シーマ・ガラハウ

登録日:2011/09/04 Sun 18:19:43
更新日:2024/04/23 Tue 12:48:02
所要時間:約 16 分で読めます





「はははははっ……。さあさあ、慌てておくれ。あたしゃ気が短いんだ」


シーマ・ガラハウとは『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するキャラクターの一人。
CDドラマ2『宇宙の蜉蝣』では主役を勤めた、ある意味第三の主人公でもあり実質的なヒロインである。え?ヒロインはいるだろ??何のことやら…

CV:真柴摩利
年齢:35歳

  • プロフィール

所属:ジオン公国軍→デラーズ・フリート
階級:中佐
年齢:35歳
性別:女性
出身地:サイド3「マハル」
技能:MSパイロット、艦隊指揮
搭乗艦:リリー・マルレーン
搭乗機:


「デラーズ・フリート」の女性将校。
非常に好戦的、かつ大胆不敵な女性。
ならずものの集まりと言われる「シーマ艦隊」を率いる元・ジオン公国軍の将校である。
常に上着を羽織っており、手に持った扇子がトレードマーク。

ならずものを率いる者、というだけはあり、彼女自身もかなりの人物で、アナベル・ガトーに一目で不信感を感じさせた。

嫌いなことは眠ること。だが、このことは本編では語られていない。
ヒールを履いているとはいえ、ガトーと並ぶほどの長身なので身長は190cm近くはあると思われる。

部下からはとても信頼されており、ほぼ全てのクルーが彼女のことを「シーマ様」と呼んでいる。
指揮・パイロット両面において高い技能を有しており、劇中ではあのトンデモMS「ガーベラ・テトラ」を使いこなしていた。



※以下、ネタバレを含む



劇中の活躍


初登場は第5話。
デラーズ・フリートの「茨の園」に参上し、「星の屑作戦」のためにエギーユ・デラーズに参加を表明。
しかし本心ではデラーズの主義に同調したわけではなく、利益を得るためである。

その後、強襲揚陸艦「アルビオン」を襲撃し、ガンダム試作1号機と戦うことになる。
コウが陸戦仕様のまま&杜撰なOSを組んで出撃して操作が覚束ないのもあり終始有利に進めるが、GP01の装甲が予想以上に固く、何度も攻撃するも結局撃墜できぬまま帰還することになってしまった。
その後は月面でヴァル・ヴァロを買い取ろうとしたが、口を滑らせてケリィに機体だけ目当てであることを悟られた部下のクルトをヴァル・ヴァロに粛清も兼ねて向かわせたり、コロニーのミラーを破壊したりして計画を進めていくことになる。

実は連邦と通じており、取引に向かった先で再びGP01と戦うが、この時既に高機動のフルバーニアンに換装されており、結局撃墜できずに帰ることになる。
ちなみにこの時有名な台詞

「なんだありゃ、バッタか!?」

を言い放った。

連邦との会談では連邦軍将校のグリーン・ワイアット共々パッと見ではちんけな印象を受けるものの、
ちゃんと考えると両者共に有能であるような一面が見受けられる。

順調に計画を進めてきた彼女だが、前述の通り元々星の屑を遂行する気は無く、最終局面でデラーズ・フリートを裏切り連邦に寝返ることになる。
旗艦であるグワデンのブリッジを抑え、デラーズを人質に取るなど優位に展開を進めるが、作戦を断固として進めて更に自身の命も省みないデラーズの発言に逆上し、射殺してしまう。

結果、怒ったガトーによりグワデンのブリッジは破壊され、部下を失いつつガーベラ・テトラにより脱出を余儀なくされる。

その後、連邦とシーマ艦隊の密約に激昂したコウ・ウラキの駆る試作3号機により、見境なく連邦軍にとって味方の筈のシーマ艦隊を攻撃され、母艦リリー・マルレーンを撃墜される。その後は、ガーベラ・テトラのビームマシンガンを乱射しながら、

