口内炎

登録日:2010/03/13(土) 22:30:24
更新日:2024/02/04 Sun 09:44:52
所要時間:約 4 分で読めます




※ご自身の健康問題については、専門の医療機関に相談してください

口内炎(こうないえん)とは、口や舌の粘膜に起きる炎症の総称で症候の一つ。
口の中にできる炎症はだいたい含まれるが、歯茎にできると「歯肉炎」、舌にできると「舌炎」等と呼び分けられることもある。

細菌感染、ウイルス感染により発症するものもあるが、ここでは一般的なアフタ性口内炎について記述する。

【症状】

口内粘膜に直径5mm程度の灰白色班(アフタ)ができる。痛みを伴い、悪化すると滲み出るように出血する。(発症時は口臭を伴うことがある)
一度に複数できる場合もあるが早ければ1週間ほどで自然完治する。
稀に、口腔の奥の喉に近い位置に発症することがあり、その場合は上気道炎と殆ど変わらない症状(発熱など)を伴うこともある。

発症した人は充分分かるだろうが


非常に痛い


重傷だとロクに物が食べられなくなり、食べられても傷口にかなり滲みる。調味料や熱い汁物等はもってのほか。
特に、舌にできると何もしてなくても痛い。風にあたるだけでも痛い、兎に角痛い、常に痛い
気になって患部をいじくるとやっぱり痛い
あくびをしても痛い

例えコワモテの兄ちゃんや、百戦錬磨の兄ちゃんでさえ耐えるのは不可能に近い。それ程の激痛である。
悪いことに大抵腫れ上がって凸状になるため、場所によっては噛みやすい。口内炎を噛んでしまったらそれこそ涙目になるくらい痛い。
かのT.M.Revolutionも「嫌でも気にかかる口内炎のような痛み」「触りたがる舌のせいで余計痛む」と歌っているように痛い。


【原因】

  • 偏食によるビタミン、鉄分等の栄養不足
  • ストレスや睡眠不足、疲労、別の疾患による免疫力の低下
  • 不正咬合や粘膜への物理的刺激(歯ブラシ、口内を噛む、喫煙、飲酒等)
  • 唾液の不足、口腔の乾燥
  • 口腔内の不衛生
  • 粘膜の損傷

上記のことが主な原因として上げられるが、口内炎になりやすい体質の人もいる。
なお、「食べ物の好き嫌いが多い」「胃腸粘膜が荒れている」という説も一般化している。

また、体の冷えや細菌感染からのリンパ腺の腫れにより首から上のリンパの流れが悪くなることで頬から口唇、舌にかけて生じた浮腫みが原因で、
そこに歯が当たったり歯磨きの際に傷を付けた跡が口内炎となることも多い。(前兆として水疱のような症状が出て、それが破れることもある)
この場合は、根本的には頭部の浮腫み(=リンパ腺の腫れ)をもたらす原因を取り除くことが対処となる。

発症したくない、早く治したい人はなるべく粘膜を傷付けないようにし、よく歯磨きをして口の中を清潔にし、バランスの良い食事をし、体を冷やすことを避けて規則正しい生活を心掛けよう。

【治療法】

治療方法については自然完治するのを待つか、歯科や耳鼻科、口腔外科、皮膚科、内科等で診てもらうのが一番早いだろう。
ドラッグストアに行けば、口内炎用の薬も販売されている。

口内炎の治療薬としては「ケナログ」が有名。ジェル状で、綿棒に少量つけて患部に塗るだけで膜を形成してくれる。
この膜、殺菌や治療の効果があるのは想像に難くないだろうが、実はほぼ全ての刺激から患部を守ってくれる。

しかし数年前に売られていたケナログに比べ近年のものはサラサラ度が増しており、つまり引っ付きがかなり悪くなっている。
これは口内の薬としてはかなり痛い。塗っても喋る、食べる等したらすぐに退いてしまうからである。

また、ステロイド(副腎皮質ホルモン)が配合されている薬を使うときは口内炎から膿が出ていないか注意すること。
膿が出ている場合は間違ってもステロイドを使ってはいけない。ステロイドなしのものを使うこと。

