コウ・ウラキ

登録日:2011/03/18 (金) 22:18:56
更新日:2024/04/19 Fri 12:05:09
所要時間:約 10 分で読めます






ニンジンいらないよ!


うわぁ…




コウ・ウラキとは、機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORYの主人公。
CV:堀川亮(現:堀川りょう)


劇中での活躍

士官学校卒業後トリントン基地へと編入される。

アルビオン来航時、多少見ただけで試作1号・2号機の特性を把握する等、MSに対する観察眼の高さを見せ、開発者である元祖ガンダム馬鹿を驚かせている。

  • 乗るモビルスーツの性能を限界まで引き出せる
  • 戦局の未来予測の精度が高い
という事が彼のパイロットとしての特長らしい。

強奪された試作2号機を奪還する為、残された試作1号機に搭乗。
しかし、ジオンのエースパイロットである『ソロモンの悪夢』アナベル・ガトーに軽くあしらわれた上「未熟」と罵られてしまう。
この時、士官学校時の癖かガトーの説教に思わず元気よくお返事してしまい、呆れられている。

当初は新兵故に未熟さが目立ち、挙げ句には宇宙において独断でOSを組み上げて地上仕様の試作1号機で出撃、
だが穴ぼこだらけでまともに機能せずシーマ様のカモにされて大破させてしまう。
パイロットとしての自信を失い、アルビオンから逃げ出すが、ケリィ・レズナーとの出会いと決闘、上官バニングとの別れを乗り越え次第に成長していく。

コンペイトウにおける観艦式ではアルビオン隊隊長に就いたベイトと共に戦時階級ながら中尉に昇進。
アルビオンの主戦力として星の屑作戦を阻止しようと奮闘するも間に合わず、試作2号機の核によって連邦軍主力艦隊は壊滅状態に陥る。
事実上の敗北であるが、それでも核攻撃を達成したガトーに追い付いて一騎打ちに望み、
一時は圧倒されながらも胸部スラスターを生かした奇策で相討ちながら2号機を撃破する(※お互い生存)。
ガトーは当初コウを『大して強くない新兵』程度にしか思っていなかったのだが、この時脱出前に接触会話で『二度と忘れん』と言い放ち、コウを敵として認めた。

その後はラビアン・ローズにて試作3号機を強引に受領…というか強奪。
その凄まじい武装と推力をフルに生かして、味方になっていたはずのシーマ艦隊を殲滅しつつ
阻止臨界点まで迫るものの、ガトーの駆るノイエ・ジールと一騎打ちの形となる。
さらにその最中、ガトーが地球に迫っていたコロニーに侵入し、最終的な軌道調整を終え目的を完全に達成してしまう。やはりこの時点で敗北である。
この時にガトーを追跡し銃をつきつけたものの、なんとそこに彼の恋人であるニナが登場。
彼女はいきなりコウに銃を向け、『銃を下ろして』と言い放ち、ガトーを助けようとする。

そう、何を隠そうニナはガトーの元カノであったのだ。
(迷わずガトーを助けた様にはテレビの前にいた視聴者にも電流が走ったことだろう。少しは迷えよと……)
ガトーには逃げられ、恋人に裏切られたショックで激しい憤りを感じるもそれを押し殺し、コウはコロニーを出る。*1

しかしコロニーの外にはノイエ・ジールの姿があった。
最早その必要は無いにもかかわらず、決着を付ける為にガトーが自分を待っていた事は、
デラーズフリートに完敗し恋人にも裏切られた彼には救いだったのだろう、この時彼は感極まった様な声で「待っていたのか……俺のために……」と呟いている。

再開されたガトーとの壮絶な一騎打ちの中、事前にIフィールド・ジェネレータと武装コンテナの片方を破壊されていた*2事から次第に追い詰められていくが、
バスク・オムによる敵味方無差別のソーラ・システムⅡ照射によりノイエ・ジール共々試作3号機は中破した。

最後にガトーはとどめを刺さずに去っていき、自身も因縁の敵との決着をつけられなかったことで更に怒りを覚え、
中破したオーキスを切り離し、向ける矛先のない怒りと絶叫と共にバスクの戦艦に向かってビームを乱射した。

他にもデラーズ・フリートの阻止こそ一貫しているが彼らがやったことの酷さと大きさの割に妙に反応が薄く、
厳格な戦士と見なしているのか彼らにはそこまで否定的な態度を表にしていないため、
他勢力への態度と終盤のKYな暴れっぷり(彼視点ではそうなるのも分かる話だが)と共に視聴者に突っ込まれていることも多い。


決して彼が悪かったわけではないのだが、ガンダム作品の主人公として珍しく何の目的も達成できなかったかわいそうな主人公である。
なまじガトーと対話する機会が多かったせいか直接対決に拘り、間接的に彼らのしでかしたことを軽視している印象を持たれるのもかわいそうである。
某エンジニアの存在もかわいそうぶりに拍車をかけている。

