裏切り(展開)

登録日:2012/03/26 Mon 23:22:50
更新日:2024/04/11 Thu 11:09:00
所要時間:約 30 分で読めます





橘さん!(ダディヤナザン!)何故見てるんです!?(ナズェミテルンディス!?)

|M0)

ポワーン ポワーン ポワーン

橘さん…!!(ダディャーナザァーン…!!)

ポワーン ポワーン ポワーン

本当に裏切ったんですか!(オンドゥルルラギッタンディスカー!)
ワッダァ!(殴られる)


「裏切り」とは、漫画やアニメ、ゲーム等のフィクションの中での展開の一つ。


▽目次

概要

大半の作品で発生する展開で、ある意味お約束とも言える。
というか日常四コマとかでない限り誰も裏切らずに物語が進む方が珍しい。バトルものだと尚更。
日常系の裏切りと言えば「一緒にマラソンゴールしようね」とか「絶対秘密だよ」とか「独身仲間」とかだろう。

裏切りはイメージが悪いためか、裏切り者に「貴様、裏切ったのか!?」と問いかけても「裏切ったのではない」などと否定され、
「元から仲間のつもりなどなかった」「見限ったのだ」「先に裏切ったのはお前だ」などと反論されることも多い。

主人公側が裏切るか否かを強いられる展開もある。
軍隊、組織の上層部の腐敗を目の当たりにして身の安全や恩義のために留まるか、正義や理想のために組織を裏切るか選択を迫られる展開が多い。
もしゲームにおいて主人公がこの様な選択を迫られるとルートが分岐したり意外とすぐに収束したり。

作品によってはあからさまに怪しい奴がいることもあれば、意外な奴が裏切る事もある。
あからさまにうさんくさい奴が裏切らないと「あの怪しさは何だったんだ…」「人を見かけで判断しちゃ駄目だ」となる。
誰が裏切るのかとの予想もまた一興。かと言って実は誰も裏切らないという展開もあるので、あまりあれこれ考え過ぎるのも問題ではある。
穂村尊「どっかのバリアンのせいで疑いかけられました。」


【主なパターン】

大きく分けて以下数パターンに分かれる。

1、力を得る為

「我に力を―――っ!!!!」
「仕方なかったんだ!お前に追いつくには…!」

主人公のライバルポジションがよくなる展開。
己の目的を達成し得る強大な力を求めて主人公を裏切る。何らかの事件がきっかけで己の無力感や主人公への嫉妬心が爆発した故の行動であることが多い。
場合によっては力に目をつけた敵側から勧誘される事も。
大抵、このパターンの裏切りを行うキャラは高潔な理想や主人公以上の実力を持っており、彼らの行動が物語のキモとなり得る。
敵の思想に染まりきっている訳では無いので、主人公と決戦⇒敗北して改心⇒再加入or和解して安らかに死亡、はお約束の展開。
但し、聞こえはいいが後の7番に近い面もあるため、どうしようもない小物であることもありえる。

2、洗脳or怪物化


敵に目をつけられ洗脳(+αとして記憶操作されることも)or自我を失った怪物に変化し味方を裏切る展開。本人の意思ではないため、厳密には裏切りではない。
自分の意思と関係無く行動し、大抵凶暴、残忍になる。
作品によっては、洗脳と同時に改造されており、かなりのパワーアップを遂げている事も。怪物化の場合は言うまでもない。
相手は容赦無く攻撃してくるが、主人公達はかつての仲間を攻撃するのに抵抗を持ち本気で戦えず劣勢になる事も多い。
洗脳を解くのは決死の呼び掛けだったり思い出の品だったりシチュエーションだったりする。
洗脳を解いた後は主人公と共闘で元凶を撃破する展開はかなり熱い。
ズール皇帝こそ正義だ!!とナタクのファクターは表裏一体。
逆に怪物化した場合元に戻す方法が無い場合も多く、そうなると無残な姿になった仲間を自らの手で殺す羽目になってしまう。非常に後味が悪い。

3、敵の策略

「お前、なぜそれを知ってやがる…!?」

敵に弱味を握られたり、敵の陰謀で立場を追われるなどして、仕方なく裏切る展開。
大抵裏切る本人は迷っていたり後悔してる。
敵に人質を取られて(特に肉親)無事と引き換えに裏切る展開が多く、勘の良い仲間が気付いて人質を助けに行くこともしばしば。
上手くいった後に裏切った奴が「何故打ち明けてくれなかった!」と一度叱られて和解するのはお約束。

悪役が主人公達に関する悪事の情報を流し(大抵の場合はデマか誇張・誤解を招く表現)、それを信じた味方が裏切るパターンもここに分類されるか。

4、思想の違い

「もうアンタらにはついていけないよ……」
「私には私の考えがある。押しつけないで。」

主人公達の思想についていけなくなったり、敵に勧誘されて主人公の元を去る展開。
敵陣営のキャラが味方のやり方に不満を抱いて寝返ったり、反乱を起こすケースもよくある。
このパターンには主人公側にも非があったりすることも多い。
そのまま敵の軍門に下る例は少ないので厳密には裏切りでは無い。
去った者達はそのままフェードアウトしてラストに少しだけ登場したり、第三勢力を作り上げたりする。
再三に渡る主人公とぶつかり合ったり、ピンチの仲間を見捨てきれずに結局復帰するパターンも。

