メガゾーン23

登録日:2011/05/31 Tue 22:36:10
更新日:2024/02/27 Tue 00:33:26
所要時間:約 7 分で読めます




メガゾーン23とは1985年に発売されたロボットアニメのOVAのことである。
製作はアートランド・アートミック・AIC。


元々は『機甲創世記モスピーダ』の後番組が転じてこの形となった。バイクが変形するのはその名残。
また、板野一郎等マクロスの製作スタッフが集められ、ロボット・歌等マクロスと似通った作風にされている。
おかげでTV版ミンメイの中の人と同じ失敗をしている。

当時はDVDはなくVHSであったが、OVAのアニメ史上最大の売り上げ数を誇り累計26518本売れた。
この大ヒットを受けOVAというジャンルが発展することになる。


今作はシリーズ作となっており続編として「PARTⅡ」「Ⅲ」がありシリーズごとにキャラクターデザインが変わり、特にPARTⅡはキャラが続投してるので誰だお前に必然となる。
なお、アイドルポジションのイヴは特別な製作班が担当している。




【ストーリー】

1980年代の東京。人々はその「一番良い時代」を謳歌していた。主人公の矢作省吾もその一人である。

街中をバイクで駆け抜け、ふと出会った美少女・高中由唯の存在に一喜一憂し、若さゆえの有り余る力で拳を天に向かって突き上げる…そんな日常を過ごしていたある日、友人の中川真二にとある地下駐車場へ呼び出された省吾は、真二が盗み出してきた巨大な試作用軍用バイクを見せられる。
今までに見たこともないそのバイクの名は、ガーランド。しかしそこに軍関係者が現れ、真二を射殺してしまう。

ガーランドを彼らの手に渡すまいとした省吾は必死に逃走する。やがて、時代の大きなうねりに翻弄されてゆくとも知らず・・・。


なお1980年代なので自動販売機を叩くと缶があふれ出てくる
現在は通用しない



【登場人物】

PARTⅠ

PARTⅠ、PARTⅡの主人公。やさくではない。
バイクで暴走するDQNだが、まだ救いようがあるころ。
盗んだバイクで走りだしたおかげで波乱万丈の人生を送ることとなる。

当時まだ新人声優だった主演の久保田雅人氏は後に・・・

  • 高中由唯(CV:川村万梨阿)
ヒロイン及びお色気担当。今や化石化としたダンサーを夢見る少女。
夢の為に身体まで売ろうとするが省吾に阻止され、好意を抱き始める。

  • 夢叶舞(CV:荘真由美)
由唯のルームメイトその1
歌手志望であるが、実は夢叶財閥総帥の娘であり、現在は家出中の状態。
イヴのような歌手になるのが夢であったが、終盤で友人の智美が軍に殺されたのをキッカケに夢を諦めて実家に帰ってしまった。

  • 村下智美(CV:富永みーな)
由唯のルームメイトその2
映画監督を目指しており、自主制作映画のために省吾のガーランドやバハムートを撮影していたが、その行動を知った軍に口封じで殺害されてしまった。
死後、撮影したフィルムを軍に処分されてしまい、情報操作で省吾が智美殺害の容疑者に仕立て上げられる事となる。

省吾の友人。
ガーランドのテストライダーであったが、序盤でガーランドを無断で省吾に見せたためにB.D.達に目をつけられ、バイクで逃げようとしたところを銃撃されて死亡。
その後、軍の情報操作で「真二はアメリカで3か月間研修」という事にされた。ちなみに後述のラジオドラマでは妻子持ちであった事が明かされた。
山寺宏一氏のデビュー役である。

  • ココ(CV:高木均)
バイクショップのオーナー。
サングラスと薄い頭がトレードマークの中年でいわゆるおやっさんなキャラ。
省吾が持ち出したガーランドを塗装していた。

  • モーリー(CV:三ツ矢雄二)
  • チョンボ(CV:鳥海勝美)
省吾のバイク仲間。
中盤でB.D.が軍事独裁を開始した後は軽い気持ちで軍に入隊しており、その様子をTVで観ていたココを呆れさせた。