「お前は一体、どっちの味方だ!?」

と叫ぶも*1、最期はデンドロビウムの零距離射撃を受け、散っていった。



……と、ここまでが本編中での彼女である。
作中では、敵方の人物ながら味方を裏切る腹黒い人物として描かれており、
本編しか見ていない人にとっては何故か部下に信頼されている卑劣な女性に見えたことだろう。
しかし、彼女をそうさせた原因はその過去にあった。そのことはドラマCD『宇宙の蜉蝣』で語られている。





以下、更なるネタバレ










彼女は、前述した通りもともとはジオン公国軍の将校であり、キシリア・ザビ配下の宇宙機動軍旗下に所属していた。

開戦当時、ジオン内では急造の艦隊が次々と作られており、シーマ艦隊もその一つであった。
しかし、急造とは言え集められたのはサイド3「マハル」から半ば強制的に集められた戸籍登録さえ満足に出来ない連中であり、
彼女は遠方で指揮を取っているアサクラ大佐に、わずかながら不満を抱いていた。


その後、海兵隊となった彼女達には矢継ぎ早に命令が下されていった。

しかし、下される命令はどれもが虐殺などの汚れ仕事であり、彼女達は次第に理想とは違う任務に疲弊していくことになる。
特に開戦当初の「一週間戦争」の「ブリティッシュ作戦」で実行した、G3を用いた毒ガス攻撃は印象に残ったらしく、その後は寝る度にうなされるようになった。
彼女が寝ることを嫌うのはここに起因する。


それでも、彼女達は故郷であるマハルに帰りたい、という一心で戦い続けた。


そして時が経ち、ア・バオア・クーは落とされ、一年戦争はジオン軍の敗北という形で幕を閉じた。

残ったジオン軍の兵士達は「カラマ・ポイント」と言われる地点に集結。
アクシズに逃げるのか、ここで反抗を続けるか。様々な兵士がそれぞれの今後を考えていた。


しかし、彼女達にその権利は無かった。

栄光あるジオンを汚した」として、B級戦争犯罪者の容疑をかけられたのだ。
本国から直接受けとっていた特殊任務の命令は、「下していない」もしくは「戦死したキシリアの独断」という具合に実に都合良く処理され、
切り捨てられた彼女達はアクシズに逃げることも出来ず、ただ宇宙をさ迷うことになった。
シーマ艦隊のクルー達はこの現状をよしとせず、戦時中ずっと願っていた「故郷への帰国」を実行しようと提案する。


だが、彼女達の故郷、サイド3「マハル」は既に前哨戦のソーラ・レイに改造されており、実質的に無くなっていた。

さらに「マハル」がソーラ・レイに改造されるにあたり住民は全員強制疎開となったのだが、この疎開計画は杜撰そのもので、国家権力による強制疎開でありながら、住民たちをどこに送るのか政府も把握していなかった。とりあえず送り出し、とりあえずどこかのコロニーに押し込み、それでお終い。
「機動戦士ガンダム」では実際に、孫娘とはぐれてしまい探そうとする祖父が「行き先がわからんのじゃろ!?」(はぐれたまま疎開船に乗ってしまえば二度と会えないんだろ)と抵抗し、憲兵が殴りつけながら「孫娘だってどこかの船に乗ってる!」「ジオン国内にいるんだからすぐに見つかる!」といい加減な返答をする場面がある。
そのため、シーマたちにはもはや「ジオン共和国に降伏して家族と再会する」という望みも絶たれていた。その家族が何十とあるコロニーのどこにいるのか、調べることもできないからである。

そうして行く当ても無くなった彼女達だが、その後の0083までの3年間は明かされておらず、宇宙海賊などをしてなんとか生きていたと言われている。



そうして劇中の冒頭に至り、再び戦火に身を投じることになる。
宇宙海賊の成果なのか、不思議な程大量の戦力を保持しているため、
デラーズ・フリートにとってシーマ艦隊の悪評とデラーズがロマンチストであることを差し引いても、艦隊の参加は魅力的なものだったと思われる。

本編においては途中何度か予測が外れるも、最終的にデラーズを人質に取り、ジオン残党に対し絶対的優位に立つことに成功する。
ジオン(もちろんデラーズ・フリートも)のことは単なる利益目的なだけではなく、激しく憎んですらいたことはOVA時点からうかがえる。
そのため、この時は「3年間待った」と喜びを抱いていた。