5、最初から敵だった


一番タチの悪い展開。
ずっと味方だと思っていた人物が実は敵のスパイor黒幕だったというもの。本来の所属は元から敵組織であるため、厳密には裏切りとは違う。
最初から相手をハメるor財産を奪うor踏み台として利用するために味方面をし、後に本性を表すというパターンもある。
苦楽を共にしてきた仲間だけに、裏切られたショックは大きい。ファンにとっても賛否が大きく分かれる。
ただしよく見ると言動が怪しく、正体を察せてしまう場合もある。
ちなみに裏切者本人も未練や罪悪感なのか「もう少し優しい○○(味方としての姿)で居たかった…」みたいなセリフを言うのも王道展開。

記憶喪失などで当人にその自覚がなかった場合、敵側の人物から真実を告げられることも。
根っからの悪人で、裏切った後も悪事を働き主人公達に殺される展開か、主人公達と共に行動するにつれ感化され、結果的に敵を「裏切って」主人公の側に付く展開が多い。
最近では相手の絆をずたぼろにするためだけに2クールも仲良くしていた努力家も。

視聴者に衝撃を与えるためか悪役がやる事が多いが、中には「味方側の人物が、敵組織に潜入している」という形で正義側が行うこともある。後の6番に近いが、「初めは敵側とされていた」という点が異なる。

ごくたまにスパイであると同時に敵の黒幕(またはそれに近い立ち位置)であるというパターンや、初っ端から出て来た強敵が正体を隠してそしらぬ顔で潜入していたというのもある。
印象深い前例がいるシリーズ物だと後のシリーズのいい人そうなキャラも疑われるようになるとかならないとか。

6、二重スパイ、実は裏切ってなかった

「裏切ったんじゃない、表返ったんだよ!」
「それに僕、嘘泣きしかしたことないし?」
「最後の最後であえて親友をうらぎらない(・・・・・・) それが僕の最高のうらぎりさ」


味方を裏切ったと思われたが実は敵を欺く為の演技だった展開。
但しラスボスにはバレバレだったりして、わざと泳がされることもある。
目的は情報収集だったり内部からの組織のコントロールだったりする。
しかし敵にバレるとほぼ瀕死状態で拷問or即処刑。成功すれば敵は物凄く怒る。

逆に演技が上手すぎる上になまじ腕前もあるために、裏切った振りをしているのに誰にも見破られないどころかかつての味方を絶望させてしまった事もある。
一応後の作品で再現された際は「戦闘アニメで今までほぼ百発百中だった弾があからさまに外れる」という描写はあるが、原作未見者にとってそれだけで彼が演技と見抜くのは難しいだろう。

7、私利私欲


野心や保身から味方を裏切るパターン。
大抵の場合は小物悪役だが、失敗をやらかして、処刑や一生日陰者が確定した奴が、「元いた勢力をやっつけなくては未来はない」「敵の敵は味方」というわけで敵対勢力に味方することも。
このタイプの亜種に相手の組織の構成員に恋愛感情を抱いた結果、恋は盲目モードに陥り裏切るケースがある。

8、敵が裏切る

「昨日の敵は今日の友、だろ?」

敵が改心して主人公達に協力する展開。いわゆる光落ち。元々黒幕に騙されて従っていたりと、元来悪い人物ではないパターンが多い。
協力した敵に待ち受ける運命は2通りあり、そのまま完全に味方化してレギュラー入りするパターンと、何らかの犠牲や上司に殺される等して協力した直後に死ぬパターンがある。
プリキュアシリーズ』や『ファイアーエムブレムシリーズ』によく見られ、どちらもイケメンか美少女である場合が多く、シリーズファンは敵にやけに気合の入ったデザインのキャラがいると自軍加入展開を予想する。

最も、今までやったことがあまりに酷いくせに、急に善人化して味方になって全部許されるというのも釈然としないためこのパターンには意外とライターの力量がいる*1

「別に主人公とも仲がいいわけでもないが、別の悪を倒すために手を組む」というケースも。この場合は敵ボスや敵組織そのものと共闘するという非常に熱いシチュエーションになることもよくある。

主人公陣営には付かず、別の敵陣営の軍門に下るパターンもある。

9、コウモリ野郎


敵になったと思ったら味方になり、味方になったと思ったらまた寝返ったり…を繰り返す奴等。私欲や身の保全に走る者、己の信念がはっきりしていない者、日和見主義者がこうなる事が多い。
普通では最低だが、漫画などではどこか憎めないやつらが多かったりする。
近年のシリアスな作品だと誰にも信用してもらえず、立つ瀬が無くなってみじめに破滅という笑えない末路を迎えることも増えてきた。
選択肢のあるゲームだと、プレイヤーの選択次第で主人公がこうなってしまう場合もある