軍事独裁を企むサングラスとリーゼントがチャームポイントな軍人。パイロットの腕前は一流で省吾のガーランドを完封した。
また策士でもあり秘密を知った省吾を仲間にしようと交渉したこともあった。

  • 時祭イヴ(CV:宮里久美)
ときまつり、と読む。この世界の人気絶頂のアイドルなのだがライブを行ったことが一度もない。
やけに裸のシーンが多い。その正体は実は…


PARTⅡ

PARTⅠの半年後の世界

主人…公…? 誰だお前。見た目も声も変わって誰だかわからない。おまけにロボにも余り乗らない。
DQNに磨きがかかって店内をバイクで人を惹きながら暴走したり警察をリンチしたり、もはや擁護しようがない。

  • 高中由唯
誰だおm(ry
声は同じ以外面影がない。空気。

  • B.D.
だr(ry
塩沢さんの声が特徴的なため上二人ほどは理解できる。半年経ったら若返った。
製作予定の『XI』では、MZ艦の一つ、MZ11にたどり着き、そこで抵抗組織の幹部になったらしい。

矢作の友人で暴走族TRASHのリーダー。ガーランド乗るしこいつがほぼ主役。
パトカーを壊されたマッポの顔はマラリアにかかったハコフグのようだったらしい。

  • その他TRASHメンバー
世紀末とかウドの街にいそうな人ばかり。
スパロボDではライトニング共々召喚される。
ⅡのED後の世界は想像したくない

  • 時祭イヴ
ヒロインに昇格。街が崩壊する時の歌の意味とかが説明不足とかで視聴者置いてきぼり。鼻声。


PARTⅡから数百年後の世界

エデンシティの少年。
天才的なゲームの実力、そしてハッカーとしての腕前を持つ。
EX社のガーランド部隊に属していたが、オリジナルのイヴと出会ったことでEX社と戦う事になる。
苗字から察するに唯の血縁の可能性が高い。

  • リョオ・ナラハラ(CV:笠原弘子)
イヴにあこがれる少女。
シオンともつながりを持つ謎の一面もある。
空気。

エイジの友人。
オレンジ社のハーガン部隊を率いて戦うが、オリジナルガーランドに敗れて命を落とす。
当初は紫色の長髪だったが、オレンジ社にスカウトされた後は角刈りのような茶髪に変わった上に首の後ろには機体のシステムと一体化するための接続端子が埋め込まれる等、初登場時の面影が無くなっている。

  • ヤコブ(CV:安宅誠)
EX社の管理局長。
首にプラグをINすることでガーランドのパイロットの精神に介入できる。
物語終盤、自身もオリジナルガーランドを駆って戦う。

エイジの上司となったEX社の女性職員。
EX社において数少ない良心の象徴であり、終盤では市民の安全よりも街のシステムを優先するヤコブに抗議したが、彼からは用済み扱いされて容赦なく射殺された。←パンパンパン

オレンジ社のエージェントだが、物語途中からオレンジ、EX、どちらにも属さず、街を守る為に戦う。
ジェレミアは無関係。

  • デレクマン(CV:阪脩)
オレンジ社の会長。
EX社の支配体制の転覆を目論んでおり、シオンやバドをレジスタンスとして利用している。
現政権に対する不満でクーデターを起こそうとする点では前作のB.D.に近いポジションであるが、実際は自らの手を汚す覚悟もなくEX社打倒のためにシオン達に全ての責任を押し付けてスケープゴートとして使い捨てる等、所詮はEX社の後釜に座りたいだけの小物に過ぎず、最後はシオンの反乱とEX社による手痛いしっぺ返しで計画が水の泡となってフェードアウト。その後の末路は不明。

