宇宙を駆ける

登録日 :2012/04/14(土) 18:09:41
更新日 : 2017/06/15 Thu 13:17:00
所要時間 :約 6 分で読めます




ガンダムシリーズのネタバレが含まれるので御注意下さい。






「宇宙を駆ける」とは、「機動戦士Ζガンダム」の第50話(最終話)のサブタイトル。
及び、作中で使用されたBGMのタイトル。
「宇宙」は「そら」と読む。
同じBGMを指す名前は他にも「ゼータの発動」、「宇宙を駆ける~ゼータの発動」、「ジェリドとマウア(何故かマウアーではなくマウア)」等色々。

アニメ史に残る衝撃のラストから、このエピソードは伝説となっている。



【あらすじ】
ヤザンハンブラビの攻撃で重傷を負ったエマを、カミーユは救出していた。
しかし、エマの傷は致命傷、彼女は息を引き取ろうとしていた…。

「私の命を吸って…。そして勝つのよ」

ハンブラビ戦でΖガンダムがバリアを発動させたのを見たエマは、Ζガンダムが人の意志を吸って力に出来る事を知っていたのだ。
それをカミーユに告げて、エマは息を引き取る。
エマの想いを継いだカミーユは、ただ一人、戦場へと戻って行く。


一方クワトロは、コロニーレーザーの破壊を目論むシロッコハマーンとの戦闘に入っていた。
しかし、ジ・Oキュベレイとの圧倒的な性能差に百式は追い詰められ中破。

「まだだ、まだ終わらんよ!」

クワトロは、一度百式を降りてグリプス2の居住区へ逃げ込む。
ハマーンとシロッコもクワトロを追い、グリプス2の劇場跡へ足を踏み入れた。


劇場跡で対峙する三人は、互いの意見をぶつけ合う。

「私は歴史の立会人に過ぎんから、そうも見えるか…。が、シャアよりは冷静だ」

「私が冷静でないだと?」

「そうだよ!貴様はその手に世界を欲しがっている」

「シロッコの言う通りだな、シャア。ならばザビ家復興に手を貸せばいい。その上で世界のことを共に考えよう!この小うるさい見物人を倒してな」

「ハマーン。私はただ、世界を誤った方向へと持って行きたくないだけだ!」

「では訊くが…ザビ家を倒し、ティターンズを排除した世界で、お前は一体何をしようというのだ?」

「私が手を下さなくとも、ニュータイプへの覚醒で人類は変わる。その時を待つ」

「私に同調してくれなければ排除するだけだ。その上でザビ家を復興させる。それが分かりやすく、人に道を示すことになる」

「また同じ過ちを繰り返すと気付かんのか!」

「世界の都合というものを洞察できない男は、排除すべきだ!」

「それは違う!」

そこに、カミーユが乱入して来る。

「本当に排除しなければならないのは、地球の重力に魂を引かれた人間たちだろう!けど、そのために大勢の人間が死ぬなんて、間違ってる!」

その後、ファが現れ、それに乗じてカミーユとクワトロは脱出する。


Ζガンダム・百式・メタスは、追撃に現れたキュベレイとジ・Oとグリプス2内部で対決。

一方ブライト達は、コロニーレーザー発射の機会を伺っていた。レーザー砲内部には、まだカミーユ達が居る…。
ブライトが発射を躊躇う中、カミーユ達の脱出を確認する。

「来た…。よし、コロニーレーザー発射だ!」

ブライトの言葉でコロニーレーザーが発射され、ティターンズの艦隊を壊滅させる。

これにより、戦局はエゥーゴに傾く。


エゥーゴに勝てないと悟ったシロッコは、ジュピトリスへの撤退を試みる。
しかし、そこにΖガンダムが現れ、ジ・Oと激しい戦いを始める。

百式はキュベレイと対峙、大破していた戦艦にキュベレイを誘い込むが、予想外のファンネルの攻撃で戦闘不能に陥る。
ハマーンはクワトロをアクシズへ、そして再び自らのもとへと迎え入れようとするが、クワトロはそれを拒否。
クワトロは一瞬のスキを突き、戦艦の電気が漏れていた部分にバルカンを撃ち込み…戦艦は大爆発する。
キュベレイは難を逃れたが、百式とクワトロは爆発の中へ消えて行った…。