10、それぞれの立場で板挟みの人物



主人公陣営と敵陣営の双方と関わりが深く、苦渋の決断の末に主人公と敵対する者達。
在りし日の友情や絆は、敵対してしまった物語展開の悲劇性をより演出する。

自己犠牲も辞さない鋼の意思に裏打ちされている事も多く、そのままでは説得が難しい。
しかし、再度の説得や和解に成功した場合には、敵対する双方の陣営を繋ぐキーマンに変わる事も。

11、仕事の都合で


「よく来てくれた。」
「残念だが、目標などはじめから居ない。」

「クラインの言っていたことも、あながち杞憂ではないということか……」
「君は危険だ。消えてもらおう。」

上記5に近い展開。
ACのお約束。そして通過儀礼。傭兵はつらいよ。


12、捨て駒、用済みになったため



こちらも上記5に近いが、特徴としては敵側に多い変則的な展開。
敵側から送り込まれた刺客が主人公達を苦しめるが、実は敵側にとってはその刺客すら自分達の目的を達成するための生贄に過ぎず、共倒れを狙ったり主人公諸共始末しようと目論む卑劣極まりない展開になりやすい。
刺客が傭兵といった職業だった場合、依頼主が報酬を払いたくないからという身勝手な理由で契約を反故にする展開も多々。
目的を達成させたら刺客は既に用済みとなるので、知らんぷりのまま見捨てることも多い。

後になって刺客となった人物はそれまで仲間だと信じていた味方の本性を知り、8のパターンとなって主人公側に協力する展開になりやすい。

余談

裏切り展開は、何も味方側や改心しようとする敵に限ったことではなく、敵組織の内部抗争という、幹部が仲間割れする展開も見られる。
この場合は敵幹部同士が腹の探り合いを続けた後、組織のボスに下剋上を挑む私利私欲のために暴走するなど、組織の和を乱し、主人公たちにつけ入る隙を与えてしまうことに。
こうした裏切りキャラは目論み通りにボスになる、組織から離脱し第三勢力となるor失敗して粛清されるなど、末路は様々。
裏切りキャラが胡散臭い参謀役だった場合、裏切りを機に黒幕としての本性を現すパターンもある。


余談2

裏切った者が、その後どうなるかは様々だが、基本的に主人公たちと行動を共にすることは少ない。騙していたことが分かってなお、信頼や連携することはできないだろう。

しかし、ソーシャルゲームになると事情が変わり、裏切っても平気な顔をして一緒に戦闘に参加する
課金して手に入れた、または強化したキャラが、裏切ったのでいなくなりました、なんて事はできないので仕方ないのだが……。
まあ、そういったゲームでは一応理由づけがされている事が多い。

以下、裏切り者たち

※以下五十音順。人によってはネタバレになるので、閲覧には十分注意してください。

  • 番号早見表
1、力を得る為
2、洗脳or怪物化
3、敵の策略
4、思想の違い
5、最初から敵だった
6、二重スパイ、実は裏切ってなかった
7、私利私欲
8、敵が裏切る
9、コウモリ野郎
10、それぞれの立場で板挟みの人物
11、仕事の都合で
12、捨て駒、用済みになったため

◆人物名(登場作品) 分類














追記・修正・追加お願いします。

『最後の最後であえてアニヲタをうらぎらない それが僕の最高のついき・しゅうせいさ』

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最終更新:2024年04月11日 11:09

*1 上記の裏切った直後にすぐ死ぬパターンが多いのも、味方にするには罪が重すぎるため死ななければ許されないという側面があるのも大きい。

*2 古畑も裏切るが、安藤に釣られる形である。だが極限状況下の中、大金を得て生き延びられるチャンスがある状況だったことを考慮しても褒められたものではない。それ以前に、話が始まる前の段階でカイジを連帯保証人にするという裏切りを行なっている。

*3 但し深山雪男の漫画版では敵組織とは直接の関係に無い。

*4 α世界線のみ。それ以外の世界線では主人公を裏切らない。

*5 状況のせいで精神が崩壊したうえでの凶行だったため、若干ニュアンスが異なるが

*6 劇中で裏切った理由や背景がほぼ描かれておらず、考察できる材料も少ないため。可能性があるとすれば1、2、3、4、5、7、10のどれかで、劇中の台詞から察するに有力なのは3、4、5、10。

*7 当初は味方化の予定だった

*8 但し、劇中に出てきた彼とは別に「本物」がいる可能性が示唆されている。

*9 ロウルートだとカオスヒーロー・カオスヒロインが、カオスルートだとロウヒーロー・ロウヒロインが主人公を見限る。ニュートラルルートだと両方とも見限る。キャラによっては1、2も入る。