最近の歯科医院では口内炎のレーザー治療をしている所もあり、医療用レーザーで口内炎の表面を焼いてくれる。
痛そうに聞こえるが照射中に少しジリジリ来るくらいでそれ以降の痛みを和らげ、再生を早める効果があるとされている。

民間療法は、ベーキングパウダーを傷口に塗る(炭酸水素ナトリウムには殺菌作用がある)、
うなぎを食べる、市販のビタミン剤を飲む、はちみつを患部に塗る、線香で患部を焼く、イソジンでうがいする*1などがある。
昔であれば 塩を患部に刷り込む というのもある。
浸透圧の原理で患部の汚染された体液が一気に外に出るため雑菌が入ったのが原因の口内炎であれば治癒に寄与するのだが
当然の結果として地獄の激痛となるのでよほどのバカマゾでなければ殺菌に加えて消炎鎮痛効果もある市販薬を使う方がいい。
ただし、こうした民間療法は効かない場合もあるので、基本的には市販の治療薬を使用するか、病院を受信した方が良い。

以下、口内炎マスターによる薬の種類の解説
※筆者の感想を含みます。
(経済はお値段+量)

  • ケナログ
効力★★★★★
粘着★★☆☆☆
経済★☆☆☆☆

ご存知ケナログさん。上記の通り退きやすくなったので、休日や一人でまったり(口を動かさない時)する時に特に塗っておきたい。

因みに『第一類薬品』なので、現在の法では薬剤師等の管理の下でなければ販売してはならない。
居ないのに普通に販売員が売っていた場合、そのお店は違法である。


  • サトウ口内軟膏
効力★★☆☆☆
粘着★★★★☆
経済★★★★☆

水色の箱に入った、その名の通りサ○ウ薬局の口内炎用軟膏。
効力こそやや微妙ではあるが安い割には粘着力があり、量もある。パッチ系が苦手な人で口内炎の痛みがピークの人にオススメ。


  • 大正口内軟膏
効力★★★☆☆
粘着★★★★★
経済★★★☆☆

赤い箱と軟膏がトレードマーク。
粘着力が大変よく、接客業等で喋りまくっても粘り強く患部に残ってくれる。
効力もケナログ程ではないが悪くなく、総合的にかなり使える薬であると思う。


  • トラフルダイレクト
効力★★★☆☆
粘着★★★★★
経済★★★★☆

一日1~2回患部に直接貼り付けるタイプの治療薬。
貼り付けることで瘡蓋及び傷テープのように患部を保護するので、ある程度の飲食も行える。
そのうち溶けるので剥がす必要もない。
固形薬品の如くフィルムが包装されているので量も多い。


  • うがい薬(アズレン系)
効力★★★☆☆
粘着☆☆☆☆☆
経済★★☆☆☆

某軍艦擬人化ゲームとは無関係。イソジン系は濃褐色の液だが、こちらは液が青いタイプ。
イソジンはヨウ素による殺菌作用を薬効としているが、こちらは主成分であるアズレンが持つ消炎鎮痛作用が薬効となる。
このことから、これを使って口の中をよくすすぐことで治癒を促進する効果がある。条件にもよるが、一日程度治りが早くなることが期待できる。
患部をコーティングするなど、ただちに症状を楽にする効果はほとんど無いので注意されたし。


なお、実のところ口内炎がしみるメカニズムは、患部の皮膚や粘膜の保水効果が失われることによって体組織の内外で浸透圧による水の移動が発生し、
それによって体内側のミネラル濃度が変化することで神経が刺激されるのが原因である。
すなわち、体内の水分とミネラル濃度が近い液体(生理食塩水、スポーツドリンク、適切な塩分濃度の味噌汁やスープなど)は殆どしみることがないので、覚えておこう。


【注意点】

ここまでアフタ性口内炎について触れたが、まれに重大な病が潜んでいる事もある。
数週間経っても痛みや腫れが治まらない、病変が大きくなる、短期間に何度も再発するなどの症状がみられる場合は、早急に病院を受診してほしい。

口腔内の疾患に白板症というものがある。
その名の通り傷が白い板が張り付いているように見える。
がん化する可能性がある為、病院を受診して欲しい。


追記・修正は調味料を口一杯に含んでお願いします。

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最終更新:2024年02月04日 09:44

*1 なお、メーカーは治療効果があるかは公言できないものの、予防には効果があるとしている。