  • ウォン・ダイ(CV:中田浩二)
エデンシティを管理する長髪の老人。ドゥガチじゃないよ。

  • 時祭イヴ(CV:高岡早紀)
実質的なヒロイン。
髪がショートヘアで赤いルージュをひいてる等、見た目も声も変わっている。



【メカニック】

MZ23関係

主役メカ。バイクに変形する。カッコイイ
バイク時(MC)は最高出力:525馬力、最大トルク:60.6kg、最高時速:320kmのモンスターマシン。
登場初期は黄色だったが偽装のため赤色に塗装される。
B.D.に敗北後、軍が回収する。
詳細は項目参照。

軍の主力量産機。立ち位置はジム。ガーランドとは違い自由に変形できない。
他にもスペースハーガンという宇宙用の機体もある。
詳細は項目参照。

  • プロトガーランド
ガーランドを改修した機体。なのにプロト

  • GR-Ⅱガーランド
ガーランドを解析し量産した機体。
タイヤがないハイテク機。だがやられ役。

  • ヴィルデ・ザウ
野生の豚の意味。大型だが圧倒的な強さを誇る。やっぱりやら(ry

  • ザーメ・ザウ
ヴィルデ・ザウをB.D.専用に仕上げた機体。
戦闘シーンがない



以下ネタバレ含む



















矢作達が暮らしていた場所は実は巨大な宇宙船MZ23の中であり、巨大PCバハムートが管理していた。
23とは23番艦の意味。MZは住めなくなった地球から出ることと地球の環境が再生するまで待機するために作られており、実際には1980年代から5世紀以上、500年も経過している。
なお、「MZ23内の世界設定が、1980年代」とされていた事の理由として、「人々にとって、もっとも一番良い時代である」と説明されているが、メタ的にはPARTⅠが発売された当時における“現在(1985年)”だったからである。

しかし、これを後世から見ると『80年代は人々にとって、もっとも一番良い時代』と決して言えなくもない。
実際、日本の国内の状況を見ても1960年代は学生運動の混乱、70年代はオイルショックや終末論のブームなど暗い話題も多い上、
90年代以降もバブルの崩壊による不景気により先行きが分からない事態もあり暗い雰囲気のイメージが根強い。

それに対して80年代は多くの人々のイメージでは『バブル』や『青春の時代』と比較的他の年代と比べれば明るい雰囲気に包まれていた時代であったという事はあながち間違いない。(異論はあるとは思うが。)
それに80年代と言えば、ファミコンといったゲームや、ミュージックビデオを取り入れた洋楽音楽などといった様々なカルチャーが生まれた時代でもあり、現在でもなお『80年代』が一種のジャンルとして確立している点でも明るい雰囲気の時代であるというイメージに拍車をかけている要因でもあろう。

これを踏まえれば、住んでいた地球を離れた人類を統治・管理するには混乱が多い時代や暗い雰囲気が強い時代ではなく、明るい雰囲気で景気の良かった頃の時代設定の方が管理しやすかったと言える。(無論、メディア操作や何かしらの洗脳を人々に施しているだろうが。)

とはいえ、この宇宙船MZ23は後に他作品にて世界全体を豊かであった過去の時代へと戻そうとした者の理想が別の形で実現した、時が止まった箱庭と言えよう。

  • A.D.A.M.
月の防衛システム。地球に帰還するが条件を満たしていないMZを撃墜させるために作られた。
Ⅱではエーディーエーエムと読みⅢはアダムと読む。

  • エデンシティ
『Ⅲ』で登場した近未来都市。
前作で省吾達がバハムートと共に地球に帰還した後に造られた都市であり、巨大な箱庭のような構造となっている。
だが、密室とも言える街に住む人々の生活を維持するために小規模ながら外の自然を破壊しながら増築を繰り返し、統治者のウォン・ダイが密かに人類の抹殺を目論む等、平和とは言い難い状況である。


デザルグ

地球が住めなくなる前から火星に住んでた人が異星人と接触しオーバーテクノロジーを得た人々の乗るMZ23以上の大きさの宇宙船。
MZ23より50年先の技術を持ち、生物らしい兵器を所有する。

