのなら、水タンク内に雑菌が増える事もありませんが、常時水を温めない瞬間式ならば雑菌がより湧きにくいです。
そもそも、多少の雑菌が水タンク内にあっても、便の方がはるかに多い(億とか兆クラスのレベル)ので気にする必要はありません。
ただ、上記の様に使いすぎには注意したいところです。外出用に携帯ウォッシュレットも販売されていますよ。

◆適度な運動とストレス解消
ストレスがたまる→便秘や下痢になる→痔になる、といった悪循環を防ぎましょう。
ストレスは血流の悪さにもつながりますから、肛門にとっては良いことはないです。
いきむような過度な運動も痔を引き起こしますが、適度な運動は血流が良くなり、ストレスの解消にもなります。
初期のいぼ痔防止には、肛門体操がおすすめです。

◆朝ご飯をしっかりと食べる
これは前述したことにも関係しますが、朝食を食べると眠っていた脳が働きだし、「排便しなさい」という信号を発します。
そのまますぐにスッと排便してしまえば、昼や夜に腹痛とともに長くトイレにこもることもなくなります。

そして、朝食の後に排便するためには、通勤などの理由から、ある程度の時間的余裕を持って起床する必要があります。
結果として、夜早く寝る必要も出てくることになります。

一つアドバイスをするとすれば、ヨーグルトを食べたり、ビオフェルミンを毎日飲んで、水分補給をこまめに行うことをお勧めします。
ビオフェルミンは単なるビフィズス菌の固まりであるので眠くなることもなく、腸の調子を整えてくれるため排便が大変楽になります。

適当な柔らかさ(練り歯磨き位の粘度が最適らしい)での排便が重要なのです。便が固いと痔核や裂肛を誘発を、下痢だと痔瘻を誘発しやすくなります。
これらの改善法は便秘や下痢、ひいては全ての生活習慣病の予防にも通じます。
要するに、規則正しい生活を心掛ければいいということです。


【痔主の有名人・芸能人】

※治療した方も含みます。

◆外痔核
  • 岡村隆史(ナインティナイン)
  • 小杉竜一(ブラックマヨネーズ)

◆内痔核
  • 松本人志(ダウンタウン)
  • イモトアヤコ
  • 中岡創一(ロッチ)

◆内痔核と裂肛
  • 若林正恭(オードリー)

◆痔瘻
  • 浜田雅功(ダウンタウン)
  • 夏目漱石
  • 正岡子規

◆裂肛
  • 大久保佳代子
  • 松尾芭蕉

◆脱肛
  • 杉田玄白

◆不明
  • 加藤浩次
  • ウド鈴木(キャイーン)
  • 高橋ジョージ
  • 高田純次
  • ウエンツ瑛士
  • 国分太一(TOKIO)
  • 徳光和夫
  • 加藤清正
  • 野口英世




追記、修正は肛門をいたわりながらお願いします。

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最終更新:2023年06月16日 19:15