だがその直後、死んでも仲間と計画の為に義を通そうとするデラーズの姿勢に言いようの無い嫌悪感を抱き、発砲することになる。


思い通りに行かなかった彼女は、多少うろたえながらも脱出し、旗艦リリー・マルレーンに帰投するために移動する。
彼女にとってリリー・マルレーンは特別な存在であり、家のようなものであったと思われる。
実際、彼女はリリー・マルレーンとその乗員達にかなり依存しており、「リリー・マルレーンが連れていってくれる」といった台詞を呟いていた。


しかし、そのリリー・マルレーンすらも、GP03の長距離射撃によって沈んでしまう。


誇りに続き、故郷、家、家族を失った彼女は一人うなだれるが、その後損得感情やその他あらゆるものを振り切り、自分の意思で戦うことを決め、戦場に向かっていくことになる。
そして果敢に戦い、最後はGP03によってクルー達の後を追うことになった。

最後にしがらみを捨て、自分の意思で戦ったが、その時間は短く、まさしく蜉蝣のようであった。



補足&考察

  • 性格
0083本編では海賊の頭が板に付いた言動をしているが、海兵隊配属時には階級ではなく様付けで読んでくる部下に、ちゃんと階級で呼べと注意していたようである。
また、虐殺行為に加担させられ、以後も所属部隊の悪評が軍に広まるレベルの任務をこなし、上記のように不眠を煩うレベルの精神的負担を負いながらも脱走、造反、内通等の行為をしたという話が一切無く、終戦まで戦い抜いている。
その後もアクシズ行きを拒否されても、その時点では反社会的な行動をせず「戦争犯罪人で捕まることも構わずマハルへ帰る」ことを選んでいた…。
そして故郷がソーラ・レイと化していたことを知る(ソーラ・レイは秘密の決戦兵器のため極秘裏に作られており、海兵隊の特殊部隊ないし下っ端として動いていた彼女たちは知らなくても当然。FGの小説版ではシャアですら知ってはならないレベルの機密とされている*2)。
このように本来のシーマは根が真面目な、それでいて虐殺行為や裏仕事に対して精神的な苦痛を感じる感性のある「普通の人」と考察できるだろう。

ジオンとデラーズを憎悪しながらも*3、連邦とジオンの狭間で利益を追い求めた背景にはリリー・マルレーンを家、1年戦争以降同じ釜の飯を食い辛酸を嘗めたクルーを家族と認識し、紛争終結後もクルーが飢えないように守らなければならないという「親」としての責任感もあった。
マハルを失った彼女にとっては精神的支柱であり、何よりも守るべき存在であり、最後の希望であり拠り所だったのかもしれない。

  • ジオン軍での扱い
彼女はジオン軍に珍しい「女性」で「30ぐらいの若さ」で「佐官*4」と言う、普通ならエリートとも言える立場である。
実際戦時中は任務をこなし、激務のなか海兵隊を存続させたまま終戦を向かえ、おまけにパイロットとしてはエース級のスコアまで持っている有能な人物である。
そのため、本来彼女はキシリアから期待されていた人材であったとも、能力はあれど出身コロニー故に軽視され使いつぶされたとも考察される。
会戦時に中佐だとすると、1年間激務をこなしても1度も昇進していない事になるため、このあたりもよく話題になる。
汚れ仕事をさせられていたので大っぴらには昇進させづらかったとも思われるが*5

あるいは、後述の通り直接の上司が大佐、その上がキシリアの少将になってしまうので、それ以上は昇進させづらい階級のどん詰まりになっていたのかもしれない。
ただしジオンでは「階級」よりも「ザビ家との近さ・ザビ家からの権力」が優先されているフシがある。一例はFGに登場するデラミンで、彼は階級は「准将」でありながら、「大佐」であるマ・クベやバロムの下に位置付けられていた(彼らは全員キシリア派)。08小隊のユーリ・ケラーネも「少将」ながらガルマ「大佐」やマ・クベの部下になっている。
アサクラの「遥任代理」のままという立場と言い、少なくともキシリアがマ・クベやバロムほどへの便宜を図ってやらなかったのは確かだろう。

