チュウ兵衛

登録日:2011/01/28(金) 06:44:08
更新日:2024/01/23 Tue 07:08:43
所要時間:約 3 分で読めます





チュウ兵衛とは90年代中盤のジャンプを支えたマンガの一つ、『みどりのマキバオー』に登場するネズミ
初登場は第二話『大きな森の小さな名付け親!! 』


みどり牧場を脱走したマキバオーが森をふらついていたチュウ兵衛と偶然出くわし、恐ろしい動物と勘違いし怯えていたマキバオーを森の親分と偽り舎弟にする。
その際マキバオーに名前(幼名)がなかったため、キンタマくさ男と命名。

だが、野犬と対峙した際マキバオーの尻に噛みついた野犬にうんこを食べさせ

「はは!こいつはキンタマくさ男なんかじゃねぇ!!もう立派なうんこたれ蔵だ!」

と正式にうんこたれ蔵と命名する。


のちにミドリマキバオーと名前がついてもチュウ兵衛とジョッキーの菅助だけはたれ蔵と呼び続けた。
性格は非常に負けず嫌いで自信家、マキバオーが牧場で一番になったのち、チュウ兵衛がたまたま耳にした情報により、マキバオー共々道場破りのノリで本多リッチファームに忍び込む。

しかし、そこで待っていたのは後のライバルカスケード

ろくな調教をうけていないマキバオーはカスケードの影さえ踏めず、その上チュウ兵衛が無理に噛みつきマキバオーを走らせたためにマキバオーは心房細動を起こし倒れてしまう。
この時ばかりはさすがに反省しきりであった。


マキバオーの主戦騎手となる山本菅助が登場した時は「自分の役目は終わった」と森に帰ろうとするが、牧場主の源次郎に諭され、元のサヤに戻る。
その後、万全を期して臨んだ皐月賞にて騎乗ミスをし、それでも必死にカスケードにくらいつくマキバオーの頭を菅助に前に前に押し出す指示を出して一度はカスケードを抜いたものの落馬、命は助かったものの脊髄を痛め二度と馬に乗れない身体となる。


しかし騎手として勝負したいというチュウ兵衛の想いを調教師の昌虎が汲み取り「菅助のポケットから動かない事」を条件に日本ダービーに騎乗。
だがやはり燃え上がる想いを堪え切ることができず、最後の直線で約束を破ると再びマキバオーの頭に乗り

「負けっぱなしでいいのかよ!!ミドリマキバオー!!」

と檄を飛ばし、遂にはライバルカスケードに1位同着の引き分けに持ち込ませるまでにいたる。

その表彰式で号泣する管助を見て


「まだ終わりじゃねぇって言ってる奴が…泣いてどうすんだよ」

「…ったくよぉ…カッコ悪すぎてカッコイイぜ……」

壁に寄りかかり眠りにつくチュウ兵衛。


しかし、彼が目を覚ますことは二度となかった。


ダービーというビッグタイトルの代償は、あまりにも大きすぎた。
真っ白に燃え尽きたチュウ兵衛は満足した顔でその生涯のゴールを迎えていた…
この後、悲しみにくれるマキバオー陣営のもとにカスケードと騎手の服部が訪れた際、優しく自身のダービー優勝のレイをかけ
「一度に二つのダービーを獲るなんて聞いたことねえよ…最初で最後のことだ。誰も超えられねえ。大記録だよ」と言うセリフを含めたシーンのやり取りは涙腺崩壊必至である*1*2

死亡後はアンカルジアの秋華賞で仕掛けのタイミングを指示したり、有馬記念でのカスケードとの最終対決に菅助に乗り移るかのように背景にでてくる。

つの丸自身、マキバオーの成長の為、負ける事が死ぬほど嫌いなチュウ兵衛というキャラを貫き通すために行った事であるが、やはりこの辺は相当に読者の反響も大きかったらしく
アニメ版では生存する*3が、傷により騎手を引退。以降はトレーナーとして活動。
レース以外では、マキバオーに乗る姿も見せている。
また千葉繁が声を担当していて、ダービーでのやり取りは鳥肌がたつほどの迫真の演技。


続編である『たいようのマキバオー』では青年誌という事も有り、みどりに比べるとリアルでシビアな描写が増えているが、チュウ兵衛はマキバオー世代の書籍には登場しているらしく、東京レース場に眠る偉大な騎手として当時を知る者の心に鮮烈な印象を残してる。
また『たいよう』4巻でみどり牧場前に設置されていたミドリマキバオー像には、頭に乗るチュウ兵衛の姿も共に刻まれていた。
後に『みどり』と『たいよう』の間の時期にミドリマキバオーがドバイの殿下の元で競走馬兼トレーナーを勤めていたことが発覚。「馬と共に走りながら指導するトレーナー」という前代未聞のポジションであったが、昌虎は「あいつにとっちゃそんな存在は当たり前だったのかもしれん…」とチュウ兵衛のことを思い起こしている。



「まだだ…まだ終わっちゃいねぇ!!」

「俺達には追記、修正が残ってんだ!」

「俺達の追記、修正が…」

「冥殿の真っ黒いアナルを真っ白に塗り替えるんだ!!」

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最終更新:2024年01月23日 07:08

*1 現実の中央競馬でも「G1で同着」は当時例がなかった。その後、2010年の71回優駿牝馬(オークスのこと)にて、とうとうアパパネとサンテミリオンが死闘の末に同着を記録。この時も約12~13分の長い長い写真判定を経てのことだった。

*2 この際、口取りや表彰式はそれぞれの関係者ごとに行われ、優勝レイや馬服も1つずつしかないため交互につけていた。最後は2頭並んで、優勝レイと馬服をそれぞれの馬に着せ、ファンの歓声に応えるシーンもあった。

*3 一説によると、当初はダービー編が最終エピソードになる予定だったので後味が悪くなるメインキャラの死亡展開を避けたものの、急遽続行が決定したためシナリオの変更が間に合わなかったとか