デラーズ紛争後

  • シーマ艦隊との協力作戦を無視したあげく味方殺し
  • 試作3号機の無断使用
等の理由から連邦政府から軍事裁判にかけられるが(罪状から味方旗艦に向けてビーム乱射したことはバレなかった模様)、
裁判では紛争中に感じた連邦軍の体制に対する疑問から黙秘を貫き、懲役1年を言い渡される。
罪状からすると異常に軽い判決だが……まあ色々ある……のだろうか? 責任能力も恐らくあるだろうし、減刑する理由は特になさそうだが…。
望むと望まざるとに関わらず出世街道からは外れただろう。

余談だが、アルビオン艦長であるエイパー・シナプス大佐は死刑を言い渡され、他のアルビオンクルーも口封じの意味も含めて大半がティターンズに配属となった。

しかし、コロニー落下等の事件を闇に葬る事にした連邦上層部はガンダム開発計画を登録抹消。
それに伴い罪状が消滅し、釈放された。

釈放後は北米オークリー基地に赴任(事実上の左遷)し、そこでキース、モーラ、ニナとの再会を果たす。
本編はこの再会シーンで幕を閉じ、以後映像作品で彼のその後は確認されていない。

一説にはそのまま連邦軍に在籍し、エゥーゴかティターンズに入隊した、という噂がある。
そこでは罪状と同時に消滅した戦果を揶揄されて「幻の撃墜王」と呼ばれたとか。


ちなみに、デラーズ紛争のスコアはMS16機(試作2号機を含む)、MA1機、ムサイ4隻、ザンジバル1隻、コムサイ1隻。
短期間でこのスコアは、搭乗機がガンダムだったとは言え、彼のパイロットとしての素質・急速な成長がうかがえる。


0083 REBELLIONではナイメーヘン士官学校時代も描かれており、キースを自分の無茶に振り回したりしていたらしい。
キース側はまんざらでもなく、親友であり悪友でもあったようだ。

キンバライト基地攻防戦後、戦果やミラーの報告から1号機のパイロットとして上層部から疑問を持たれてしまい、
シナプスの任命責任と併せて査問会に掛けられ、モンシアと交代する形でガンダムを降ろされかけるが、
キースがいち早く上層部によってスケープゴートにされかけている事に気付いた事によるバニングの仲裁と、サンダースの気遣いとモーラの説得を受けたニナによって
「モンシアよりコウの方が1号機の限界性能を引き出している」という報告が上げられた事で事無きを得た。
なお、テリー・サンダースJrと邂逅した際にシロー・アマダの面影を重ねられており、真っ直ぐな眼差しがそっくりらしい(本人がコウに言う事は無かったが)。
0083 REBELLIONではこの後もOVAと異なる展開になる場面があり、7巻ではケリィ・レズナーがらみの展開が大きく異なってくることになる。


ゲームでの活躍

UCのオールドタイプ主人公という括りでは人気・知名度のある方で出番も多め。

ガンダムVSガンダム

コスト2000の試作三号機ステイメンと、
コスト1000(2000)の試作一号機/fbで登場。

ステイメンは実弾を豊富に使った弾幕メーカー。
メイン武装のフォールティングバズーカは二発同時に撃つので相手をダウンさせやすい。
サブ射撃、特殊射撃ではどこからもなくコンテナを召喚、ミサイルの雨を降らせる。
大型ミサイルは威力が高いが誘導が弱い。
マイクロミサイルはなかなかの誘導と大量のミサイルを放つ。
特殊格闘は爆導索。回避しながら爆導索をひっぱり爆発させる。格闘押しっぱなしでぐいぐいひっぱれる。
援護機体として初心者〜上級者まで幅広く対応できる良機体。

試作一号機はコスト変動型。一度撃墜されるとfbに乗り換わる。
試作一号機はマシンガンをメインとする。
中でも特殊射撃は手軽に弾幕を張れるためオススメ。
fbはビームライフルがメインとなる。
ちなみに一号機にはもれなくニナがついてくる。いちいちうるさい。
コスト調整がシビアな機体。

NEXT

武装は変わらないが3号機→NDでブライトさんも納得の弾幕が張れる。
弾幕はたくさん張れて、奪ダウン力は全機体随一だが、追撃が決まらないため、ダメージレースで負ける事もしばしば。
対戦では片方の敵をダウンさせて、どれだけ2対1の状況に持ち込めるかで勝負が決まる。
しかも、前作と比べ弾数低下と火力低下によって初心者は扱い難い機体に。

EXTREME.VS

試作一号機で参戦。今回は最初からフルバーニアン。
前作シリーズまでと異なりニナと通信しているような素振りはないため、世代を超えた機体への感想は少なめ。他機体との掛け合いも試作二号機のガトーくらいしかなく、なんというか不憫。
EXバーストのカットインでは原作のような深い皺を刻んだ渋い顔を見せる。
後に試作三号機が実装されるとこちらでも登場。
更にボス機体としてデンドロビウム搭乗版でも登場する。
丁寧な事にこちらでもカットインが異なり、股下から覗くようなカットインになっている。