  • 彼女視点から考える0083原作
デラーズを裏切り射殺した後に、関係がバレたこともあって連邦軍とは協力者という関係にほぼ公式になっている。
意外かもしれないが連邦もコロニー落とし防止に必死なだけあって、この時点では連邦側から切り捨てられていない。戦後どうしようとしてたかはともかくとして(後述の「if&ゲーム」も参照)。
アルビオン達は、バニングをやられた件やらデラーズの裏切りや人質の件やらの因縁から、このシーマ艦隊の扱いにかなりの憤りを感じており、連邦の腐敗っぽく感じなくもないのだが、
正義感や使命感という動機からではないものの、彼女達は作中一貫してデラーズ・フリートの行いを阻止しようとしているだけである。
コロニー落としだけではなく、核兵器ブッパに関してもガトーが大軍相手に俺TUEEEしたせいで遂行されただけであって、シーマ側はちゃんと阻止するために情報を渡している(妨害されたので不完全だったが)。
つまり連邦側に対して何らの裏切りや不作為はしていない。
グリーン・ワイアット関連のセリフからも分かるように、猜疑心は強そうだが他人は全て人生の踏み台を作るための材木みたいな極端なことを考えていたわけでもない。

そして連邦から協力しろと言われているのに、コウは彼女たちをGP03の圧倒的な性能によって滅殺しているため、
彼女視点ではコウはKYというか…もはやデラーズ・フリートと同じ気狂いの域*6であり、実際に「お前は一体、どっちの味方だー!」と言っている。
またバニングの件についても、戦場での結果であることや、そもそも彼女たちもコウ達からそれ以上の被害を被っていたことを考えると……。
そのため各勢力を比較した場合、作中では最も悪く見える彼女達とアルビオン以外の連邦が、実際は最もまともな勢力に見えるという事態に陥っている。

なお、ドラマCDと比べた場合、決して部下を粗末に扱っていないが本編ではドラマCDより少し淡泊な感じで描かれている。
これは悪役の面が強いためだろう。メタ的にはあそこ(裏切り行為)から部下想いだとか唯一の帰る場所だとかを強く描写されても、視聴者が混乱するだけということも大きい。

また、ケリィに余計なこと*7をしゃべった部下をザク1機で戦わせた件から、
厳しい環境を生き抜くためか失態には厳しい様子がうかがえる。それでも部隊の結束力は強いので、厳しさも組織を束ねる規律として、受け入れられていた模様。

パっと見のイメージや他メディアでの扱いの関係からかガンダム三大悪女の三人目の候補になることもちょくちょくあったが、最近ではそういった意見はほとんど見かけない。

  • 上司のアサクラ大佐
元々はファーストのTV版から出ているソーラ・レイの製造・管制の責任者である技術将校。その立場から分かるように明らかにガチのギレン派。
0083制作時にどこまで深く考えていたのかは不明だが、シーマ艦隊はキシリア配下と設定されているので整合性が合わないと思う人も居るだろう。
しかし、ギレンは作戦計画を立案してはいるが実際に軍の指揮をとることはほとんどなく、各地に赴く軍に関する権限は概ねキシリアかドズルにある。
そのためキシリア傘下にアサクラ大佐とシーマ艦隊が組み込まれ、そしてソーラ・レイの秘密を守る一環としてシーマ艦隊に指示を飛ばし続けていたと考えるなら割と納得のいく事情ではある。
しかもシーマ艦隊は実質特殊部隊扱いなので、通常ではありえない技術将校が指示していた件もそこまでは違和感ない。

とことんシーマ艦隊が冷遇されていたことはキシリアの意向というよりは恐らく彼のせい。特に戦後においては決定的。
パっと見ただのゲスい保身野郎だが、もう少し深く考えるとソーラ・レイを任せられたということは思想もガチのギレン派である可能性が高く、シーマ艦隊はただのカスだとか素で考えていてもおかしくない*8
ちなみにキシリアはソーラ・レイの製造を把握・承知していたことは確かなので、シーマ様から恨まれることは当然だが、一方でシーマ艦隊の冷遇についても承知していたのかは不明。
機密保持のために基地を将兵もろとも自爆させたり*9、長年仕えたマ・クベをあっさり切ってしまうなど割と冷酷な面も強いが、
実力があるなら失態ばかりを繰り返していたシャアでも厚遇する人でもあるので、どう考えていたとしてもおかしくはない。

