デベロッパーズ Developers 機動戦士ガンダム Before One Year War

登録日 :2012/06/13(水) 18:37:53
更新日 : 2015/12/27 Sun 00:28:35
所要時間 :約 4 分で読めます




ガンダムの漫画作品のひとつ。
「ガンダムエース」誌上で2001年12月号から2003年10月号まで連載された。単行本は全1巻。
作者は「 黒鷺死体宅配便 」の山崎峰水。


人類初のMSとされるザクⅠが完成するまでを描いた物語であり、ジオニック社の下請けである小さな町工場ホシオカが様々な困難にぶつかりながらも開発に奮闘していくというある意味「プロジェクトX」のようなお話。

作中から来る雰囲気はどことなく田舎っぽいので未来の宇宙都市が舞台という感じはあまりない。
なお作者は日本の下町みたいにしようと本気で思っていたらしい。



[あらすじ]
一年戦争が起こる何年か前、ジオニック社の社員であるテオ・パジトノフは新型作業機械であるモビルスーツの開発委託のため、あるコロニーの町工場ホシオカを訪れていた。
そしてこの時から未知の機械であるモビルスーツを完成させるため、彼らの戦いが始まるのであった…



[主要登場人物]
  • テオ・パジノトフ
主人公その1。ジオニック社からの出向社員。ホシオカの面々に振り回されつつもやがて感化されていく。
一応機密プロジェクトであるMSの外注開発主任なのだが失言が多く、ジオニック社の(ひいてはジオン公国の)人材不足を表している。
ちなみにジオニック社が新型機の開発という重要な業務を(一部とはいえ)外注した理由は「核融合炉内蔵の作業機械」という一筋縄でいかない代物に対し、ジオニック本社も及び腰であったためらしい。
頼りなさそうな印象に反し、ホシオカをプロジェクトから外そうとする上司を説得するため、ホシオカの機体を軍のコンペに(こっそり)参加させるなど侮れないところがある。
日本酒に弱く、脱ぎ上戸。


  • ミオン・ホシオカ
主人公その2。ホシオカの社長令嬢。活発で負けず嫌いな性格。
ちなみに仕事を受けた動機は「このメカ (MS) に乗りたいと思った」からであり 世界初のMSオペレーターとなった。 またシミュレータの記録を1日でほぼ全て塗り替えるなど適正はかなりのものであり、U.C.0075年の教導機動大隊の 模範データになっている。
なお上達するほどシミュレータでの訓練を繰り返した理由は 熱によるダイエット が出来る、というものであり、記録を塗り替えた時はあまりの暑さに 下着姿 だった。


  • ゲンザブロウ・ホシオカ
ホシオカの社長。江戸っ子の職人気質な性格であり、会社の建て直しのためMS開発を引き受けた。
「変な物を納品するわけにはいかない」とかなりの誇りと技術を持つが、試作機を勝手に屋外に持ち出したり機密事項をあっさりバラすなど良くも悪くも隠し事の出来ない性格(これが原因で一度下請けから外された)。
口癖は「俺の祖国では〇〇」で、日本の諺や習慣が方々で登場する。


  • ヤス・ニシカワ
ホシオカのメカニック開発担当。
見た目はヤクザっぽいがかなりのアイディアマンであり彼の指摘や提案で活路が開けたシーンも多い。


  • オバちゃん
田舎にいそうなオバちゃん。よく煎餅などのお菓子を食べているが、その大半は無許可の輸入品(= 密輸品 )らしい。
ミノフスキー粒子の影響で電波障害が発生した時には苦肉の策として伝言を提案した。
またギレンを「目つきが悪い」として好んでいない。


  • オジイちゃん達
頼もしい技術者。
お茶やおやつがないと仕事をしないが、マイクロチップのオングストローム単位の修正を難なくこなしたり、パスの偽造を一晩で行うなど長年の経験と勘が凄まじい人たち。まさに高性能じいちゃんズ。
ちなみにジオニックの社員の一人は「この爺さん量産したほうが良くないか? クローンで…」と発言している。


  • 部長
テオの上司。典型的な中間管理職。
ホシオカの素行を問題視して一度切り離すが、最終的にはホシオカの機体がコンペで勝ったためテオに押し切られる形で彼らを認めた。
ちなみにホシオカがプロジェクトから外されかけたのは、ゲンザブロウから機密を手にしたジャーナリストがジオニック社の重役を脅迫したためであり、その判断自体は当然と言えるものだった。


  • エリオット・レム
ジオニック社のMS開発主任でテストパイロット。ホシオカを高く評価してコンペの段取りを行う。
またミオンの失礼な物言いにも笑って流すなど器の大きい人。
後にMSの基礎を作った人として歴史に名を残した。
なおジオンの隊長印としてツノを提案したのは彼(といっても、軍がうるさかったのでとりあえず付けたのだが)。


ご存知ザビ家の長男。終盤で本格的に登場し、ホシオカの機体に感嘆する。
またMSシミュレーターの操縦もやっていたらしい。



作中では彼らはMSをあくまで作業機械として作っており、兵器を作っているような悲壮感はまったくない。
現行ではMSは兵器として注目されるのがほとんどだが、元々は作業機械であって戦闘がすべてではないということを再認識させてくれる作品であり、それが兵器、つまり人殺しの道具として発展していくと思うと却ってやりきれないものがある。
00」のサキブレのように作業機として回帰すればまだ救いはあるが…

だが、洗濯やお茶汲み等の動作のデータを取ったり牛を手づかみで運ぶといった「」を彷彿とさせるようなシーンもあり、遥か未来にMSをそのような事に使った少年が現れたことを思えば彼らの想いも報われたと言えるだろう。




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