EXVS2

キャラクターグラフィックが変更。
試作一号機の時は新米兵士らしい幼さが垣間見え、試作三号機版は歴戦の兵士らしい顔つきになった。
ちなみにEXVS2からは同時期であればグラフィックを統一させるように変更されている中でのこの待遇なので、かなり良い待遇といえる。
ただし台詞は新録されていないので、掛け合いは相変わらず乏しい。

スパロボシリーズ

ニュータイプ無双のウインキー時代は能力面や愛機の性能など不遇だった(SFC版の「第三次」だけは命中こそ低いが攻撃力が高く、割と強い)が、64やα以降は能力が見直され第一線を張れるパイロットになった。
乗機のデンドロビウムはサイズが大きい為に高い回避を活かし難く、それを補うはずの火力と耐久力はスーパー系に勝てず……とやや中途半端な立ち位置。基本的に宇宙専用なのも辛いところ。
よくニンジン嫌いの事を弄られる。
αシリーズでは新兵から歴戦の勇者へと成長していく姿が描かれており、年下の新兵パイロットを叱咤激励する役目を多くもらえる。ちなみにその指導方法はモンシア曰く「俺より厳しい」とのこと。
X-Ωでは原作終了後の彼が主人公のストーリーがあり、リガ・ミリティアの子供たちやヤザンと仲良くなっていた。

Gジェネ

高くバランスの良い射撃・格闘・回避値を持ち、こちらも主力として活躍できる。
ただ指揮値は高くないので隊長には向かず。
ウォーズからは固有スキルである“幻の撃墜王"が追加され、サイズXL以上の大型ユニットに搭乗すると機体性能が爆発的に上がる。試作3号機はもちろんの事、ディープストライカーにミーティアやGNアーマー、更にはデビルガンダムでさえも効果の対象である。
OWではなんと戦艦も効果対象になったが、適用されるのが艦長時のみで指揮の低さが足を引っ張るのでリーダーに設定して大型ユニットに乗せた方が運用しやすい。

GジェネNEOではガトーと絡むのはSTAGE4の『終わりなき追撃』だけ。
ここでガトーを逃してしまうと「トリントン基地にもっと警備が必要」ということでバニングやキースやクリスとともに別れガトー追撃任務はプレイヤー部隊に委ねることになってしまうし、逆にガトーが駆るGP02の撃破に成功するとその時点でガトーは戦死しデラーズフリートは戦略が破綻して物語からフェードアウトしコウたちは「初陣でもひるまずに戦えてガトー討伐に貢献した」という点を誇りに自軍に加入するため全体的に彼の扱いはあっさり。
むしろどのルートでも最終局面までいる初期メンかつ狂言回しとそれに対するツッコミということで、モンシア・ベイト・アデルのほうが出番は多い。
原作主人公のコウより彼らの方が優遇されている数少ない作品である。
能力的にはNT値がないカミーユといった感じで後半にジュドープルが加入するとスタメン入りは難しくなる。

ギレンの野望シリーズ

原作通り、基本的には一年戦争後の第2部で登場する。GPシリーズのイベントである「ガンダム開発計画」関連に登場が絡むことも。
アニメガンダムの主役タイプに多い、「初期値は未熟だが急速に伸びていく」タイプの成長曲線を持つ。
能力値は宿敵ガトーには一歩も二歩も及ばないが、最終的にはジェリドやバニングと同レベルの能力なので、連邦軍のオールドタイプとしては十分上位クラスに位置する(ジオン側だとバーニィあたりがほぼ同じ能力値)。
デンドロビウムに搭乗経験があるせいかMA適性も高いという利点もあるが、唯一指揮関係の能力が全然伸びないのが欠点。
0083イベントが終わった後はティターンズや、地球連邦に所属する。能力が高い事もあってガンダムタイプを任せられるだろう。
アクシズの脅威Vではメカオタクや設計者が集う「テム・レイ軍」に所属したり、ザクⅠと戦闘すると「ス、スゲェ…」と漏らしたりする。


余談

最大の敵はニンジンである。キャロットである。ブロッコリーがどうかは不明。
劇場版公開時に配布された冊子によると、コロニー落としで両親は死亡しているらしい……がその割にはジオンに対して悪感情を抱いたり、コロニー落としに対して感情を露にするような描写がないのであくまで初期設定で本編では反映されていないと捉えた方が良さげ*3





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最終更新:2024年04月19日 12:05

*1 ちなみにニナはこのときガトーに腹パンされて気絶していた。

*2 コロニーの阻止限界点突破前にコロニーに気を取られた隙を突かれている。

*3 実際にこの情報が載っている冊子ではキースの名前が異なっていたり、デラーズがサープラス・ビットなる名前で35歳だったりと現在の設定と食い違う記述も多い。