  • 毒ガスに関する描写
時期や媒体で差異があり、コロニーにガスが流れるのをコロニーの外からザクⅡで目撃しているものと
自らザクⅠに乗り込みコロニー内部でガスを使用するという、ゲームで使用されたムービーのパターン等がある。
現在では後者が広く認知されており、ゲーム等でもシローの住んでるコロニーにガスを流したというクロスオーバー描写が多い。

  • 1週間戦争&ブリティッシュ作戦
シーマが毒ガスを使う事になったブリティッシュ作戦はイメージは初代時点、作戦名称も初代後からムックで言及されており、
コロニー内虐殺の内容は初代の小説などでも言及されている。
色々ブレや後付け設定はあるものの、初期の頃から裏設定として存在していた残虐行為であり、シーマ様カワイソスの為に作られた後付けではない。
もっともわかりやすいのは1984年連載*10の漫画「MS戦記」だろう。こちらでは「へへっ、皆殺しだぜ」と嬉々として毒ガスを流すジオン兵が描写されている。



if&ゲーム

「無事にシーマ様が連邦に協力することに成功していたら?」というのはお決まりのif。

『機動戦士ガンダム0083 星屑の英雄 OPERATION STARDUST』では最終的にバスクに用済みとして攻撃を受けて戦死する。

『ガンダム0083 REBELLION』では紆余曲折の末に*11ウラキらと無事共闘するが、ノイエ・ジールとの戦闘中にバスクの命で放たれたソーラ・システムⅡに巻き込まれる
その後辛うじて生き延びたシーマはバスクの艦に詰め寄るが、そこで精々傭兵として使い捨てるだけで、スペースノイドは連邦軍に必要ないと切り捨てられ、とどめに戦犯(キズ)モノ部隊」と呼ばれたことに激怒。
バスク座す旗艦に肉薄するも、その主砲に突き刺さり接射を受けてガーベラ・テトラは宇宙に消えた、が……?

このように漫画作品の解釈では一応寝返るがやっぱり裏切られることが多く「仮に本編でコウに殺されなくても、平穏な暮らしは手に入らない」のが共通認識になりつつあるか*12


ゲーム等では原作の通りに散る事もあれば、原作に無い要素のおかげで救済されることもある。
00年代前半頃から、シーマの一年戦争時における背景を解説したり、シナリオに組み込んだ物が急増したため、
インターネットの普及と現実におけるテロ事件の多発に伴って株を落としていくデラーズ達と反比例するかのように人気が上昇することになった。


  • PS2ソフト『めぐりあい宇宙』
サイドストーリーのひとつとしてプレイできるシナリオで最終面でGP03を倒すと生還する(倒されると史実通りに)。
その後ティターンズからオファーを受ける*13も、都合のいい駒扱いされることを嫌い*14、人知れず表舞台から姿を消した。

0083が初参戦したSFC版『第3次』より参戦する…が、この頃、所謂ウインキー時代のシーマはネームドの中ボスでしかなく、
オリジナルの主人公と愉快な会話がある程度の敵でしかなかった。
が、GBAの『A』において、シーマがデラーズ達を裏切った際、スパロボシリーズでは初めて
「汚い裏仕事を押し付けられた上に切り捨てられた」という事情と怒りを口にした。
第2次α』では、アニメで顔を合わせなかったビッター少将と会話し、自身のトラウマや恨み、わだかまりを発露。
それを受け止めてくれたビッターという「戦友」のために約束を果たし、
その後はシャア側についたりハマーン側についたりやっぱりシャア側に出戻ったりしてガトーに渋い顔されながら、最期は「ここが潮時」と憑き物が落ちたかのように自分の運命を受け入れて戦死した。
スマホ版ゲーム『Card Chronicle』ではバイストンウェルに飛ばされ、一時的にカイルスと共闘。何気に味方入りするのはこれが初(ゲームのシステム上動かせるわけではないが)。
『鋼鉄神ジーグ』の主人公・剣児に色仕掛けをかけ、当の剣児は(元々スケベな事もあり)鼻の下を伸ばしてしまう。