Ζガンダムはジ・Oと激闘を繰り広げていく。
すると突然、カミーユの脳裏にエマの声が響く。
エマ、ライラ、レコア、カツ、ロザミア、フォウ…多くの死者達が、カミーユに言葉をかける。
その中で唯一サラはシロッコを庇うが、カツの説得に応じて離れる。

「ゼ、Ζが…どうしたんだ!?」

謎の光を放つΖガンダムに戦慄するシロッコ。

「分かるまい!戦争を遊びにしているシロッコには、この俺の身体を通して出る力が!」

「身体を通して出る力…?そんなものがMSを倒せるものか!」

「カミーユはその力を表現してくれるマシンに乗っている…」

「女の声!?」

「まだ…抵抗するのなら!」


「ジ・O、動け!ジ・O、何故動かん!」

「ここからいなくなれ!」

カミーユの叫びと共に、ヘルメットのバイザーが割れる。

「私だけが、死ぬ訳がない…貴様の心も、一緒に連れて行く…。カ、カミーユ・ビダン…」

こうして、ウェイブライダーの突撃により、パプテマス・シロッコはその体を貫かれ、死亡する。
しかし、シロッコの最期に遺した怨念が、カミーユの精神を冒してしまう。
そして、ジ・Oを倒したΖガンダムは、爆発で弾き飛ばされた。


カミーユを探すファのメタスは、Ζガンダムを発見。

「カミーユ…?カミーユ、生きているんでしょ!?カミーユ、返事をして!」

そこでファが見たものは…

「…あ?大きな星がついたり消えたりしている…。あっはは。…あぁ、大きい!彗星かなぁ?いや、違う。違うな。彗星はもっとこう…バァーッて動くもんな!…暑っ苦しいなぁ、ここ。うーん…出られないのかな?…おーい、出して下さいよ。ねえ!」

呆然としながらも、ファはカミーユを連れて、アーガマに帰投。その最中、エマの形見にもなった半壊のガンダムMk-Ⅱを発見する。

「そう…お前もアーガマに帰りたいのね…」

今のカミーユの生き写しのように見えたのか、ファは悲しげに呟く。

その後、グリプス2から離脱したアーガマは、シャングリラへと向かう…。
宇宙には、大破した百式が漂っていた…。



【備考】
最終話で主人公が精神崩壊してしまうと云う結末は当時、多くの物議を醸した。

精神崩壊したカミーユは続編の「機動戦士ガンダムΖΖ」でも同じ状態だったが、それでもその能力は次代に力を与え、ファの献身的な看病で最終話には回復した姿を見せた。

因みに、PS版ゲームでのカミーユの精神崩壊シーンは、かなりホラーチックな演出になっている。


カミーユが精神崩壊した理由には様々な説があり、

  • シロッコに魂を道連れにされた。
  • 死念をとり憑かせた影響。
  • 増大し過ぎたニュータイプ能力にカミーユの精神が耐え切れなかった。

等の説がある。

なお、この最終話以前のカミーユの台詞の中には精神崩壊の兆しが見えている。(ロザミィを失った直後のファとの会話が顕著。)


ラストで宇宙を漂う百式のコクピットは開いており、シャア生存の可能性が示されていた。
実際にシャアは生存しており、カミーユの末路を見た事で地球に住む人類に絶望したらしい。
その辺りの話はPS版のゲームやGジェネFで補完されている。


劇場版ではカミーユの 精神崩壊は回避されている
これはファと肉体的な繋がりを持った事で自身のニュータイプ能力に向き合う事が出来、心にゆとりを持てたから…とされている。

「女達のところへ戻るんだ!」

「ファだけは、幻覚でもなければ意識だけの存在でもない…こうして抱くことができるんだから…!」

新訳ΖはΖΖに繋がらないがCCAには繋がるらしいので、シャアの絶望がどの辺りに生まれるのか、カミーユはどうなるのかは気になるところである。




追記・修正は、精神崩壊した人がお願いします。

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