才賀勝

登録日 :2011/05/29(日) 22:49:51
更新日 : 2017/03/05 Sun 13:24:11
所要時間 :約 5 分で読めます




からくりサーカス』の登場人物。
サーカス編、からくりサーカス編の主人公であり、物語全体の最重要人物の一人である。

初登場時は小学五年生、劇中の時間経過で六年生になる。



以下ネタバレ注意。



物語のプロローグである勝編では最初は泣き虫で何も出来ない、心優しい少年だったが父である才賀貞義の遺産を継承したことから物語は始まる。
もう一人の主人公である加藤鳴海との出会い、そして別れによって自らの過酷な運命に立ち向かう決意を固める。

サーカス編ではひょんな事から入団することになる仲町サーカスを軸に次々と入団する個性的な仲間達と生活、芸や人形繰りの練習をすることで、彼とエレオノールが人間的に成長、仲町サーカスの面々も影響を受けて次第にサーカス自体が立派になっていく姿がコミカルに描かれる。


その中で飛行機墜落事故に偶然居合わせた結果、ギイと出会い、幼い頃の記憶を持たない彼は自身の出生について疑問を持つ事になる。
そこでギイに示唆され、彼の運命が始まった屋敷に戻ることにし、一端サーカスを離脱する。

屋敷で物語の黒幕がダウンロードした自分に残した3体のマリオネット、そしてサポート用オートマータであるグリュポン、更に失敗した事を考え用意された再ダウンロード機を発見するも黒賀村の者達に襲撃される。
サーカスで鍛えられた運動能力とエレオノールに習った人形繰りにより脱出、祖父である才賀正二の屋敷に行く事を決める。


そこで物語の黒幕、及び正二のしろがねの血によってフェイスレスの目的とフェイスレスが自分に施したダウンロードの存在を知る。
更にフェイスレスの記憶がダウンロードされていた為正二の血によってそれが刺激、白金の人格が現れ、どの様な考えで、何をしてきたのかが明かされる。

因みにこのダウンロード理論は第一段階で記憶、第二段階で性格を刷り込み、そしてそれを結びつける第三段階を経る事によって本人の記憶や性格をフェイスレスの性格や記憶が上書きされることによってその人物がフェイスレスになってしまうという恐ろしい理論。
フェイスレス自身が溶けこんだアクアウイタエを飲ませるよりも確実かつ簡単で一種の「永遠の命」である。

ダウンロードが完全に行われていた場合、勝は「勝」ではなく「フェイスレス」である上、頭の回転の早さ、黒賀村の者から逃げ切った事、数々の経験により強くなった精神力等が皮肉にもギイや正二から勘違いされる原因となる。


しかし正二の屋敷にフェイスレスが襲撃、勝のダウンロードが完全でない事が証明される。

圧倒的な強さを誇るフェイスレスとO達にやられかけるが勝がフェイスレスに一矢報いた事でフェイスレスが「自分のスペア」という認識から「勝」という一人の人間に認識が変わり、2年間の猶予を設けてその場を去る。


戦闘中、フェイスレスに生命維持の水槽を破壊され、維持が出来なくなってしまった正二から全てを知った上でエレオノールを「守る」ことを託される。
これを承諾した勝はこの瞬間に「守られる側」から「守る側」へと立場が変化する事になる。


そしてからくりサーカス編でエレオノールを守る為には強くならねばならないとして仲町サーカス団を去り、黒賀村での肉体強化や人形繰りの修行を開始する。
冬、春、夏と季節が過ぎていく中でオートマータとの死闘を行いながら飛躍的に成長。
更に黒賀村の人達とも仲良くなり、お世話になっている3姉妹とフラグを建てる等忙しい事この上ない日々を送る。

そして久しぶりの仲町サーカス団との楽しい再開…になるはずだったのだがフェイスレスの進攻が再開、全てに決着をつけるデウス・エクス・マキナ編が始まる。


以上が彼の最終決戦までの流れである。


からくりサーカスの登場人物は加藤鳴海という強い信念を持った漢に強い影響を受ける人物が多いが勝とエレオノールは特に強い。
勝は彼のような人間になりたいと強く願い、「泣くコトがあってもいい、歯を食いしばるコトがあってもいいさ。でも…それ以外の時は、笑っていろよ。」等の彼の言葉は成長した勝を支える信念となっている。


作中最も成長した人物であるが実は潜在能力も作中トップクラスでそれはプロローグからすでに片鱗を見せており、フェイスレスの肉体のスペアに選抜されるほどであった。
巻数を経るごとにたくましく、強くなっていく。
初期と終盤では最早別人の域。

様々なことを経験したことによる決して諦めないタフな精神力に加え、10年間の英才教育と特別クラスでも最年少でトップで有り続けるほどの頭脳と頭の回転の早さ、自らの資質として一度見たものを記憶し、それを完璧に再現できる能力、フェイスレスの記憶をダウンロードされたことによる「分解」、正二の血によって剣術と常人よりも頑強な肉体と回復スピード、さらにギイの修行によってその様々な能力を生かす為のトレーニングと人形繰りを叩きこまれる。

また、フェイスレスが残した「ジャック・オー・ランターン」、「キャプテン・ネモ」、「ゴイエレメス」はそれぞれ強力なマリオネットで、特にジャック・オー・ランターンはブースター等の装備なしに飛行能力持つ為、黒賀村の刺客の度肝を抜いた。

上述の為、最後の4人を相手に互角に渡り合う、オートマータ達をいとも簡単に蹴散らす等鳴海に匹敵する力を手に入れる。
特に彼が黒賀村で最後の4人を相手に戦うシーンはジャック・オー・ランターンの登場時の格好良さ、修行の成果や最後の4人の初戦闘である為、人気の高いシーンの一つである。



最後のカーテンコールでは鳴海、エレオノール、フェイスレス、そして勝の飛びっきりの笑顔で締めくくられる。




「泣け… だって?」
「ぼくは…もう…いっぱい… 泣いたよ…」
「いろんな時に…いろんなトコで…」
「昔のことを知って泣いたし……」
「現在のこの…世界のことも…悲しくて泣いた…」
「でも…」
「もう… 泣かない…」
「泣いてたら…
 誰も助けられないから……」
「……だから今は泣くべきじゃない。」
「笑うべきなんだ。」

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