スペシャルモードでは彼女の回想から幕を開ける。
序盤から歴史のIFを体現するかのようにシャアの部隊と合流し、当然のごとくキシリアを憎んでいるのが描写される。
が、同時にシャア達の行動に感化されて面倒見やフォローの良さを見せる等してなじむ。
一年戦争終結後はアクシズ行きを拒否され、原作どおりにやさぐれ、かつピンチになった所をジョニー・ライデンらによる救助、説得により真っ当な道に立ち返る。
または一年戦争後にシャアがシーマたちのアクシズ行きを拒否する仕官に対し、「自分が責任を持つから同行させろ」
と取りなしてアクシズ入りを許されるという救いが用意されており
ライバルルートではナタルアズラエルの駒にならないよう説得する、ターンXの操縦者になると見せ場もある。
エンディングではライデンやシン・マツナガと共にマハル再建を目指して働いている。
現状もっともシーマが報われ、活躍しているゲームと言える。ファンはプレイ必須である。
なおかつてないレベルでの高待遇ながら専用のゲルググMはゲーム内に用意されておらず、
彼女が持ってくるのは一般仕様のゲルググMである。自在に乗せ換えが出来るので最終的な問題はないのだが、
同時期に仲間になるシャア、マツナガ、ジョニー、ガトーは専用機補正を得られる自分のゲルググを持って来ているので、
一年戦争中のストーリーに限っては若干見劣りしてしまう……とはいえ彼女のファンなら良い機体を用意して回している事だろう。
一年戦争中の彼女は宇宙海賊ではないが海賊らしく頂いた機体に乗せてやるのも面白いか。
(今作では敵機を捕獲できる上に彼女は捕獲率アップのその名もズバリ『海賊』のIDアビリティを持っている。)

  • 『Gジェネレーション SPIRITS』では「宇宙の蜉蝣」シナリオが0083本編とは別に収録されており、主人公化を果たした。軍服シーマも見れる。

さりげに優遇されており、初代から地球降下作戦のムービーに登場している。
能力も高く指揮官も任せられる優秀なパイロット。流石にNT達には敵わないが、十分エース級。
ジオンでは多くのパイロットが死亡するホワイトベース隊無双にも関わらないので、一年戦争ではまず離脱しない、と願ったり叶ったり。
デラーズ・フリートでもイベントで使えない時期がまず無く、裏切りも再現されない為*15に最後まで手を貸してくれる。
『アクシズの驚異』シリーズでは善悪度に当たる「アラインメント」を暴虐なCHAOSに寄せる事で、新生ジオン・正統ジオンといった一部の勢力に参戦してくれる。

『ジオンの系譜』『アクシズの驚異』の連邦編ではレビル将軍が健在のためか、彼に対して直接寝返り交渉を持ちかけてきており、
条件を飲んだ上で承諾するとなんとシーマ艦隊の部下であるコッセル・クルトと共に寝返り、仲間になる。同時に星の屑イベントの阻止フラグを担っており、しかもその後連邦を裏切ること無く終戦まで戦い続けてくれる。生存している為、もしかしたら、連邦編におけるシーマ艦隊は念願の地球住まいが叶ったかもしれない……。


そして、『ジオン独立戦争記』で1週間戦争を描いたムービーでは
シロー・アマダの故郷のコロニーで、毒ガスだと知らずに使ったガスのせいで大量虐殺をしていまい、泣き叫ぶシーマ」が描かれ
かなり話題となった。今でもシーマを語る際にはこのムービーが引き合いに出されることが多い。

シロー「何故、何故こんなことを…!」

「ああ、あああ…私は…ううう…私は、知らなかった…!毒ガスだなんて知らなかったんだよぉぉ!!」


外伝作である『蒼き星の覇者』では、中盤頃に地球侵攻作戦の最終局面において海兵隊を呼ぶかどうか地球方面軍の幹部達の会議で決める事となる。
承認後に「追い詰められて危機に陥ってる」として支援を求めるのだが、「支援する」を選べば終盤「世話になったので恩返しに来た」としてガルマorマ・クベの元に馳せ参じる熱い展開が見れる。