  • プロープ
偵察機。偵察機なのにMZの部隊を軽々撃退できる。なにかがおかしい。

  • シュツルムゲルツ
突撃装甲機。ハーガンを寄せ付けない圧倒的な強さはあるがヴィルデ・ザウにはあっさり倒される。それからがトラウマ……

  • 自動攻撃弾
グロ注意のトラウマ。シュツルムゲイツに搭載されている。
生命体だけを攻撃し触手で脳みそとかをズタズタにする。攻撃を見切り、なおかつ弾くので手に負えない。






ここからが本題。
このアニメ、高クオリティーなベッドシーンがあるのである。
ぶっちゃけロボットアニメを装ったエロアニメ。ちなみにパンフもエロい。
爆発的に売れたのもこちらが目的のお兄さんが多かったからかもしれない……

スパロボはデモベを参戦させる10年前に既にやらかしていたのであった。

【幻のシーン】

外国版のビデオにはⅠの別エンドとしてガーランドを破壊され瀕死の省吾が再び立ち上がり、B.D.の野望を阻止し由唯と再開し結ばれるというものがある。
知る人ぞ知る結末だが、余りにご都合主義な展開なため評判は良くない。


【メディアミックス】

VHSリリース当時、講談社X文庫より小説版がリリースされている。著者は本編の原作・監督を務めた石黒昇氏。
ノベライズされたのは『Ⅰ』の部分のみだが、OVAでは描かれなかった細かい人物の心情描写、世界観の掘り下げに力が入っており、
『メガゾーン23』という作品をより深く知るなら読んで損のない一冊に仕上がっている。


【ゲーム】

PS3にて『メガゾーン23 青いガーランド』のタイトルで2007年9月13日に発売。詳細は項目参照。
まさかのゲーム化である。
ⅡとはパラレルとなっておりⅠから20年たっている。
主人公は省吾と由唯の子供の高中ヒロト。キャラデザがⅠを意識していたり省吾の声もワクワクさんであるなど一見面白そう。
だが、実際は(評価点もあるとはいえ)基本的にギャルゲーでありクソゲーなので注意。

時系列は『メガゾーン23 ON RADIO』内のラジオドラマ『メガゾーン23 ザ・エクステンド・ストーリー』の直後。


スーパーロボット大戦シリーズ』では『スーパーロボット大戦D』に参戦。現時点で同シリーズの出演はこれだけ。
シナリオはⅠとⅡが再現される(顔グラはⅠ)が、殆どバハムート内で起こるので「隔離再現」と揶揄されることも。
ただしガーランド系がザンスカールの技術に逆輸入されたり、バハムートもシナリオの伏線の一つなので、クロスオーバーの面では恵まれている。
ちなみにⅡのラストにて地球へ下りずにイヴが緊急プロテクションシステムとしてMZ23を空間跳躍させて本編中の世界へやってくる展開になったためⅢへと至るフラグは完全粉砕されている。

ガーランドは若干火力不足感が有るものの、サイズがSSなため攻撃が当たらない。
ライバルキャラとの予想外の共闘が多いDなので、もちろん条件を満たせばB.D.が仲間になる。
ただし、B.D.は敵味方でステータスを共有しているので鍛えすぎると大変なことになる。

なお、実はメガゾーンは寺田貴信プロデューサーのお気に入り作品の一つであり、スパロボ参戦作品を決める際にはいつもメガゾーンを参戦させようとしている(そして却下される)とか。
好きすぎてメガゾーンの話題だと無茶苦茶語りだすため、その熱い語りっぷりに興味をもった相沢舞氏に「どこで見れますか?」と聞かれたが、
上記のベッドシーンもあるので「女性には勧めにくい」とぼやいていた。


【備考】

2017年6月にAICが新作アニメーション『メガゾーン23XI』の企画を発表、制作資金調達のためにクラウドファンディングで支援を募集していた。
その結果、見事に目標金額の1000万円を達成し、テレビアニメの実現に一歩前進する事となった。
……が、2021年になっても企画の音沙汰は全くなく、支援したファンからは訝しむ声も挙がっている。





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最終更新:2024年02月27日 00:33