尚この時、『コロニーの落ちた地で…』に登場したオーストラリア方面軍司令官、ウォルター・カーティス大佐が「あんな悪名高いやつら支援するな(要訳)」と言ってくる。
友軍が救援を求めていると言うのに、1年戦争時に置ける海兵隊の評判の悪さと、キシリアの部隊である事がすさまじいマイナス要素になっているのがうかがえる。

この事もあって加入時のシーマ曰く「あの時に支援してくれたのはガルマ(マ・クベ)の軍団だけでした。」と言っている。
ゲーム内でも反対していたウォルターはともかくとして賛成だったユーリの軍団が支援しなかったのは謎であるが。
(兵を逃がすためとはいえ平然と条約違反の核爆弾を使用するような指揮官なので口先だけだったりわざわざ死地に兵を送らなかったものと思われる)

※ただし、カーティス大佐は略奪などを行わない清廉潔白さと、ジオンにしては珍しい合理的な視野を合わせ持った優良な指揮官である。
しかしザビ家のことを嫌っており、更に同じジオン軍の部隊マッチモニードが大量破壊兵器の奪取と使用を狙っていたのを知るとひそかに撃破した経緯があるため、
「キシリアの私兵で大量虐殺を行う」というマッチモニードと嫌な共通点があるシーマ艦隊をひどく嫌う結果になったものと思われる。

※実はシーマ艦隊とマッチモニードは符合するところが非常に多い。どちらもサイド3でも下層階級の出身者で構成されており、またその出自ゆえにジオンのエリート層から差別を受けてきた。その状況からの奮起が行動原理となっているのも似ている。
さらに、どちらもキシリア直属の特殊部隊で、大量虐殺に手を染め、ジオン内部でも愚連隊とみなされ評判が悪い……
とここまでまるで瓜二つだが、マッチモニードは「同僚全員がお互いを『道具』と見做し、仲間意識や連帯などは皆無」「上司は部下を、部下は上司を平気で切り捨てる」「こぞって残虐で性格が悪い」「大量虐殺などの非道を嬉々として行う*16」「自分を引き上げてくれたザビ家には忠実*17」と来ており、
対するシーマ隊は「家族のような強い連帯感で結ばれる」「シーマは部下のために奮闘し、部下たちはシーマを裏切らない」「ガラは悪いが侠気はあり規律も厳しい」「毒ガスやコロニー落としを嫌悪する」「自分たちに非道を押し付けておきながらあたかも崇高な理想であるかのように語る『ジオンの大義』を許せない」と、構成要素はそっくりだが精神面はあらゆる点で真逆

  • 『U.C.ENGAGE』
イベントシナリオ「星屑たちに花束をII」にて登場。
新規アニメパートにてゲルググMでラビアンローズ宙域を襲撃し、ガンダム試作4号機を翻弄した。


○漫画
  • 4コマ『ハイブリッド4コマ大戦線』
『ガンダムエース』にて連載された。
アニメによく似せた絵柄が特徴。作者は谷和也。
谷氏がシーマ様好きなので「それいけ!シーマ様」は非常に長く続き、単行本では締めを飾っている。
また、4巻ではまさかの北爪宏行氏がシーマ様(16歳)を描き下ろしている。美少女。



台詞

  • よおし!マリーネ・ライター、出る!
    (シーマ様、大漁を!)
    あいよ!

  • 逃がしてくれるとさ、アタシをね。
    あいつは味方に芝居を打ってるのさ。だからこの(ふね)を外した。
    いい男だったかね……

  • 予想外のことは起こるもの

  • コロニー落としを防ぐ、奥の手があった訳だなぁ。ちょっと温めただけで、ボン!アハハハハハ!

  • おめでたいねぇ。そんな綺麗事が通ると思ったんだから。でもね、人は正義を口にした瞬間から正義じゃなくなるのさ。あんた達を裏側にひっくり返しゃ、アタシ達さ。

  • そうかい…一年戦争で、何もかも無くしたと思っていたが…そうかい、……こうも身ぐるみ剥ぐかねぇ……くっ…くっくく…はっははは…情けないねぇ……ははははは……

  • なら損得は抜きだ。アタシは今こそ戦うんだ。もう何からも縛られずに!どうだい、満足だろう!



余談

ゲーム『インタールード』で嶋さんというシーマにそっくりなキャラクターが登場しており、更には中の人も同じ。
おまけに嶋さんが働いてるファミレスの名前が「アンナ・デラーズ」というネタっぷり。

年齢35、かつアニメ本編が異常に気合の入った作画のため、通常時でも目元に加齢によるものと思われる皺があり
力んだりした時の顔のなんかはすごい事になっている(0083のキャラは皆こんなだが)。
その為、必要以上に「おばさん」「年増」のイメージが強くネタにされがちであり、ゲームのアンソロでも美容に気を使うネタが多い。

ちなみに『劇場版 機動戦士ガンダム00-A wakening of the Trailblazer-』で
シーマ以上の年齢になったレギュラー女性キャラが登場するのだが、対照的にあっさり寄りな絵柄とはいえ
まったく年上に見えない…シーマ様は苦労が過ぎたのだろうか…。





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最終更新:2024年04月23日 12:48

*1 皮肉にもその台詞はシーマ自身にも言えるかもしれないが。

*2 シャアの場合はガルマから聞いて知っていた。

*3 ぶっちゃけデラーズはシーマの件に関わってる描写が無いから、デラーズに向ける憎悪はジオンの思想を引き継ぐ彼に対する一種の八つ当たりとも言える。一部のファンからはアサクラではなくデラーズが上司だったら責任を押し付けられることはなかったともいわれているように、デラーズの性格的に全責任をシーマに押し付けるという上層部の決定に賛同するとは考え難いため、デラーズはこの決定に関わっていなかったと思われる。

*4 CDドラマでは、1週間戦争時にはもう中佐と呼称されている。一部ゲームでは少佐に設定されていることも。

*5 政争で勝ち組に乗ったはずなのに七年間大佐のままだったバスク・オムのような例もある。彼は彼で事情が異なる可能性があるが。

*6 というか普通に考えれば味方部隊への攻撃で、裏切り同然である。しかも彼女がガトーらを阻んでいればソーラ・システムの満足な照射が出来た可能性もある。戦後、責任者のシナプス大佐が極刑に処せられたのも無理はない。つかコウが銃殺されなかっただけでも甘すぎる処置である。

*7 ケリィは戦争時は必死に戦いながらも後遺症で不遇な戦後生活を余儀なくされたパイロットである。 比較にならないとは言え似た様な境遇のシーマがある程度の同情心を持っていても不思議ではなく、そんな彼に心無い言葉をぶつける部下が許せないと考えるのは当然ともいえる。

*8 同じギレン信奉者のデラーズは対象の派閥を問わず部下思いな性格のため一概にギレン派だから差別主義者とも限らない。一方でそのデラーズも傍から見ればアースノイド差別主義過激派であるし、そもそもギレンが虐殺を見せたり父を殺しても信任できると思わせる何かがあったと見る方が自然である。

*9 その時はマ・クベがドン引きするレベルだった。

*10 ちなみに0083が製作されたのは1990年。

*11 ちなみに『REVELLION』ではシーマはバニングの死とは無関係。

*12 パラレル的要素が強いとはいえ、『REBELLION』は本編に携わった今西監督の監修でもある。

*13 総大将のジャミトフはともかくアースノイド至上主義が大半を占めるティターンズの事を考えれば破格の厚遇ともいえる。

*14 ジャブロー守備隊の様に敵部隊諸共核で殲滅する様な暴走振りを考えれば先見の明があったともいえる。

*15 もし裏切りが再現された場合、ただでさえ野望シリーズでも随一の難易度を誇るデラーズ・フリートの難易度がさらに跳ね上がってしまうからだと思われる。

*16 生物兵器や核兵器を強奪し、ためらいなく使おうとしていた。

*17 ただしこれもザビ家の権力が自分たちの利益になるからという理由